風の海迷宮の岸―十二国記 (新潮文庫 お 37-54 十二国記)

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著者 : 小野不由美
制作 : 山田 章博 
  • 新潮社 (2012年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240541

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風の海迷宮の岸―十二国記 (新潮文庫 お 37-54 十二国記)の感想・レビュー・書評

  • 十二国記・第二弾、陽子と同じ還り人ですが、今度は男の子?が主役になります。

    エピソード0・『魔性の子』の狭間を埋める物語の一つでしょうか、
    高里が"神隠し"にあっていたとされる時期の前半部になるのかな。

    で、この物語を経て、シリーズ通しての麒麟に対する設定が、
    なんとな~く見えてきたようにも思えました、、ふむ。

    日本では漠然としたままに浮いた存在であった高里ですが、
    ある時、隙間の"手"に誘われて、蓬山に還ってくることになります。

    そんな高里の本性は"人間"ではなく"麒麟"、
    そう、王を選び国造りの象徴となる役割を担う、麒麟です。

    であってもどこか浮いた存在であるのは、変わらずに。
    還り人であるが故に普通の麒麟とは違っている点も、それを手伝っているのでしょうか。

    それが故にか、終盤の王を選ぶくだりはここでも、心地よいカタルシスでした。

    "離れたくない"、その思いを具現化するに全ての壁を取り払って、
    王と麒麟のつながりはそこまで純粋になれるのかと。

    個人的には陽子と同年代であるかどうかも、気になるところ。
    時系列的には、陽子が帰ってきた時よりも前のハズですが、、さて。

    なお、再び還ってからの物語は未だ語られずに、新作に期待中だったりします。

  • この話が「魔性の子」に続いていくなんて・・・・と思うと、切ないです・・・。

  •  可愛い子供を只管愛でるお話。
     ではないのだけど、そういう印象(笑)。
     本当にもう泰麒が健気でいじらしくて。そして汕子も。
     女怪のような、何者かを慈しみ護る為だけに生まれた存在というのは理解の範疇外なのだけど、それでも自分にも大切な人や物がないわけではないので、卵果が蝕にのまれた時の汕子の嘆きには胸が苦しくなる。

     とても晴れやかで幸せなラストなのに、このすぐ後にはまた大変な事になるのを知っているから、この本自体はハッピーエンドなのに、読後感がとても哀しい。
     この本と『魔性の子』の間に、一体何が起きてしまったんだろう。
     そして『魔性の子』の後は、どんな展開が待っているんだろう。

     ところで、私の周囲の『十二国記』ファンの間では驍宗が一番人気なのだけど、私は彼が苦手……。とてつもなく格好良いし、凄い人物だと思うし、こういう人物を「王の器」と呼ぶのだろうなとは思うのだけど、どうしても怖くて。とても怖い。
     自分に自信がないから、驍宗のような、非の打ちどころのない(ように見える)、自信に満ち溢れた人物に気後れするのか。
     勿論そんな事は全くないのだろうし、私の被害妄想なのだけど、彼のような人物は、愚かな人間を赦してくれない気がする。
     李斎が、尊敬も出来るし、親しみも持てるし、好きなキャラクターなのだけど、彼女くらいのスケールまでが、私の許容出来る大きさなのかも知れない。
     スケールの大きさで言えば、勿論尚隆もそうなのだけど、彼は「駄目な(駄目に見える)部分」を前面に押し出してくれているので、そこが取っ付きやすい(それも、凡人の勘違いという気もするけれど)。
     驍宗は完璧で、素晴らし過ぎて、得体が知れない。
     それともこういう気持ちを、泰麒が感じたような「畏怖」と呼ぶんだろうか。

  • 後半、ページを繰る手が止まらなかった。
    王を選ぶ麒麟としてこちらの世界へやってきた少年。しかし、能力に目覚めることなく、自身への懐疑を捨てきれず逡巡する。そしていよいよ王を選ぶこととなり…。
    泰麒が王を選ぶところ、誤解が解けるところ、興奮して何度も読み直してしまった。
    強固な世界観、登場人物の魅力、心の動き、盛り上げ方、本当にツボをついている。

  • 4冊目。
    何というか、泰麒の苦悩→成長物語としてはすごく王道だし展開も容易に予想できるのに、なんでこんなにぐいぐい引っ張られるんだろう。決して派手ではないんだけれど、不思議と魅せる文章を書かれる方だなあと思った。

    個人的には泰麒が反則レベルで可愛かったのと、以前はひたすら恐さ/意味不明さしか感じられなかった汕子への印象が180度変わってしまったこともあって、魔性の子をもう一度読みたい…と思ったけど、そうか、この巻は大大団円っぽく終わっているけれど、この後「ああ」なってしまうのか…

  • 生まれる前に蝕によって蓬莱に流され、人として生まれ育ってしまった戴国の麒麟・泰麒が、十二国に連れ戻されて王を選ぶ物語。
    WH版のレビューにも書きましたが、麒麟・泰麒は蓬莱育ちで十二国のことが全くわからない、という設定なので、彼の悩んだり迷ったりする様子に読んでいるほうも一緒にハラハラしてしまう。
    こうやって巧妙に読者を引き込む書き方は本当に流石だな、と思います。
    饕餮に襲われる場面と、驍宗を必死に追い掛けて行く場面は、何度読んでもハラハラドキドキしてしまいます。
    終盤の、悪玉に浸る延王様も好きです。笑

    十二国の中で一番幸せになって欲しいのが、戴国の主従コンビだなぁ。

  • 麒麟は悲しい生き物。
    泰麒は子供なので、王を思う様が、親を求める姿にも見えて切なかった。日本に流されなければあんな風に母を求める気持ちも知らないで済んだんじゃないかと思う。切ない。可愛い。
    景麒は陽子のためにも子供を側に置いとくべきだと思う。

  • 貸してくれてるお姉さまのお勧めで、『魔性の子』よりこちらを先に読みました。物語の運び方がやっぱりさすがだなー。転変できないとか、そういう漠然とした不安はあるものの、幸せな状態で穏やかに進んでいく序盤があるからこそ、優しく愛されてきた泰麒が罪悪感を抱く終盤とのコントラストが際立っていて良かった。あとはやっぱり敬語の使い方がすてき。

  • 「魔性の子」のプロローグと全く同じプロローグで始まり、飛ばされていた間の出来事を描く構成で、ファンタジーらしくて好きでした。
    前作の「月の影 影の海」は相当重い話でしたが、こちらは全体としてほのぼの路線。でも、妖魔との対決シーンは非常に迫力あり。はずれのないエンターテイメントです。

  • 魔性の子で描かれた、高里の物語。
    泰麒が王を選んでから即位式までの葛藤にどきどきしたけど、最終的に良い形でおさまって安心した。このあと、また蓬莱に行ってしまうのかな?そう思うと複雑…

  • 自分がいきなり異世界の麒麟という偉い生き物ですので、どうぞ王を選んで下さい。
    等と言われたところで≪ええーーー!!??≫
    ってなってしまうに決まっている。
    しかも変身できるだどうだこうだ言われてもきっとちんぷんかんぷんだろう。

    そう思うと泰麒の適応力はとまどいはあるにせよ凄いことだと思う。
    自分だったら絶対適応できずに終わってしまうだろうし・・・

    ほんと、この十二国記は面白い!!

  • 泰麒がかわいい。何度も読んでいるシリーズでありながら実は最後まで読んだことがないので、この後の展開というのを実は知らない。
    泰麒の覚醒していく様は本当にかっこいい。折伏のシーンとか。
    あと、最後、本当に王なのかと苦悩する泰麒を見ながら、ただ黙って見守るぎょくそう。器がでかい。
    とてもいい王を選んだんだなぁと思う。けれど、この後、どんでん返しがあるのかな?魔性の子を読もうと思う。

  • 旧判は上下巻だったが、新装版は1巻で収まっている。泰麒が使役を調伏するところ、王を選ぶ場面、戴に入ってからと話を知っているのにドキドキし通しである。幼い泰麒が可愛くて仕方ない。

  • 十二国記5作品目。

    天地を揺るがす<蝕>で蓬莱に流され、10年も人の子として育った泰麒。
    10年という長期間人として育ってしまったため、自分の役割が理解できない。
    そんな泰麒は王を自らの意思で選ぶ事ができるのだろうか…?

    今作で、麒麟がどのようにして王を選ぶのか本当に理解できた。
    選んだあとの逡巡も、少年の脆い心も凄く細かい描写で描かれていて入り込みやすかった。

    今作
    も一気読み必至!

  • 十二国記シリーズの二作目。前作で、全体像が何となく掴めて来た。
    今作は、麒麟である泰麒を取り巻く戴国の物語。前半では、蓬莱(こっちの世界)で10歳となった泰麒が発見され、女怪の汕子が連れ戻す。そして、女仙たちとの蓬山での穏やかな暮らしが始まる。
    そんな中、泰麒は、麒麟の持つべき能力が自分には備わっていないのではないかと思い悩む。
    そして、後半。ついに泰麒が王を選ぶ。戴王となったのは、将軍の驍宗。
    しかし泰麒は、驍宗の傍に居たいがために、天啓が無いのに偽者の王を選んでしまったのだ。。

    今回は同じ麒麟である景麒が、泰麒の心強い相談役となる。
    泰麒は子供ながらも必死に悩み、罪悪感を感じながらも成長して行く。
    またそれが健気でとても可愛いのである。一つ一つの成長に「キターっ!」となる。何度も胸が熱くなった。

    気になるんだけど、泰麒も、慶国の王である陽子も、向こうの世界にお別れをしなくて良かったのだろうか?家族や友人もいたのに。。っていうのはシリーズを読み進めて行けばわかるのかな。
    続きが楽しみ。

  • 泰麒の可愛さが尋常な事ではありません。これを読んで、また『魔性の子』を読み返したら、最初と違った印象なんでしょうな。汕子と傲濫があれだけ必死になっていた理由がわかりました。あと、景麒のおろおろした様が良かったです。

  • 2013.02.09
    泰麒が嘘だと思いながら誓約するシーンが後の延王たちとのやり取りを読むと神聖な感じがする。
    もとより麒麟は自王以外に額ずくことなどできない生き物なのですから。
    饕餮を使令に下すシーンの言葉が溢れてくるところも好き。

  • 十二国記シリーズの第2編は、戴国の麒麟である泰麒の話。新装版で久しぶりに読み直してみた。異世界ファンタジーというジャンルを活かした話作りがやっぱり上手い。その辺の理屈は、ファンタジー評論家の井辻朱美氏が、本書の巻末で詳しく解説している。この解説が読めるだけでも新装版を買う価値があると思う。

  • 忙しかったので今回は割とゆっくり読みましたー。
    これもホワイトハート版を10年くらい前に読んだんですが、「月の〜」以上に覚えてなかったです(苦笑)。

    でも改めて読んだらやっぱり面白かったー。正直載主従はあんまり魅力を感じないキャラだったんですが、「魔性の子」読んだおかげもあってか以前より愛着湧いて好きになりました。あと李斎さん、前読んだ時にはあんま気にしてなかったんだけど(笑)今回読んだらすごい可愛かった!なんだあの人!
    それでも景麒とか延主従が出てくるとついついそっちに気がいってしまう(笑)。だって好きなんだよ。
    あと今回は妖獣や妖魔も魅力のひとつですよね。天馬飼いたい。もふもふしたい。

    あともいっこ。今巻は解説も面白かったです。個人的に。

  • 「魔性の子」の高里(泰麒)が幼少期に1年間神隠しに合っていた時の、異界での話。

    蓬莱で人の子として育ったために、麒麟として不完全であると思い悩む泰麒の姿が、とても繊細に描かれています。
    のちに妖魔を使令として降したり、転変して驍宗を追うシーンなど、
    徐々に麒麟としての成長が見られる分、
    天啓がわからないと悩む泰麒の心が読んでいて切なく、
    驍宗を王に選んでしまったと罪悪感にかられるくだりは、胸が苦しくなるほどでした。
    泰王、延王、延麒、景麒で芝居を打つ場面で、
    泰麒の王選びは間違っていなかったことが証明され、
    泰麒の気持ちが救われたことに、
    この話を読んでいて、やっと一安心できた感じです。

    この何年か後の、蓬莱や慶国での出来事を既に読んでしまっているため(「魔性の子」「月の影 影の海」)、
    陽子と会う前の景麒、延王、延麒を垣間見たのが楽しかったり、
    再び蓬莱に行ってしまった泰麒に何故という疑問がわいたりと、
    シリーズでも楽しめました。

  • 1ヶ月ほどかけて、半身浴中の音読で9割を踏破。残り1割は、終盤の思いつめた泰麒が不憫だったので黙読で一気に読み進めた。
    十二国記シリーズは日常で使わない語彙と語調のオンパレードなので音読のし甲斐があって楽しかった。

    声に出して読んでいたら、意外と登場人物の台詞が多いと気が付いた。女仙や泰麒、景麒の他愛のない会話で、空気が和らいだり、温度を感じたりできる。だから、難しい漢字が多くても、世界観説明が多くても、重くなりすぎないんだなー、とバランスの妙に改めて関心。

  • 「あー、やっと繋がった...」これが最初の印象。
    どうやら、私は十二国記を読む順番を間違えていたらしい...(Episode 0となっていたので、何よりも最初に「魔性の子」を読んでしまったのですが、それがやっと 繋がった)

    で、もとい感想。
    この十二国記に記されている様な世界の存在を、地球外や次元の違いを含めて信じるかどうかは個人の自由として...
    今の時代「生きづらい」と感じている子供・大人が多くいるのは真実。その中で(理由は何であれ)結果として「死」という形で、今自分の足が就いている世界との離別を選択している人が増えてきているのも、これも真実。
    私は、そこまで深刻に「生きづらい」と感じた事は無い(か、あったけど忘れたのかは不明)から分からないのかもしれないけれど、
    そんな人たちにこそ この様な「現世ではない何処か」を信じる力を持ってもらえたら良いのかもしれない...と思えた一冊。(そして描写が細かくて、本当に何処かにあると思えてしまう)
    もちろん、信じたところで目の前の問題は変わらないのかもしれないけれど、心だけでも違う世界に瞬間移動させることが出来る事で、何かが変わる。そんな力強いエネルギーを感じられる一冊。

  • 『魔性の子』の前日譚に当たる物語。『魔性の子』とは一転、穏やかで心和む場面の多い1冊。
    一国の王を選ぶ、重大な使命を持って生まれてきた麒麟の子・泰麒。しかし蝕で異なる世界に流されて育った泰麒には、麒麟ならば自然と身につけられるはずのことができない。
    悩んで悩んで悩みぬく幼い麒麟の冒険。その芯の強さに心打たれる。

  • 十二国記内で王を選ぶ役割を持つ麒麟。しかし事故のため10年間消息の知れなかった幼い麒麟に王を選ぶという大役ができるのか?麒麟の苦悩と成長を描いた作品。

    『魔性の子』の空白期間とも重なるエピソード。シリーズ前作『月の影 影の海』ほど壮絶なストーリーではないものの、幼い麒麟である泰麒が周りの期待に応えたいながらも、どうにもならない様子は読んでいるこちらも応援したくなる愛らしさ。

    登場人物たちも魅力的。前作にも登場した景麒が今回も登場していて、前作では彼の内面については深く伺うことができなかったので今作で満足!泰麒の世話をする女仙たちや友達となる武将たちもいい人たちで、だからこそ余計に泰麒の「周りの期待に応えなければ」と苦悩している様子がこちらに伝わってくるのかな、と思います。

    だからこそ彼の成長はうれしく、また終盤に味わう彼の辛さも読んでる側にじかに伝わってきました。

    詳しくは覚えてないのですが、この後またいろいろあって『魔性の子』につながっていったんだよなあ…そのあたりの流れを書いた話の完全版が出るのが今から待ち遠しいです。

  • 結局『月の影〜』から再読する勇気が出ず「『魔性の子』繋がりでこっちから読んでもいいよね!」と自分に言い訳して『風の海〜』から読んでしまいました(苦笑)。

    泰果の状態で「蝕」に流され、10年後に戻ってきた幼い麒麟。泰果が流されるシーンの汕子の嘆きは、大層な描写があるわけでもないのに本当に苦しくなる。戻ってきた泰麒の愛くるしさは微笑ましく、まだ陽子の前王時代の景麒もどこか幼さと不器用さがみえる。泰麒の折伏シーンの緊張感、王選びの不安と、選んでしまってからの一層の不安。延チームが出てくると安心するというか、いつも良いとこ持ってくなぁと思う(笑)。
    自分が何ものであるのか、麒麟である自分とは何なのか、自分はどうあるべきなのか、間違っているのではないか。不安定で幼い麒麟の揺らぐ心と、それを支える周りの愛が胸に沁みる。

    善くも悪くも容赦なく心を浸食してくる十二国記の世界は、締め付けられる程に暖かいものが溢れてくる。
    さて、これでようやく『月の影〜』を読む心構えが出来たかな。

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