屍鬼〈5〉 (新潮文庫)

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著者 : 小野不由美
  • 新潮社 (2002年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240275

屍鬼〈5〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 村人達の屍鬼狩りが始まる。

    屍鬼を狩る人間はむごいと思うか?
    相手は既に死んでいる人間なのだから、葬るのは当然と言える。
    では、屍鬼は悪か?と問われると、必ずしも首肯できない。
    そのあたりの線引きができない人間が、静信なんですよね。

    静信派か、敏夫派か、はっきり分かれそうな所ですが、
    以前読んだ時よりも静信の気持ちが分かるような気がします。

    文庫で5冊という超大作ですが、
    これから先も何度も読み返すであろう作品です。
    やっぱり好き!!!

  • 「ノイタミナ」見て読み返したくなって再読。
    閉じられた山村がじわじわと得体のしれない物に侵食されていく
    怖さ、やっぱり緊迫感があって面白かった。
    田舎特有の密な人間関係でねっとりした怖さが重複してる気がする。

    アニメは絵がどーーしても受け付けない。
    あんなさびれた山奥の村に変な髪形や色のバリバリのアニメキャラ、すごい違和感^^;
    どろどろした日本の土着の怖さが台無しな気がするんだけど…。

  • 本巻ではとうとう屍鬼が駆逐されて行きます。静信は屍鬼が人と同じように思考し、言葉を話し、行動できるなら人として「生きている」と見なしているんですかね。彼はそれを理由に屍鬼を狩ることを拒否しましたが、私自身は敏夫と同じく、屍鬼と人とは異なる相容れない存在と考えます。

    なので、屍鬼の多くが言う「食事をしただけ」ということに対しては、家畜だって好んで食料になってるわけないし、もし可能なら人に反撃するだろうから、屍鬼に対して人が反撃するのもアリでしょ?と思う訳です。(私だって黙って食われるくらいなら、戦って死にたいですよ。)

    そんな屍鬼になった者の中で、律子の振る舞いにはちょっと感動しました。「罪を犯すぐらいなら、罪もないのに殺されてしまう可哀想な被害者になった方がまし」というセリフに。人が感じる以上の強烈な飢餓感に襲われても、そのようなセリフを言える精神力に。

    あと気になった点は、終盤の静信のセリフ。神の範疇だとか……小難しい内容を沙子に説く場面。考え過ぎかもしれませんが、殺人という罪に対する“法”の対処の仕方についての暗喩なのかな、と。後に著される「落照の獄」に繋がっているように感じました。

    かなりボリュームのあるシリーズでしたが、何が一番怖いかって、第一巻と五巻とで全く違う世界になっていることかな。この変化が現実に発生した時、それを受け入れられるだろうか、と。それができなければ、気づいたときは首筋を噛まれているんだと思うと……

  • おもしろくない!とは言わないけど…

    長すぎる
    登場人物が多すぎる
    エピソードが多すぎる
    エグイ場面が沢山あると予想していたが外れた。
    どんでん返しもなかった。(最初に提示されていた)

    静信は色々と理屈云ってるけど、
    結局はロリータ趣味のオッサンじゃないか?
    しかも変容とかしてるし(ちょっとご都合な感じ)

    沙子が歳いってるオバサンさんだったら、あーゆー行動とるか疑問だな。
    っーか物語にならないか…

    この巻の始めの頃の敏夫のセリフは、平和ボケした今の日本人に当てはまる気がする。
    屍鬼をカルト教団とかに置き換えると、現実にもあるかな。

    いっぱい、人が死にました。いくらなんでも殺し過ぎだよ。
    生意気盛りの昭も死んじゃった。
    かおりが助かったのが、せめてもの救い…

  • あぁ面白かった!怖かった!!

    シンプルな「起き上がり」と戦う正義の話ではなく、
    読み終わってみると複雑な気持ちになるし
    何が正義なのか悪なのかなんて、白黒つけるのはもはや意味がない。
    「殺意のない殺人はない。殺意のない殺人は事故だ。」
    の言葉は結構ずっと心にひっかかって
    私は沙子に感情移入をしてしまった。

    それを友人に伝えると、私らしいですね。言われたことも面白く。この本の感想は、その人の性格が出るのだろうとも思う。

    物語としてももちろん面白い。
    だけど、どの登場人物にも自分でも理解できる感情があり、自分もどのキャラクターにも、ひょんなことから豹変し得るんじゃないか、、とドキリとする。

    とにかく、いろんな人の感情を一気にかぶって
    「問われている」といった感覚になることだけでも
    読む価値ある。
    これはオススメの小説

  •  文庫本にして全五巻! 長い! でも、ハマるったらありゃしない!
     前半は多すぎる登場人物と、難解な小説中小説のおかげでかなり読み辛いが、それを越えたら後は止まらない。 とにかくページを捲らずにはいられない展開が続くのだ。
     物語が展開するに従って、この小説が普段手をつけないジャンルであることがわかり、この先を読み進められるか一瞬不安になってしまったが、要らぬ心配だった。 それ以降、むしろ面白さは加速し、寝る間も惜しんで最後まで一気に読んでしまった。

     この物語は非常に多くの人物の目線で語られる。 そのため、登場人物の頭をぴょんぴょん跳びまわるように感情移入してしまい、いろんな視点で展開を追うちに、善と悪、生と死の境がどんどん曖昧になってゆく。
     そして、最後には何とも言えない読後感が残る。 傑作。

  • 喰うか喰われるか、生きるということについて深く考えさせられた。
    彼らは元は人間であって、人間を喰らわなければ生きる道はなくて。それでも必死に抵抗し葛藤する者もいれば、人間を殺す特権を得たと嬉嬉として襲う者もいる。
    人間もまた同様に、殺されまいと抵抗する者、自然の成り行きに身を預けた者、敵の存在を知りながらも見て見ぬふりをする者など様々な考えをもった人が登場する。
    私はこの小説で一番おもしろいと思ったのは、見て見ぬふりをする人々だ。彼らは物語の終盤まで何もしない。ただ事態を傍観しているのみ。しかし、作中ではそんな彼らの様子は頻繁に描写される。
    そして物語の終盤、積を切ったように彼らは行動を開始する。それも激烈に、正しいと信じる道を突き進む。この世で最も恐ろしいものは、考えを持たぬ民衆であると思った。
    全五巻であり、長いと思ったのは事実だ。それでも一度読み始めるとそれは丁寧な描写のおかげだとすぐに気づく。そして何よりも続きが気になり、本から目が離せなくなってしまう。過去に一度一巻で挫折したことがあったが、最後まで読んでよかったと思った。

  • 反撃に参加する者、村を出る者、他にも様々な選択があって興味深い。加奈美と律子の選択が非常に印象的。自分が加奈美だったらきっと同じことを考えるだろう。誰もが律子のように願いながら、やり遂げるのは至難の業。
    敏夫の執念が実っていよいよ始まった人間側の反撃だが、集団特有の狂気が纏わり付いて、どっちが鬼だかわからなくなる。人も屍鬼も、自分たちの生きる場所を守るという点においては同じ。自分が人間側なら生き残るために反撃するし、屍鬼側なら自分のできることをして、恵のようにしぶとく生き延びようとすると思う。怒濤の最終巻だった。

  • 読了。全てを知り得た満足感と答えが出ない重い気持ち。当初勝手に予想していた話の内容とは全く違う方向へ舵が取られていくのを、ひたすらハラハラしながら読みました。共感したり、嫌悪したりと感情が揺さぶられっぱなし、どうなるのかどうするのか目が離せなくて一気に読みました。登場人物が多く、それぞれの人物に多くのページを割いているので、まるで群像劇のようでもあり、物語に深みと奥行きを与えていました。まるで村全体を俯瞰している観察者のような、そんな気持ちになってすっかり引き込まれたように思います。
    しかし再読までにだいぶ年月が要りそうですね…重いだけに。とりあえずフジリュー先生のマンガ版も読んでみたいと思います。

  • 冗漫。

    予定調和的なラスト。
    ここまで長くする必要があったかな。

    いろいろ考えさせる話ではあるが、静信が、あーも簡単に人間殺しちゃ興ざめでしょう。
    また、村人が幾ら何でも異変に気づくのが遅いし、外界(町)の人もおかしいと思うでしょう。

    夏野をはじめとする純粋で勇気ある子供たちの姿が救いかな。

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村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。鬼どもを追い立てる男たちの殺意が、村を覆っていく-。白々と明けた暁に切って落とされた「屍鬼狩り」は、焔に彩られていつ果てるともなく続いていった。高鳴る祭囃子の中、神社に積み上げられる累々たる屍。その前でどよめく群れは、果たして鬼か人間か…。血と炎に染められた、壮絶なる完結編。

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