東亰異聞 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240220

感想・レビュー・書評

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  • 妖怪ものかなと思い、また読み始めはわかりにくくもう少し読んで面白くなければ読むのを止めようと思っていたがどんどん面白くなった。ちょっと妖怪系ではあるけどほとんどがしっかりしたミステリーです。逆にちょっとの妖怪がいい味だしてる。明治時代の東京、宮家の跡取り?問題が絡んだ殺人事件。トリックが複雑怪奇で面白かった。ただ殺人の動機が哀しすぎる。

  • 東京と東亰が別物だと、結末を読んでやっと分かった。鷹司家のお家騒動が切ない。なぜ火炎魔人も闇御前も人を殺めてしまったのか....闇御前は血に魅入られた...?
    結末にも驚き。本物の妖怪が出てきてしまった...人形遣いと娘の人形のやり取りが官能的で好き...。どんどん読み進めてしまった

  • 架空の「帝都 東亰(とうけい)」を舞台にした伝奇ミステリー。不気味で妖艶な世界を醸し出す文体と時代設定は和ミステリーファンの読者を惹きつける。一方でミステリーともサスペンスともつかない展開はやや消化不良。登場人物の個性ももう少し立っていると良かった。

  • 時は明治、帝都の夜を蠢く異形の者が引き起こす怪事件を追う雑誌記者&便利屋コンビは、とある華族のお家騒動に行き当たる。果たして事件は人の仕業か、妖の仕業か―?紹介文の『伝奇ミステリ』に従い、推理小説と捉えると、真相やトリックは流石に物足りないが、本書の売りは謎解きよりも、怪しく艶かしい演劇的な外連味。暗転、明転、BGM、効果音etc.が観えるくらい(良い意味で)芝居掛かっている。終盤こそ正にその真骨頂。舞台が【東亰】故にホラーでなく、ミステリに成り得るという解説は中々目から鱗。ミステリの懐は思いの外深い…。

  • 文明開化の時代の宵闇を魅力的にみせるホラーでありミステリ。
    導入部から忍び寄るように物語を広げていくのが小野さんの素敵なところ。魑魅魍魎の影から、ひろがっていくのは猟奇的な連続殺人事件。

    艶やかな文にひきこまれ、小野さんのキャラクタの魅力にうっとりしてしまう官能的なおはなし。

    『それは呪詛だったのです』
    に鳥肌たち、個人的には輔さんがかっこよくて終始ドキドキとしていました。
    小野さんファンにはもちろんあでやかなホラー好きで未読のかたにはおすすめしたい。

  • 万造さんが新太郎さんを落ち着かせるために全否定したことを最後に全肯定したところは笑っちゃいました。二度と会わなかったとあるけど、新太郎さんはきっとしょんぼりしてると思うので会いに行って欲しいな万造さん。

  • ミステリ(?)

    オチがオチだけにトリックもぶん投げてるのでミステリではない。
    ミステリの体裁を借りた大正怪奇物ものとして読むが吉。

    犯行動機が許せなさすぎる。劇中では悲しい話みたいな雰囲気になっているが、無関係な人間まで殺す理由としては最低。

    人形遣いと娘人形のあだっぽい遣り取りやら、複数の怪人が跋扈する帝都という舞台設定など大正っぽい雰囲気は好き。星1つ。

  • 1993年 日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作
    <br>新聞記者の平河は、怪奇な事件を追ううちに、公爵家のお家騒動に行き当たる。
    <br>黒衣(くろご)の語りのように進められる物語に、いつの間にか引き込まれていました。
    <br>心と心が交差した時、そこから何かが生まれる。
    <br>夜が夜でなくなったとき、何かが起こる。
    <br>なんとも不思議なお話です。

  • 東亰で火炎魔人と闇御前が殺人を繰り返す事件を追う話。小野不由美さんならではのこのファンタジー世界観良いね、と思ったところにいや現実では、と方向転換させといてドカンとファンタジー大爆発!この手腕が流石すぎて好きすぎた。
    お家騒動に愕然として胸を痛め、この闇は東亰だけではなくこの日本全国に根付いてそう。

  • 帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる……。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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