図書室の海 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 812
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234168

感想・レビュー・書評

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  • ゾクッとするの、あまり得意ではない。カラダとココロが縮こまるから。得体が知れないものとか、あとは読み手が勝手に想像して!みたいのは怖い余韻が残っちゃうんだよな。そのなかで「オデュッセイア」は安心して読めた。「ハウルの動く城」のもっともっと大きな規模だけど。あとは、「図書館の海」だ。サヨコの話が出てきたときはドキドキしたけど、そっちに展開していかなかったからよかった。

    恩田陸を知ったのは、「夜のピクニック」だ。青春ものだとばかり思って読んだら結構、重かった。ちょっと闇のある物語が得意なのかな。オイラはちょっと苦手だけど。

  • どれも続きが読みたくなるような短編集。

    実際に長編になっており「イサオ・オサリヴァンを捜して」の本編?「夜の底は柔らかな幻」と「ピクニックの準備」の本編の「夜のピクニック」は読んでみたいものだ

  • 2014年、読みおさめの一冊(笑)

    有名なタイトルなので、手に取らなくてはと思いながらも先延ばしにしてしまった。

    『夜のピクニック』•『六番目の小夜子』(こちらはまだ未読、いつになるやら)を読んだ人はきっと嬉しい短編集。

    個人的には「睡蓮」が好き。
    桜の木の下には死体が埋まっているといったのは梶井基次郎だったか。睡蓮もそうだという。
    女の子の美に対する嗅覚の鋭さにはドキっとするときがある。劣等感と、嫉妬心。
    そういうものの描き方が上手いな、と感じた。

    いろんなテイストの話が織り混ざっていて、楽しく(時にはぞくっと)読み終えられた。

  • 短編というよりは長編で読みたくなった。後書きのこの本は恩田陸作品の予告映画という意見に同感。

  • 番外編を目当てに買ったが、それ以外の方が引き込まれた。
    番外編で個人的に1番よかったのは表題作の図書室の海かなー。
    十六番目のサヨコをまた読み返したくなり、また映像を見たくなった!

  • いわゆる恩田陸ワールド満載の一冊。短編集。
    今までに書かれた長編のなごり、きれはし、昇華とこれから書かれるだろう物語の暗示、予感だろう。

    それらしき思い当たりがあるのがある。私がまだ読んでいないのもは分からないし、読んだのもぼやっとしているが、これから巡り会う楽しみがある。

    不思議だな、恩田陸の作品は「いつでも、どこでもない」場所で起きる事象。東北の一地方のような気がするが、雰囲気がモダンでしゃれていて、いつか行ったような土地、過ごしたような時間、会ったような人々が登場する。宮沢賢治もそうだった、やはり東北系。

    以下の一口感想は、私の思い違いもあるかも。

    「春よ、こい」…古今和歌集紀貫之の歌が懐かしい。時間旅行のだんだら模様。

    「茶色の小壜」…「木曜組曲」系っぽい。女の嫉妬?

    「イサオ・オサリヴァンを捜して」…「ライオンハート」系。

    「睡蓮」…これはあきらかに「三月は深き紅...」シリーズ。

    「ある映画の記憶」…恩田さんには珍しく、松本清張を彷彿させた。私好きだ。

    「ピクニックの準備」…高校時代の長距離歩行訓練行事。昔から歩けるところがある田舎に多い学校行事。都会では無理。だから郷愁を誘う。と思っていたらなんだか事件が…続きが読みたい。

    「国境の南」…驚愕の結末。うっ。

    「オデュッセイア」…人間のはじまりは宇宙からやってきた?移動する空想的な物体。

    「図書室の海」…「六番目の小夜子」に決ってる。

    「ノスタルジア」…突拍子もないが源氏物語の「雨夜の品定め」を思い出した。


    以上恩田さんの「あとがき」を読む前に感想を書いた。「あとがき」を読んで納得。さらに解説を読んだら「予告編」とあった。うまいことをいう。

    プロモーション本という体裁。ファンには垂涎(すいえん)物。

    ところで恩田さんの本「きょとん」とするとか、「デジャ・ヴ」という言葉が多く登場するね。

  • 短編10編を集めた本ですが、他の長編作品のスピン・オフを多く含んでいます。

    「睡蓮」は、『麦の海に沈む果実』(講談社)に登場する水野理瀬の幼年時代を描いたもの。「ピクニックの準備」は、『夜のピクニック』(新潮文庫)の予告編。「図書室の海」は、『六番目の小夜子』(新潮文庫)の番外編になっています。また、「イサオ・オサリヴァンを捜して」は、大長編SF『グリーンスリーブス』の予告編ということですが、本編はまだ刊行されておらず、もう一つのスピン・オフ作品である『夜の底は柔らかな幻』上下巻(文芸春秋)が先に刊行されています。

    卒業の季節に何度もくり返し出会うニ人を描いた「春よ、こい」と、旅する城塞都市ココロコを描いた「オデュッセイア」が、とくに印象的でした。喫茶店で、客に出すコーヒーに砒素を入れ続けていたマスターとウェイトレスについての物語である「国境の南」は、幻想色が濃厚に立ち込めたサスペンス小説で、いかにも著者らしい作品だと感じました。この著者は、短編のほうがずっと作品が多いような気がします。

  • 『六番目の小夜子』の番外編が収録されているということで借りてみました!関根くんのお姉さんのお話で後輩2人のやりとりが微笑ましかったです。
    その他の短編ではちょっとホラー要素があるものが多くドキドキしながら読みましたが、ホラーが苦手な私でも楽しく読み終えることができました。
    この中の物語では『国境の南』が好きです。外食するのが怖くなっちゃうけど笑

  • 短編集
    上手く表現出来ないが、不思議な余韻の残るお話が多かった。
    夜のピクニックが未読なので、読んでみたい気持ちになった。

  • 高校生の頃に読んだ『夜のピクニック』の番外編が読みたくなって購入。
    図書室の海とオデュッセイアが良かった。
    夜のピクニックも久しぶりにまた読みたい。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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