月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)

  • 3936人登録
  • 4.31評価
    • (638)
    • (441)
    • (190)
    • (16)
    • (4)
  • 349レビュー
著者 : 小野不由美
制作 : 山田 章博 
  • 新潮社 (2012年6月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240527

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 本作のアニメはだいぶ前から見ていて好きでした。
    ストーリーはだいたい同じですが、アニメと異なる主な点として、原作では陽子の通う学校が女子校だが、アニメでは共学であること。
    そして、原作であちらの世界に行くのは陽子だけだが、アニメでは、陽子と杉本と浅野(男)の三人であること。杉本は原作にもちょこっと出てくるが、浅野はアニメオリジナルキャラだったんですね。

    確かに、アニメとして面白味を出すには仲間もいた方が都合が良かったのでしょうね。

    さて、この上巻では、普通の女子高生の生活から急に異世界に引きずり込まれ、化け物との戦闘や、見知らぬ人に騙されたり、裏切られたりと救いの無い展開。救いや成長や希望は下巻になるのですが。

    それにしても、陽子がいなくなった後の現世のクラスメイトの描写が端々に出てきますが、何ともドロドロしくて嫌な気分にさせられます。
    しかし、薄い人間関係に甘んじていた陽子が、否応無しに人の本性を見せつけられ、良くも悪くも成長を遂げていくことになるのです。

    本作はファンタジー小説という装いの中で、一人の人間の成長を描いているのだと思う。もちろんファンタジーの部分においても非常に優れた作品です。

  • 小野不由美さんによる大河ファンタジー「十二国記」の、開幕の物語。
    一見どこにでもいそうな女子高生、でも人とは違う"何か"を持つ陽子が主人公。

    なんてことのない日々の高校生活を送っていた陽子ですが、、
    ある日、金髪の男性に異世界に誘われるところから、物語が始まります。

    流されるままに渡った先は文化も価値観も全てが異なっている世界、
    それでも不思議と言葉は通じ、一振りの剣と共に彷徨うことになります。

    道中、これでもかと云うくらいに"人間"に裏切られ続けながら、
    元の世界を垣間見ても、友人はもとより両親からも忘れられつつありながら。

    そんな負のエネルギーが覆いかぶさってくる状況は、
    徐々にしかし確実に、陽子を荒んだ心境へと追い込んでいきます。

    それでも、行きつくところまで行きついて、堕ちそうになった限界での一つ出会いによって、
    少しづつではありますが、再生と自立への道に戻っていく事になります。

    決して善意だけではないけれど、一つ一つを積み重ねていくことで救われていく、
    そんな風に自分を見つめ直しながら戻った道の先には、一つの"カタルシス"が待っています。

    初めて読んだのはもう10年以上前、妹に借りて手にとって、
    妙にシステマチックで社会実験のような設定とオリエントな雰囲気に引き込まれました。

    背景の一つにあるのは、天帝や西王母などの古代中国の神話となりますか。
    当初少女向けに描かれたにもかかわらず、埋め込まれたテーマは重く、印象的でした。

    さて、陽子の旅路の涯てに待っているモノは、、なんて。

  • 中学以来でしょうか。新装版が出るということで10数年ぶりに読んでみたのですが、昔読んだ感覚とはまた違った印象を受けました。
    今だからこそ、陽子の心情や彼女を取り巻く人達の行動などを理解することができた気がします。

    上巻はずっと鬱なのでここで諦めてしまう人が多そうですが、下巻で味わう爽快感は素晴らしいです。
    私の中ではダントツ1位です。

  • 何度目かの読了。時々、読みたくなる本の一冊。これまではその度に図書館でかりてたんだけど、今回は購入した。
    陽子が裏切られ、襲われ、裏切られ、誰も信じられず、ボロボロになっていく様が印象的。
    それでも、なお、後半、人を信じていこうと決めるところ、実は選ばれた王だとわかるところはすごくワクワクする。上下ともに一気に読み終えた。
    おそらく、前王と同じように、現代の陽子からそのままの状態できたら王の器でありながらも、それを受け入れることができずに、終わってしまってたのかも、と思う。
    ボロボロになりながらも生きることを諦めなかった陽子。かっこいい。

  • ◆ファンタジー小説と侮ることなかれ◆
    普通の女子高生だった主人公の成長譚。
    突然放り出された異界で極限まで追い詰められる陽子。理由も目的もわからないまま襲い来る敵とたった一人戦い続ける過酷な旅。人に裏切られ、猜疑心に囚われ、肉体的にも精神的にも打ちのめされる。上巻は苦難の連続で読んでて辛い。でも自分と向き合い葛藤を乗り越えていく陽子の成長ぶりと物語の伏線が収束されていく後半の気持ちよさは必読。壮大な十二国記シリーズの第一作目。続きもぜひ!

  • 初読の時はそれはもう打ちのめされた『月の影〜』。新装版刊行で再読している訳ですが、なかなかあのトラウマに再対峙する勇気が出ず、それでも『風の海〜』を読んだ勢いで一気に読んでみた。
    上巻は特にどん底巻ですが、既に先を知っているからという部分を差し引いても、随分と楽に読めた気がする。

    初期の陽子は「いやだ」「帰る」と泣くばかりで、突然女子高生がわけもわからぬまま生きるか死ぬかという世界に放り出されたとはいえ、弱く、甘えていて、だからこそその偽りない人間くささに読む側は同調し、苛立ち悲しみ絶望する。それでも「生きて帰る」という強い意志だけは本来陽子が持っていた力であり、いろいろな事をしっかりと確実に学びながら前に進んでゆくその一歩一歩が、彼女を大きくはっきりとしたものにしてゆく。

  • 上巻はきっつい。
    いきなりわけもわからず放り込まれて、裏切られて裏切られて。
    ストーリーはわかっててもそれでも、読むのがつらくなる。
    でも、これがあるから下巻が生きる。
    これから出逢う人たちが、とてもとても素敵な人?たちで、かっこいい展開になる。つらかったからこそなおのこと。
    それを知ってるから、陽子ちゃんがんばれーと思いながら読む。

    で、知らずに自分も浄化されてるのだ。
    私ももっと信じてみよう、裏切りをおそれないでそれを受け入れる強さを持とう、
    できなくても、できるかもしれないかも、と力わいてくる。

  •  再々々々々……再読。

     一体何度読んだことか。
     最初に読んだのはまだ中学生だった頃。少ない小遣いを漫画に使わず、小説に使ってちょっと得意げだった。でも小説を読むのに慣れておらず、一場面一場面を理解し想像するのに手こずり、一行一行を舐るように読んだ。
     今はもう、そんな贅沢な本の読み方は絶対にできない。

     そして今数年振りに読んでみると、中学時代に築いた財産で、これ以上ないくらい十二国の景色と陽子の息遣いが想起される。新装版での一読みも、次に読む時の財産になるのだろう。

     私の財産を守る扉はこの一冊にあり。

  • 講談社文庫版ですべて持ってるけど・・・
    これはきっと買ってしまうだろうなぁ。
    新作書下ろし長編が楽しみすぎる。
    今月号のダ・ヴィンチのインタビューによると、舞台は戴になりそうなので、期待大!!

  • <内容紹介より>
    「お捜し申し上げました」――
    女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を
    潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わなければならないのか。怒涛の如く押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。

    「十二国記」とは
    ≪十二国≫は、地図上には存在しない異界。我々が住む世界とは虚海という広大な海に隔てられ、「蝕」と呼ばれる現象によってのみ繋がっている。≪十二国≫では、神獣である麒麟が王を見出し、「誓約」を交わして玉座に据える。選ばれし王、それを補佐する麒麟、そして官吏や民たちが、過酷な運命に対峙する姿を描く物語である。

    ――――
    現実世界では教室でおこるいじめに、消極的ではあるものの加担していた陽子。
    教師の望む用のふるまい、「良い子」であろうとする陽子。
    両親の期待を裏切らないよう、気を遣いながら過ごす陽子。

    ある日、突然に「ケイキ」と名乗る男に連れられ、異界へたどり着き舞ます。
    右も左もわからない異界で、助けてくれると思った人に裏切られ、次第に他人を頼ることができなくなり、自分の力だけで迫りくる妖魔や飢えと戦うことになります。
    ケイキから渡された宝剣が夜ごとに見せる幻では、現実世界で自分がしてきたこと(他人に合わせること)が結果として何も生んでこなかったことを突き付けられ、絶望しつつも、生きることに執着する陽子の厳しい戦いが続きます。

全349件中 1 - 10件を表示

小野不由美の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
小野不由美
有効な右矢印 無効な右矢印

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)に関連するまとめ

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)の作品紹介

「お捜し申し上げました」──女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。

「十二国記」が動きだす!シリーズ「本編」第一作、Episode1!

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)の文庫

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)の文庫

ツイートする