屍鬼〈1〉 (新潮文庫)

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著者 : 小野不由美
  • 新潮社 (2002年1月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (583ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240237

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 都市から隔絶された村で、立て続けに村人が亡くなった。
    死亡したのは若者から高齢者まで様々で、死因はいずれも内因的なものであった。
    偶然にしては出来すぎている連続的な死に、村人の幾人かは疑問を感じ始める。
    樅に囲われた村で、死が感染して行く。
    第1巻。

  •  ホラーは苦手なので敬して遠ざけていたのだが、やはり怖かった。死人が起き上がって深夜に血を吸いにやってくる、ってそりゃ怖いよ。しかし単なる怪談ではないところが本作の値なのだろう。なんせこれだけの大長編だ。怖がらせるだけでは間が持つわけもない。よみがえった屍者である屍鬼という生き物(生きてるのか?)が生きるため(?)の必然として生きている人間を獲物として血を吸い、吸血を繰り返された獲物の人間は失血死する。舞台になる外場村は閉鎖的な山村とはいえ、人口1000人を超えるという設定なので、屍鬼が蔓延するまでにはそれなりの時間と犠牲者が必要だ。村人たちの家族それぞれに物語があり、その家族が謎の死によって崩壊してゆく。じわじわと広がってゆく恐怖を演出するためか、どこの集落の誰それがどうしたという話が連続する物語の前半部が冗長煩瑣と思えるほど長いのは賛否の分かれるところだろうが、突然の辞職、深夜の引っ越しなど一見関係ない謎をからめて正体不明の不気味さを助長しているところはうまい。屍鬼は屍鬼たちのコミュニティをつくってゆくのだが、再生した屍鬼も本質的に人間時代の性格をそのまま引き継いでいるところがおかしい。こうして村は一種のパラレルワールド化してゆく。人間にとって屍鬼は必要ではないが屍鬼にとって人間は生きるために必須の存在であり、必然的に両者は敵対関係となる。生きるために他の生物を犠牲にするのは自然の摂理であり、当の人間もやっていることであって、人間だけが特別に君臨する必然性はない、というのが屍鬼の論理だ。まあそれは一理あるかもしれないが、それにしちゃ自己本位な兼正を頂点とする屍鬼コミュニティの陰湿なヒエラルキーは容認できるしろものではない。そして真相究明に奔走する村の知識人格の医師敏夫と僧侶静信。その協力関係が屍鬼に対する微妙な温度差によってしだいに隔絶してゆく。作家でもある静信の心情は作中作である兄弟殺しの物語に投影されているのだが、屍鬼へのシンパシーとのつながりが曖昧で効果を発揮していない。かえって物語を寸断して見通しが悪くなっているし、今一つ共感しがたい。大方の読者はあくまで現実的な敏夫の方に感情移入して読むだろう。かくして物語は必然のカタストロフへとなだれ込む。ただし敏夫は勝利したが、静信も負けたわけではない。それは作者の逃げかはたまたやさしさか...。

  • 田舎に住む人々の生活や思想を読みやすく表している。都会から引っ越してくる一家が、田舎生活に刺激と話題性を生みだす。

  • これからどうなっていくのか…

  • とても面白い!!徹夜本決定!

    「死鬼」第1巻なのに、ものすごく分厚い本なので
    本当に読み進めていけるんだろうか、、と心配だったけれど、読み進めているうちに 
    他の用事をほっぽり出してでも読みいってしまう求心力があって、とりつかれてしまった。

    ミステリーでちょっと恐ろしい描写が古風に描かれていたり、興味ふかいなぁと思う表現が楽しみだった
    あとは登場人物の心情に臨場感を感じてゾクゾクとした。
    小さな集落のいろんな人たちの思考や感情が網目のように絡み合いつつ、集落独特の一体感・疎外感・噂話や人間関係があぶり出されていく

    登場人物がとても多いから、誰が誰だかわからなくなってくるけれど、カメラがなんども切り替わり、違うカットを見せてくれて飽きさせるコトのない物語
    二巻目もとても楽しみにしていて、すでにもう他の本を読む手が止まってしまっている

  • SIRENというゲームが大好きで
    この屍鬼という小説を参考にしたという噂や
    世界観が似ているという話を聞いて読んでみました。
    SIRENを先にしてしまったため(そのほうがぼくは楽しめたのですが)キャラがSIRENで再生されましたw
    そのためSIRENを先にしなかったら楽しめたかわからないですw

  • 文庫で5巻まで読んだ。


    2巻くらいまでがワクワクハラハラしてどんどん読み進められたが、4巻の後半くらいからダレてしまった。

    屍鬼の正体が分かるにつれつまらなくなった。

    もう少し屍鬼側にひねりがあれば違ったかもしれない。

    寺の住職は父親も息子も感情移入できなかった。

  • 1300人しかいない小さな村の外場村。
    外部との繋がりといえば、国道一本だけ。周囲から隔離され、昔からの風習が今だ残る村。
    古い伝統を受け継ぎながら生活していた住民たち。しかし、山入地区で3人の村人の死体が発見されたことから、事件は始まる。不可解なことが多かったが、特に病変も見られず、普通の死として処理されていくが、その後もまるで移っていくかのように死者が続出する。

    友達に薦められて読み始めたが、読み始めから自然と話に引き込まれた。登場人物が多すぎて、なかなか覚えられず大変だった。記憶力が試された笑。事細かに登場人物の描写がされていて、色々な登場人物からの視点を楽しめる作品だと思う。
    静信の小説?の話がちょっと難しい…。
    まだ一巻は、どういう展開になるのか全く想像できず、ただただ次々に起こる出来事を追っていってたが、2巻からも楽しみ!

  • ひとまず今後に期待、の巻。
    おじいさんおばあさんの区別が大変だけれど、人物がどういう人物なのかすんなりイメージできた。作者に喋らさせられているのではなく、キャラクターが喋っているように感じて自然だった。
    展開はひたすら田舎の嫌な所を永延書いている感じ。まだまだ先が長いのでどうなっていくのか…頑張って覚えたおじいさんおばあさんはいつまで生きているのか。楽しみに。

  • かなり期待して読み始めたけど、
    普通な感じ。。。
    古いしきたりや風習が今でも根付いてる小さな村の話だけど、こういう設定のストーリーは三津田信三さんの小説の方が面白い。
    って、まだ始まったばかりなので、何とも言えないけど。。
    嵐の前の静けさの中でたくさんの人が次々に死んでいってる。
    山入の三人が死んでるとこの描写はグロテスクでぞぞ〜っとした。

    とにかく、じーさんばーさんの登場人物が多くて
    ちゃんと誰が誰か把握して読まないとついていけない。

    これからどうなっていくのか、気になる。

  • 頑張って読みました。

    とにもかくにもまず、一番最初に思ったのが分厚い……。
    しかも「1」って書いてある……ということでした。

    それでもまあ、「1」と書いてある本なんて腐るほど世の中にはあるし、世の中には「1」と書いてなくても続き物の本だったりするものもあるので、まあ、あまり気負いせずに読み出したんですが、それが失敗だった……。

    最初に起こった出来事がどの時制で存在しているのか、わからないですけど、とりあえず、この一冊を読んだ時点では、まったくそこまでたどり着けていません。
    それどころか、物語の始まりの始まりの部分でしかないような気もします。

    それともう一つ、読んでいくのが困ったのが、視点が結構、ころころ変わります。
    もちろん、メインの主人公……のような立場の人がいるんですが、それ以上に集落中の人間がすべて物事を語っているような、様々な人間が出てきて、様々な話をするので、本当に「この人誰だっけ?」となること複数……。
    まあ、わからなくても読めなくもないんですが、やっぱりきちんと把握して読むには記憶力と集中力がいるんだなあ……と痛感しました。

    というわけで、出だしも出だしなので、面白いか、面白くないのかも、判断できませんが、とりあえず一つ、言えることがあるとすれば、「読むのが大変」ということだけお伝えしておきます。
    この本と長く付き合っていく覚悟のない人は手を出さない方がいいかと思います。

  • 村で起こる連続死の原因は?閉鎖的かつ排他的な村の特徴を多少の誇張を加えながらも上手く描き出していると思う。今のところ、疫病へとミスリードしたい感じ。さて、どうなるか。

  • 十二国記と全然ちがった。
    読みにくい。話の展開が遅い?
    視点の切り替えがなんとなく合わなかったのか…

    話自体はつまらなくはないんだろうけど、挫折。
    ちょっと悔しいけど。

  • 何度読んでも面白い(≧▽≦)
    まだまだ序盤で、おおよそのストーリー展開は分かってはいるけどページをめくる手が止まらない(≧∇≦)b

  • 夏休みに入り、ホラー系が読みたくなりまして。少し前からアニメを観たりして気になっていたものだったのでシリーズごと即購入してしまいました!
    夏休み中は進学の準備で忙しかったので、今読み進めているところです。山に囲まれた静かな村に起きていく異変にどんどん引き込まれていきます。さっそくまた続きを。

  • な、長い。そしてなんにも起こんない。そこまで田舎が嫌なんだったら出りゃいいじゃん、って何人かには思っちゃった。

  • 中学生くらいのときに四六判の下巻で挫折したのがずっと心残りだったので、再読。

    当時は序盤が退屈で退屈で仕方がなかったように記憶しているのですが、改めて読んでみると全くそんなことはなく、緻密で読みごたえがあって、この時点でとても面白く感じます(展開をある程度知っているからかもしれませんが)。
    ひとつ不満があるとすれば、簡単なものでいいので外場全体の地図を作ってほしかったです…。

  • 「呪われた町」のオマージュだとか。

    外場村の様子を丁寧に描き、風習や考え方などの違いを明確にしている。

    謎の病が遅効性の毒のようにじわり、じわりと村を蝕んでいく様子が不気味で素敵。

    あと、途中の静信の小説が驚くほどつまらない。

  • のんびり穏やかな理想とはかけ離れた、息詰まるような密な人間関係と周囲からの監視にも似た視線に晒される田舎暮らし。それだけで精神をジワジワ侵食されるようだ。若い恵ちゃんや夏野くんが抱える苛立ちもわかる気がする。
    急に姿を現し始めた桐敷の人たちが不気味。

  • 取ることもない、日常に、ある日ひたひたと忍び寄る何か。
    気付いたときはもうそこにそれはいた。
    そんな背筋が薄ら寒い感じがいい。

  • 献辞に「To 'Salem's Lot」とあるように,スティーヴン・キング『呪われた町』へのオマージュとして創られた作品。
    吸血鬼と人間との闘いという基本的な構図のほか,平凡で隔絶された田舎の土地,排他的な人々,それらを見下ろすように建つ不気味な館などの設定も共通。
    しかし,著者はこれらの構図や設定などを借用しながらも,まったく独自の世界観をもった作品へと昇華させている。
    まず本作では,登場人物の性格,人柄,家族構成や背景事情,外場村の外観,歴史や風習などの要素が詳細に積み上げられることにより,村社会における濃密な人間関係や陰湿で閉塞的な雰囲気が描き出されている。
    また,『呪われた町』のスピード感あふれる展開に対し,本作はひたひたと忍び寄る死の恐怖が強調されている。
    何より特筆すべきは,『呪われた町』がはっきりとした正対悪を描いているのに対し,本作は単純にそうとは割り切れない点である。
    本作では,屍鬼を単純な悪としては位置づけておらず,屍鬼の視点からその悲哀を描くことにより,その存在や立場の微妙さが浮彫りになっている。
    物語の終盤で屍鬼狩りが進んでいくにつれ,人間と屍鬼のどちらが正しいのか,どちらが邪悪なのかを自問せざるをえず,自分の価値観や倫理観を揺るがされる。
    かなり大部におよぶ作品だが,傑作。

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