東亰異聞 (新潮文庫)

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著者 : 小野不由美
  • 新潮社 (1999年4月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240220

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東亰異聞 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • そうそう!こういう本が読みたかったのよ!
    小野不由美さんの真骨頂。背筋が凍るような怪談話。

    舞台は文明開化の花の開いた帝都東亰。
    人を火だるまにして殺す火炎魔人に、黒い犬を使い爪で人を引き裂いて殺す艶やかな赤姫姿の闇御前。人魂を担いだ蛍売りに、怪しい読み物を取扱う奇譚読売。

    ああ、なんという世界なんでしょうか!

    そして話の筋となるのは鷹司家の家督争い。
    人々の思惑と妖しい事件が絡み合い、思わぬ方向へ運ばれていく…。

    とにかく一気に読んでしまうほうが良いんでしょうが、いつまでもこの世界観に浸っていたくて惜しむように読みました。

    最後の最後まで目が離せませんので途中で読むのを辞めることは決してなきように。

  • 舞台は、明治時代の帝都・東亰。夜は街を魑魅魍魎が徘徊し、高所に火達磨で現れ火で人を殺し、最後には消えてしまう火炎魔人。夜道で長い爪で人を引き裂く赤姫姿の闇御前。
    それらの正体を調べる新聞記者・平河は、闇御前に襲われ幸いにも軽傷で済んだ青年を探し当てる。その青年は鷹司家の当主・常だった。しかし妾腹の常には同日生まれの、やはり妾腹の異母兄がいた。

    現実世界とは少しズレが生じた帝都・東亰というパラレルワールドを舞台に、鬱蒼とした空気が漂う。禍々しい世界観はさすが小野不由美さん。闇の者たちの描写がかっこいい…
    ホラー色が強い冒頭を抜けると、先の読めないミステリ調となり、ラストまで気が抜けません。怪作です。

  • 文明開化の時代の宵闇を魅力的にみせるホラーでありミステリ。
    導入部から忍び寄るように物語を広げていくのが小野さんの素敵なところ。魑魅魍魎の影から、ひろがっていくのは猟奇的な連続殺人事件。

    艶やかな文にひきこまれ、小野さんのキャラクタの魅力にうっとりしてしまう官能的なおはなし。

    『それは呪詛だったのです』
    に鳥肌たち、個人的には輔さんがかっこよくて終始ドキドキとしていました。
    小野さんファンにはもちろんあでやかなホラー好きで未読のかたにはおすすめしたい。

  •  帝都・東亰では火炎魔人や闇御前といった、人とは思えない者たちの起こす事件で不安に包まれていた。一連の事件に興味を持った新聞記者の平川は、大道芸師の万蔵とともに調査を開始するが…

     面白い要素はいろいろあったものの、不満点も多かったのが正直な印象。

     ミステリとして面白かったのは、犯行の動機。お家騒動が裏にあるのは、平川の調査の過程で分かってくるのですが、なるほど、そっちか! と虚を突かれました。

     ただ、動機については伏線はあったものの、ややとってつけた感があったのも事実。本の中ではさらりと触れられたくらいにしか書かれていなかったので、「え? そんなに追い込まれていたの」と、ちょっとぽかんとなってしまったのがもったいなかったです。もうちょっとその部分の書き込みがほしかったかなあ。

     平川と万蔵のキャラも今一つ伝わってこない。読んでいて、どっちがどっちか分からなくなることもあって、少し感情移入しにくかったです。

     そして、この本の評価を分けるのはラストだと思います。これをどうとらえるかによって作品の印象は、大きく変わると思います。

     個人的には、風呂敷広げるだけ広げて、終わらせたという印象。読んでいて「残りページ少ないのに、こんな展開にして大丈夫?」と思ったのですが、その不安が当たってしまった、という感じでしょうか。

     読み終えた後のもやもや感が、どこか同じ小野不由美さんの作品『魔性の子』に通じるものがあります。

     十二国記シリーズの序章的作品ということで読んだ『魔性の子』だったのですが、描写力はすごいものの、作中よくわからないワードや回収されない伏線、唐突な展開などが多く、読み終えて非常にモヤモヤしたのを覚えています。(こうしたもやもやはのちに本編を読んで解消されたのですが)

     そのもやもやと、この『東亰異聞』を重ね合わせると、もしかして東亰の物語はもっと続きがあって、これはプロローグだったのではないか、とも思えてしまいます。

     東亰の話がこれ一冊で終わっているのが、もったいなく思えてしまいました。

  • 万造さんが新太郎さんを落ち着かせるために全否定したことを最後に全肯定したところは笑っちゃいました。二度と会わなかったとあるけど、新太郎さんはきっとしょんぼりしてると思うので会いに行って欲しいな万造さん。

  • ミステリ(?)

    オチがオチだけにトリックもぶん投げてるのでミステリではない。
    ミステリの体裁を借りた大正怪奇物ものとして読むが吉。

    犯行動機が許せなさすぎる。劇中では悲しい話みたいな雰囲気になっているが、無関係な人間まで殺す理由としては最低。

    人形遣いと娘人形のあだっぽい遣り取りやら、複数の怪人が跋扈する帝都という舞台設定など大正っぽい雰囲気は好き。星1つ。

  • 大詰の桜と常のはかなさが、とてもキレイな作品。

    小野不由美の言葉は、桜の花弁が散る情景と芳香がとても似合う文章だと思う。

  • 明治という時代は近世か中世か?

    中世というには余りに近く近世というには少し古めかしい。
    黒船来航から大政奉還、明治維新と激烈に変化を遂げた時代だからこそ明確な線引きができないような気がする。

    さて、本書は明治の時代の話!
    世間では魂売りやら、火炎魔人、切り裂きジャックならぬ闇御前、そして居合抜きの辻斬りなど得体の知れない者達が跳梁跋扈する!?
    新聞記者の平川は、その共に露店商の調整役の万造を連れ得体の知れない者達の真相を探る・・・


    一条、二条、九条、近衛、鷹司なる五摂家という家があるのを初めて知りました。

  • クライマックスの突然の追い上げ、という印象の強い終わり方だなぁと。
    そういう雰囲気は確かにあったけど、いささか突拍子もないような?
    兄弟がとても好きです。特に長男。

  • 2017.4.20(木)¥180+税。
    2017.4.23(日)。

  • 初めは堅苦しい昔話なのかなと思っていた。でも数ページ読むともういつの間にかこの世界にハマっていた。
    何が引っかかったかと言うと、妖怪の仕業だと思われた出来事がどうやら人間が起こしたらしいということ。ありえないような事に、トリックが隠されている。

    「東亰」は一応パラレルワールドの設定だけど、明治まっただ中のクラシカルな雰囲気が好き。瓦斯灯、読売り、十二階、迷途、華族、パノラマ館、御一新等々。今では使わない通じない言葉ばかりで、例えば十二階にはこの時代にエレベーターが使われていたり、チロー館なんていう鏡の迷路があったりと、知らないことも多くて色々調べるのが楽しかった。

    途中からは華族の相続争いに移り、私は常と直のどちらの味方でもあったのに、その二人が一連の騒動を起こしていたなんて。兄弟を想い合う純粋さはあるけれど、何の関係もない周りの者を巻き込む手段を取ってしまった為に闇に堕ちた。何かを手に入れる為に何かを犠牲にしてしまうと、そのしわ寄せが必ずくる。こんな結末になるなら他にも方法があったのではと思う。

    後半、万造の怒涛の推理が特に面白かった。
    桜の描写が綺麗で、特に常さんの周りで散る桜が悲しいほどに印象深い。

    天皇崩御からの百鬼夜行、万造の正体や東亰の水没は私にとってはあまり重要でないと思われる事だった。廃仏毀釈はいただけないが、新しい文化を取り入れ、合理的な考えを持つことも日本にとって必要だったのではと思う。

    現実の日本はこれから大正、昭和、平成と激動の時代がやってくる。東亰の人々が妖怪に襲われることを強盗や病に襲われるようなものと考えたように、もしかしたら人が起こす事件や出来事は、妖怪が蠢く世界と同じぐらい厄介で、恐ろしい闇なのかもしれない。

    所々に十二国記ぽさを感じた。小野先生大好き。

    20170312

  • ちょっとぞっとする展開に。けれど一転してラストの清々しさが心地よい。

  • はじめて読んだ小野不由美さんの小説。不思議で妖艶な文体。これが不由美ワールドなのか。最後はちょっぴり解らなかったけれど、東京と魑魅魍魎うごめく東亰のパラレルワールドに引き込まれる。
    本当の闇や妖怪は、人の心にあった。ミステリー仕立てで不思議な世界だが読みやすかった。

  • おもしろい。安心して読んだ

  • 結末が気になって最後はダダーッと読んだけど最後はそう来たか!黒衣の正体はうーむ。

  • 帝都を跋扈する魑魅魍魎
    火炎魔人、闇御前、人魂売りに首使い・・・

    奇怪な事件は、やがて公爵家のお家騒動へとつながってゆく

    兄と弟の心が悲しい
    独特の小野ワールド

  • もし、もしもし新太郎がおんなのこだったら……

  • う〜ん
    歴史ミステリのふりをして…

  • 家督相続争いと言えば普通は奪い合うモノですがこれは違うのですよ。
    初子様の呪が怖ろしい……そして哀しい兄弟だなぁ……と思ったけどちょっと殺し過ぎだよね。
    最後の最後で、おおぅコレ本当に妖怪モノだったのかーてなる。

  • 文明開化後の東亰。
    開国による文化や文明の過渡期にある街で、怪奇な殺人事件が続く。
    記者が事件を調べていくと、とある華族の跡目争いにいきつく。

    ちょっとごちゃごちゃしてたけど、好きな世界観だった。
    章のはじめごとに現れる人形遣いが良い。呪いの恐ろしさ。
    すべては人形遣いの奸計だったのではないかと思わせる。

  • 帝都の夜に現れる妖や呪術といったファンタジーと御家騒動をめぐるサスペンスが絡み合って幻想的な小野不由美ワールドになっている。が、ある意味やりたい放題であり、広げた風呂敷は最初から畳む気がない。

  • 面白かった。ので、かなり次々と読み進められた。

    ただ、最後の方の転回はちょっとついてけなかった感があったなぁ。
    そこはかとなく不気味な世界観は、良かった。そういう話だけで物語をまとめて頂いても、ボンクラの頭には分かりやすかったかも。

    輔くんの存在がやたら目立つ割には中途半端な働きだったなぁ。というのが気になった。

    自分には、作者の本は初めてで、他の作品も読んでみたいなと思わせてくれるくらい楽しい作品だった。

  • 最初は難しいけど、浸れは始めると止められない。次は漫画も読もうかな。

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東亰異聞 (新潮文庫)の作品紹介

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる…。人の心に巣くう闇を妖しく濃密に描いて、官能美漂わせる伝奇ミステリ。

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