- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101235080
感想・レビュー・書評
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バックパックの旅も佳境に入る、第4巻シルクロード編。パキスタンからアフガニスタン、そしてイランの道中である。著者が旅慣れてきている。
本人も書いているが、貧乏旅行に慣れると同時に擦れてきてしまっていて、値切るのが当たり前となんでも値切ってみたり、本人も辟易としているようだ。でも彼は根が明るく社交的な性格らしくて、行く先々であらゆる人の助けを借りたり、子どもと遊んだり、バスで乗り合わせた人と会話をしている。
おんぼろバスの旅の様子が面白い。インドもパキスタンのバスも、スピードを出してぶつかる直前でかわす、という運転だそうで、読んでいるほうもヒヤヒヤしてしまう。
風景の描写や、本人の心情の描き方がまた上手く、とても読みやすい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中東を横断するようにシルクロードを西進する4巻は人との触れ合いが多い章だった。同じようなヒッピーや値段交渉をする店主などとのやり取りを読んでいると、沢木さんの感性の鋭さもあり、言葉以上の触れ合いをしているように感じた。
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2020.3rd
再読。☆×3
パキスタン〜アフガニスタン〜イラン
今まで興味を持ったことのある国がなかったので、あまり感情移入できない巻でした。 -
バックパッカーのバイブル本。本来の目的であるデリーからのバス旅がようやく始まり、本巻では陸路でパキスタン、アフガニスタン、イランまで巡る。
とにもかくにも、今では辿ることの難しい、ペシャワール→カブール→カンダハル→マシュハドのルートがかつて存在していたことすら驚いた。1970年代までアフガニスタンは旅人にとって楽園のような国と聞く。当時の面影を垣間見ることができただけでも、この本を読んだ価値があったと思う。ストーリー自体はバス移動とチャイハネでのお茶の繰り返しだが、風景や飲むお茶の変化から、西へ西へ移動している情景が伝わる。 -
イランに向けて4巻より読み始める。
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-p83より
-ヒッピー(お金が無い旅人)とは、人から親切を貰って生きていく物乞いなのかもしれない。
-人から親切によって与えられる食物や情報が、異国で生きていくために必須だということ。
-人々の親切が旅の目的そのものになっている。
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現地で物乞いに出会うこともあったが旅人そのものが物乞いであると言い表したこの文章に納得感を覚えた。 -
何か大きな出来事があるわけではないけれど、一つ一つの描写が色々な景色をイメージさせる。そんな本。5,6はいつ読もうかなあ…。
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主人公(著者)のモチベーションの低下を感じる。
インドを抜けた後は、バスの旅が延々と続くのだが、
アジアの電車旅のような、他の乗客とのやり取りも希薄。
日本人夫妻に会う件は面白かったが、それ以外はイマイチな印象。
ネガティブな発言も多くなってきた気がする。
西へ進み、町が近代化されてきたからかもしれないが。 -
* 乗合バスの描写が増えてくるが、言葉も通じない中で乗り込む密室空間での長距離移動という「この人たち信じるしかない」という独特の不安がうまく伝わってきて懐かしかった。なんだろう、乗合バスって、本当に乗ってる人みんな悪者に見えてくるんだよな。いつまでも安心してねれなかったなw
* 「人の親切が旅の目的になる」という表現がすごくグッときた。特に一人旅の場合は、絶景とかの感動はもちろんあるが、宿のおばちゃんがやさしかったとか、バーでおじさんがおごってくれたとか、通りすがりの人のほんの少しのつながりみたいなものに異常に感動しがちになる。逆になかなかそういった出会いがない時は、常にずっと寂しい気持ちになる。例え目的の景色が泣けるほど凄くても。
* 巻末の対談の中で、日本やアメリカは自分が何かを起こさないと何も始まらないが、東南アジアや南米では勝手にどんどん色々起こってしまう、と。これも心に残った。
* アメリカに留学したばかりの頃、社会人になって東京での一人暮らしを始めた頃、ある程度慣れてふと気を抜くと本当に何も起こらず、すぐに周りの世界から置いてけぼりになったような気分になっていた。チャンスを掴みに一人でやって来た新しい街で「何もおこんねーじゃねーか」と。逆にいうと最初は刺激ばかりでも、安心感は意外とすぐに手に入り、落ち着くことはできるんだけど。
* そういう意味でアジアや南米は「勝手に起こることの解決」にエネルギーを使うのに対し、日本やアメリカは「起こす」ことにエネルギーを使う。
* 僕が当時ひとり旅にやたら出かけてたのは半分くらいはエネルギーの使い方を変えたかった、というのもあるのかもしれないな。 -
From Youth to Death
「何が起こるか分からなかった場所からルーティンでも暮らしていける場所へ」という表現が何故だか印象に残った。