図南の翼 十二国記 (新潮文庫 お 37-59 十二国記)

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著者 : 小野不由美
制作 : 山田 章博 
  • 新潮社 (2013年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (419ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240596

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図南の翼 十二国記 (新潮文庫 お 37-59 十二国記)の感想・レビュー・書評

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  • “覚悟”を問いかける物語だと、思います。
    形式はロードムービー、大好物でした。

    “私はやった”と言うからには、実践せねばとの気概と、
    そして王として“人の理”を飛び越えていく覚悟。

    過程を知らず結果しか見ないのは、本質をみないということ、
    これは、今の時代にも通じる話ではないでしょうか。

    これもまた“成長の物語”なんだろうと、思います。

    個人的には、「更夜」が終盤に、
    とある肩書で出てきたのは嬉しかったですね~、なんて。

  • この終わり方の秀逸さ、どうですかね?
    「月の影~」と甲乙つけがたし!!
    くよくよ悩んでぶぅぶぅ文句だけ一丁前の自分が情けない。
    やることやってから言いなさいよ、と、
    珠晶に頬を張られちゃいますね、今のままじゃ。
    でも、しっかり者の反面、
    子どもらしい好奇心や無鉄砲さもあって、
    本当に愛らしさにあふれる最強の王様です。
    お腹いっぱい読ませていただきました。
    ごちそうさま。

  • 彼女のように強くなろうと一生かけて頑張ってるところよね

  • 「子供らしい」「女の子らしい」わがままさを持つキャラクターがどうしても苦手で、どんなに他が良くても途中で読むのを断念したりという事もよくあるのだけど、十二国記には案外そういう子が出てくる。『風の万里〜』の鈴しかり祥瓊しかり、そしてこの『図南の翼』の珠晶しかり。
    十二国記の凄い所は、そんな子達が出てきて、そりゃもう途中何度も読むのをやめたくなる程わがままで図々しくて無知で、でもそれが現実だということをビシビシ読み手に突き付けながらもぐいぐい最後まで読ませてくる。そして結果的にお説教じみた改心やお涙頂戴で濁すのではなく、自然にそれぞれが成長し、自然にキャラクター自身が強くなって、読了後には大好きになっているのが凄い。

    要は「強い女の子」が好きなのだけど、「強いと見せかけで実は弱い(それが俗に言う「女の子らしい」と定義され肯定されているような)女の子」は苦手(笑)。
    見かけや行動が男の子っぽいという事ではなく、芯の強さ。芯の強さは成長によって育まれていくということを、十二国記は何度も見せてくれる。どんなに救いようが無いように見えても、現実をしっかりと見据え、自ら考え行動し打破していく事で、人はいくらでも成長していく事が出来る。成長する事でその子が全く変わってしまう訳ではなく、考え方や行動の裏付けがしっかりするという事だけで、同じような勝ち気さや大胆な行動も印象は全く変わる。

    あくまで主題はファンタジーであり、冒険譚や活劇であり、大きな時の流れを感じさせる歴史絵巻だという事がまた良い。
    その中でごく自然に、人が人として成長する事の素晴らしさを、いやらしくなく描く。単純に「人間って素晴らしい」なんて言わず、人間の残酷でドス黒い部分も抉り出し、その中で「最初からできた人」でも「改心する」わけでもなく「ごくありふれたある程度の善人」が、気付き行動出来るかどうかで成長できるかどうかが決まる。それは一度きりのチャンスではなく、誰にでも何度でも機会はある。

    早いに越した事は無いけれど、人が成長する事に遅すぎる事は無いし、成長する事に限界はない。十二国記シリーズがこんなにも幅広い世代に読まれ、愛され、そして読んで欲しいと思うのはこういったことが所以かも。
    それでもまずは純粋にファンタジーとしてのドキドキワクワクを楽しんでもらいたいのが第一ではある。

  • いやーやっぱり面白い、十二国記。風の万里 黎明の空(上)の最後の方に、祥瓊とのやり取りで出てきた供王珠晶の物言いにすごく心打たれ、気になっていたのですが、まさか早くも登場、活躍とは。心読まれたかのように楽しく読めた。珠晶のキャラもあってか、この巻は景王陽子や泰麒の時のような暗さがなかったですね。

    有言実行。文句を言うなら自分でやれ、やらないで逃げるな。人にモノをいうならまず自分がやる。わからないことは教えを乞う。間違いは認め直す。じぶんの分をわきまえる。人に迷惑はかけない。じぶんのしたことにはちゃんと責任をとる。当たり前のことだけど、理想論と言えばそうかもしれないけど、実際にはできずにいる。そんなことを12歳という素直さ、純粋さゆえに成し遂げる。いい大人には反省することばかり。室季和(しつきわ)や聯紵台(れんちょだい)の大人の都合、考え方がわかるけど、公平公正にみればやはり逃げているのと同じなのか。

    しかし、まさかあの「更夜」が犬狼真君になっているとは!いやー、「―更夜」のセリフにはぞわぞわしましたね。ここでこの名を聞くとは。なんて心憎い演出・キャスティング。
    そして利広。ここで奏国登場。まあ、趨虞を持っている時点で王族関係者と思われましたが、そのまんまでしたがね。いままであまり語られていない奏国が。またいずれどこかでこの国も語られるのだろう。

    後半で珠晶が、じぶんが王になれるとは思っていない、他人の命まで背負えるはずがない、愚痴ばかりの人に私は蓬山に行ったと言うために来た、恭の国民としての義務だと思ったから、という自分の思いの告白に心打たれる。この考え方、視点の高さが王の器なんだろうね。王になれるとは思っていない、という本心がそれまでの「王になる」という言葉に隠れていた。単に夢描くのではなく現実を見据えた上での最善策を取っていくのがだただスゴイと思う。

    景王陽子、延王尚隆,供王珠晶、そして泰王驍宗、奏王先新。いやーこうして書くとすごいな。王の器、考え方。玉座は血で購うもの。この覚悟をもった人たちの更なる活躍に期待。楽しみだ。

    頑丘とのやり取り、「結論だけ言われて、はいそうですかと穏和しく言うことを聞くのは、言葉の通じない家畜だけよ。」「あたしが駮なら、もちろん頑丘を繋いで駮と逃げたわよ。でも、あいにくあたしは人間なの」人間とは何か、考えるとは何か、生きるとは、を全編通して問いかけている小説ですよね。

    「黄朱は騎獣に名前をつけない、・・・・これがその理由だ」「お前とかあいつとか、呼ぶじゃない。・・・それって、単に名前で呼ぶより、ずっと気持ちの上では親密なのよ、分かってる?」にウルっとするも、犬狼真君が連れてきてくれて。いやー良かったよ、駮が無事で。

    タイトル図南の翼。『ゆえに言うのだ、王を含む昇山の旅を、鵬翼に乗る、と。』今回はタイトルがそのままストレートにストーリーに絡んでいる。
    そして最後、麒麟に手を振り上げて「大莫迦者っ!」胸すく締め。あーー、はやく次が読みたい。

  • シリーズのなかでも1、2を争う、好きな作品。
    なんといっても主人公のキャラクターがいい!そして、このキャラを、いやみなく描ききる作者の筆力に、ひれふす。
    初読のとき、「あ、この作品のキャラクターがこっちでこういうふうに出てくるのか!」と、シリーズモノを読む醍醐味みたいなものを、読書で初めて体感させてくれた。

  • ホワイトハート文庫版を持っているので、新潮社版は新作以外買わないぞ。

    その決意は、この作品で脆くも崩れ去る。
    十二国記のなかで、一番すきな作品だからかしら、気づいたらお買い上げしてたという……!

    何度めかもわからない再読。
    剛氏たちや頑丘が「この旅には鵬雛がいる」と確信する場面が一番好きかも知れないと気づく。
    読んで字のごとし。
    珠晶が王になるためにこの旅路は必要な天帝の配剤。だから、珠晶はまだ「雛」なのだな、と。

    珠晶のまっすぐさ、強さ。
    わたしたち大人こそ見習わないといけないな。

  • 12国記の中でもお気に入りの一冊(●´艸`)

    生意気な少女珠晶に最初はひっかかるなぁと感じたのですが彼女の、考えを貫き 時には柔軟に物事を受け入れる姿に応援したくなっちゃうのです!彼女が出会った人物も魅力的!頑丘に利広(๑′ᴗ‵๑)特に爽やかなんだけれど腹黒っぽい利広が大好きっっっ!!!(●´艸`)

    十二国記の作品はどれもみんなですが、本当にキャラクターの気持ちの変化が細やかに違和感なく描かれているので、読んでいて本当気持ちいいのです(๑´▿`๑)♫

    濃厚な時間を味わえる一冊ですよ★

  • 個人的に、十二国記シリーズで一番好きな作品です。
    なので新装版の刊行を本当に楽しみにしておりました。

    恭国で著名な豪商の娘である珠晶が、なかなか王の現れない国を憂い、自ら麒麟に天意を諮るために昇山する。
    十二歳ながらとても利発で行動的で、ちょっと高飛車で口が悪い。
    そんな珠晶が黄海での旅を通じて成長して行く展開が本当に本当に大好きで、旧版は何度読み返したかわからない程です。

    珠晶は本当に頭の切れる子で、周りの大人を馬鹿にしている節があります。
    彼女自身の性格だけでなく、育った環境のせいもある気がしますが。
    そんな珠晶ですが、言っていることは間違っていないのです。
    困っている人には進んで手を貸してあげるべきだとか、彼女の主張は至極まっとうだと思う。
    けれど、どんなに正しいことのように思えても、その考えや常識が通用しないことがある。
    朱氏や剛氏の一見非情にも思える選択肢の方が、正しいこともある。
    この作品を初めて読んだ十代の頃は、まだまだ純粋で清濁併せ呑むことの出来るお年頃ではなかったので、その事実がとても衝撃的でした。
    だから未だにこの作品が一番強烈に印象に残っているのかもしれない。

    それから物語終盤に、彼女が本当の気持ちを打ち明ける場面。
    昇山するのが義務だと思った、という一言には痺れます。
    幼い頃から一緒に育った家生の恵花と自分との、あまりに隔たれた扱いに、密かに心を痛めていたという件も。
    これらの描写を見ていると、口は悪いけれど本当はとても優しい子なんだろうと、彼女が愛しくなってしまいます。
    やっぱり珠晶は好きなキャラクターだなぁと改めて思いました。

    珠晶は『風の万里 黎明の空』にも出ているキャラクターで、芳の元公主である祥瓊にきつい言葉を浴びせています。
    こういう物言いをした意味が、本作を読むとわかるような気がします。
    珠晶も祥瓊も、恵まれた環境で育ったという意味では似た者同士なんですよね。
    ただし祥瓊は何故自分が恵まれた生活をしているのか、その意味を考えることが出来なかった。
    珠晶は自分の恵まれた境遇に疑問を抱き、そこから飛び出した。
    同じような環境で育ち、全く違う運命を辿ることになった二人が少しの間とはいえ巡り会うとは、何だか運命のような皮肉のような。
    今の祥瓊ならきっと珠晶とも仲良くなれるんだろうなと思いつつ、そんな展開はないんだろうなぁ…ちょっと残念です。

    終盤に登場する犬狼真君も、シリーズ作品を刊行順に読んでいる人にはわかるキャラクターで、こういう登場のさせ方は本当に嬉しくなってしまいます。
    王になると言う珠晶に対して、彼は厳しい言葉を浴びせます。
    「王の責務を背負うということが、どういうことだか分かっていれば、自分が王の器だなどと、口が裂けても言えるものではない」
    この言葉を掛けながら、彼もまたかつての主のことが頭を過ったりしたのかなぁ…などと勝手に妄想して、読みながら懐かしさと切なさを感じてしまいました。
    本作ではほんの少しの出番でしたが、出来ることなら彼がああいう存在になるまでの経緯も詳しく知りたいところです。
    里木はどこから手に入れたんだろうか。
    犬狼真君の挿絵は、妖艶な感じで素敵です。
    WH版の挿絵も好きです。

    上にも書きましたが『図南の翼』は十二国記シリーズで一番好きな作品です。
    レビューを書くのがずいぶん遅くなってしまいましたが…思い入れの強い作品ゆえに、なかなか書きたいことがまとまりませんでした。
    (この文章もまとまっているとは言い難い…)
    レビューを見ると、十二国記シリーズを読むならまず図南から!と書いている方がいらっしゃいますが。
    個人的には、十二国記シリーズは刊行順に読むのをお薦めします。
    シリーズ最初の二作品は、十二国に意図せずやって来てしまったキャラクターが主人公なので、シリーズへの導入としてはわかりやすいと思います。
    それと上記の通り、他シリーズ作とのリンクがあるので、それがわかった状態で読む方が楽しめるかな、と。
    ただしそれだと珠晶が最終的に王になれるのか?というところが先にわかってしまうので、珠晶の行く末をハラハラしながら見守りたい方は『風の万里 黎明の空』を飛ばして読んでみるのも良いと思います。

    昇山の旅は、予想以上に過酷なんだなぁと思いました。
    驍宗様が昇山した時の旅はどうだったんだろう…気になります。
    やはり被害が少なくて「鵬雛がいる」と言われたのでしょうか。
    鵬雛を失うと、良かった巡り合わせのつけが一気に来る、という話も気になる。
    辛い内容になるのは百も承知で、そういうお話も読んでみたいです。

  • 図南の翼、大好きです!
    以前からエンタメとしてはシリーズ中群を抜く面白さだと思ってたけど、読み直してみてそれだけじゃないんだなと気づき新たな部分もちらほら。

    まず、黄朱や家生など十二国世界のなかでもこれまであまり扱われてなかった人たちをかなりクローズアップしているところ。王なんていなくてもいい、と考える人たちもいるんだなーと。けっこう十二国世界の根幹かかった命題な気がする・・・前はキャラクターにばかり目が行っていたけど、世界観でもかなり重要なファクターを含んでた巻だったんですね。

    そして、図南は100%十二国。蓬莱関係者は出てこないんですよね~これが初めてなんじゃないかしら??ちがうかな??とにかく日本と比較してどうとか、そういう世界でなくハイファンタジー。前は気付かなかったけど、なんかあれ?ッと思いました。

    あと、王は成るものなんだなーと。ネタばれですが、珠晶は昇山中に王に成ったんですよね、きっと。最後麒麟が駆け付けた時に「なんで生まれた時に来なかったの!」って言ってますが、そういうものじゃない。黄海に入ったときの珠晶はまだ王気が(見えるほどは)なくて、昇山中のいろいろで王気が見えるようになるほどの器になったというか。
    泰麒の話を読むと王気ってそんな簡単なものじゃないっていうのも一方でありますけど、最終的には駆け付けられるほど恭の麒麟は王気を読めたみたいなので、そういうことなんじゃないかしら、とちょっと今回は読んでて思いました。
    個人的推測では、成ったのは真君と話してたあたりだろうと思うので、もともといろいろ問題意識とか素養とかがあって、経験の中で実感というか身にしみるというかそういうのがあって、さらに言語化できるまでに自分の中で整理できたときに王に成る・・・とかなのでしょうか・・・

    それにしても表紙の珠晶!
    white heart版にかなり近いデザインだけど、前のはけっこうおっとりした感じでしたが新版は勝ち気度が上がってより作中イメージに近くなった印象。逆に、挿絵の珠晶はwhite heart版はかなり大人びていてちょっと怖いけど、新版はあどけなさも見えこちらもイメージ通り。利広はいつもさわやかで、頑丘はどっちもちょっとくたびれた無愛想男。やっぱり真君は一枚ありますよねー麗しい。

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図南の翼 十二国記 (新潮文庫 お 37-59 十二国記)の作品紹介

この国の王になるのは、あたし! 恭国(きようこく)は先王が斃(たお)れて27年、王不在のまま治安は乱れ、妖魔までも徘徊(はいかい)していた。首都連檣(れんしよう)に住む少女珠晶(しゆしよう)は豪商の父のもと、なに不自由ない暮らしと教育を与えられ、闊達な娘に育つ。だが、混迷深まる国を憂えた珠晶はついに決断する。「大人が行かないのなら、あたしが蓬山(ほうざん)を目指す」と──12歳の少女は、神獣麒麟(きりん)によって、王として選ばれるのか。

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