月の影 影の海 (上) 十二国記 1 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240527

作品紹介・あらすじ

「お捜し申し上げました」──女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。

「十二国記」が動きだす!シリーズ「本編」第一作、Episode1!

感想・レビュー・書評

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  • 「よう実」「新宿鮫」のような時を忘れて読み耽るシリーズを探して十二国記を手にする。
    陽子の気持ち、感情が同じ世界観を持つアニメや漫画とは違いリアルに書かれていてさすが小野不由美だと思った。現実をどうしても受け入れられない陽子、人を信じて裏切られ疑心暗鬼になる陽子、生きることを諦めなくなる陽子。主人公の心が変わっていく。
    一人の少女の成長譚として下巻へ向かいたい。

  • 9月初め、ポストに小さな荷物が入ってた。
    見ると、袋に『まっちゃんへ ◯◯より』との友人からのメッセージ。中を覗いてみると小野不由美さんの『十二国記』だった!

    趣味友からの突然のサプライズ!
    おすすめしてくれたのは嬉しかったけれど、
    実は『十二国記』、12も国が出てきたら自分には理解するのが難しいんじゃないかと苦手意識を持っていた作品の一つ。

    不安になり、おびのりさんにコメントで私でも楽しめるか質問したら、十二国記の面白さを丁寧に教えてれ、ネット上にガイドブックがある事、漢字辞典はあったほうが良い事を教えてくれた。

    いけるっ!私でも楽しめるはずっ!
    どうしよ楽しめなかったら、ドキドキするぅぅぅ

    感想は下巻へ…笑

    • 松子さん
      あーるさん、コメント見て
      今、なに読まれているんだろう?とワクワクしました。レビュー楽しみにしてまっす(^^)

      スポーツ!わたし観るのも、...
      あーるさん、コメント見て
      今、なに読まれているんだろう?とワクワクしました。レビュー楽しみにしてまっす(^^)

      スポーツ!わたし観るのも、動くのも好きです♪
      あーるさんは、大学生から
      おびさんは高校生から、
      んー、わたしは何歳でも!
      そしてスポーツ観戦時はうるさいです。

      お忙しい時間に失礼しましたー!(^^;;
      2022/09/22
    • アールグレイさん
      夕飯支度
      まだ誰も帰って来ない!
      また後で(@^▽^@)
      夕飯支度
      まだ誰も帰って来ない!
      また後で(@^▽^@)
      2022/09/22
    • おびのりさん
      松子さん、感想見てきました。
      読み込んだね。レビュー素敵でした。
      私は、途中でケイキとタイキのエピソードが脳内で混ざっちゃって。反省。
      小説...
      松子さん、感想見てきました。
      読み込んだね。レビュー素敵でした。
      私は、途中でケイキとタイキのエピソードが脳内で混ざっちゃって。反省。
      小説って、結局全部ファンタジーなのでは?とは思うけど、ファンタジー枠の小説は、難しいところあるねえ。
      しかも、私は史実系がねえ、日本史ポンコツ宣言はしたんだけど。
      今、真藤順丈に苦戦中。半分過ぎたら、慣れてきたけど。

      で、もちろん、箱根駅伝も好きなんですよ。
      箱根駅伝絡みのエピソードもそのうちに。
      2022/09/22
  • 本屋がスペシャルセールを組んでいる今、どうしようかと迷っていたこのシリーズに手をつけてみることにした。ファンタジーは好きだ。上橋菜穂子の小説は全て読むことにしている。宮部みゆきもそうだ。『指輪物語』を読んだ時から、壮大な世界を構築して語られたお話は大好きではある。けれども長いので、全部読むのはそれなりの見極めが必要だ。

    (上・下)が面白くなかったら撤退しようと思っている。

    壮大な「自分探し」の話ならば、要らない。ファンタジーではなく他でやってくれ、と思う。ファンタジーでしか、描けないものがあるからだ。人はこの宇宙の全てを把握することは無理だ。だから、小説は「世界」の一部分しか描けない。でも、人はそういう小説を読んで少しずつ自分と世界との関係を測ってゆくのだろう。そういう小説に、素晴らしいものも勿論たくさんある。一方、ファンタジーはこの「宇宙把握不可能性」の不具合を解消しようとしたものだ。作家1人で「世界」を作ってしまう。だから、個人はその世界と「丸ごと」対峙する。ファンタジーの中では、宇宙の究極の謎を解き明かすことも、それに対して個人が究極の選択をすることも可能なのである。

    さて、上巻を読んでの感想である(今ごろかよ!)。私は陽子が実は麒麟(どういうものかはまだ知らない)の生まれ変わりだというぐらいの不確かな事前知識だけを持っている。まだ上巻が終わったばかりのこの時点では、八方美人で何者でもなかった陽子の「自分探し」と見えなくもない。しかし、興味深いことがある。

    ジョーゼフ・キャンベル『千の顔を持つ英雄』では、「英雄の誕生」は古今東西以下のようにパターンがあるという。「冒険への召命」「召命拒否」「自然を超越した力の助け」「最初の境界を越える」「クジラの腹の中」「試練の道」「女神との遭遇」「誘惑する女」「父親との一体化」「神格化」「究極の恵み」やがて「英雄の帰還」へと移って行くというのだ(もちろん、クジラとか女や父親は他に替わり得る)。そういう意味では、現在陽子は「試練への道」「誘惑する女」の最中にぴったり当てはまる。

    だとすると、『指輪物語』に通じる壮大な世界が待ち構えていてもおかしくはない。下巻を読み進めたい。

  • 平凡な毎日を過ごす優等生の高校生、陽子。異形の獣に襲われようとする夢に悩まされていた。
    ある日、突然謎の男ケイキが現れ、理由も分からぬまま、夢で見た異世界へと連れていかれる。
    立続く裏切りの中、一人異界で戦い続ける洋子。
    経験のない苦難の中、生きて現世に帰る事を誓う。

    《十二国図》というこの作品の世界の地図が描かれているのですが、これが興味深いです。360°を8に分けてそれぞれの国とする。この形状が、易の後天図と似ています。易では、それぞれを宮と呼び、漢字一字の卦名があります。国名とも似てますね。
    中央は五黄ですが、こちらでは黄海。
    事前の知識を持たないで読みましたが、周易あたりと関係してれば面白いのですが。

    今まで読む機会が無かった長編ですが、世界感が楽しみになりました。

  • 泣きたくなるよね。

    シリーズ第一巻。

    想像以上に読みやすく魅了された。

    ごく普通の女子高生 陽子がある日突然連れ去られる…それも地図にない異界へと。知り合いさえいない異界へと…。

    これは泣きたくなるよね。

    人って、自分の意志とは無関係に誰かに運命を左右されることほどつらいものはない。

    これは陽子の心情に寄り添えば寄り添うほど哀しみと恐怖が押し寄せる。

    わけもわからず戸惑う陽子。読み手も物語への扉を開いたばかり。

    まずは信用できる場所、人に出会えることを願って次巻へ。

    • けいたんさん
      シリーズ1巻ということはこれから読み始め?
      すごい評判だけど、私まだ読んだことなくて追いつけそうにないのでくるたんのレビューを楽しみにして...
      シリーズ1巻ということはこれから読み始め?
      すごい評判だけど、私まだ読んだことなくて追いつけそうにないのでくるたんのレビューを楽しみにしています♪
      2020/02/02
    • くるたんさん
      けいたん♪
      そう、ついに手を出してみたよ♪
      思ったよりハマってる٩(ˊᗜˋ*)و✧*。
      けいたん♪
      そう、ついに手を出してみたよ♪
      思ったよりハマってる٩(ˊᗜˋ*)و✧*。
      2020/02/02
  • 何年も前に挫折した物語。
    読むのが苦しくて怖かったから。
    数々の裏切りに胸が張り裂けそうになり、孤独な戦いに息苦しくなったから。
    でも、みなさんのレビューを読んでみたら、上巻はしんどいけど頑張って下巻まで読んで欲しいとの感想がたくさん。そこで、もう一度読んでみることにした。
    今回は、ちゃんと最後まで読めたし、この世界観にどっぷりはまり込むことが出来た。
    突然自分のいる世界が180度変わってしまった陽子。そこでは生き抜くためには剣を振るわなければならない。妖魔とはいえ自分の手で相手を殺す。時には人間に剣を向けなければならない時もある。辛い旅の途中、出会った人々の優しさに涙が溢れることもあるけれど、その涙はすぐに裏切りという絶望への涙へと変わることになる。ついには、本当の優しさを与えてくれた(かもしれない)人からも、自分から距離を置く。
    「絶望」と「死」がいつも陽子にべったりと張り付いているようだった。それでも、陽子は生き抜くことを自ら選び取る。
    元いた世界での陽子と、地図にない国、巧国での陽子。ただ漠然と生きているだけだった世界と、自らの手を血で汚しながら生き抜くことにしがみつく世界。
    帰りたいと願う世界には、陽子のことを本当に心配して待っていてくれるものはいなかった。だからといって、今いる世界では孤独と裏切り、ひもじさや怪我の痛みで立ち上がることも出来ない。
    なんて酷い試練が陽子に降りかかっているのだろう。なんで陽子だったのだろう。
    これでもかというほどに、陽子に絶望を与える、この意味は何なのだろう。
    冷たい雨の中、涙も涸れたまま倒れ込んでいる陽子にとって、この夜が与えてくれるものがゆるやかな死となってほしくはない。
    でも、この先に全然光が見えずに上巻が終わってしまった。
    どこに帰るつもりだったのだろう。

    • chikachanさん
      こんばんわ。いつもお世話になっとりますchikako0420です。コメントありがとうございます!十二国記は表紙絵を担当している山田章博氏の可...
      こんばんわ。いつもお世話になっとりますchikako0420です。コメントありがとうございます!十二国記は表紙絵を担当している山田章博氏の可憐な絵に惹かれて買ったのですが中身はとても心に痛みを感じる内容で上巻しか読んでないのです。。。地球っこさんのレビューをみて最後まで読む勇気が出ました!ありがとうございます!
      2018/10/17
    • 地球っこさん
      chikako0420さん、おはようございます♪
      コメントありがとうございます!
      山田章博さんの表紙絵は、繊細で美しいで
      すよね。本屋...
      chikako0420さん、おはようございます♪
      コメントありがとうございます!
      山田章博さんの表紙絵は、繊細で美しいで
      すよね。本屋さんで平積みされていると、
      とても目が惹きつけられます。
      chikako0420さんのおっしゃるとおり、
      上巻はとても苦しくて、わたし一度挫折
      してます……でも、絶対下巻を読んでみて
      との沢山のレビューに励まされ下巻、読ん
      でみました。chikako0420さんも、ぜひぜ
      ひ下巻お手に取ってください。
      読んでよかったぁとなると思います。
      陽子の運命が一気に回りだしますよ(*^^*)
      2018/10/17
  • 一介の平凡な高校生の陽子の前にいきなりケイキと名乗る男が現れ、ヒョウキという獣の背中に乗せられ虚海を潜り抜け、異界へと連れ去られる

    天には凍えた満天の星、真っ暗な海に白く月影が浮かんでいる。沸騰したように水柱を上げて荒れ狂う海の中へ突っ込んでいく
    この巻のタイトル『月の影 影の海』は、ここからきているのだろう
    異界へと運ばれていく描写は、素晴らしかったが、めくるめく情景を頭に浮かべながら読むのは、とても難しく疲れた。アニメーションで見たいなとも思った

    映像は何とストレートに安易に情景を伝える手段なんだろうと今更ながらに思う

    初めは、ここはどこなのか? なぜ連れてこられたのか?
    なぜ戦わねばならないのか?と???ばかりの陽子だったが、次から次へと襲ってくる妖魔との闘い、味方かと心許した相手の度重なる裏切りと失望の中で、次第に生への執着を露わにし、たくましくなっていく
    生き延びる。生き延びて、必ず帰る。それだけを望みに陽子は戦うのだった

    しかし、何としても帰ると誓う陽子が刀身の中に見たものは、担任やクラスメートの辛辣な本音
    「中嶋陽子は優等生ではあったが得体の知れない子だった
    「中嶋さんって、八方美人で嫌い」
    「正直言っていなくなってすっとしてます」
    これが、陽子が帰りたいと切望している世界とはあまりにかわいそうすぎる

    陽子の行くべきところはどこなのだろう?
    陽子が帰るべきところはどこなのだろう?
    と思った

  • 『十二国記』シリーズ、読み始めたら絶対はまっちゃうなぁ…と思っていたのです。
    人におすすめいただいたのをきっかけに手に取ったところ、予想違わずめちゃめちゃはまりました。

    普通の女子高生だった陽子が、訳もわからずに放り込まれた世界は、私たちの世界に似ているようでまったく異なるところでした。
    なぜここに連れて来られたのかも、連れてきた男が何者なのかも、なぜ妖魔が襲ってくるのかもわからない。
    助けを求めようとすれば追い立てられ、信じた人には裏切られ…。
    目的地さえわからないまま、たった一人で大剣を抱えて彷徨う陽子の孤独が突き刺さってきて辛くなります。

    人間の温かな部分が削ぎ落され、どんどん眼光に鋭さが増していく陽子の姿にハラハラしながら一気に読了。
    祈るような気持ちで下巻へ。

    • kuma0504さん
      ようこそ!十二国の世界へ。
      次は「魔性の子」をおススメします。
      ようこそ!十二国の世界へ。
      次は「魔性の子」をおススメします。
      2022/02/08
    • すずめさん
      kuma0504さん、こんにちは!コメントありがとうございます。
      ついに足を踏み入れてしまいました!

      実はすでに『東の海神 ⻄の滄海...
      kuma0504さん、こんにちは!コメントありがとうございます。
      ついに足を踏み入れてしまいました!

      実はすでに『東の海神 ⻄の滄海』まで読み終えてしまったのです…!
      せっかくおすすめいただいたのに、すみません…。
      確かに『魔性の子』から『風の海 迷宮の岸』の順番、よさそうですね。
      おすすめしてくださった方も「1巡したらもう順番を変えて1巡したくなるよ」と仰っていたので、そのときに試してみます。
      2022/02/08
  • ずっと気になっていたが、長いので躊躇していた「十二国記」シリーズ。
    大好きな綾辻行人の奥様、小野不由美原作の大人気シリーズです。

    中国のような異世界に送られた主人公、陽子。
    陽子が虚海から流れ着いた先は「巧」の国。
    故国へ戻りたいと希望を抱き旅に出るが次々に獣が襲ってくる。
    陽子を異世界に連れてきたケイキは何処へ行ったのか。

    学生向けの冒険物シリーズ小説だと思っていましたが、女子高生をここまで容赦なくズタボロにする描写に、つい一気に読んでしまいました。
    続きが気になりすぎる。
    下巻も一緒に購入しておくんだった、、、。

  • 再読にはなりますが。

    こちらからが本当の『十二国記』シリーズ、真のエピソード1ですね。

    改めて読んでみたら、今流行りの転生系とかなろう系とかのなんとゆるいことよ。w
    もっと陽子みたいに苦労しろよ!って思ってしまいますw

    また改めてアニメ化して欲しいな〜と思うのですが、そうなると色々やっぱり時代的に古い描写とか情報とかが結構ありますね。
    そういうところをうまく今風に作り変えてやってくれないかな~?

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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