バーボン・ストリート (新潮文庫)

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著者 : 沢木耕太郎
  • 新潮社 (1989年5月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235042

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バーボン・ストリート (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 関口良雄の『昔日の客』という渋い装丁のエッセイを読んでいたら、関口さんが登場すると言うエッセイがあるとのことでお借りする。沢木耕太郎はアンソロジーでよんだことしかなかったんだけれど文章もうまいし面白いね。

  • かっこいい男といえば、沢木耕太郎である。切れのよい文章、渇いた感性、、、本当に素晴らしい。RPパーカーが好きだとは知らなかった。パーカーってけっこう古い人なんですね。

  • 山の中で方向を知るにはどうしたらいいかという文章を読んだことがあった。星が出ていたら星で知る。星のないような夜だったらどうするか。木にさわってみればいい、肌のつるつるしている方が南で、苔が生えている方が北だから、というのだ。熊狩りをするアイヌの狩人の智恵であるらしく、同じく山で野宿をする時の焚き火には枯れ木を使わないといったことも記されていた。ヤチダモとかアオダモとかの生木を使っておくと燃え終わっても灰にならう燠になっていて、夜中に目が覚めた時でも最初から火を起こさなくてもすむというのだ。

    (P.183-184)

    若者は常に退屈している。昭和三十年代の石原慎太郎の小説の登場人物も、常に何か面白いことはないかと叫んでいたような気がするし、四十年代の私だっていつもそう思っていた。退屈で退屈でたまらなかった。すべきことはいくらもあるのに、もっと面白いことはないかと思い続けていた。だから、私はよく街をうろついた。(中略)

    「テレビは強制的に貴重な時間を奪う。貴重な、というのは、その時間にすばらしいことができるのに、というのではない。退屈で不安な時を奪うからこそ、テレビは敵なのだ。退屈で不安だから、人は何かを考え、作ろうとする。」

    (中略)

    退屈も捨てたものではないのだ。いや、それどころか、退屈はできる時に深く、徹底的に味わっておくべきなのかもしれないのだ。退屈こそ若者の特権だといえなくもない。

    (P. 195-196)

  • いろいろなよもやま話が詰まった本。
    ルポライターだけあってすごく鋭い。
    1番面白かったのは井上陽水の歌の話。
    まさかワカンナイという歌はこんないきさつでできたのか。
    ほんとバーボンとよく合いそうな話が多い。

  • 軽く読んでいけるエッセイ集。
    宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を元に「ワカンナイ」という曲を作った井上陽水の話が面白かったのと、退屈を真に味わうことができるのは若者の特権という説が印象に残っている。

  • 沢木耕太郎さん好きなんですが、私自身、格闘技や競馬といった男性好み(?)のスポーツに興味がないので、そういう話になるといつも親しいけれど恋愛感情は持っていない異性が熱く語ってるのを聞き流すかの如く右から左へと流し読みしてしまうのです。でもとっても楽しそうに熱く語っているので、「好きなんだなぁ」ってなんかこちらまで嬉しくなってくるし、本や映画やお酒なんかの話もこれでもかと言う程豊かに拡げていくから、その教養の広さと深さに感嘆する。数ある作のうちでも著者と対話してるような気持にさせてくれる本。挿絵も素敵。【キーワードメモ】トム・ソーヤ―のポケット/井上陽水と宮沢賢治/有楽座/古本屋の「白っぽい本」

  • ネタは若干古い所もあるがためになったり、感心させられるところの多い名エッセイですね。アスリートインタビューから記事になるときの記者の創作は本当だろうか?いずれにしても笑えました。

  • 「昔日の客」という、古書店「山王書房」店主、関口良雄氏の幻の随筆集についての話があると聞いて読んだんですが、ほんの最後の一節だけでした。

    うーん。

  • 『深夜特急』の沢木耕太郎による、1984年発表のエッセイ集(1989年文庫化)。1985年の第1回講談社エッセイ賞を受賞している。
    沢木氏は、本作品発表時点で既に、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞(1979年)、『一瞬の夏』で新田次郎文学賞(1982年)を受賞しており、「ニュー・ジャーナリズムの旗手」と注目を集めつつあった。
    沢木氏は、この後もノンフィクション作品のほか多数のエッセイを発表していくが、他の著者のものと最も異なるのは、ひとつのテーマを持ったエッセイの中で複数のエピソードが絶妙な絡みをもって語られることであろう。最初に提示されたエピソードから、いつの間にか魔法の絨毯にでも乗ったように他のエピソードへ飛んでいくのだが、最後には自然にまた元の場所へ立ち戻っている。
    テーマは、スポーツ、映画、ハードボイルド、ギャンブル。。。
    バーボンでほろ酔いになるような、なんとも言えない心地よさを味わえる作品である。
    (2013年1月了)

  • かっこいい、シブい作品でした。昭和のにおいを感じつつも新鮮な気持ちで読了。最後の古本屋さんのエッセイでは様々な思いが過りました。2年半前に他界した叔父が古本屋を営んでいて、遊びに行くといろんな本(もちろん商品)を見せてくれた。私の読書好きは叔父からもらった古本が始まりといっても過言でないでしょう。すばらしい本を教えてくれた伯父との別れの日は、涙が止まらなかったな。。。と、話は逸れましたが。。。図書館で借りた本でしたので、購入して熟読してみたいと思いました。

  • 読もう読もうと思ってはや十数年w
    ようやく読みました。
    こういうのを読んでいると男って本当に馬鹿だなあ、と思う。
    自分の流儀とかあり方とか行動様式とかそういうものにこだわって自分を縛ってるところがあるなあ、と。
    そういう不合理な生き物なんだなあ、と。
    昨今、自分も含めそういうところを合理的に割り切るようになっていてそれはそれでいいんだけど、なんとなく味気なくなっているのでありますなあ。
    ボギー、ボギー、あんたの時代は良かった。
    男がピカピカの気障でいられた

  • ハワイへの往復便で読む。

    お酒を飲みながら著者が友人・知人と語った話をもとにかかれた小粋なエッセイ集。

    読みやすく、著者の独特の目線で見る様々な物事がとても楽しめた。

    また、どこかの旅のお供にしたい一冊。

  • ウィットに富んだ小気味のよい文章だ。若干のクセのある口当たりと、圓やかに軽やかに流れる流れていく。そして「あとがき」で書かれた「バーボン・ストリート」の由来がいい。無関係を意識した結果、良質なバーボンのようなエッセイになっている。

    「深夜特急」や「凍」で沢木耕太郎の卓越たる筆力はわかっていたが、本書はまた別の味わいがある。「わからない」「風がみえたら」で描かた一流のミュージシャンやアスリートの感覚を捉えた感性、「退屈の応用」の哲学的推敲は、特に際立っている。

  • 2014年35冊目「バーボン・ストリート」読了。

    なぜこの本を読もうと思ったのか?

    私が図書館に推薦して入れてもらった本であることは間違いない。しかし、なぜこの本を読みたいと思ったのかが思い出せないのである。たぶん、何かしらの本の中で紹介されていたのだろうということで気持ちを落ち着かせてみるが、気になってしまったものを抑えるのは意外に大変なのものだ。

    なんて感じで、沢木耕太郎風に書いてみる(笑)

    初めての沢木耕太郎。粋な文章でカッコよさがにじみ出ているエッセイだった。特に「退屈の効用」については共感することが多い。いろんな視点から読める。

    ----------(以下抜粋)----------

    「なんか面白いことはねえかな」

    ふたりは退屈しきっているようだった。何度も、つまらない、面白いことはないか、と言い合っていた。それを聞きながら、変わらないな、と思った。彼らの台詞がいつの時代の若者にも共通のものだったからだ。若者は常に退屈している。…退屈で退屈でたまらなかった。すべきことはいくらでもあるのに、もっと面白いものはないかと思いつづけていた。だから、私はよく街をうろついた。…しかし、そうやっていて、面白いことにぶち当たったためしがない。今になれば、世の中にそんなに面白いことがころがっているはずがないと理解できる。たまに面白いことにぶつかるから面白いのであって、しょっちゅう面白いことの渦中にいたらさごど面白くないにちがいない。つまらなくて退屈なのが常態なのだ。そもそも、退屈というのが、そう悪くないものなのだ。

    --------------------------------

    こういうエッセイをかける人というのは(最近覚えた)メタ認知能力が非常に高いのだろうと感じる。常に自分の思考や行動を俯瞰できるというか、日常生活の中での気づきを常に持っているというか、何というか…。私自身もともとメタ認知がどういうものかよくわかっていないので上手く表現できないが、自分のことをもう一人の自分が見ているような感じをさらに粋な文章で表現できるところにカッコよさを感じる。そんな一冊。

    (一番驚いたのは、ちょいちょい出てくる登場人物が超大物ばかりってことだったり)

  • めちゃくちゃいいな。
    スカッと爽やかサワコーラ

  • 四半世紀前のエッセイ.

  • 久しぶりの沢木耕太郎、再読。けしてカッコつけていないがクールで静寂な雰囲気。実際にあった話を物語として十分に読めるよう構成し、余分な文章を削り取って推敲し、読ませる文章力に感服。若い時にほとんど読んだが、もう一度読み返したくなった。30歳前半に読んで触発され旅に出たが、50歳を過ぎて読む、深夜特急はどんな感情になるのだろうか?

  • 書かれた時代が一昔前だがらこそ、
    当時の世相が垣間見えて面白い。

  • 一気読み。酒飲みながら読むにはもってこいの、おもしろさ。この人の書く文章は内容は、はたから見たら相当に気取っているようなことなのだけど、なぜかスラスラと嫌味なく読ませるし、彼の見ている明瞭な視野にすっとなじめて、読後感もさわやかだ。寺山修司夫人の言うコカコーラみたいな人、とはなんとも言い得て妙なのだろう。さて、バーボンでも飲みながらレイモンドチャンドラーが読みたくなってきた。

  • 「ぼくも散歩と古本が好き」での、山王書房の親父さん。“いき”である。 また、《彼》として語られた高倉健のエピソードが染み入り、健さんのエッセイを読むキッカケにもなった。 バーボンのように、じんわり後味が出て来るこの本は、ちびちびと再読する予感もある。

  • ノンフィクション・ライターの横顔ををのぞかせながら、
    前後左右裏表、さまざまな切り口からテーマを、
    味わいのある寄り道をはさみ、料理しています。

    スポーツ紙の言葉づかい、
    小説や映画に見る男にとっての巡り会い、
    友人井上陽水に対するもの書きとしての矜持、
    男のポケットのあり方、
    古本屋の主人のこだわりと誠意 etc.

    30年近く前に書かれた男の匂いの香るエッセイです。

    「男の」と書くと、こだわりの上に男全体がこうあるべき、といった主義主張、押しつけがましさを想像しています。

    この本は「男の」というより沢木耕太郎個人の「俺の」と言い換えた方がぴったりです。

    かと思えば、言葉や小説・映画にまつわる文章では、
    「俺」の枠を超えて、男女の枠を超えて、
    読み手を納得させる視点を披露してくれます。

    時折、ニヤリの一歩手前、自然に口角を上げてしまうユーモアの濃度は、大人の世界のもの。

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