サマータイム (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101237329

感想・レビュー・書評

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  • 姉の佳奈と一つ下の僕が出会った、2つ年上の片腕の広一。三人のひと夏の物語。
    突然の雷雨や、佳奈の失敗したゼリー、夏の終わりにぴったりの話だった。
    センダくんのホワイトピアノはおばあちゃんという例えと、佳奈とのやりとりが良かった。

    自分が子供時代に我が家にもピアノがあった。姉とともにレッスンに行く度に嫌がり、結局自分だけは通わずに済んだ。
    にもかかわらず、発表会には正装させられていたな~。大人になってからは楽器が得意な友人を見ては、あの時習っておけばと後悔した。

  • 佐藤 多佳子さん、初めての本でした。ふわふわ、きらきらした文章で、全体的にキレイな印象。中身、よく分からずに読み始めたので、ストーリーが異なる短編が入ってるのかと思ったら、つながってたんですね。

    初めの物語に出てきた人物、それぞれが別々の年代の話しをしつつ、初めの話につながっていくという、手法としてはよくある形のものです。

    でも、なんというか、表現の仕方が難しいのですが、キラキラしてる感じがするんですね。タイトルになっている『サマータイム』は文字通りなんですが、ほんと、子供の頃の一夏の思い出って感じ。

    言葉の使い方なのかもしれないです。
    ー 蛍光灯がぼやぼや光る夜の自転車置き場…
    ー 急にほのぼのとおかしくなった。
    ー それでも、俺はシャクゼンとしなかった。
    カギかっこの中では無いところで、登場人物が考えていることを、まるで誰かとしゃべっているように書かれているのにも、引き込まれていきます。

    爽やかで、キレイなお話しでした。

  • 「一瞬の風になれ」が好きだったので手を出してみた。ふつー。あんまりビビッと来なかった。もう少し大人になったらわかるのかもしれない。

  •  「一瞬の風になれ」で本屋大賞を取った著者のデビュー作。本作では月刊MOE童話大賞を受賞している。
     ゆっくりと時間が流れていくような作品。表題作の他3編が収められており、「サマータイム」で登場する子どもたちそれぞれの視点からその後が描かれている。年齢設定も変えているので、語られる内容は過去の話なのだが、「サマータイム」で描かれたそれぞれのその日に収束するような全体構成となっている。
     他人との感覚の違い、他人には見えていて自分には見えていない世界、そうしたものをどう感じ取っていくべきなのか、本作を読んで再考することになった。

  • 柔らかくて、つかみどころのない文体が良かった。

    子供の頃の夏の思い出ってなんで大人になってからあんなに輝かしく最高の時間だったと感じるのだろうか?

    夏が、待ち遠しい。

  • 夏休みに読みたい作品。

    高校生の甘く切ないラブストーリーとはちょっと違うけど、夏休み独特の新たな出会いと楽しかったり悔しかったりする体験、そして、それが終わってしまう寂しい気分が折り重なる感じがよいなと。

    ただ、この作品に限らずだか、小学生が主人公となるときの、主人公が心情を語る際の饒舌な感じがどうも大人じみすぎていて、毎度、違和感を感じるのだ。大人が思う子どもの表現、みたいな…なんだろう、みんな子どもを経験したのに。あと16歳の広一の一人称が、俺、なのにもちょい違和感。

    全体的にはキレイにまとまってて、それぞれの短編で読んでも、まとめて読んでも、面白い。

  • ある雑誌で著名人の大好きな本として挙げられていたので読んでみたが、自分はそれほど感銘を受けなかった。ただ、登場人物それぞれの視点から書かれた文章は、本人たちが書いているかのように自然に感じられ、著者のセンスの良さみたいなものを感じた。

  • 大好きな作家さんの作品です。この作品は小学校の頃?中学?のころに宿題の題材として知りました。ボールいっぱいのゼリーを思い描いて夏を過ごしたことを思い出します。お子さんでも読みやすい作品だと思います。せひ夏休みに延世欲しい作品です。

  • 少年とその姉、友達の夏の記憶を巡る物語。

  • 南沢奈央さんのラジオ番組で紹介されていて読んだ。爽やか。

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年、「サマータイムで」月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞。ほかの著書に『しゃべれども しゃべれども』『神様がくれた指』『黄色い目の魚』日本代表リレーチームを描くノンフィクション『夏から夏へ』などがある。http://www009.upp.sonet.ne.jp/umigarasuto/

「2009年 『一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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