月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)

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著者 : 小野不由美
制作 : 山田 章博 
  • 新潮社 (2012年6月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240527

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月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 本作のアニメはだいぶ前から見ていて好きでした。
    ストーリーはだいたい同じですが、アニメと異なる主な点として、原作では陽子の通う学校が女子校だが、アニメでは共学であること。
    そして、原作であちらの世界に行くのは陽子だけだが、アニメでは、陽子と杉本と浅野(男)の三人であること。杉本は原作にもちょこっと出てくるが、浅野はアニメオリジナルキャラだったんですね。

    確かに、アニメとして面白味を出すには仲間もいた方が都合が良かったのでしょうね。

    さて、この上巻では、普通の女子高生の生活から急に異世界に引きずり込まれ、化け物との戦闘や、見知らぬ人に騙されたり、裏切られたりと救いの無い展開。救いや成長や希望は下巻になるのですが。

    それにしても、陽子がいなくなった後の現世のクラスメイトの描写が端々に出てきますが、何ともドロドロしくて嫌な気分にさせられます。
    しかし、薄い人間関係に甘んじていた陽子が、否応無しに人の本性を見せつけられ、良くも悪くも成長を遂げていくことになるのです。

    本作はファンタジー小説という装いの中で、一人の人間の成長を描いているのだと思う。もちろんファンタジーの部分においても非常に優れた作品です。

  • 小野不由美さんによる大河ファンタジー「十二国記」の、開幕の物語。
    一見どこにでもいそうな女子高生、でも人とは違う"何か"を持つ陽子が主人公。

    なんてことのない日々の高校生活を送っていた陽子ですが、、
    ある日、金髪の男性に異世界に誘われるところから、物語が始まります。

    流されるままに渡った先は文化も価値観も全てが異なっている世界、
    それでも不思議と言葉は通じ、一振りの剣と共に彷徨うことになります。

    道中、これでもかと云うくらいに"人間"に裏切られ続けながら、
    元の世界を垣間見ても、友人はもとより両親からも忘れられつつありながら。

    そんな負のエネルギーが覆いかぶさってくる状況は、
    徐々にしかし確実に、陽子を荒んだ心境へと追い込んでいきます。

    それでも、行きつくところまで行きついて、堕ちそうになった限界での一つ出会いによって、
    少しづつではありますが、再生と自立への道に戻っていく事になります。

    決して善意だけではないけれど、一つ一つを積み重ねていくことで救われていく、
    そんな風に自分を見つめ直しながら戻った道の先には、一つの"カタルシス"が待っています。

    初めて読んだのはもう10年以上前、妹に借りて手にとって、
    妙にシステマチックで社会実験のような設定とオリエントな雰囲気に引き込まれました。

    背景の一つにあるのは、天帝や西王母などの古代中国の神話となりますか。
    当初少女向けに描かれたにもかかわらず、埋め込まれたテーマは重く、印象的でした。

    さて、陽子の旅路の涯てに待っているモノは、、なんて。

  • 中学以来でしょうか。新装版が出るということで10数年ぶりに読んでみたのですが、昔読んだ感覚とはまた違った印象を受けました。
    今だからこそ、陽子の心情や彼女を取り巻く人達の行動などを理解することができた気がします。

    上巻はずっと鬱なのでここで諦めてしまう人が多そうですが、下巻で味わう爽快感は素晴らしいです。
    私の中ではダントツ1位です。

  • 何度目かの読了。時々、読みたくなる本の一冊。これまではその度に図書館でかりてたんだけど、今回は購入した。
    陽子が裏切られ、襲われ、裏切られ、誰も信じられず、ボロボロになっていく様が印象的。
    それでも、なお、後半、人を信じていこうと決めるところ、実は選ばれた王だとわかるところはすごくワクワクする。上下ともに一気に読み終えた。
    おそらく、前王と同じように、現代の陽子からそのままの状態できたら王の器でありながらも、それを受け入れることができずに、終わってしまってたのかも、と思う。
    ボロボロになりながらも生きることを諦めなかった陽子。かっこいい。

  • ◆ファンタジー小説と侮ることなかれ◆
    普通の女子高生だった主人公の成長譚。
    突然放り出された異界で極限まで追い詰められる陽子。理由も目的もわからないまま襲い来る敵とたった一人戦い続ける過酷な旅。人に裏切られ、猜疑心に囚われ、肉体的にも精神的にも打ちのめされる。上巻は苦難の連続で読んでて辛い。でも自分と向き合い葛藤を乗り越えていく陽子の成長ぶりと物語の伏線が収束されていく後半の気持ちよさは必読。壮大な十二国記シリーズの第一作目。続きもぜひ!

  • 初読の時はそれはもう打ちのめされた『月の影〜』。新装版刊行で再読している訳ですが、なかなかあのトラウマに再対峙する勇気が出ず、それでも『風の海〜』を読んだ勢いで一気に読んでみた。
    上巻は特にどん底巻ですが、既に先を知っているからという部分を差し引いても、随分と楽に読めた気がする。

    初期の陽子は「いやだ」「帰る」と泣くばかりで、突然女子高生がわけもわからぬまま生きるか死ぬかという世界に放り出されたとはいえ、弱く、甘えていて、だからこそその偽りない人間くささに読む側は同調し、苛立ち悲しみ絶望する。それでも「生きて帰る」という強い意志だけは本来陽子が持っていた力であり、いろいろな事をしっかりと確実に学びながら前に進んでゆくその一歩一歩が、彼女を大きくはっきりとしたものにしてゆく。

  • 上巻はきっつい。
    いきなりわけもわからず放り込まれて、裏切られて裏切られて。
    ストーリーはわかっててもそれでも、読むのがつらくなる。
    でも、これがあるから下巻が生きる。
    これから出逢う人たちが、とてもとても素敵な人?たちで、かっこいい展開になる。つらかったからこそなおのこと。
    それを知ってるから、陽子ちゃんがんばれーと思いながら読む。

    で、知らずに自分も浄化されてるのだ。
    私ももっと信じてみよう、裏切りをおそれないでそれを受け入れる強さを持とう、
    できなくても、できるかもしれないかも、と力わいてくる。

  •  再々々々々……再読。

     一体何度読んだことか。
     最初に読んだのはまだ中学生だった頃。少ない小遣いを漫画に使わず、小説に使ってちょっと得意げだった。でも小説を読むのに慣れておらず、一場面一場面を理解し想像するのに手こずり、一行一行を舐るように読んだ。
     今はもう、そんな贅沢な本の読み方は絶対にできない。

     そして今数年振りに読んでみると、中学時代に築いた財産で、これ以上ないくらい十二国の景色と陽子の息遣いが想起される。新装版での一読みも、次に読む時の財産になるのだろう。

     私の財産を守る扉はこの一冊にあり。

  • 講談社文庫版ですべて持ってるけど・・・
    これはきっと買ってしまうだろうなぁ。
    新作書下ろし長編が楽しみすぎる。
    今月号のダ・ヴィンチのインタビューによると、舞台は戴になりそうなので、期待大!!

  • 正直はじめは我慢の必要な本でした。世界観がつかみにくく、陽子が何をしなければいけないのか、なんのために異世界に送り込まれたのか・・・。
    世界観に入り込めてからはとにかく面白くてしょうがないシリーズです。

  • ファンタジーは全く苦手だったのだが、この作品は一気読みした。

    同じ会社の方に貸して頂いた一冊。

    主人公が日本出身。日本の名前。
    これが受け入れ易い。

    物語は次第に現実から遠ざかる。
    正しくファンタジーの世界へ加速してく。

    が、しっかりついていくことができる。
    次々に起こるアクシデント。

    全く飽きさせず、同じ速度のまま下巻へ・・・

    こんなにファンタジーに没頭したのは初めての経験だ。。。

  • 初めてこの本を読もうとしたのは中学生の頃。10ページと耐えられずに挫折しました。
    何故なら主人公の陽子が嫌いなタイプだったから。

    八方美人だし、クラスのいじめには結果的に加担してるし、「女版のび太か!!?」と叫びたいくらい何もできないし(もう高校生である上に、射撃ができない点でのび太にも劣る)無理だわーこの主役うんざりだわーと・・・

    思ってたんですが、お友達から
    「十二国記を読まないなんて人生の10分の9は損してる!!」
    と説得を受け、再読してみたらこれが途中からすごく面白い。

    何より陽子ちゃん、「女版のび太」が「バルサ(『守り人シリーズ』)」に急成長するなんて・・・本当にがんばったね(涙)

    というわけで、今や「手を出して良かったなあ」とオススメ下さった方に感謝しております。下巻まで読んだので、続き読むのが楽しみ~

  • 最初に読んだのは中学生の頃だったか。
    改めていま読み直しても、本当に大好きなファンタジーである。
    誰にでも合わせるようにして、気が進まなくても笑ってみせて、でも中身は何もなくて。そんな風に生きていた時期が長いことあった。
    まさにそんな生き方をしてきた陽子は異界に放り出され、自分の空虚さと世界の冷酷さに打ちのめされる。
    だが彼女は生への執着に目覚め、それ以上にただの執着に終わらない精神的な成長を遂げていく。

    最初のみっともない姿に共感しながらも、これだけのカタルシスを味わえる作品を私は他に知らない。
    かつてのどうしようもない自分を忘れていないか、というときに読む本。

  • 完全版を全て揃えて、再読。あんなに弱々しい陽子がどんどんたくましくなっていく。肉体的にも、それ以上に精神的に。すごいよなぁ。上巻があまりにも絶望的なので、下巻ではどうにか好転してくれることを願います。

  • 十二国記は人によって好きなお話はさまざまだろうけど、私はやっぱりこのお話が一番好き。
    異世界に飛ばされて何の苦労もないだなんてそんなわけはない。ヒロインが強かに成長していく様子がすき。

  • シリーズもの、再刊行分。やっぱり、このシリーズには山田章博氏の挿絵でなければ!
    怖いし、容赦ないし、弱い部分を徹底的に見せつけられるようで読み終わると体力を奪われたような気がするくらい、本気の物語。
    この最初の巻の主人公・陽子にはどうしても肩入れしたくなってしまうのか、べつの巻で陽子のその後が知れると「ああ、がんばってるんだな」と嬉しくなる。そんな魅力もいろんなところにあって、やめられない。

  • お気に入りはラクシュンによる介抱シーン。
    上巻でどん底に落としてからの、落差でグッっときます。

    あとコレ↓
    " 陽子は腕を伸ばす。ふかふかした毛皮を抱きしめた。わわわ、と奇声を上げる楽俊を無視して灰茶の毛皮に顔を埋める。想像通り、ひどく柔らかい感触がした。 "

    十二国記は八方美人の醜さをやたら訴えかけてきますね。魔性の子のセリフが頭から離れない。「全員を好きだってことは、誰も好きじゃねえってことだ。 」

  • 女子高生の陽子が、不穏な夢を見る中、ある日突然異界に連れ去られる。

    彼女には何の知識も与えられないまま、異世界の住民達は彼女を裏切り続けてゆく。

    陽子が語る。
    「二度と人を信じるなという、これはその戒めなのだ。」

    この言葉以降、彼女の口調も恐らく空気感もまったく別人になってしまう。
    信じるものはなくとも、ただ生きて帰りたい。
    その思いだけが彼女を動かす。

    女の子らしく振る舞いなさい、という厳しい躾のもとに育てられた彼女が、武器を持ち闘いに身を染めるまでの葛藤が徐々に明かされてゆく部分が面白い。

  • 上・下巻。
    新潮社版 十二国記 エピソード1

    この『月の影 影の海』は壮大な物語のほんの導入部分。
    今のところシリーズ中、最も陰惨な物語で、人間の心情や壊れていく過程がとても壮絶でリアルだと思います。

    ファンタジー要素がありつつも、そのリアルな世界感に圧倒されます。

  • 2013.10.20 pm10:50読了。一気読み。息抜きに。人気があるようなので手に取った。もやもや。ごく普通の高校生がいきなり異世界に飛ばされて、ひとに何度も騙されながら妖魔と戦うという内容。とにかく裏切りが続く。人間不信。自分に絶対的な味方がいない。そんな状況は、想像しただけでも怖いし、正直耐えられない。絶対的な味方なんて当たり前になっていてそれを疑うなんて今まで考えなかった。ときには当たり前を疑うことが大事だし必要。それは分かるけど、自分の親とか信頼関係のあるひとに対しては疑いたくない。子供じみた考えだが、そう思わずにはいられない。絶対的なモノをなくした彼女がどうなるのか。下巻があるってことは死なない…よね?下巻も一緒に買っとけば良かった…とにかく次巻に期待。

  • 救いようのない展開。これほどのハードさは初めて。あちらもこちらも。情景がありありと浮かんでくる、すごい筆力だ。

  • なんでいままで手を出していなかったのだろう。

    ところどころ、用語の使い方に違和感を覚えるのだけれど、世界観(とくに麒麟が仁慈の生き物で、王が正道を外れると病んでしまうことや、文字通り生命が樹に宿ることや)はとても好み。
    しかも、シリーズで出ているというのだから、いつもに増して勢いこんで読んでしまった。

    残りのシリーズを読むのも楽しみ。

  • 口をつぐむことにする。

  • 随分以前から周りに勧められていながら手を伸ばしていなかったファンタジーのマスト作品のひとつ。読了しての感想は…先が気になる!「1冊でやっと序章」というような印象で、散りばめられた伏線からこれから広がっていく物語の世界の大きさが否応無しにイメージされる作品でした。本作品に関しては、その内容は言うまでもなく、裏表紙の作品紹介文や帯の文章、挿絵も素晴らしいです。

  •  友人に勧められて読み始めたシリーズなのだけど、この上巻は、何が起こっているのか、ここは一体どんな国なのかも全く分からず、心が荒むような事ばかりが起き、どうにも辛くて、なかなか読み進める事が出来なかった。
     シリーズ通して何度も読んで、今は先が分かっているからスイスイ読めるようにはなったけど、やっぱり今でも、何度読んでも辛い。

     でもその事が、読者をこの十二国の世界にどっぷり浸からせるのに一番効果的な方法の様な気がする。

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月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)の作品紹介

「お捜し申し上げました」──女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。

「十二国記」が動きだす!シリーズ「本編」第一作、Episode1!

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