残穢 (新潮文庫)

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著者 : 小野不由美
  • 新潮社 (2015年7月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240299

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残穢 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 考え出したらキリがない。
    そんなリアルな恐怖が読むほどにまとわりついてくる「やっかいな」物語だ。
    自分とは無関係、自分にとっては架空の物語。
    そんなふうに思わなければ、ふとしたときに「穢れ」への恐怖に巻き込まれてしまいそうな怖さがあった。
    物書きである「私」は怪奇系の事例を集めていた。
    ある日、久保という読者から「部屋の中に何かがいる」といった手紙をもらう。
    すべての始まりは、たった一通の手紙だったのだ。
    穢れと罪との関係性など興味深く読んだ。
    どんな経緯で現象が起きているのか。
    調査していく中で原因らしきもの、その感染の経路、そして新たなる穢れの発生。
    それらが淡々と語られていく。
    主人公である「私」はこれらの現象を深刻に受け止めるような性格ではない。
    だからこそ、次々と現れる「穢れ」の因縁を追いかけることができたのだろう。
    しかし感情とは別に本能が危険を察知する。
    これ以上進んではいけない。
    キリがないから、と「私」は自分自身で納得するけれど、実は危険区域に入り込んでしまった被害を最小限に食い止めるための本能だったのだ、と思う。
    もしかしたら読む人を選ぶ物語かもしれないが・・・。
    何度か背後の気配を伺いながら、それでも読むことを止めることができなかった。
    読んでしまったら、「これは物語!!」と言い聞かせないと怖くて仕方なくなるだろう。
    わかっていたのに、結局最後まで読んでしまった。

  • 遂に買ってしまった...!表紙に大きな帯が付いていて、竹内結子がついてるなら買わなきゃアカンと(笑)←ミーハー

    再読してもやっぱり恐い。でも、単行本の時の方が初見だったからスゴイ怖かったかな。
    本棚に入れるのもちょっと抵抗がある。
    とりあえず妹に貸そう(笑)。

    この本を読むと、今住んでる土地の歴史とかすごく気になってくる。引っ越すときとか考えよう。

  • 最近ではワケあり物件というものに一定の需要があるそうだ。
    事件事故で人が亡くなったり、近くに迷惑施設があったりするものをいうらしい。
    過去にそこで人が亡くなっていても気にしない、という人なら、かなり安く済むそうだから、良い物件なのかもしれない。
    そもそも、この狭い国土の中で、人が亡くなっていない場所などあるのかという疑問もあることだし、恐れることはないのかもしれない。
    私はさすがに前の住人がそこで亡くなっていたとしたらあまりいい気持ちにはなれないので、できるだけ避けたいと思っている。
    ま、寿命なら仕方ないよね!なんて努めて明るく書きたいのだが、その理由はある文章があまりにも恐ろしかった反動だ。
    食器を洗っていて、ふとステンレスの蛇口に目を向けると、人が映っている。
    それだけでも不気味なのに、高さがおかしい。
    人がぶら下がっているような高さだった、という内容なのだが、それがあまりに怖くて、今もぞくりとしながら書いているというわけだ。
    もう、食器洗えないよ!!!!!

    今は真昼なのに、騒がしい子供がいてくれないとこんなに後ろが恐ろしいとは。
    この文章は今後読み返したくない。
    せっかく忘れかけていたのに!!!書いたことで思い出してしまった!!!!

    本書の恐ろしいところは、穢れが感染するということ。
    見えないけれど感じる何かの存在、誰も逃れられない死の恐怖。
    しかし、そんな怖がりの私でも怖くないものがあった。
    それは赤ん坊の泣き声と、飛び出てくる赤ん坊の姿を描いた場面。
    ずっと昔は赤ん坊の泣き声が怖くて仕方がなかったが、今はそうではなくなっていた。
    このことに自分でも驚いた。
    泣いているならこっちにおいで、という気持ちになったのだ。
    もしかしたら赤ん坊の幽霊は私を引き込んでしまうかもしれないけれど哀れでならなかった。
    私は決して模範的な、立派な母親ではないけれど、泣いていたら抱き上げてあげたいと思った。
    本物の泣き声にはうんざりするのに、これは一体なぜだろう?

    どこまで本当でどこからが虚構なのか?
    こんなの作り話でしょ、と一笑に付すのは勝手だが、恐れと哀れを感じることが人の思念を昇華させるのではないだろうか。
    現実とは、人の心が作った摩訶不思議なものだから。

  • 怖かった…。

    本当に怖いのに、圧倒的な文章力に引き込まれてしまう。
    引き込まれて、読み進めずにはいられない。
    のだけれど、さすがに部屋では読む気になれず外出している時間で読み切った。

    呪い、でも
    祟り、でもなく、
    穢れを持ってくるあたり。

    どんな超常現象も、まずは理論的に解明しようとする語り口。
    だからこそ、否定しきれなくなったときの怖さが際立つ。

    理不尽でどうしようもない。

  • 文庫化による再読。やっぱり、怖い。最初に単行本で読んだ当時、それぞれの土地の移り変わりが把握できず(人の名前を覚えるのが苦手で…)図面と年表のようなものを作ったけど、今回もやっぱり覚えられず、何度も前後を行き来。
    ホラー描写が流石。ショッキングな、幽霊バーン!!という物は少ないのに、背中がぞくぞくする、身体が冷たくなるような怖さ。現実的に進んでいく謎解きや、作者自身の実体験がどこまでリアルに反映されているのか分からない現実と創作の境目を考えるのも楽しい(悪霊シリーズ大好きです)
    やっぱりこの本は、鬼談百景と同時進行で読むシリーズで、違う出版社からでも同時に発売された事は素晴らしいと思う。
    あと、個人的には平山夢明さんが好きなので、実名で登場されるのが大変嬉しかった。この描写がまた、格好いい。

  • 久しぶりにトイレに行くのが怖くなりました

  • 語り手の「私」といい、登場する作家といい、実在の人物が出てくるものだから読んでる間中ずっと頭の中がぐるぐるしていました。
    え、えっ、これフィクションだよね、小説だよね、現実あった話じゃないよね、小野さん!?やめてよー!!
    こんな風に思ってしまっている時点で、作者にはしてやったり、とニンマリ笑われているのだろうけども。
    あんまり気味が悪く、夜通し一気に読んだ後に作中で言われている「語ってはいけない話」まで調べたもんで、リアルに一人でトイレに行けなくなりかけました…。行ったけども。

  • 怖かった、読み終わった今も怖い。
    どうしよう、本を手元に置いておきたくない…

  • 穢れが感染する、という話。
    身近に置き換えると、自分も?と怖くなるということなんだろうけど、穢れ、まではいかなくともマイナスの感情が感染するというのは日常生活でもよく体験することなので、そことリンクすると怖いというより「あるよなぁ」と思ってしまった。悪口ばっかり言っている人達と一緒にいると悪口ばっかり言うようになる。人を馬鹿にする人と一緒にいると自分も人を馬鹿にするようになる。
    感染するものが「怪異」となって現れる「不幸な死」となると、非常に恐ろしいし、感染せずに生きていたいと思うが、感情の感染は命を奪わなくても最終的には人生を変えるからアプローチが違うだけで影響度は変わらないのではないかと思いました。

  • 畳をサっと擦る音、赤ん坊の泣き声。文章で読むとリアルに脳内で再生されてゾッとした。ドキュメンタリータッチですすむので、読んでいる側も、もしかするとこの小説を持っているだけで穢れを受けてしまうのではないかという恐怖を感じた。とても面白かったので一気に読んで友人にあげました。

  • すっごく怖い!と聞いて覚悟しながら読んだけど、読了後はそんなに。
    けれどじわじわ怖い。
    なにが恐ろしいのだろう、と考えて到達した結論は、この話がフィクションなのか、ノンフィクションなのか分からないところだな。
    この話がフィクションでありますように!

  • 超つまらなかった。屍鬼がそこそこ面白かったから期待したのにー。ルポ形式で読みにくいなー説明多いなーと嫌気がさす。盛り上がりは大してない。ドキュメントだから、淡々と明らかになる事実がリアルなんだろうけど、リアルではなくドラマティックなホラーが読みたかった。穢れが感染するって所謂憑き物なのかな?だとしたら大量に憑き物が出てくる怪談話を具体的に広範囲にしただけの物語のような気がした。情報量が多いのが、個人的には口説かった。

  • 映画を見る前に。ホラーはあまり読まないので断言はできないが、異色な作品だと思う。主人公が淡々と身に降りかかる残穢を語るのが一番怖い。そして自分の不運をこの本のせいにし出したら……怖いよぅ

  • 怖い怖いと聞いていたがこれは怖い。

    なんら盛り上がる事もなくクライマックスにカタストロフィがあるわけでもないが起こる怪異がじわじわと怖い。

    話の性質上しょうがないが、何処何処の誰々さんが多すぎて多少混乱してしまった。

    こうなると「ゴーストハント」シリーズも読んでみたい。

  • 怖い。読まなきゃよかった。

    超傑作「屍鬼」の小野不由美の山本周五郎賞受賞作且つ竹内結子&橋本愛主演映画の原作。っていう情報から想起するのと全然違う怖さ。読み終わった俺はこのあとどうすればいいの。

    敢えて例えるなら「和風ブレア・ウィッチ・プロジェクト」。よくできてる。いろいろ振り返りたいけど、今夜目が覚めた時に怖いからやめとく。

  • これは怖かった、実に。「存在自体が怪」というのが何とも。読んでて何度、首筋がゾクゾクときたか。。

  • 2015.12.05読了
    昨日から読み始めて一晩で読み切ってしまった。
    とにかくじわじわ怖い。
    読み途中の時の家への帰り道がいつもの道なのに怖かったのなんの…
    悲鳴を上げるような怖さではなく、じわじわ背筋が寒くなってくるような怖さ。

    話は作者の小野不由美を思わせる作家である主人公の元に読者からの手紙が届くところから始まる。その女性久保さんの部屋では変な音がするらしい。
    久保さんとともに調べ始めると、そのマンションは人が居着かないと有名な部屋がいくつかある。またそのマンションに隣合う分譲団地も人の出入りが激しかった。その土地の歴史を調べるうちに、怪異は穢れとして感染していくものなのではないかと思うようになる…

    ドキュメンタリータッチで、実在する人物が出てきたりするので、実話かフィクションか分からなくなっていく。
    穢れが感染するという辺りで、この本を読んでる私は…?と誰でもなると思う。私は背後の物音を聞いた気がして、振り返れなかった。
    また穢れの感染が際限がないところも怖い。地理的な制約はなくどこまでも広がるし、穢れの上に穢れが重なることもある。家やマンションを買う時にものすごく慎重に歴史とか調べちゃいそう。
    でもそれでも調べきれないところはあるし、防げないだろうというところが怖い。

    全然関係ないけど、作者が関係者に手紙を送って問い合わせをするところがよかったな。今どきはみんなメールやLINEですぐ連絡取れちゃうから手紙を待つっていうのが新鮮だった。

    じわじわ怖い話を読みたい人はぜひ読んで欲しい。

  •  マンションで変な音がするという、作家に送られた手紙を発端に、原因をひもといていく話。

     単行本が出たときに、とんでもなく怖い、と宣伝が出ていてびくびくしながら読んだんだが…。
     確かに怖い。
     が、怖いの種類がちょっと違う。

     「四谷怪談」とか「リング」とか、そういうありそうでないような恐怖ではない。
     語られる事象は、あくまで他人のことなのだ。作家が聞いたことを文章にした、というスタンスはゆるがない。
     揺るがずにいられることが、怖い。

     とにもかく説明に困るけど、怖さのベクトルが他と一線を画しているのは間違いない。

     ああ、山岸涼子氏のホラー漫画で、霊道になっている家の話があって、一番怖いのはたくさんの霊に囲まれていても全く気付かないその家の主っていうのがあったのを思い出した。うん。それと同じベクトルで、怖かったんだと思う。

  • よくある幽霊ものとは違って、出てくる幽霊の個人的な恨みなどが介在しないことが逆に怖い。
    ウイルスのように広がっていく穢れにじわじわとした恐怖を感じる。

  • 2015.10.12

    鬼談百景と同じく、図書館で借りたものの、再読したくなり文庫を購入。
    単行本を読んだときから文庫版が出たら買おうと思ってました。
    図書館で借りた本を買うのは初めてかも。

    残穢のなかの主人公は、鬼談百景を編纂している作者自身という設定も面白く、読者から寄せられたマンションの怪異について、ノンフィクションのような形で追っていき、最終的に、とある地方に行きつくというストーリーがすごい。
    登場人物が多すぎて覚えきれず、途中でこれ誰だっけ…?となり何回も前のページに戻ったりもしましたが…w
    また、本作の中に著名な怪談収集家の実名も出てきたりで、ホラーファンにとってはおおっと思いました。
    ノンフィクションなのかフィクションなのかわからないリアルさが新鮮でした。

    小野さんの作品は淡々と客観的に語られながらも凄くゾクゾクさせられるのですが、これも淡々と怖いです。
    小野さんの作品はどれも大好きですが、なかでもこちらはは極上のホラー小説です。
    来年は映画化されるとのことなので、この作品を映像として観るのが楽しみです。

  • 映画化の評判を聞いて購入。

    背筋を冷やすような心霊現象の数々も適度な恐怖を煽っていたけれど、何よりも現象にあてられた解説がとても勉強になった。
    著者の解釈が素人の私には新鮮で、そちらに夢中になるあまり恐怖心はあまり感じなかった程。
    楽しく読めました、とても。

    怪談としては、ページをめくるに連れて恐怖心が薄れていくような印象。
    私の気がそれてしまったためかもしれないが、深く深く掘り下げられるにつれて、現象そのものの現実味が遠のいてしまったように思う。
    徐々に勢いを増して、積み重なる穢れ。
    その恐ろしさを語るにはとても悠長な語り口であったような。

    ただ、目を閉じ目それぞれの恐怖体験を思い起こし、我が身に起こったことのように空想を広げる。
    どれもぞっとするほどの出来事で、意図せず現実に戻りたくなる。
    このような穢れを、隣人の誰かが持っていたら。
    今日食事をした何某が引き連れていたら。
    そして、目に見えない穢れを、自宅に招いてしまったら。
    想像するだけで、身体が重くなる。

  • どこからが作り話なのか、どこまでが本当の話なのか、全く分かりませんが、全部本当のことに思えます。

    怖いといえば怖い。
    怖くないといえば、怖くない。

    でも、夜読んでるとちょっと嫌だったので、
    昼間だけ読んでました。

  • ドキュメンタリー風で面白かった。
    家の持ち主の名前がたくさん出て来て判別するのが大変で何回もページを戻った…。
    メモ取りながらとか配置図とかがあったら楽だったろうなあ…。

    『鬼談百景』に載っている「お気に入り」から拡がり、その怪異の根源を探していく。
    過去へ遡るのにはドキドキ。
    根源は遠く離れた地へ…。

    「欄間」も登場。
    作者の背景がそのままだったり、実在する作家が出て来てリアリティがある。
    どこまでが本当なのか…。

    今自分が住んでいる場所は以前は何があったのか。
    直近のものは分かっても大昔は分からない、祟りが直近とは限らないというのは頷ける。

    穢れが広がっていくというのはどこにいても感染してしまいそうだ。

  • 怖い。
    ひたひたと忍び寄る不気味さと、底知れぬ不可解さ。
    まるでドキュメンタリーを読んでいるようで、虚構なのか真実なのかさえわからなくなる。
    感染力の強い穢れに触れたものがじわじわと拡大し、無差別に広がっていく様に背筋がぞくぞくする。
    間違ってもこんなものに出会いたくはない。

  • 作家の私のもとに、一通の読者からの恐怖体験が綴られた手紙が届く。それは昔私があとがきに載せた『あなたのまわりの怪談を送ってください』というのを買った古本で見つけたからだった。そこには引っ越してきた部屋の和室で畳を擦る音がするというものだった。些細な出来事はしかし興味本位に追いかけはじめた私と手紙の送り主に胸に重くのしかかる事実を示し始める。
    怪談の囁かれる場所は穢れを持つ。さてその穢れはどこから?

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残穢 (新潮文庫)の作品紹介

この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢(けが)れ」となり、感染は拡大するというのだが──山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!

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