月の影 影の海〈下〉―十二国記 (新潮文庫)

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著者 : 小野不由美
制作 : 山田 章博 
  • 新潮社 (2012年6月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240534

月の影 影の海〈下〉―十二国記 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • おもしろかった〜♪
    上巻の息苦しさ、救いのなさに比べ、物語は一気に加速していった。
    解説にも記されていたが、読者も陽子と同じくしてこちら(あちら、というのが相応しいのかわかりませんが^^;)の異世界を知り、学んでいく、という手法が実にうまい。すばらしい。
    壮大なスケールで描かれていく序章なのだから、読んでいる読者にだって、わからないことだらけでいいのかも、と妙に納得。
    下巻を読み終えたあと、わからないまま読み進めていた上巻の数ページを読み返してみたところ、すーーっと紐がほどけていくかのような爽快感が半端なく心地よい。

    「ケイキ」と「タイホ」の意味合いがわからず
    あれ?
    この男の人はケイキじゃなかったの??
    誰が誰に向かって呼んでるの??とページを行ったり来たりし、わけもわからず読み進めていた上巻。
    下巻を読み終わり、再度上巻の「契約」シーンを読む。
    そしてまた下巻のーーーーー「許す」という言葉。
    ジーーーンと感動してしまった。

    それにしても楽俊。
    考え方がステキ。

  • うおー、面白かった。いや、前巻の苦しい気持ちばかりだったのが急展開。
    楽俊と出会い、十二国の世界を教えてもらい、見捨てて見つけて。楽俊の物言い一つ一つが優しいんだな。陽子のことを思って語る。壁落人から胎果と告げられ、「おー、高里と同じだったか」と合点。そして、慶国の新しい王であるとわかる。「決して王以外の前で膝を折らない」、あーだから高里は謝らなかったのだ、と。
    陽子が新しい慶の王だと気付くくだり。楽俊と陽子のやり取りに涙。「私が遠くなったんじゃない。楽俊の気持ちが、遠ざかったんだ。わたしと楽俊の間にはたかだか二歩の距離しかないじゃないか」。そして、楽俊を抱きしめたくだりに伏線があったとは(笑)
    草も木も人も獣も木に生るという設定は、なんだかすごい発想だなあ、と感心。神頼みもない。あくまでも自分の判断、力量によるものだと。なんだか訴えるものがあるなあ。

    で、延王の登場。いやいやドラマだわ。まあ、エライ人が普通に接近してくるなんてのは、ままよくある登場シーンだけど、話にのめり込んでいるから、陽子や楽俊と同じように、ポカーン。えーーー!?って感じで。
    そして、延王に謁見する際、楽俊が人間の若者の姿になった時のやり取りがね(笑)

    「正義と慈悲だけでは国は治まらぬ。」人の世のなんとも哀しきことか。
    「行ったことの責任を取る覚悟さえあれば、好きにしていいんだ」延麒の言葉は、自らにも刺さる。
    「わたしは、自分がどれだけ醜い人間か知っている。」そう思ってわかっていても、やはり醜い人間の生き方しかできないんだよね。
    ジョウユウの一言。「わたしは知っている。」それに気づき「わたしは、本当に愚かだ」という陽子。一人ではなかったことに気付くところが、深く心に響く。
    そして最後の陽子と景麒のやり取り。落ち着いた一言一言が、王になる覚悟を決めた心の強さがにじみ出ている。

    いや、もう名シーンのラッシュです。読んでいて、そこかしこで胸が熱くなる。いや、名作と言われる所以だろうな。

    人の上に立つものは、人の弱さ,愚かさ,醜さを知った上で、理想を掲げなければいけない。得てして弱さを知らない心強い人が上に立つと、ついていくものはしんどくなることがあるのだろう。王と言わずとも、組織のリーダー、グループの長になるなら、無自覚ではいられない。
    さて、景王陽子は、これからどのような政をするのか。楽しみですな。

    今回は一番のガッカリは解説。ネタバレし過ぎ。そりゃ再読の読者が多いのだろうから、その人たちには共感をもった思い出話的に読めるのでしょうが。初見の読者には勘弁してほしいわ。途中で慌てて読むのをやめましたよ。ネタバレ書くなら初めに断ってほしかったな。

    『魔性の子』で、最後に高里が戻るとき、延王が迎えに来て洪水になったけど、その時は、1人呼び戻すために延王もひどいことするなあ、なんて思ったのですが、蝕ということで不可抗力だったのですね。合点

  • とにかく大好きな一冊。図書館派だが、買い揃えて何度も読み返すシリーズでその中でも秀逸と思う巻。楽俊が大好きだ。陽子の真実に気づく場面が何度読んでも飽きない。半信半疑で読み進めている時、尚隆が登場するところのサプライズが爽快で、本当に楽しい。尚隆の一貫した現場主義がすでに表れて、後からやっぱりと思わされるのも心憎い。

  • 烏号で陽子と再会した楽俊がイケメンすぎる。

    「陽子に信じてもらいたかった。それはおいらの問題。おいらを信じるも信じないも陽子の勝手だ。陽子はおいらを信じて得するかもしれないし、損するかもしれない。けど、それは陽子の問題だ。」

    まさにその通り。いちいち裏切られただのと相手を恨んで責めてもなにもならない。所詮は自分の次第なのだから。

  • 驚いた。面白い。

    上巻の陽子の惨憺たる様子から、一気に駆け上がってきた感じ。わくわくした。

    「ここでみんなの都合に負けて自分の生き方を決めたら、わたしはその責任を負えない。だから、ちゃんと考えたい。」

    裏切られ続け、信じることを見失ったはずの彼女の成長がすごい。
    そうして、かつて女子高生として存在していた優等生の陽子からは最早想像も出来ない。

    そして陽子はまた、人としての苦しみに抗えない塙王に王として叱責する。

    生きたいという思いで歩み続けた陽子が、王として立つその姿が眩しい。
    十二国記というシリーズの壮大さの一端が伺えた一冊だった!

    ちなみに陽子が開いたのが赤楽であり、赤王朝というのも良すぎ!(笑)

  • やっぱり楽俊はイイヤツだな(^^)楽俊みたいな友達が欲しいし、自分も楽俊のようになれたら♪と思うけれど、実際はなかなかねぇ(--;)

  • 十二国記はホワイトハート文庫で何度も読みました。それから10年くらいたったのに、変わらず私を夢中にさせてくれたのにまず驚きました。
    あの頃と変わらず上下巻あっという間に読み切ってしまった。
    書き下ろしのイラストも素晴らしくて、重厚な十二国記の世界観にはやっぱりこれ以上はまるものはないと改めて思いました。

    初めて出会った時からいつも思けど、十二国記はなんでこんなにも人を惹きつけるんでしょうか?
    現代にはない、生と死だけの状況に身を置かれた陽子の原始的な苦悶が生々しく胸をつくからなのか…シリーズ一作目にしてすでに、とてつもなく壮大で奥深い世界観が出来上がってるからなのか。
    登場人物がとても躍動的で魅力溢れるのも理由のひとつでしょうね。あと文章をを読んでるはずなのに、匂いや色が感じられるところも素晴らしい!きっと、山田章博さんのイラストがそれをより鮮明にしているのかも。


    何度読んでも、いつもこの感動を言葉に表すことが出来ません。全然まとまりません。
    とにかく読んでくれ。このシリーズの感想は結局これになってしまいます。

  • 十二国記シリーズを初めて読んだのは中学生のとき。
    大切なことをたくさん教えてもらった。
    読書の楽しみも教えてくれた。
    「私」というものを創り上げてくれているもののひとつだと思っている。

    社会人になってから、今回初めて読んだ。
    やっぱり大切なことがたくさん書いてある。
    なによりも、素直に面白い。
    キャラクターも相変わらず輝いている。
    そして、今では美しい描写にうっとりすることもできる。

    とにかく、心が揺さぶられる。

    生涯、大切にしたい作品だと改めて思った。

  • 前のも持っているのに結局買って読んでしまったよね、っていう。
    まあ、あまりにも間が空きすぎて前の話は全く覚えていないので、予習の意味で。
    やっぱり、何年経っても面白い。

  • 電車の中で少しずつ読もうと思っていたのに、読み進める毎に面白くなるので、結局、下巻の後半からは一気に読んだ。

    ハイファンタジーものでは、作りこんだ世界観をどういうタイミングでどういう形で読者に提示していくのかの技量が、物語全体の良し悪しを決める大きな要因のひとつだと私は思っている。
    その点、この上下巻はすごい。
    登場人物の一人ひとりに「知っていること」と「知らないこと」がきちんとあって、陽子と彼らが出会うたびに少しずつ世界観が理解できるようになる。同時に陽子も成長していく。
    その順番の組み立て方が素晴らしいなと。
    計算され尽くしたプロットって大事だなと改めて思った。

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月の影 影の海〈下〉―十二国記 (新潮文庫)の作品紹介

「わたしは、必ず、生きて帰る」──流れ着いた巧国(こうこく)で、容赦なく襲い来る妖魔を相手に、戦い続ける陽子。度重なる裏切りで傷ついた心を救ったのは、〈半獣〉楽俊(らくしゅん)との出会いだった。

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