用心棒日月抄 (新潮文庫)

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著者 : 藤沢周平
  • 新潮社 (1981年3月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (519ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101247014

用心棒日月抄 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  すらすら読めてとても面白かった!たくみに物語を膨らませていて、これからどうなっていくんだろうという先への期待感が常にありました。又八郎と細谷のコンビも最高にいい。この作品を読んでさらに藤沢周平さんが好きになりました。

  • 1978年初版の、藤沢周平さんの大人気時代小説。
    恐らく中学生くらいの頃に読んだのですが、30年ぶり?くらいの再読。
    某藩藩士の青江又八郎さんが主人公。

    藩内の陰謀(藩主の毒殺とか)を知ってしまって、首魁(藩の家老)に殺されかかって、反撃して殺してしまいました。
    そして面倒なことに殺した相手は、自分の許嫁の父。
    その上、チャンバラして相手を殺す瞬間を、愛しい許嫁に目撃されてしまった。

    取るものも取りあえず、殺されてはあかんので、脱走、脱藩して江戸に出てきました。
    陰謀にまみれた地元に戻れる道はなさそうで、こうなったらいずれ、「愛しい許嫁が敵討ちに現れるだろうから、そうしたら、殺されてあげよう」という、
    良く考えたらよく分からないモチベーションで裏長屋暮らし。
    そして、日々の食べていく金銭のために、口入屋に通っては出来る仕事を貰ってきます。
    そして、仕事のいちばんは、「用心棒」稼業。なぜなら、又八郎さんは剣術の腕が立つからです…。



    という設定の中で、一話完結でいろいろな用心棒稼業の顛末が描かれます。連続ドラマ向きですね。
    (何度か連ドラ化されています。一番有名なのは、NHKで放送された村上弘明さん版でしょう)

    それぞれのエピソードとしては、

    ●犬の用心棒…犬の元の飼い主が、女への慕情から犬を襲おうとした。
    (「生類憐みの令」がベースにあります)

    ●娘の用心棒…以前に惚れていた悪い男が襲ってくる。

    などなどがありますが、
    始めから最後まで、もう一つの貫く流れとして「忠臣蔵」があります。
    つまり、浅野と吉良の刃傷事件から、打ち入りまで。
    その折々で、又八郎さんは浅野家浪人たちの江戸での蠢動に遭遇してしまいます。
    そして、依頼される用心棒案件も、浅野、吉良の絡みの案件が増えてくる。

    最後には無事に討ち入り。
    その直前までは吉良家の用心棒をしていたけれど、無事に直前に(意図的に)解雇されます。

    そして最終話では、地元の政治状況が変わって、
    無事に地元に戻って許嫁とも結ばれてめでたし、となります。

    #

    改めて読むと、割と淡々とした筆致で全体が貫かれて、ご都合な展開も大人の楽しみ方で読んでいけました。
    白眉だったなあと思ったのは、「夜鷹の用心棒」篇。
    要約すると、吉良の軍団が、陰謀を聴かれてしまっただけの理由で、夜鷹を殺そうと付け狙う。
    どうして狙われているのかよくワカラナイまま、夜鷹は又八郎を用心棒に雇う。
    結果的に、又八郎は夜鷹を守りきれずに、殺されてしまう…そして真相を探って復讐を…。という一篇。
    夜鷹と又八郎の交流や、「守りきれなかった」と言う悔恨や敗北感、そういう湿った感じが、すごくぞくっとするほど上手く描けていました。
    こういうところ、作家の持ち味というものなのでしょう。

  • 藤沢周平の作品は、映画「たそがれ清兵衛」(2002年 出演:真田広之、宮沢りえ)、「隠し剣 鬼の爪」(2004年 出演:永瀬正敏、松たか子)、「武士の一分」(2006年 主演:木村拓哉、檀れい)で観たことがあったが、小説を読むのは初めて。

    時代小説を読むのは、隆慶一郎がほぼ初めてだった、
    読むべき本が山ほどありそうだ。

  • 「三屋清左衛門残日録」などにも通じる、生真面目な武士(訳あって浪人をしている)の日々を綴った連作集。
    隠し味に、赤穂浪士の討ち入りというスパイスを聞かせて、一気に読める。
    家中の暗闘という、藤沢周平の作品によく使われるモチーフもちゃんと入っている。
    浪人ものとはいえ、明るく、くすりと笑えるところもある作品。

  • 忠臣蔵が伏線にあるところがおもしろい。
    ドラマも見たけど、字を読むのも悪くない。

  •  この青江又八郎シリーズにおいては、個人的には、続編よりもこの第一巻が一番好み。

     ドラマ「腕におぼえあり」を見て、本書を購入したことを昨日のように思い出す。
     思いがけず許婚の仇となってしまった復讐受難・悲恋物語と、これまた仇討ちである忠臣蔵を外枠に交えて大きな流れにして展開するストーリーは、一話完結でありながら、サーガ・ストーリーの一面も有し、一気読みさせるほどすばらしい。

     又八郎がかっこいいのはもちろんだが、生活感丸出しでありながら、義にも厚い細谷源太夫(渡辺徹)、可憐な由亀(清水美砂)あるいは、金にシビアだが、実は情にほだされる吉蔵(坂上二郎)など魅力的なキャラクターが溢れている。

  • 村上弘明のイメージぴったり。

  • 家の事情にわが身の事情、用心棒の赴くところ、ドラマがある。青江又八郎は二十六歳、故あって人を斬り脱藩、国許からの刺客に追われながらの用心棒稼業。だが、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれて、請負う仕事はなぜか、浅野・吉良両家の争いの周辺に……。

  • 忠臣蔵前夜の情景が浮かぶ

  • 出だしは大衆読物のようでつまらなく、今まで文庫としてよく続いたと思ったが、「内儀の腕」から俄然おもしろくなった。特に赤穂浪士の討入り準備段階の関わりの機微は、最初から構想にあったのか、連載が続くにつれ生まれたのか、興味深いところだ。さらに本巻で完結かと思いきや、シリーズが続いている。もちろん手に取るつもりだ。2016.3.1

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