- Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101240275
感想・レビュー・書評
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非常に日本的な小説だったなあという感想。
正義とか復讐とかいう大義名分を得た人間の怖さを知らしめる最終巻って感じでした。
登場人物がそれぞれ愚かに見えたけれど、多分、世の人々も私を含め、そんなにあれこれ考えて生きてない。人間らしいってのは馬鹿と紙一重なのかもなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やっぱり登場人物や諸々の叙述で不必要なところが多かったなーと感じる。エンドも収拾がつかなくなった感じがするなぁ。こういう物語はエンドに行く手前までがピークなのかな。過程はとても楽しめた。内容としては上下巻で十分収まると思った。静信の弱さが嫌い。中途半端な清らかさもイライラする。敏夫の俗っぽさが対称的で、どこで二別されたのかなと。大量虐殺に安っぽい哲学はいらない。ひたすら真っ直ぐで偏った自らの正義をかざすのがせいぜいだろう。太字の静信の小説につながる叙述が本当にいらない。これはそういう類の物語ではない。愚痴ばかりになるが、そこそこ楽しめました笑
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沙子は哀れだと思うし、生きるために他者を犠牲にする以外彼らに選択肢はないのだから…とも思う。しかし若御隠やその父は…はた迷惑な正義感や行動が過ぎる。。
敏夫、間一髪で良かったけれど、いちど屍鬼になってしまった者は救う手立てがないのが残酷。 -
【310】
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人だけではない、この世に生を受け生まれたモノ全てが他を搾取しなければ生きていけない。
「生きるということは結局のところ、存続のための存続に奉仕するということ」
正にそれを再認識された作品。 -
外部からは1本の国道しか繋がっておらず、周囲から隔離される小さな村、外場村。土葬の習慣も未だ残っている村。
そんなある日、山入地区で3人の村人の死体が発見されたが、村人達によって通常通り埋葬される。しかし、その後も村人が次々と死んでいき、異変は加速していった。村の医者、住職はこの件に疑問を抱き、調査を進めるが...
ただ暗く絶望的であった物語も最終巻では大きく動く。
住職、静信の選択が正しいとも言い切れない。夏野の選択はどうだろう、綺麗な選択なのだろうな。読者から共感、同情されるのは彼だろうか。
人間としては尾崎医師が一番人間らしいのかも。それが良いのか悪いのかは別として。
何かを殺した者は自分も同じことをされる、されても何も文句は言えない、という単純な同害報復の理論ということではないんだろうなあ。
人間は自分の罪に無自覚だというのがささる。
五巻一気に読んだけれど、まだ上手く消化できない。 -
長いストーリーが終焉を迎えてしまいました(´・ω・`)ショボーン
屍鬼VS人間の対決はいかに(≧▽≦)
屍鬼になろうが人間のままであろうが本質的な性格は変わらないらしく、起き上がること自体が屍鬼にとって幸せなことではないのだなあ。 -
2015年9月末読了。
人間つええ。人間こええ。ってなる5巻。好きで神に愛されない体質になったんじゃないのにね。愛されたくないヤツなんていないのにね。だから、屍鬼におちた人々や沙子には同情する。彼らのもつ切なさには涙した。
そして人間の傲岸さ不遜さが見えた。
でも、実際屍鬼に自分のすんでるとこが襲われたらやだ。
うまくいく方法はないものか。 -
ようやく読み終わった、という感じです。正直、一、二は話が進まずにしんどく思いました。そして登場人物が多く覚えられないから、誰が誰だか。でも、四、五は一気に読みました。ここまできたらどんな結末になるんだろう、という不安感に急かされて。で、まあ、そうなるか〜という。
登場人物にまったく共感できないし、静信の小説はつまんないし、いや、彼の心情の代弁だとはわかるけど、とにかくしんどかったです。でも辰巳くんはすき。
屍鬼を絶対的悪とは描かず、人間・屍鬼、両方の弱さや辛さが五巻で浮き彫りになってて、つらい〜と思わずにはいられませんでした。沙子や静信に生きてほしいけど、同時に死んでほしいかんじ。