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この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
単行本は1977年の刊行。ルポライターとして活躍していた沢木さんが、昭和40年代を中心に取材してルポした8編がおさめられています。一体のミイラと英語まじりのノートを残して餓死した老女の過去を追った「おばあさんが死んだ」、屑の仕切り屋の日常を描いた「屑の世界」など、生きることや人生について、改めて考えさせられてしまうものばかり。登場人物がまた個性的な人ばかりで、どんどん引き込まれてしまいます。30年以上も昔の話なので社会状況はかなり変化していますが、今の世情と比較しながら読むのも一興。与那国島の海の向こうに見える巨大な島影が台湾だと聞いて“外国”を意識したという「視えない共和国」。深夜特急を読んだ人は思わず「これか」とつぶやくでしょう。
枕元において一ヶ月ほど読み続けた。現在の沢木さんの文体とかなり異なる印象。読むのに苦労したというのが正直な感想。
普段あまり読まないノンフィクション。とても引き込まれた。
20代でこんなものを書いた沢木耕太郎という人物に興味が湧いた。なんだかかっこいいなぁ。
この本には、8編のルポタージュが収められている。俺は、その中の「不敬列伝」という、戦後、昭和天皇に対して、不敬をした人々の人生を追ったルポタージュに興味がありこの本を読んでみたのだが、「不敬列伝」以外のルポタージュも全て興味深く読めた。興味深かった幾つかを以下に書いていく。 「棄てられた女たちのユートピア」、これは、千葉県の館山にある「かにた婦人の村」という、元売春婦達の養護施設、そこの入所... 続きを読む »
母にすすめられて、初めて読んだ沢木さんの本。深夜特急を別とすれば、この本から入るというのは悪くないと思う。
★格好良すぎるだろう★1977年の書籍だけに取り上げたトピックは時代を感じさせ、「ゆきゆきて、神軍」の奥崎謙三の取材があるのには歴史的な本とすら思った。だが、文章の書きぶりには古さを全く感じない。やたらと自分が出てくるノンフィクションは「格好つけ」に思えてあまり好きではないが、目の付けどころと違和感は今でも新鮮だ。たとえば不敬者の言動から反射させる天皇制の見えなさ、相場から逃げられない男に抱く(無責任な)共感。やはりうまい。
窮乏者、元売春婦、辺境の孤島に住む人々、鉄くずの仕切り屋、革命家、詐欺師…。この本に出てくる人たちはいわゆる「日のあたらない場所」にいることが多いのですが、彼らを見つめる作者のまなざしが優しいです。 つい最近知ったことですが、この本に書かれていることが映画になったんですってね。だからここで取り上げるわけではありませんが、この本には非常に思い入れの深いものがあります。窮乏者、元売春婦、辺境の孤... 続きを読む »
それは、ワカモノが身一つで旅をする、現地の人や風土に飛び込んで騙されたり熱を出したり気にかけてもらったりしながら何かを(時には自分自身とやらを?)発見していく、「深夜特急」で有名になるずっと前。 大学を出たばかりの、まだほとんど何者でもない沢木耕太郎が見つめていたのは、”普通の”人々だった。 かなり初期の作品集。「おばあさんが死んだ」ほか全8本収録。 当時はまだノンフィクションという言い... 続きを読む »
舞台は30年前の日本の"辺境"。これぞルポ、と唸らせる舞台設定、風景の切り取り方。その中にあって、題材や対象のキャッチーさより、目の前の人への深く優しい考察が先に立っていることに心打たれる。相場師、仕切り屋のエピソードが特に心に残った。
なんといっても、沢木さんの魅力。20代半ばで、この感性、この文章とは。
上品な老女の皮をかぶった天才詐欺師のあざやかな手口をあかす「鏡の調書」や、ゴミ屋敷に住む老婆がのこした奇妙な日記からその波瀾万丈な半生を紐解く「おばあさんが死んだ」ゴミをひろって生きる屑屋とホームレスの友情、かれらと行政との闘争「屑の世界」など、浮き世の荒波を浮遊する、すこし風変わりな人々をえがく傑作ルポルタージュ8編。とくに印象的だったのは社会復帰の望めない、元売春婦たちを収容する房総半島の養護... 続きを読む »
取材に基づいた第三者の話を書いているのに、ここまで作者の存在を消せるものなのかと、驚いた。かといって、ただの記事ではなくて、読み物として本当に面白い。
ルポライターである沢木さんの、現実のお話。沖縄の与那国や北海道の島の、近隣国との非常に密な関係や、売春婦達の村のお話など、非常に中身の詰まった本だった。これがつい最近までの話だなんて。
一体のミイラと英語まじりの奇妙なノートを残して餓死した老女の過去を追う「おばあさんが死んだ」
もと売春婦だった人たちの養護施設の中での暮らしを描いた「捨てられた女たちのユートピア」
戦後、天皇に対する「事件」起こした人たちのその後、「不敬列伝」
商品相場にとりつかれて戦い続ける男たち「鼠たちの祭」
十数人もの相手から600万円もの詐欺を働いていた83歳の老女「鏡の調書」など…
ルポタージュ8編。
「おばあさんが死んだ」から「鏡の調書」に至る8編は、追放されてしまった人々の悲哀をやさしさ、あたたかさ、悲しさ、そして厳しさでもって描かれています。
事実は小説よりも奇なり
全8編のルポルタージュ。
自分が生まれるよりずっと前の出来事だけど、
今読んでも全然古臭くなく良かった。
「棄てられた女たちのユートピア」が印象に残った。
10/04/30読了 この人の書いた本でハズレを引いたことってないかも。引きずり込まれていく感じが心地よい。
おそらく、ファースト沢木本です。沢木さんが『深夜特急』やスポーツライティングの書き手としてドカンと位置づけられる以前の、社会問題を扱ったルポルタージュ集です。 社会の誰もにものすごいインパクトを与える事件ではなくても、深く知っていけばショックを受ける事件を扱っています。最初の1編「おばあさんが死んだ」では、今でいうところのゴミ屋敷で孤独死した老女の家からもう1体、それもミイラ化した死体が出て... 続きを読む »
沢木耕太郎というか、ルポルタージュというものが以前はあまり好きではなかった。
他人が土足で無神経に踏み込んでいって、なんの権利があってそんなことを言えるのだ
と、軽い怒りさえ覚えたこともあった。
ただ、この本を書いた沢木耕太郎という人は、
すこし暖かい心の人だった。

久しぶりに出会った時間を忘れるほど熱中した本。
どの話も実際にあった話であるためかぐいぐい引き込まれてゆく。
いくつか真相がはっきりしない点があり、その部分が気になるがノンフィクションであることを...





