東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240558

感想・レビュー・書評

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  • 巻ごとに色合いが変わるのもこのシリーズの特徴ですが、今作は反乱による政争がメインとなってます。快活で頼もしい尚隆と、優しく繊細な六太の組み合わせがいいですね。そして私たちは識ることとなる、国を治めるということの痛みを。理想への代償を。

  • 【2023年52冊目】
    な……んってかっこいいんでしょうか。今回は雁国の物語、いわゆる内乱が題材なんですが息もつかさぬ面白さに一気に読了です。正義と正義がぶつかりあうものの、本当に正義と言えるのか、権力を持った人間は真っ直ぐに民に向き合えるものなのか。この世界の中で王に選ばれるにはそれなりの理由があり、それは天命であり宿命なのだなと……いやしかし、びっくりするほどかっこいい。雁国に住みたい。

  • シリーズ3作目は誰が主人公になるんだろう…と期待に胸ふくらませページをめくる。

    延王!!!!
    延王ですかー!!!!

    1、2で蓬莱帰りの頼りになる王として描かれていた延王。
    まさかこんなに茶目っ気のある人だとは!!!(2では漏れ出てたけど!!)

    延麒・六太目線でザクザク進んでいきます。
    てか六太初っ端に誘拐されててびっくりしたわ!

    1、2とはまたちょっと違った趣向でした。
    今までは蓬莱帰りの子たちの葛藤と成長みたいな話だったけど、今回は完全に内輪の話。
    でも蓬莱帰りの王と麒麟なので、もちろんあちらの世界は出てくるし、むしろ出てくることでバックボーンしっかりしてむちゃくちゃよい。

    遊んでばかりで政をしない王に、元洲・斡由が謀反を企てる。
    自分を王の上位帝に!我こそが民を思うものである。
    最初は、斡由は自洲の民を思う、故に大局が見極められない人ってイメージだったんですがね。
    それですらなかったか!
    最後の手のひら返しっぷりがもうなんか逆に見事。
    軽く言っちゃえば悲劇のヒロインタイプです。笑

    延王は大局を見て判断できる人。
    まさに王で、それは日本で若と呼ばれていたときから一本筋が通ったもの。
    いやぁ…かっこいい。
    延王…かっこよすぎでしょ…

    国が欲しい!王になりたい!は玉座に付きたいではなく、民がほしい!皆のために王になりたい!かっこいー!

    延王、本当に優秀な部下たちがいてよかったね。
    最後お忍び視察に出かけてたし、これからもまだまだ雁国は発展するのでしょう。
    ん?そういや1か2にそういう描写なかったっけ???

    六太くんは年相応なのかもだけど、めそめそと!
    しょうがないんでしょうね。感情で切り捨てることもできず、見誤る。
    でも少しずつ延王の力になって支えていくんだろうな。

    ああー!
    雁国の話、もっと読んでいたかった!笑
    めちゃくちゃ面白かったです。
    次巻も雁国希望で。笑




    @手持ち本

  • ただただ面白かった。
    実質1日で読み終わってしまった…

  • 今回は雁国を舞台に尚隆と六太の物語を描いた巻でした。
    尚隆の人柄がとにかく良い!理想の上司像ですね。六太はまだ幼さが残る感じで、読んでいて少しもどかしかった部分があります。
    戦争は恐ろしいなぁと思う場面が多々ありました。戦が起これば民が苦しむ。その中で犠牲になるのは、力のない子どもたちなのだな、と。
    尚隆の手腕で豊かな国にしてください。
    豊かな国が永遠に続きますように。

  • 今回は雁国が舞台。うつけやら莫迦やら痴れ者やら、言われたい放題の尚隆だったけど、やはり切れ者だな〜と。単に遊び呆けてるわけではないんだよね。‬ ‪延王延麒コンビは笑わせてくれるから好き!!真面目になりきれないよね(笑)‬

  • これ最後まで読んでえげつない話だなと思った。
    多分、小学生の時に読んでいたとしたら、尚隆はダメなようでいて民のことをよく考えている善玉で、斡由は一見正義に見えるがその実は自分の事しか考えていない悪玉に見えるだろう。もちろんそれも一面の真実ではある。しかし、この小説内での最初の問い、「なぜ、尚隆は治水工事を早い段階で行わないのか?」に答える場面はないのである。つまり、尚隆は中央集権化を成し遂げるためにあえて諸侯が反乱するように仕向け、それを鎮圧することにより徴兵と諸侯の権利剝奪の正当性を示した。そう解釈することも可能なのである。また、斡由を切らなかったのも、六太に切らせるためにあえて切らなかったとも解釈できる。下衆の勘繰りではなく、そう解釈できるようにストーリーを組み立てられている。
    ライトノベルとしての面白さと同時に懐深い恐ろしさを内包しているとんでもないストーリーだった。

  • 十二国記、徐々に面白くなってきますね。
    それぞれの国の物語。
    ようやくこの世界の理を理解し、お話に入っていけるようになりました。

  • 延王と延麒の成長物語。
    尚隆と斡由の最期の決闘の臨場感が素晴らしかった。
    やっぱり、延麒は愛着が湧くなぁ。

  • 【再読】荒れ果てた国土を、蓬莱より来た延王・尚隆と延麒が復興しようという時期の物語。尚隆は即位後、各州の権限を廃止したうえ国政を蔑ろにしている暗愚な王。それに危機感と不満をもった州候の斡由は、延麒を人質とした叛乱を起こすが…。暗愚を演じているだけで、実は思慮深く行動している延王が魅力的。物語の盛り上げ方が大変すばらしく、再読にもかかわらずとてもわくわくしながら読み進めました。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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