杯(カップ)―緑の海へ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235165

作品紹介・あらすじ

「最高のもの」に出会う-。自国を応援する楽しみと並ぶ、ワールドカップならではの喜び。自らを「アマチュア」と呼びながらも、W杯サッカーの魅力をそう喝破する著者は2002年、日韓を無数に往還した。東京、ソウル、済州島、横浜、光州…幾多のゲームの興奮を記すと同時に、旅人の視点から両国の土地と人間を深く静かに見つめた、汗と風の香り立つ異色の日韓W杯観戦記/漂流記。

感想・レビュー・書評

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  • 描写がとても細かく、沢木さんらしく旅の要素が入っておりとても面白かった。

  •  2018ロシアワールドカップの最中に2002日韓ワールドカップの記録を読むのも、また一興( ´ ▽ ` )ノ
    「破れざる者たち」+「深夜急行」といった趣で、スポーツ観戦記としても旅行日記としても楽しめた( ´ ▽ ` )ノ

     まるでインスタ姉ちゃんかと思うくらい、食ったもの(旅先の外食のみならず、自分で作った朝飯まで)をいちいち書き込んでたり、「パジャマがないと眠れない」なんてラブリーな告白をしたり、サワコーの意外な一面の発見もあった( ´ ▽ ` )ノ
     トルシエ(とその通訳。いまどうしてるんだか)が大っ嫌いということも、よくわかった( ´ ▽ ` )ノ

     日韓関係、将来の希望を匂わせてエピローグとしているけど、16年たったいま、むしろ悪化の一途をたどってるように感じる……(´ェ`)ン-…
     特に、今回のワールドカップをめぐる韓国の報道を聞かされると(公営放送のアナが日本を破ったベルギーに感謝の言葉を述べたとかなんとか)……(´ェ`)ン-…

     まあ、とにかく日本・韓国を行ったり来たり縦断横断、こんときいくつだったのか知らないけど、選手に負けぬ体力・集中力に感嘆した( ´ ▽ ` )ノ

    2018/07/09

  • 沢木耕太郎。大好きなノンフィクション作家さんでしたけど。。。
    日韓共催のワールドカップの観戦記です。普通、この手のノンフィクションならば、一般の人がテレビ等で見ることの出来ない裏事情などの情報を期待します。しかし、そうしたものが極端に少ないのです。紙面の多くはゲームの推移の記述と、ゲームからゲームへの移動の話に費やされます。ごく一部に移動の際に知り合った韓国人サポーターとの関わりがあり、その部分だけが僅かに興味を引くくらいです。
    沢木氏のデビューは鮮烈でした。私ノンフィクション。外部からの取材ではなく、自らが当事者になる形でゲームに入り込み、それを作品にまとめる。それに比べ、この作品はなんと表面的なことか。どうも頂けません。

  • 20121103 あれからもう10年経ったのか。ワールドカップも二回終わっている。当時の興奮が思い出された。この頃は竹島なんて話題にも無かったのに。問題の解決策をみつけられる本かも。

  • 2002日韓ワールドカップの熱が再現される。ベスト16とまりの日本とベスト4進出の韓国という歴然とした差を見せ付けられやはり暗澹とする。一方、4年サイクル、8年サイクルでその立ち位置がどう変わってきているかを検証すると現時点ではまんざら悪くない。マンUでの智星からシンジへの交代などを見ていると、未来への希望のも見えてくる。

  • 枕元においてゆっくり読んだ本。日韓ワールドカップを存分に楽しんだ沢木さん、彼も書いているように忙しいけれど上機嫌だったんだろうな〜。羨ましい。

  • 2011.1.20 読了

  • 最近、金子達仁を筆頭に
    俺の視点スゲー的な押し付け型評論が
    とてもウザイ。
    特に酷評していた日本が結果をだした南アフリカ大会は、
    論点のもっていき処がなく
    ヒドイ有り様だったと記憶。

    沢木さんの文章には
    観戦記、旅行記だから、というのもあるけど、分析にも押し付け感は微塵もなく、とても好感がもてる。

    起こったこと、
    見たこと、
    感じたことを、
    時系列にして
    飄々と記しているだけなのに、
    何故か引き込まれる。

    さすがに深夜特急の頃の
    エネルギッシュさは感じないが
    この人の書く文章はホント不思議だなあ。

  • 沢木耕太郎の文章はおもしろい。いつのまにかのめりこんで読んでいる自分にきづく。この、2002年日韓ワールド・カップを、韓国ソウル近郊の新村(シンチョン)にアパートを借りてまでして徹底取材したルポももちろん大変におもしろい。でも、☆は4つ。もし最終章の「春のソウル」がなくて、ブラジルが優勝し、韓国がトルコに敗れて4位に終わった、その前の章「杯<カップ>の行方」で終わっていたなら☆は5つ。なぜ、沢木耕太郎はこの「春のソウル」という、ほとんど意味のない下手な論説みたいな章を入れたのであろうか。悔やまれる。トルシエが嫌いだった事は、こんな章であらためて言わなくても、それまでの記事で十分わかったよ。なんともこのような「理屈」で、感動のワールドカップに水をささないで欲しかった。判っていれば最終章は読まなかった。でも実際はそうは行かないけど。読まなきゃどうだか判らない。読む前から判っているなら、本自体読まね!すまぬ。

  • 沢木耕太郎による、2002年の日韓共同開催ワールドカップ観戦記兼旅行記です。とにかく開催期間中、日本と韓国の間を、飛行機を使い船を使い、鉄道・バス・タクシーを使い駆け回ります。

    日本から見た韓国、そして韓国から見た日本という考えをもとに考察がなされていて、興味深い内容です。独特のクールな視線・視点が相変わらず冴えていますよ。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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