黄色い目の魚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101237343

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな本。絵を描くのが好きなサッカー部の男の子と、その絵のモデルになる等身大の女の子。もどかしい二人の関係と葛藤、そして心が通い合う過程がもう、読んでいてたまらなかったです。通ちゃんの存在がこのお話の中ではとても大きく、最後のほうで木島が通ちゃんに負けたくないと強く思うシーンが好きでした。ひとつひとつの文章が本当に刺さるし、難しい言葉を使っているわけじゃないのに多彩な表現で人の心を表していて、何回読み直してもあ~好きだな~と思います。

  • 私がこの本を最初に読んだのは、思春期のど真ん中、中学2年生。家族のこと、友達との関係、部活のこと、進路のこと。不安と不満で一杯だった私に、この本はめちゃくちゃに刺さった。刺さりまくって、手汗と涙で文庫本のカバーがシワシワになった。それくらい、読み返した。

    ソフトボール部に入って、練習にもついていけない自分に嫌気がさしたこと。試合でエラーを出した次の日のいたたまれなさ…。

    上手くいかないアレコレに、「マジになること」の格好良さを教えてくれたのが、『黄色い目の魚』だった。

    この本には、2人の主人公が登場する。とてつもなく不器用で、真っ直ぐな2人。21歳のいまでは、「もっと上手くやりなよ」なんて思うのだけど、当時の私には憧れの2人。思春期の私に生き方を教えてくれた、人生の先輩です。

  • 私の心からキライが減って、好きが増えてきた。それは、すごいことだ。ずっと望んでいて、なかなかかないそうもなかったことだ。(村田みのり)

    10年ぶりに再読。
    内容をすっかり忘れてた。

  • 「しゃべれどもしゃべれども」で興味を持った佐藤さんの作品。
    これで2作ですが、いずれも対人関係を上手く作れない女性が主人公の一人として登場します。何かあるのかな?
    青春小説に分類される作品でしょう。
    「しゃべれどもしゃべれども」に比べると、全体に構成や人物造形は甘い感じがします。それぞれが極端でない分、作り難かったのかもしれませんけど、どこかで見た事があるような感じです。特に最後のシーンは、余りに月並みな感じもします。
    とは言え、それなりに楽しく読めました。

  • 我が身に過ぎてきた青春時代とまた違った感覚で、不器用に生きる若者に感情移入しながら読むことができる、テンポの良い青春小説。

    20代の多感な時代に読めばまた感想も違うものだったかもしれないが、40のおばさんには少し遠い世界に感じた(^_^;)



    というか、私が青春小説が苦手なだけで、皆さんの評価をみると素晴らしい作品なのだろうなぁと思う。やっぱり私はミステリーが好きだな。。

  • 絵を通じて繋がる二人。

    友達以上恋人未満な関係が続く。
    なんか青春って感じでいいな。
    私も高校生の頃に戻りたくなった…。

  • 読むのが遅すぎたんだろうなあ。
    まあ、青春小説、という人はいるけれど、そうして、その通りなのだろうけれど、読後の印象を一言でいうと、面倒くさいなあ、でありました。
    まあ、その面倒くささが青春とか思春期とか、そういうものだったのだろうなあ、と俯瞰的にみている自分にちょっとうんざり。これも仕方ないことなのでしょう。
    一章ごとに視点が変わる構成は面白い。そして、視点が一章ごとに近づいていき、最後の一服の涼風とも呼べるような結末となるのも見事。なんだけれども……
    なんだかいろいろと面倒くさい。環境も、時の流れも、いろんなことが。
    読み返すかなあ?ちょっと時間をおいて読み返すと違う感想を持つんだろうなあ。でも、どうかな、読み返すかなあ?
    という、☆3つ。

  • 人におすすめされて読んだ話。
    あーーーこの若い時のもやもやした気持ち、何をどうしたいのかわからずイライラする感じ・・・懐かしい・・・・。

    そして読んでいて思ったのが、とても良い意味で人を絵にかくという行為はとっても官能的なことだなと思った。
    好きな子をじっと見つめて描く。
    でも好きだからこそ相手がよく見えない、分からない。
    でももっと本人に近づけて描きたい!
    そして誰よりもこの絵を好きな相手に見てほしい、
    自分の絵を好きだと言ってもらいたい。
    若いながらのまっすぐな気持ちがページからあふれ出ていて堪らなかった。

    あと、佐藤さんのお話はやっぱりどの話を読んでも終わり方が最高で鳥肌が立つ。

  • 思春期の悩みや、不安・・・不器用だけどそういったことに真っすぐに向き合っていく、みのりと木島。
    2人のゆっくりと通じ合っていく距離感がいいな~と思った。

    高校の頃に読んでいたら もっと共感できたのかも・・

  • 複雑な感情や絵によって繋がる感じ。私の考え方となんとなく似ている気がしました。キラキラしてて、言葉にしにくいけどすごく良かった。そして、誰かとこんな風に繋がっていたい。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年、「サマータイムで」月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞。ほかの著書に『しゃべれども しゃべれども』『神様がくれた指』『黄色い目の魚』日本代表リレーチームを描くノンフィクション『夏から夏へ』などがある。http://www009.upp.sonet.ne.jp/umigarasuto/

「2009年 『一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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