東亰異聞 (新潮文庫)

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著者 : 小野不由美
  • 新潮社 (1999年4月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240220

東亰異聞 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • クライマックスの突然の追い上げ、という印象の強い終わり方だなぁと。
    そういう雰囲気は確かにあったけど、いささか突拍子もないような?
    兄弟がとても好きです。特に長男。

  • 2017.4.20(木)¥180+税。
    2017.4.23(日)。

  •  帝都・東亰では火炎魔人や闇御前といった、人とは思えない者たちの起こす事件で不安に包まれていた。一連の事件に興味を持った新聞記者の平川は、大道芸師の万蔵とともに調査を開始するが…

     面白い要素はいろいろあったものの、不満点も多かったのが正直な印象。

     ミステリとして面白かったのは、犯行の動機。お家騒動が裏にあるのは、平川の調査の過程で分かってくるのですが、なるほど、そっちか! と虚を突かれました。

     ただ、動機については伏線はあったものの、ややとってつけた感があったのも事実。本の中ではさらりと触れられたくらいにしか書かれていなかったので、「え? そんなに追い込まれていたの」と、ちょっとぽかんとなってしまったのがもったいなかったです。もうちょっとその部分の書き込みがほしかったかなあ。

     平川と万蔵のキャラも今一つ伝わってこない。読んでいて、どっちがどっちか分からなくなることもあって、少し感情移入しにくかったです。

     そして、この本の評価を分けるのはラストだと思います。これをどうとらえるかによって作品の印象は、大きく変わると思います。

     個人的には、風呂敷広げるだけ広げて、終わらせたという印象。読んでいて「残りページ少ないのに、こんな展開にして大丈夫?」と思ったのですが、その不安が当たってしまった、という感じでしょうか。

     読み終えた後のもやもや感が、どこか同じ小野不由美さんの作品『魔性の子』に通じるものがあります。

     十二国記シリーズの序章的作品ということで読んだ『魔性の子』だったのですが、描写力はすごいものの、作中よくわからないワードや回収されない伏線、唐突な展開などが多く、読み終えて非常にモヤモヤしたのを覚えています。(こうしたもやもやはのちに本編を読んで解消されたのですが)

     そのもやもやと、この『東亰異聞』を重ね合わせると、もしかして東亰の物語はもっと続きがあって、これはプロローグだったのではないか、とも思えてしまいます。

     東亰の話がこれ一冊で終わっているのが、もったいなく思えてしまいました。

  • 初めは堅苦しい昔話なのかなと思っていた。でも数ページ読むともういつの間にかこの世界にハマっていた。
    何が引っかかったかと言うと、妖怪の仕業だと思われた出来事がどうやら人間が起こしたらしいということ。ありえないような事に、トリックが隠されている。

    「東亰」は一応パラレルワールドの設定だけど、明治まっただ中のクラシカルな雰囲気が好き。瓦斯灯、読売り、十二階、迷途、華族、パノラマ館、御一新等々。今では使わない通じない言葉ばかりで、例えば十二階にはこの時代にエレベーターが使われていたり、チロー館なんていう鏡の迷路があったりと、知らないことも多くて色々調べるのが楽しかった。

    途中からは華族の相続争いに移り、私は常と直のどちらの味方でもあったのに、その二人が一連の騒動を起こしていたなんて。兄弟を想い合う純粋さはあるけれど、何の関係もない周りの者を巻き込む手段を取ってしまった為に闇に堕ちた。何かを手に入れる為に何かを犠牲にしてしまうと、そのしわ寄せが必ずくる。こんな結末になるなら他にも方法があったのではと思う。

    後半、万造の怒涛の推理が特に面白かった。
    桜の描写が綺麗で、特に常さんの周りで散る桜が悲しいほどに印象深い。

    天皇崩御からの百鬼夜行、万造の正体や東亰の水没は私にとってはあまり重要でないと思われる事だった。廃仏毀釈はいただけないが、新しい文化を取り入れ、合理的な考えを持つことも日本にとって必要だったのではと思う。

    現実の日本はこれから大正、昭和、平成と激動の時代がやってくる。東亰の人々が妖怪に襲われることを強盗や病に襲われるようなものと考えたように、もしかしたら人が起こす事件や出来事は、妖怪が蠢く世界と同じぐらい厄介で、恐ろしい闇なのかもしれない。

    所々に十二国記ぽさを感じた。小野先生大好き。

    20170312

  • ちょっとぞっとする展開に。けれど一転してラストの清々しさが心地よい。

  • はじめて読んだ小野不由美さんの小説。不思議で妖艶な文体。これが不由美ワールドなのか。最後はちょっぴり解らなかったけれど、東京と魑魅魍魎うごめく東亰のパラレルワールドに引き込まれる。
    本当の闇や妖怪は、人の心にあった。ミステリー仕立てで不思議な世界だが読みやすかった。

  • 結末が気になって最後はダダーッと読んだけど最後はそう来たか!黒衣の正体はうーむ。

  • 帝都を跋扈する魑魅魍魎
    火炎魔人、闇御前、人魂売りに首使い・・・

    奇怪な事件は、やがて公爵家のお家騒動へとつながってゆく

    兄と弟の心が悲しい
    独特の小野ワールド

  • もし、もしもし新太郎がおんなのこだったら……

  • う〜ん
    歴史ミステリのふりをして…

  • 家督相続争いと言えば普通は奪い合うモノですがこれは違うのですよ。
    初子様の呪が怖ろしい……そして哀しい兄弟だなぁ……と思ったけどちょっと殺し過ぎだよね。
    最後の最後で、おおぅコレ本当に妖怪モノだったのかーてなる。

  • 文明開化後の東亰。
    開国による文化や文明の過渡期にある街で、怪奇な殺人事件が続く。
    記者が事件を調べていくと、とある華族の跡目争いにいきつく。

    ちょっとごちゃごちゃしてたけど、好きな世界観だった。
    章のはじめごとに現れる人形遣いが良い。呪いの恐ろしさ。
    すべては人形遣いの奸計だったのではないかと思わせる。

  • 帝都の夜に現れる妖や呪術といったファンタジーと御家騒動をめぐるサスペンスが絡み合って幻想的な小野不由美ワールドになっている。が、ある意味やりたい放題であり、広げた風呂敷は最初から畳む気がない。

  • 面白かった。ので、かなり次々と読み進められた。

    ただ、最後の方の転回はちょっとついてけなかった感があったなぁ。
    そこはかとなく不気味な世界観は、良かった。そういう話だけで物語をまとめて頂いても、ボンクラの頭には分かりやすかったかも。

    輔くんの存在がやたら目立つ割には中途半端な働きだったなぁ。というのが気になった。

    自分には、作者の本は初めてで、他の作品も読んでみたいなと思わせてくれるくらい楽しい作品だった。

  • 「器だけの傀儡でありたかったと、そうおっしゃいましたね」
    常の返答はない。薄く開かれた唇が、ただ息を零していた。
    「たしかに、そうおっしゃいましたねえ」
    2015/05/04(中断)05/11(再開)-05/23

  • ダラダラ読んでしまったので浸れなかった。反省。

  • 前情報なしで読了。人間同士の争いがメインだと思っていましたが、大詰でのあまりの展開に頭が一瞬ついていけなくなりました。解説にある通り、タイトルが東亰なのも東京のパラレルワールドという解釈で納得しました。
    魑魅魍魎が跋扈する、東亰。続きがあるとしたら是非読みたいと思いました。

  • 小野不由美らしい一作だが、やはり「屍鬼」のインパクトが強いので小野不由美氏対する期待が高すぎるのでなんとなく中途半端に感じてしまう。
    つきもの落としと神道とか陰陽師とかどうしても京極堂シリーズを連想させてしまう展開。
    ラストに救いがあるので少しε-(´∀`*)ホッ

  • 怪しくおそろしい事件を追うミステリー。密度が濃くて疲れた。幾つか読み返したいポイントはあるけど、ちょっと休憩。兄と弟、正妻と側室、主人と使用人、いろんな想いが交錯するが、深く共感・信頼はできる人物はいなかったかなあ。

  • そうそう!こういう本が読みたかったのよ!
    小野不由美さんの真骨頂。背筋が凍るような怪談話。

    舞台は文明開化の花の開いた帝都東亰。
    人を火だるまにして殺す火炎魔人に、黒い犬を使い爪で人を引き裂いて殺す艶やかな赤姫姿の闇御前。人魂を担いだ蛍売りに、怪しい読み物を取扱う奇譚読売。

    ああ、なんという世界なんでしょうか!

    そして話の筋となるのは鷹司家の家督争い。
    人々の思惑と妖しい事件が絡み合い、思わぬ方向へ運ばれていく…。

    とにかく一気に読んでしまうほうが良いんでしょうが、いつまでもこの世界観に浸っていたくて惜しむように読みました。

    最後の最後まで目が離せませんので途中で読むのを辞めることは決してなきように。

  • 著者は「十二国記」や「屍鬼」で有名な小野不由美氏(どうでもいいですが、旦那さんは綾辻行人氏なんですね。ちょっとびっくり)。著者の作品ははじめてです。

    舞台は東亰。時代は明治維新から間もない頃合。そこでは、火炎魔人や闇御前といった妖怪の類いが人々を襲い、世間を騒がせます。新聞記者の平河は、これらの事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たるが…
    雰囲気が素晴らしい。もちろん著者の筆力もあるのですが、やはり時代背景によるところが大きいのではないでしょうか。江戸が過去となり、明治が現在になった時世。近代化の情勢を受け、妖怪の類いはどこか時代に取り残される印象をうけます。つまり、江戸では妖怪は居てもよいが、明治では許されない。そんな微妙な時世が本書の舞台。妖怪は居るのか、居ないのか…それは本書の結末で記されますが、この時代背景がよても良い雰囲気を醸し出すのでした。
    一方、物語については、どうも無理があるような印象。お家騒動のために無関係な人々を殺戮する…この一点に疑問符が終始離れなくて、感動する兄弟愛もどこか偽善めいてしまいました。うーん。

  • 明治末期の東京のパラレルワールド「東亰」が舞台。
    作品の世界観や雰囲気が心地よい。
    物語序盤は怪談の様相を呈しつつ、徐々にミステリ・推理小説へと移行していく。怪談じみた終盤の展開もおもしろい。
    京極夏彦の作品を想起させる。

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