黄色い目の魚 (新潮文庫)

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著者 : 佐藤多佳子
  • 新潮社 (2005年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101237343

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黄色い目の魚 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 絵を描くことは好きだが
    真剣になることができない
    サッカー部の木島悟と、

    イラストレーターの叔父だけに心を許している、
    絵を見ることが好きな村田みのり。


    鎌倉を舞台に
    2人の16歳の淡い恋心を描いた
    青春小説の傑作。



    チャットモンチーのオススメで
    この小説を知って、佐藤多佳子さんにハマりました。
    (女優の多部未華子さんもお気に入りの小説らしいです)


    胸キュン恋愛小説と言えば、
    まず思い浮かぶのは有川浩さんやけど、

    10代の恋愛を描いた瑞々しさで言えば、
    自分は文句ナシに
    この作品を推します(^_^)
    (ジブリの「耳をすませば」が好きな方なら
    間違いなくハマります!)



    二人の16歳の
    みずみずしい会話や、
    葛藤や心情を描いた悶々とした
    「揺れる」描写が
    とにかくリアルで、

    これほど甘酸っぱさを真空パックした小説も珍しいんじゃないかな(笑)
    (思春期の少年少女を描かせたら
    佐藤さんの右に出るものはいないと思う)


    酒に溺れ
    離婚後も絵を描き続け
    体を壊して死んでいった実の父親
    『テッセイ』のようにだけはなるなという、
    母の言葉に頷きつつも、
    絵を描くことをやめられない木島。


    あまりにも真っ直ぐな性格が過ぎて、
    家族や級友とも
    すぐにぶつかりあってしまうみのり。
    (エキセントリックな女の子像が素晴らしい!)


    不器用な二人の描き方が本当に丁寧で
    会話の全てが心に染み渡るし、

    読み終わってしまうのが
    悲しくなってしまうほど
    浸っていたくなる心地よさ。



    みのりが唯一心を許す
    叔父のイラストレーター木幡通や
    木島の所属する
    サッカー部行き着けのカフェの
    ウェイトレス、似鳥さんなど、

    主人公二人の脇を固める
    大人たちの生き方までもが
    みな切なくて切なくて
    胸を焦がします(≧∇≦)


    周囲に馴染めず
    自分の生き方を模索する思春期の二人が、
    お互いの共通点である「絵」を通じて
    少しずつ
    少しずつ
    心通わす様は、
    もう名人芸と言っていいほど
    胸がきゅい〜んとなる感覚を
    読む者に味あわせてくれる。

    またラストを締める
    二人の会話が
    本当に本当に
    秀逸なのです(T_T)
    (下手な映画見るならコレ読んで!)



    今の学生諸君!
    ありきたりで
    イージーな携帯小説読むくらいなら、
    コレにしなさい(笑)

    出会えた喜びを
    誰かに伝えたくなりますよ(^_^)v

  • 20150527
    以前、友達に「高校時代に読むべき小説を挙げるとしたら何?」と尋ねた時、この「黄色い目の魚」を教えてもらいました。自分が感銘を受けたとっておきの本だと、友達は言っていました。
    第一章。読み始めて、どうしてこれが高校時代に読むべき小説になるのかよく分かりませんでした。文章も語り口で、始めはどうにも馴染めなかった。それでもなぜだか本を閉じられなくて、解説で角田光代さんが述べているように、私も佐藤多佳子さんの魔法にかかっていたのですね。
    読み終えて、なんて心地の良い、すがすがしい小説なんだろうと思いました。木島やみのりがずっと心に住みついてるような感覚。心地よくて少し切なくて、友達が、高校時代に読むべき小説として挙げた理由に納得しました。言葉では上手く言えないけれど、この心に残る温かい気持ちだけで十分です。

  • 絵を描く事が好きな少年、悟。
    絵を見る事が好きな少女、みのり。


    子供でもなければ大人でもない
    16歳というもどかしくて切ない季節。


    湘南を舞台に二人を取り巻く大人と
    二人の成長を描いた物語。



    16歳、、
    私は何を感じ、何に向かって歩いていただろう。
    将来について、人間関係について
    色々な想いはあっても、
    ただただ毎日を何となくやり過ごしていた気がする。


    みのりみたいに
    誰とも群れようとせず、
    嫌いなものを嫌いと言い切れる強さを
    私は持っていなかった。

    だからこそ潔癖で誠実なみのりが
    私にはキラキラと眩しく映る。


    みんなと同じ事で安心し、
    みんなと違う事に恐怖心を抱いていたあの頃。

    同じクラスにみのりがいたら
    きっと浮いていたと思う。
    そして、
    私はみのりに近づきもしなかったかもしれない


    「本気ってやじやない?」
    「こわくねぇ?自分の限界とか見ちまうの?」
    悟と同じ事を私も思っていた気がする。


    大人に抱く憧れと険悪感。
    自由奔放な大人に
    魅せられて縛られていた悟とみのり。


    足りないものを補うかの様に
    二人は絵を通して徐々に惹かれあい
    互いを成長させていく、、。


    あの頃、何にそんなにイライラし
    何をそんなに焦っていたのだろう。
    まだ、子供でいたい様な
    早く大人になりたい様な
    相反する気持ち。


    あの頃の自分に会って教えてやりたい。
    そんな風に悩んでいる今が
    過ぎ去ってしまえば、
    とても貴重で尊い思い出に
    あっという間になってしまうんだよと、、


    大人になった今
    悟とみのりが見ていた世界を
    二人のフィルターを通して
    もう一度見てみたくなった。


    私にとって
    忘れてしまった何か、
    置いてきてしまった何かを
    少しだけ呼び覚ましてくれる
    そんな一冊。


    子供から大人まで
    幅広い世代の人に読んで欲しいです。

  • 「本当に大事なことを口に出したりする時は、いつだって苦しい。」

    不器用だけど、まっすぐな二人の高校生のお話。
    群れるのが嫌いで家族ともうまくいかず、唯一叔父にだけ心を許しているみのりと、
    絵描きだった父の面影を感じながらも絵をなんとなく描き続ける木島。
    絵の被写体と描き手として、言葉にならないもので繋がっていく二人がだんだんと惹かれあい、やがて「好き」に変わっていく。その過程が見ていて、もどかしいのだけれどいい。
    みのりのかたくなさが、木島を想うことで少しずつ柔らかく変化していくのがよかった。

  • 胸がきゅうきゅうなります。みのりちゃんも、木島くんも、大好きです。まっすぐに「好き」というシーンが、とてもいいです。ニトリちゃんも素敵な人だなあ。テッセイも、通ちゃんも、みんな優しくて不器用な人たちだなあ。

  • 絵を通じて繋がる二人。

    友達以上恋人未満な関係が続く。
    なんか青春って感じでいいな。
    私も高校生の頃に戻りたくなった…。

  • 人におすすめされて読んだ話。
    あーーーこの若い時のもやもやした気持ち、何をどうしたいのかわからずイライラする感じ・・・懐かしい・・・・。

    そして読んでいて思ったのが、とても良い意味で人を絵にかくという行為はとっても官能的なことだなと思った。
    好きな子をじっと見つめて描く。
    でも好きだからこそ相手がよく見えない、分からない。
    でももっと本人に近づけて描きたい!
    そして誰よりもこの絵を好きな相手に見てほしい、
    自分の絵を好きだと言ってもらいたい。
    若いながらのまっすぐな気持ちがページからあふれ出ていて堪らなかった。

    あと、佐藤さんのお話はやっぱりどの話を読んでも終わり方が最高で鳥肌が立つ。

  • 思春期の悩みや、不安・・・不器用だけどそういったことに真っすぐに向き合っていく、みのりと木島。
    2人のゆっくりと通じ合っていく距離感がいいな~と思った。

    高校の頃に読んでいたら もっと共感できたのかも・・

  • 複雑な感情や絵によって繋がる感じ。私の考え方となんとなく似ている気がしました。キラキラしてて、言葉にしにくいけどすごく良かった。そして、誰かとこんな風に繋がっていたい。

  • はじめは話の核が掴めず、あまり移入出来ず読み進めるのに時間を要した。でも木島の視点と村田の視点が合わさった時に一気に面白さが増した。まず木島と村田の関係性がなんとも言えない、誰も邪魔することの出来ない良い関係だと感じた。
    また村田が木島を、木島が村田を観察する描写がなんかリアルで、互いが互いのことを深く理解しているところがよかった。木島は絵にサッカーに本気になれていなかった感覚がなんとなく分かって、自分も本気で何かに取り組まないといけないと感じた。本気で取り組むことが人に態度で伝えることができるんだと感じた。とにかく最後は良いところで終わってくれた気がする。あそこで終わらすのが一番スッキリでよかった。

  • 傑作。

    青春小説は好きで読むけどこの小説はその中でも心に残った。

    16歳って何十年も前だけど今この本が読める自分がいて、きっと16歳に読んでも心に残ったかわかならい。

    でも、自分が16歳で読んでどう思ったか知りたくなる本。
    あのころの自分の読ませたい本。

    自分の限界なんてわからないし一生懸命がかっこ悪いと思ったり、好きなこともわからなくて悩んでいて、でも毎日楽しくて・・・。

    みのりはとても素敵な女の子。
    猫になって好きな人に飼ってもらうなんて素敵だ。
    そんな気持ちに同感してしまう。

    木島とあってどんどん変わっていくみのり。

    木島とみのり、二人ともまっすぐ。

    似鳥ちゃんは最後まで僕はよくわからない人でした。
    でも、それもまたいい。

    物語の進み方がゆっくりでやさしく読んでいて本当に心地よかったです。
    読み終わっても余韻が残る小説。
    全てがまだ綺麗ころの人達の青春小説。

  • 通ちゃんとテッセイ。
    子どもにとって必要な存在である「斜め上の大人」。
    ここに出てくる親は、放任だったり愛情表現が下手だったり感情的になって言葉で子どもを追いつめたりする。
    それに比べて「斜め上の大人」は、大人社会からしたらアウトローな生き方をしてるけど、子どもへの影響力はハンパないんだよね。
    いろんな大人に出会って、それをバネにし或いは反面教師にしながら(?)自分とは何かを見つけていく木島と村田の心の揺れが見事に書かれていてどうしても続きが読みたい。

  • 高校生の頃から、10回はゆうに読んでいる作品。
    普通の恋愛モノではなくて、むしろほとんど恋愛っぽさはなくて、でも胸がキュンっとする不思議なお話。
    決してかっこよかったり美人だったりするわけじゃないけれど魅力的な登場人物たちが、思い悩んで行動するたびに、ああ、上手くいくといいな、とか、頑張れ、と言いたくなってしまう。

  • この作品を読んで私も絵が好きなので、
    みのりのように描いてもらえることはとても羨ましかった。
    好きなことでつながる関係も羨ましいです。
    みのりのように不器用な友達がいるので、
    こんな風に好きな人と出会えるといいのかな~と
    勝手に連想しながら読んでいました。
    悩んでも前へ向いて進もうとする二人が爽やかで、
    わざとらしくなく読了後も心地よかったです。

    似鳥って珍しい名前だけどは某家具屋さんのイメージが…

  • あっさりめのエンタメばかり読んでいる私にとって、ミステリーではない話にしてはちょっと長かったんですけど、長さを感じさせないほどすいすい読めました。

    お酒飲んだり夜に出歩いたり、割と自由なところはありますが、やはり高校生というのは、心は大人なのに、出来ることに制限があって、何だか窮屈な感じがする(別の本のレビューでもこう書いたけど)。
    その窮屈さややりきれない思いが、難しい言葉を使わずに素直な言葉で丁寧に書いてあって共感しました。

    下でどなたかがレビューに書いてらっしゃるんですけど、木島が告白したシーンで、ニトリちゃんとのことも暴露してしまった時は「終わりかも…」とハラハラした。
    私はもうとっくに高校卒業してるし、いい大人だけど、こんなこと言われたら割り切れない。付き合わない道を選ぶと思う。多分割り切れないのは私とみのり・木島の経験が「チガウ」からなんでしょうね。私の方が子供なのかもしれない。

    また、途中では通ちゃんがみのりにとっては一番の理解者で「良い大人」だなーと思いながら読んでましたが、だんだんとそうでないなと思い始めた。
    通ちゃんはわりと、いろんなことから逃げてる、子供を引きずった大人なのかもしれない。本人も自覚してるからこんな生活を続けている。
    通ちゃんが主役の話も読んでみたいです。

    ラストシーンはとてもさわやかで、余韻が残りました。

  • 佐藤多佳子初読みでした。
    思春期独特の閉塞感……どこかに行きたいのにどこにも行けないような、誰にも頼りたくないのに頼らなきゃ生きていけない不自由さがふんだんに盛り込まれていました。面白かった。

  • なんとなく回りに溶け込めない、うまく生きていけない絵画好きの女の子。絵が上手だがサッカーに思い切り打ち込めない男の子。これから壁を乗り越えていこうとする時期の青春小説。

  • 好き!もっかい読み返したい。江ノ電への憧れが強くなる〜。村田がピュアすぎるし破天荒すぎるかな〜とも思うんだけど、本の登場人物だからそれでいい。木島は他の女の子と寝るんじゃないよ!って正直すごい腹立ったし村田との関係が全部壊れるんじゃないかってヒヤヒヤしたんだけど、それがなかったら村田を女の子として見なかったというのもなんとなく分かる(分かってしまうから余計悔しい!)

  • 佐藤多佳子さんの小説は、とても不思議な魅力、引力のようなものを持っていると思う。

    何回も言うようだけれど、私は彼女の小説の、一人称がとても苦手。
    最初読み始めたときは、少々うんざりしながら読む。

    なのに、どうしてなのか、途中から全く気にならなくなる。
    それどころか、そういう文章の書き方じゃなきゃだめなような気がしてくる。

    そういう、不思議な力を持ってます。

    そして読み終えた後にはいつも、最高の評価になるんだから不思議。ほんとに。

    ストーリーが秀逸だからなのでしょうか?


    このお話も、素敵でした。
    強く、真っ直ぐな想い。

    この間、あるひとと、

    「高校時代にした真っ直ぐな恋愛は、あの時しかできない、もう二度とあんなふうにはできないよね」

    という話をしたばかり。

    この話は、まさにそれじゃないかな。
    真っ直ぐで、ひたむきで、お互いがお互いの世界を作ってるような。

    もどかしくて切ない、16歳という季節。

    眩しくて、輝かしくて、ひたむきさがとても胸に染みました。

  • これは、私が1番好きな本です。中学生の頃はじめて読んで、みのりのちょっとひねくれながらもまっすぐとした姿勢に憧れました。木島のまぢになるのがだせぇとか、恥ずかしいじゃん?っていう気持ちにも共感でき、とても人間らしい感じがとても好きです。

  • これは私が一番大好きな作品です。何回も読み直してボロボロになりました(笑)似てるようでどっか違う2人。生き辛さをかんじながらも、お互いに影響をし合い、惹かれあい、大人になっていく2人がとても愛おしく思いました。みのりのような友達を、木村のような恋人を青春時代に欲しかったなと思う作品でした。本当に素敵な作品です。全力でお勧めします。

  • 裏表紙のあらすじに惹かれて購入。「海辺の高校」、「美術の授業でデッサン」、「友情でもなく恋愛でもない」、「16歳というもどかしく切ない季節」っていうきらきらする言葉の並びにやられた。新しく魅力的な世界を見つけ、大好きで離れることの出来なかった世界や人から徐々に離れ、新しい世界へとぐんぐん引き寄せられていく二人のお話。だと思った。爽やかー!でも、現実味もあってとても好き!

  • ひさしぶりに、おもしろい本に出会ったかも、です。


    ずいぶん前に読んだ時は、なんだかよくわからなくて積読行きだったこの本。

    今、読んでみたら、おもしろい。
    でも、今は7割程しか理解できていないと思う。

    まだ、私は、みのりと木島くんと
    年齢も感情も近すぎるのかな?

    また時間があいて、再読した時、その時、
    もっと理解が深まれば良いな。
    成長できていれば良いな。
    と、思います。

  • 久しぶりの読者でした。

    高校生くらいのまだ未熟な心をとてもわかりやすく書いた本です、たぶん。
    主人公の男女二人を取り巻く大人たちも、様々な人たちで、そんな大人たちを見ながら、こうなってはいけないとか、こうはなりたくないとか、憧れとか思いながら、二人が成長してく話です。
    ホントはそれが綺麗に書かれてて、とってもいい話。
    心に響きます。
    高校生のときに読みたかった!
    ★4、5くらい

  • 自由な大人に魅せられて縛られていた2人が出会うことで始まるお話、だと思った。2人の本当の物語はこれから始まっていくのだと思う。木島とみのりの出会いは運命のようで、出会うべくして出会った2人のようで、少し羨ましくもある。今となってはもう遅いけれど自分もこんな出会いをしてみたかったと思ってしまった。

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