消えた女―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101247076

感想・レビュー・書評

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  • 藤沢周平が描くハードボイルド捕物帳。映像化したらとても絵になりそうだが、活字では(私にとっては、)少々退屈なものだった。「隠し剣シリーズ」のような切れ味を期待していたのが良くなかったか。あれは短編だからこその切れ味だったのだなと。あと、自分が時代小説に慣れていないことを実感。用語がすぐに頭に入ってこないなぁ・・・。

  • 消えた女(新潮文庫)
    著作者:藤沢周平
    発行者:新潮社
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    彫師伊之助捕物覚えほろ苦い余韻を残す江戸が舞台のハードボイルド小説。

  • 岡っ引きをやめて版画の彫師の伊之助が事件を解決する物語。弥八の娘であるおようが行方知れずになる。おようは高麗屋で通い女中をしていた。おようが見ず知らずの少年に託けた簪に巻いた手紙が弥八経由で伊之助に届く。そこには助けを求めるメッセージがあった。伊之助は自分の仕事よりもおようを探すことを優先する。

    江戸の蕎麦屋や居酒屋がスパイ活動に使ったり、人との交流に使われたり、私はそのようなシーンが楽しい江戸時代を想像し、その時代を妄想しながら読み進めた。そんなにたくさんの時代小説を読んだわけではないが、町人の生活を生き生きと描く一方で、伊之助の頑として自分のポリシーで行動する格好良さが伝わってくる。続編があるので読んでみたい。

  • 何度目の再読か?
    前回読んだのは少なくとも20年以上前なので、流石に中身は覚えていませんが、主人公の伊之助が彫師の親方に怒られながら捕物にのめり込んでいく姿はしっかり記憶に有りました。
    佐伯泰英、佐藤雅美、葉室麟、山本一力、素晴らしい新人がデビューしたと思って数年、時代小説は出版社からの要請が強いのかどんどん多作になり、それと共に「薄まった」と感じるようになります。エンタメ小説としてはそれでも良いのかもしれませんが。
    1971年『溟い海』でデビューした藤沢周平も1978年頃から多作になり、剣豪物や捕物帳などエンタメ系の作品が増えてきます。この『消えた女』も副題「彫師伊之助捕物覚え」が示す様に元岡っ引きで今は彫師に戻った伊之助が事件に巻き込まれていくハードボイルドタッチの捕物帳です。
    でも藤沢周平は多作になりつつも極端に薄まったと感じさせなかった作家でした。この作品もエンタメでありながら、単純明快に白黒に塗り分けられた、その分判りやすく楽しく読み飛ばせる作品では無く、登場人物達は多くのヒダを持ちその中に様々な濃さの陰を隠しています。そして端正な状況描写。底を流れる苦みのようなもの。やっぱり読み応えが有ります。
    『漆黒の霧の中で』『ささやく河』に繋がるシリーズの第1弾です。

  • 初藤沢周平作品。
    面白く読んだ。
    彫師伊之助シリーズをはじめ藤沢周平を読んでいきたい。

  • 藤沢周平さんは好きでよく短編集を読みますが、やっぱり長編は良いです。
    途中からぐっと引き込まれて楽しく読み終わりました。
    情景が浮かぶから文章が上手ですごいよなぁと思います。

  • 2018.10.12(金)¥180+税。
    2018.10.21(日)。

  • ハードボイルドでした。

  • 内容紹介

    版木彫り職人の伊之助は、元凄腕の岡っ引。逃げた女房が男と心中して以来、浮かない日を送っていたが、弥八親分から娘のおようが失踪したと告げられて、重い腰を上げた。おようの行方を追う先々で起こる怪事件。その裏に、材木商高麗屋と作事奉行の黒いつながりが浮かびあがってきた……。時代小説の名手・藤沢周平が初めて挑んだ、新趣向の捕物帖――シリーズ第一作!

  • 藤沢周平は長編より短編が良い。長編はリズム良く読み進められるが、短編の方が練られてるようだ。元岡っ引の彫師伊之助が、利害関係無く一途に行動する。最後乗ってきたところで、客の絵から一番の難題が解決したのには、拍子抜けした。2016.7.15

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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