図南の翼 十二国記 (新潮文庫 お 37-59 十二国記)

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著者 : 小野不由美
制作 : 山田 章博 
  • 新潮社 (2013年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (419ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240596

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図南の翼 十二国記 (新潮文庫 お 37-59 十二国記)の感想・レビュー・書評

  • “覚悟”を問いかける物語だと、思います。
    形式はロードムービー、大好物でした。

    “私はやった”と言うからには、実践せねばとの気概と、
    そして王として“人の理”を飛び越えていく覚悟。

    過程を知らず結果しか見ないのは、本質をみないということ、
    これは、今の時代にも通じる話ではないでしょうか。

    これもまた“成長の物語”なんだろうと、思います。

    個人的には、「更夜」が終盤に、
    とある肩書で出てきたのは嬉しかったですね~、なんて。

  • この終わり方の秀逸さ、どうですかね?
    「月の影~」と甲乙つけがたし!!
    くよくよ悩んでぶぅぶぅ文句だけ一丁前の自分が情けない。
    やることやってから言いなさいよ、と、
    珠晶に頬を張られちゃいますね、今のままじゃ。
    でも、しっかり者の反面、
    子どもらしい好奇心や無鉄砲さもあって、
    本当に愛らしさにあふれる最強の王様です。
    お腹いっぱい読ませていただきました。
    ごちそうさま。

  • 彼女のように強くなろうと一生かけて頑張ってるところよね

  • 「子供らしい」「女の子らしい」わがままさを持つキャラクターがどうしても苦手で、どんなに他が良くても途中で読むのを断念したりという事もよくあるのだけど、十二国記には案外そういう子が出てくる。『風の万里〜』の鈴しかり祥瓊しかり、そしてこの『図南の翼』の珠晶しかり。
    十二国記の凄い所は、そんな子達が出てきて、そりゃもう途中何度も読むのをやめたくなる程わがままで図々しくて無知で、でもそれが現実だということをビシビシ読み手に突き付けながらもぐいぐい最後まで読ませてくる。そして結果的にお説教じみた改心やお涙頂戴で濁すのではなく、自然にそれぞれが成長し、自然にキャラクター自身が強くなって、読了後には大好きになっているのが凄い。

    要は「強い女の子」が好きなのだけど、「強いと見せかけで実は弱い(それが俗に言う「女の子らしい」と定義され肯定されているような)女の子」は苦手(笑)。
    見かけや行動が男の子っぽいという事ではなく、芯の強さ。芯の強さは成長によって育まれていくということを、十二国記は何度も見せてくれる。どんなに救いようが無いように見えても、現実をしっかりと見据え、自ら考え行動し打破していく事で、人はいくらでも成長していく事が出来る。成長する事でその子が全く変わってしまう訳ではなく、考え方や行動の裏付けがしっかりするという事だけで、同じような勝ち気さや大胆な行動も印象は全く変わる。

    あくまで主題はファンタジーであり、冒険譚や活劇であり、大きな時の流れを感じさせる歴史絵巻だという事がまた良い。
    その中でごく自然に、人が人として成長する事の素晴らしさを、いやらしくなく描く。単純に「人間って素晴らしい」なんて言わず、人間の残酷でドス黒い部分も抉り出し、その中で「最初からできた人」でも「改心する」わけでもなく「ごくありふれたある程度の善人」が、気付き行動出来るかどうかで成長できるかどうかが決まる。それは一度きりのチャンスではなく、誰にでも何度でも機会はある。

    早いに越した事は無いけれど、人が成長する事に遅すぎる事は無いし、成長する事に限界はない。十二国記シリーズがこんなにも幅広い世代に読まれ、愛され、そして読んで欲しいと思うのはこういったことが所以かも。
    それでもまずは純粋にファンタジーとしてのドキドキワクワクを楽しんでもらいたいのが第一ではある。

  • いやーやっぱり面白い、十二国記。風の万里 黎明の空(上)の最後の方に、祥瓊とのやり取りで出てきた供王珠晶の物言いにすごく心打たれ、気になっていたのですが、まさか早くも登場、活躍とは。心読まれたかのように楽しく読めた。珠晶のキャラもあってか、この巻は景王陽子や泰麒の時のような暗さがなかったですね。

    有言実行。文句を言うなら自分でやれ、やらないで逃げるな。人にモノをいうならまず自分がやる。わからないことは教えを乞う。間違いは認め直す。じぶんの分をわきまえる。人に迷惑はかけない。じぶんのしたことにはちゃんと責任をとる。当たり前のことだけど、理想論と言えばそうかもしれないけど、実際にはできずにいる。そんなことを12歳という素直さ、純粋さゆえに成し遂げる。いい大人には反省することばかり。室季和(しつきわ)や聯紵台(れんちょだい)の大人の都合、考え方がわかるけど、公平公正にみればやはり逃げているのと同じなのか。

    しかし、まさかあの「更夜」が犬狼真君になっているとは!いやー、「―更夜」のセリフにはぞわぞわしましたね。ここでこの名を聞くとは。なんて心憎い演出・キャスティング。
    そして利広。ここで奏国登場。まあ、趨虞を持っている時点で王族関係者と思われましたが、そのまんまでしたがね。いままであまり語られていない奏国が。またいずれどこかでこの国も語られるのだろう。

    後半で珠晶が、じぶんが王になれるとは思っていない、他人の命まで背負えるはずがない、愚痴ばかりの人に私は蓬山に行ったと言うために来た、恭の国民としての義務だと思ったから、という自分の思いの告白に心打たれる。この考え方、視点の高さが王の器なんだろうね。王になれるとは思っていない、という本心がそれまでの「王になる」という言葉に隠れていた。単に夢描くのではなく現実を見据えた上での最善策を取っていくのがだただスゴイと思う。

    景王陽子、延王尚隆,供王珠晶、そして泰王驍宗、奏王先新。いやーこうして書くとすごいな。王の器、考え方。玉座は血で購うもの。この覚悟をもった人たちの更なる活躍に期待。楽しみだ。

    頑丘とのやり取り、「結論だけ言われて、はいそうですかと穏和しく言うことを聞くのは、言葉の通じない家畜だけよ。」「あたしが駮なら、もちろん頑丘を繋いで駮と逃げたわよ。でも、あいにくあたしは人間なの」人間とは何か、考えるとは何か、生きるとは、を全編通して問いかけている小説ですよね。

    「黄朱は騎獣に名前をつけない、・・・・これがその理由だ」「お前とかあいつとか、呼ぶじゃない。・・・それって、単に名前で呼ぶより、ずっと気持ちの上では親密なのよ、分かってる?」にウルっとするも、犬狼真君が連れてきてくれて。いやー良かったよ、駮が無事で。

    タイトル図南の翼。『ゆえに言うのだ、王を含む昇山の旅を、鵬翼に乗る、と。』今回はタイトルがそのままストレートにストーリーに絡んでいる。
    そして最後、麒麟に手を振り上げて「大莫迦者っ!」胸すく締め。あーー、はやく次が読みたい。

  • シリーズのなかでも1、2を争う、好きな作品。
    なんといっても主人公のキャラクターがいい!そして、このキャラを、いやみなく描ききる作者の筆力に、ひれふす。
    初読のとき、「あ、この作品のキャラクターがこっちでこういうふうに出てくるのか!」と、シリーズモノを読む醍醐味みたいなものを、読書で初めて体感させてくれた。

  • ホワイトハート文庫版を持っているので、新潮社版は新作以外買わないぞ。

    その決意は、この作品で脆くも崩れ去る。
    十二国記のなかで、一番すきな作品だからかしら、気づいたらお買い上げしてたという……!

    何度めかもわからない再読。
    剛氏たちや頑丘が「この旅には鵬雛がいる」と確信する場面が一番好きかも知れないと気づく。
    読んで字のごとし。
    珠晶が王になるためにこの旅路は必要な天帝の配剤。だから、珠晶はまだ「雛」なのだな、と。

    珠晶のまっすぐさ、強さ。
    わたしたち大人こそ見習わないといけないな。

  • 12国記の中でもお気に入りの一冊(●´艸`)

    生意気な少女珠晶に最初はひっかかるなぁと感じたのですが彼女の、考えを貫き 時には柔軟に物事を受け入れる姿に応援したくなっちゃうのです!彼女が出会った人物も魅力的!頑丘に利広(๑′ᴗ‵๑)特に爽やかなんだけれど腹黒っぽい利広が大好きっっっ!!!(●´艸`)

    十二国記の作品はどれもみんなですが、本当にキャラクターの気持ちの変化が細やかに違和感なく描かれているので、読んでいて本当気持ちいいのです(๑´▿`๑)♫

    濃厚な時間を味わえる一冊ですよ★

  • 個人的に、十二国記シリーズで一番好きな作品です。
    なので新装版の刊行を本当に楽しみにしておりました。

    恭国で著名な豪商の娘である珠晶が、なかなか王の現れない国を憂い、自ら麒麟に天意を諮るために昇山する。
    十二歳ながらとても利発で行動的で、ちょっと高飛車で口が悪い。
    そんな珠晶が黄海での旅を通じて成長して行く展開が本当に本当に大好きで、旧版は何度読み返したかわからない程です。

    珠晶は本当に頭の切れる子で、周りの大人を馬鹿にしている節があります。
    彼女自身の性格だけでなく、育った環境のせいもある気がしますが。
    そんな珠晶ですが、言っていることは間違っていないのです。
    困っている人には進んで手を貸してあげるべきだとか、彼女の主張は至極まっとうだと思う。
    けれど、どんなに正しいことのように思えても、その考えや常識が通用しないことがある。
    朱氏や剛氏の一見非情にも思える選択肢の方が、正しいこともある。
    この作品を初めて読んだ十代の頃は、まだまだ純粋で清濁併せ呑むことの出来るお年頃ではなかったので、その事実がとても衝撃的でした。
    だから未だにこの作品が一番強烈に印象に残っているのかもしれない。

    それから物語終盤に、彼女が本当の気持ちを打ち明ける場面。
    昇山するのが義務だと思った、という一言には痺れます。
    幼い頃から一緒に育った家生の恵花と自分との、あまりに隔たれた扱いに、密かに心を痛めていたという件も。
    これらの描写を見ていると、口は悪いけれど本当はとても優しい子なんだろうと、彼女が愛しくなってしまいます。
    やっぱり珠晶は好きなキャラクターだなぁと改めて思いました。

    珠晶は『風の万里 黎明の空』にも出ているキャラクターで、芳の元公主である祥瓊にきつい言葉を浴びせています。
    こういう物言いをした意味が、本作を読むとわかるような気がします。
    珠晶も祥瓊も、恵まれた環境で育ったという意味では似た者同士なんですよね。
    ただし祥瓊は何故自分が恵まれた生活をしているのか、その意味を考えることが出来なかった。
    珠晶は自分の恵まれた境遇に疑問を抱き、そこから飛び出した。
    同じような環境で育ち、全く違う運命を辿ることになった二人が少しの間とはいえ巡り会うとは、何だか運命のような皮肉のような。
    今の祥瓊ならきっと珠晶とも仲良くなれるんだろうなと思いつつ、そんな展開はないんだろうなぁ…ちょっと残念です。

    終盤に登場する犬狼真君も、シリーズ作品を刊行順に読んでいる人にはわかるキャラクターで、こういう登場のさせ方は本当に嬉しくなってしまいます。
    王になると言う珠晶に対して、彼は厳しい言葉を浴びせます。
    「王の責務を背負うということが、どういうことだか分かっていれば、自分が王の器だなどと、口が裂けても言えるものではない」
    この言葉を掛けながら、彼もまたかつての主のことが頭を過ったりしたのかなぁ…などと勝手に妄想して、読みながら懐かしさと切なさを感じてしまいました。
    本作ではほんの少しの出番でしたが、出来ることなら彼がああいう存在になるまでの経緯も詳しく知りたいところです。
    里木はどこから手に入れたんだろうか。
    犬狼真君の挿絵は、妖艶な感じで素敵です。
    WH版の挿絵も好きです。

    上にも書きましたが『図南の翼』は十二国記シリーズで一番好きな作品です。
    レビューを書くのがずいぶん遅くなってしまいましたが…思い入れの強い作品ゆえに、なかなか書きたいことがまとまりませんでした。
    (この文章もまとまっているとは言い難い…)
    レビューを見ると、十二国記シリーズを読むならまず図南から!と書いている方がいらっしゃいますが。
    個人的には、十二国記シリーズは刊行順に読むのをお薦めします。
    シリーズ最初の二... 続きを読む

  • 図南の翼、大好きです!
    以前からエンタメとしてはシリーズ中群を抜く面白さだと思ってたけど、読み直してみてそれだけじゃないんだなと気づき新たな部分もちらほら。

    まず、黄朱や家生など十二国世界のなかでもこれまであまり扱われてなかった人たちをかなりクローズアップしているところ。王なんていなくてもいい、と考える人たちもいるんだなーと。けっこう十二国世界の根幹かかった命題な気がする・・・前はキャラクターにばかり目が行っていたけど、世界観でもかなり重要なファクターを含んでた巻だったんですね。

    そして、図南は100%十二国。蓬莱関係者は出てこないんですよね~これが初めてなんじゃないかしら??ちがうかな??とにかく日本と比較してどうとか、そういう世界でなくハイファンタジー。前は気付かなかったけど、なんかあれ?ッと思いました。

    あと、王は成るものなんだなーと。ネタばれですが、珠晶は昇山中に王に成ったんですよね、きっと。最後麒麟が駆け付けた時に「なんで生まれた時に来なかったの!」って言ってますが、そういうものじゃない。黄海に入ったときの珠晶はまだ王気が(見えるほどは)なくて、昇山中のいろいろで王気が見えるようになるほどの器になったというか。
    泰麒の話を読むと王気ってそんな簡単なものじゃないっていうのも一方でありますけど、最終的には駆け付けられるほど恭の麒麟は王気を読めたみたいなので、そういうことなんじゃないかしら、とちょっと今回は読んでて思いました。
    個人的推測では、成ったのは真君と話してたあたりだろうと思うので、もともといろいろ問題意識とか素養とかがあって、経験の中で実感というか身にしみるというかそういうのがあって、さらに言語化できるまでに自分の中で整理できたときに王に成る・・・とかなのでしょうか・・・

    それにしても表紙の珠晶!
    white heart版にかなり近いデザインだけど、前のはけっこうおっとりした感じでしたが新版は勝ち気度が上がってより作中イメージに近くなった印象。逆に、挿絵の珠晶はwhite heart版はかなり大人びていてちょっと怖いけど、新版はあどけなさも見えこちらもイメージ通り。利広はいつもさわやかで、頑丘はどっちもちょっとくたびれた無愛想男。やっぱり真君は一枚ありますよねー麗しい。

  •  12歳の少女珠晶が王に選ばれるため蓬山を決意し、危険な黄海を旅する様子と成長を描いた十二国記シリーズ6作目。

     始めは「生意気で世間知らずな少女の成長物語かなあ。それならありがちだなあ」と思っていたのですが、そこはさすが『十二国記』やはりそう単純な話でもなかったです。

     珠晶という少女は確かに生意気で世間知らずな点もあるのですが、とても頭がいいのです。それは勉強面だけではなく、きっちりと物事を考えられるという頭の良さでもあります。自分が正しいと思った点はきっちりと認めるし、自分の間違いからも目をそむけない、向う見ずに見えた蓬山もただ無茶をしたわけじゃなく、きっちりと考え抜き、その責任の重さも考えつつの行動だったのです。これだけしっかりした12歳、そうそういないだろうなあ。読んでる自分がどれだけ小さく見えることか(苦笑)

     しかしあくまで12歳としての子どもの面が残っていることも、この話を深くさせています。すべてを助けることの難しさ、蓬山をめぐる同志たちのどれも間違いと言い切れないそれぞれの考えに、珠晶は悩み、時には間違いを犯し、しかしそうして身体に頭にその経験を刻み込んで成長していくのです。その様子の力強さがとても頼もしく思えました。

     十二国記の設定を生かしたロードノベルとして、冒険小説としての面白さも兼ね備えているあたりも素晴らしいです。いろいろ哲学的、道徳的問いを投げかけられることの多いこのシリーズですが、この面白さのおかげで他のシリーズ作品以上のエンターテイメント性も持ち合わせているように思います。

     キャラもいいキャラばかりでした。珠晶と旅することになる頑丘、利広はもちろんのこと、一緒に蓬山に向かうことになる王の候補たちもいい感じに作品のテーマを引き出してくれるキャラクターです。珠晶の魅力に加えてわき役の充実ぷりがこの話をさらに引き立たせていることは間違いありません。

     それにしても蓬山までの道のりがここまで大変だったとは知りませんでした……。あやふやな記憶ですが『風の海 迷宮の岸』でものすごい数の人が蓬山をしている描写があったので、てっきり観光ついでにできるものなのかなとばかり……。国によって蓬山までの道のりは違うのかな?

  • あー、泣いた、泣きました。延王のファンからちょい登場した殊晶のファンに。その殊晶が王になるまでの物語。自分の中に正しい事があって、気が強くて。小気味いいんだけど「んー?」と思うこともあった前半。一人になって学んだ後半。彼女は昇山し頑丘と利広に出会ってなければ王の器にはなれなかったのかもしれない。それにしても昇山がこんなにも過酷だったとは。王がいないと嘆くならまず昇山に行けばいい、私だって覚悟ひとつでここまでこれた…彼女の率直な言葉は胸に響きます。更夜がまさかの!!いや、ここにも号泣。小野さんやり過ぎです!

  • 月1のお楽しみ、十二国記、図書館で借りた。

    シリーズ6作目。
    恭国の豪商の娘・12歳の珠晶は、蓬山を目指す。

    『風の万里 黎明の空』では、供王は生意気だなぁとうんざりしていたら、なんと勝気かつ健気なんだろう。
    頑丘・利広・犬狼真君など、周りを巻き込みながら進んでいく。
    読んでいて、働くことや生きていくことを考えた。
    教えをこう方法と学ぶ態度、とるべき責任、果たすべき行動。
    王気(大器)とはどういう思想を持つのか。
    私は普通の社会人だけれど、ふうむ、と考えた。
    朱氏や黄海の詳細が明らかになって、おもしろかった。
    更夜も元気そうで良かったな。
    設定が暗喩のようでわからないことばかりだけれど、楽しい!
    「自分の得たい答えを探すために考えるのじゃ、意味がない」
    「祈りというものは、真実の声でなければ届かない」
    来月も、楽しみに。

  • 今までの中で一番面白かったなぁ。万賈の娘、珠晶が自分を取り巻く様々なことに考える所があり昇山する。騙されたり、言い争ったり、襲われることもあるが、その度に成長していく十二の珠晶。

    やっぱり、自分で頭を使って考える事。
    自分の身体を使って動く事。
    他人の話をちゃんと聞く事。
    当たり前のことだけど、これが出来てないと正しい道には進めないんだと教えてもらいました。確かに学校で教えられてたことだよね…

  • 勝気で生意気で賢いお姫様の冒険物語。たまに憎らしいけど可愛くてタフで賢いから許す!
    読後感爽快でした。

    20170524読了。あっという間に読みきってしまった。

  •  珠晶は既に「風の万里 黎明の空」で登場していてあまり好きなキャラではなかった。子どもに偉そうにされたら大人はいい思いはしないのは当然だけど。珠晶の言うことは正しいから余計に腹が立つのかも。
     前半は読むのがはかどらなかったが、半分過ぎあたりからギアが上がって一気に読んだ。やっぱり十二国記は引き込まれる。途中で更夜が出てきたのがうれしかった。
     「裕福な人に貧しい人の気持ちは分からない」。それはある程度その通りだろうけど理解を拒否する言葉でもある。そういう態度に珠晶は憤ったのだ。現実でも真剣に向き合えば体験がなくとも理解できることは多いのではないか。想像することは人間の特権なのだから。
     

  • こりゃ面白い!! 王が不在のまま乱れた恭国で、王になるため蓬山を目指す12歳の少女・珠晶。この珠晶が実にいいんですね。生意気とも受け取られますが、僕は清々しさを感じました。今までの十二国記の主人公たちは悩み迷い、そこから抜け出す物語だったのですが、珠晶はもちろん悩み迷いますが、基本は前向き。それも無責任な前向きでなく、自分の言動に責任を負おうとする前向きさ。幼さ故の経験のなさからくる過ちや過信はあれど、それを反省し乗り越えていく強さがあります。だから読んでいて爽快なのでしょうね。
    新装版シリーズでは、この前に書き下ろし含む新規短編集が刊行されています。そこでは十二国記の世界に生きる市井の人々が描かれていました。そして今作ではこの世界に於ける最下層とされる人々が描かれてました。この流れで読むと実に十二国記の世界の深淵が見えるのですね。どの巻からでも楽しめる作りですが、こうやって作品の構成を楽しみながら読むのも一興でしょうね。そして世界の一端を知ると、以前読んだ作品の印象も変わりそうです。
    珠晶にしても先の巻で王位に就いて90年が過ぎた姿が描かれていますが、今作を読むとあの時の言葉にはこうした裏付けがあったのかと思い知らされますし。今作でも以前出てきた人物が意外な形で再登場しますし。こうして十二国記の世界に、のめり込んでいくんでしょうね。

  • かつてホワイトハート文庫で何年も前に読んでいたけれど、初めて読む時と変わりなく、いやむしろそれ以上にグイグイとその世界に引きずり込まれた。主人公珠晶の魅力と運の強さ=物語の面白さと言ってもいいかも。こんな人物は現実の世界にはいないとわかっているけれど、いたらいいな、逢ってみたい、と思える強烈な魅力がある。後半は涙する場面が多かったが、悲しくて泣くのではなく嬉しくて泣くのだ。そう、供麒の気持ちとおなじだ。あなたに会いたかった。こんなにもあなたに合うのを待っていた。あなたに会えて本当に良かった。それほど私は珠晶が好きだ。

  • おもしろくて家事もそっちのけで一気読み。

  • この物語は何度読んでもとてももどかしい。誰もが思うであろう理想を追求できるのであれば幸せだが、現実はそうではない。生き残るためには犠牲を払うこともある。何が大事なのか、それを見分けることが何よりも大切だと言うことを改めて認識させられた。なかなかボリュームがあるのにあっという間に読んでしまうのはそれほど面白いってことなんでしょう。

  • 勝気で頭のよい12歳の少女が、大人たちが昇山するのを恐ろしがって行かないのなら、あたしがいくわ!と一念発起、周りの大人たちを巻き込んでいく。
    彼女がどんな気持ちで昇山するのか、読み進めていくとわかるのですが、少女らしく純粋で、決して自ら王たらんと自負してのものではなく。
    「大馬鹿者っ!!」と真っ赤な顔をして怒鳴りつけるラストシーンは非常に爽快な物語です。何度読んでも面白い。

  • イレギュラーに王座についた陽子や尚隆
    蓬山で昇山して来る人々を待っていた泰麒と続いて
    今度は昇山する珠晶を追った物語。
    仲間を見捨てて死ぬ思いをして苦労してやっと昇山しても王様じゃなきゃ気をつけて帰れって言われるんだなぁとそんなことが気になってしまいました。
    自分が珠晶だったら自分はまだ子供だから昇山出来ない仕方がないと考えるだろうけど、それを飛び出して行く珠晶はすごいなー。
    以前に登場した時、祥けいに冷た過ぎるんじゃないかなーなんて思ったのですが昇山前から正論が得意というか自分なりの正義を持っていたんだなと思いました。
    一見すれば厳しく思えるけど、どうしようもなく正しい。
    そういえば頑丘は珠晶の臣下になったのか、珠晶の治世の続きなんかも読みたいなと思います。

  •  『平成二十五年 十月 一日 発行』版、読了。おそらく初版。


     これまで読了してきた「十二国記シリーズ」の作品中、一番読みやすかった一作でしたっ☆


     なんといっても主要登場人物の魅力的なこと! 主人公である珠晶の聡明さと幼さ、かつ頑固というキャラ立ちを筆頭に、頑丘、利広ともに(読み進めていくと具体的に明かされていく)魅力があって、それぞれが立場あっての行動というのも秀逸でした。

     特に利広に関しては「ひょっとして麒麟かなあ…?ww」とか、疑いながらページをめくっていったものですが…終章ではっきりと明確になったときは「あー、そっちかー!」と、思ったものです(^-^;;


     これまでのシリーズ同様、本作の結末部分に関しては、ものっすごくアッサリとすぐ終わってしまいます。

     気持ち的には「ああ、六章と終章の間の『結び』らしい『結び』部分をもう少し読みたかった…」と、思いましたが…きっと麒麟と初対面した最初の一言同様、もし「その場面」が描かれていたら、ものすごい大騒ぎになってそうな気がしてなりませんwwww


     そういう意味では、この作者の本シリーズに関しての印象である「描くべき場面は、つきつめて描いていくけど、それがなくなれば、すぐ店じまい」な潔さに、これまで同様ブレがなかった一作でした☆

     個人的には、この後、恭国がどのように治世を築いていくかも見てみたかったです(^-^;;

  • 珠晶いいよ!!
    こんな12歳いるのか!!??とちょっと突っ込みたくなるえれども、そこはお国柄?
    口で言うだけなら簡単だけど、昇山を人に勧めるならばまずは自分がやってから人に指図してやろうという小生意気なところがいい。
    そしてなにより興奮したのがまさか黄海の守護神がまさかの更夜!!
    これに一番鳥肌がたった。

  • 嘆くより、怒るより、やるべきことがある

    新装・完全版シリーズ6作目。前作で少しだけしか出てこなかったのに、強烈な印象を与えていた供王のお話。先王崩御から二十七年。傾く国・恭にありながら、豪商の父の元で不自由なく暮らす少女・珠晶。そんな彼女が何を思い、麒麟のいる蓬山を目指すのか。少女が困難に立ち向かい成長していく姿を描いた冒険もののような展開だが、その実はとても深い。
    珠晶は賢く度胸もあるが、いい意味でも悪い意味でも純粋な普通の少女。十二国記シリーズの随所で出てくる「無血な玉座はあり得ない」という現実に、十二歳の少女はどう向き合っていくのか。
    相変わらずテンポよく進むお話に、再読ながらも読み進める手がとまらない。読むたびに好きなシーンが増えていく作品なので、また少し時間を空けて読み直したい。

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図南の翼 十二国記 (新潮文庫 お 37-59 十二国記)の作品紹介

この国の王になるのは、あたし! 恭国(きようこく)は先王が斃(たお)れて27年、王不在のまま治安は乱れ、妖魔までも徘徊(はいかい)していた。首都連檣(れんしよう)に住む少女珠晶(しゆしよう)は豪商の父のもと、なに不自由ない暮らしと教育を与えられ、闊達な娘に育つ。だが、混迷深まる国を憂えた珠晶はついに決断する。「大人が行かないのなら、あたしが蓬山(ほうざん)を目指す」と──12歳の少女は、神獣麒麟(きりん)によって、王として選ばれるのか。

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