時雨みち (新潮文庫)

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著者 : 藤沢周平
  • 新潮社 (1984年5月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101247090

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時雨みち (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  「おさんが呼ぶ」がとてもよかったです。ラストでおさんが兼七を呼びに走り寄るシーンはその情景が目に浮かびました。人の心の奥底で揺れ動く感情を、文章の「裏側」から感じさせられる、そんな作品ばかりでした。

  • どの物語も、せつない。やるせない。
    「時雨みち」「おばさん」が印象に残った。

  • 藤沢周平の短編は初めて読んだが、それぞれの
    主人公の男女の哀切が読み手に深く伝わり
    さらりと読めるが胸に残る。

  • かつて読んだ藤沢周平の作品で上位に挙げられるかなと思われる。意外な結末、ふっと終わって余韻を残すようなところが良い。「幼い声」が良かった。「山桜」はちょっと周五郎っぽい。2016.5.17

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    にがい思い出だった。若かったとはいえ、よくあんな残酷な仕打ちが出来たものだ。出入りする機屋の婿養子に望まれて、新右衛門は一度は断ったものの、身篭っていたおひさを捨てた。あれから二十余年、彼女はいま、苦界に身を沈めているという…。表題作「時雨みち」をはじめ、「滴る汗」「幼い声」「亭主の仲間」等、人生のやるせなさ、男女の心の陰翳を、端正な文体で綴った時代小説集。

  • 帰還せず
    飛べ、佐五郎
    山桜
    盗み喰い
    滴る汗
    幼い声
    夜の道
    おばさん
    亭主の仲間
    おさんが呼ぶ
    時雨みち
    人生のやるせなさ、男女の心の陰翳を、端正な文体で綴った時代小説集。

  • 短編集。やるせない話が多かった。

  • 久々の藤沢周平。
    好き。
    それぞれの登場人物のその後に想いを馳せてしまう。

  • 武家ものあり、市井ものあり、の短編集。
    いずれの作品も、安心して読め、初読ものでも、何故か、”帰ってきた”、そんな気持ちにさせる、どこかホッとする味わいがある。
    それは、解説者も書いているが、主人公が「静かな意志」の持ち主であり、「控えめな倫理の実行」を課しているから、かと思う。

  • 山桜は何度読んでも切ない。・・・

  • 12/09/06 「山桜」はいい。岡庭昇氏の解説もよかった。

  • 藤沢作品は「しぐれ」がつく本が多いな 笑

  • 父に薦められて読んだ本だったけどなかなか感慨深い本だった。おもしろい短編集。

  • 心に残った映画の一つ「山桜」の原作が収まっている。結婚運に恵まれず実家に戻っていた野江は以前に縁談話があった手塚弥一郎に山桜を手折ってもらう。野江は政道を正そうとして刃傷に及び謹慎の身になった弥一郎を慕うようになる。弥一郎の母が野江に「いつかあなが訪ねてくれるのではないかと待っていたのですよ」と言葉をかける。本当の幸せは遠回りの道にこそあるのかもしれない。

  • 短編集。
    帰還せず、滴る汗、亭主の仲間、といった暗澹たる世界を描いたものや、山桜、夜の道、おさんが呼ぶ、のように主人公の先の道がほの明るく照らされるものなど。

    うっかり車中で読んでしまい、赤くなった目を隠すのに困りました。

    間違ってたら恥ずかしいのですが、妻帯される前と後とで作風がかなり変わったと感じています。

    著者が、その信条や意思を強く描き出す手法のひとつに、時代小説があると思うのですが、藤沢さんの作品は、彼の感情、思考の癖、著者当人の姿がさらけ出されているようで、しかも、そのことを認識した上で敢えて開け放たれているというか、書く事で救いを求めているというか。
    血を吐く不如帰のような。
    襟を正して読まなくては、と思う作家さんです。

  • にがい思い出だった。若かったとはいえ、よくあんな残酷な仕打ちが出来たものだ。出入りする機屋の婿養子に望まれて、新右衛門は一度は断ったものの、身篭っていたおひさを捨てた。あれから二十余年、彼女はいま、苦界に身を沈めているという…。表題作「時雨みち」をはじめ、「滴る汗」「幼い声」「亭主の仲間」等、人生のやるせなさ、男女の心の陰翳を、端正な文体で綴った時代小説集(amazonより抜粋)

    短編集です。
    代表作「時雨みち」ですが、なんというか時間って絶対的なもので取り返しがつかないものだなって感じてしまう一作でした。
    さらさらと読んでしまいましたが、もっと奥が深いんだろうなとは思います。

  • 【所有】【一読】

  • この本の中には、30ページくらいの短編がぎっしり!短編てんこ盛り(笑)
    物語の種類も様々で、隠密の話とか、女のしたたかさとか、男が昔捨てた女への責任感?とか(まぁ男が勝手に後で反省し、捨てた女に憐憫の情でもって会いに行く、みたいな)いろいろだった。
    いろんな話を読んでいて思った。
    やっぱり悪いことは出来ないもんだ、ってことと、幸せと不幸せは紙一重で、何かを得ようとしたり、成功するため飛躍しようとするときは、それまで大事にしてきたものも捨てざるを得ないことが多く、それは後になってから鈍い痛みとなって自分を責める。
    この本の中で私が特に気に入った話は「山桜」と「おさんが呼ぶ」。
    「山桜」は・・・男と女の出会いの皮肉、ニアミスしながら結ばれなかった切なさが描かれている。
    嫁いだ家に馴染めずに居たある日、墓参りの帰り道に野江は、山桜の下で、以前自分に求婚した男と会う。
    彼女が手の届かなかった桜の一枝を男は難なく手折ってくれて。
    たったそれだけの一度きりの二人の出会い、そこから始まる野江の淡い恋心と悔恨。
    自分が既に引き返せない道にいることがわかっているだけに、救われない野江の悲しみ。
    この物語の冒頭で二人が出会う、その情景があまりに美しく
    それだけにすれ違い、悲恋に終わる二人の恋が儚くて悲しい。
    「おさんが呼ぶ」は、口が利けないわけではないのに、極端に無口な女、おさんの物語。
    彼女が奉公している店に商談をまとめるためにやってきた紙漉屋の男に、おさんは恋をする。
    暫く逗留した男が同業の商売敵に顧客を取られ、故郷へ帰ることになったとき・・・
    そこで初めておさんはその男に恋している自分に気づき、追い駆けながら「待ってください」と叫ぶ。
    その瞬間の彼女の声の表現が凄くいいんだなぁ(しみじみ)
    まるでおさんの声が耳に響いてくるようで・・・
    藤沢周平の書く話の中では、珍しくハッピーエンド。(^o^*
    あぁ、だから気に入ったのかもしれないな(笑)。

  • 藤沢周平の短編集。男女の心の深層を描いた作品たち。表題作の時雨みちは過去に傷つけた女性との、けして幸せではない逢瀬。山桜は映画化もされた、淡く控えめで、そして、暖かい恋物語。

  • 「おさんが呼ぶ」の終盤がとても良かった。
    瑞々しい場面が頭に浮かんだ。

  • 短編集。
    今度上映される『山桜』が気になって購入。
    どれもせつなかったり、その後の話が気になるもの
    ばかりでした(;→д←)

    『蝉しぐれ』もとってもよかったので、
    映像化した『山桜』とても楽しみです。

  • 江戸時代の商人を題材とした時代小説の短編集。と言っても扱うのは人間関係の機微なので、一つ一つは現代におきかえても成立する筋立てなんだけど、やはり江戸時代の「情緒」があってこそ小説としては完成しているのでしょう。


    結構ほっこりしたオチの人情話と、ラストまで救われない話とがあるんだけど、その両者が同じ肌触りで混在しているのが興味深い。どちらも人生。人の善意も、それが及ばぬことも等価値であるという、一種の諦念にも似た眼差しが感じられる。人の意志がこの世をあれこれ左右できるわけじゃないんだと、その、この世界に対して謙虚である姿勢が心地良い。

  • 時雨みちは、短編集なので読みやすいし、情景が想い浮かびやすい。続きが気になるっていうところで終わってしまうのですが、そこがまた良い。想像力が豊かになりそうです。「おばさん」という短編が一番好きです。

  • 「山桜」と「時雨みち」が良かったです。

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時雨みち (新潮文庫)の作品紹介

にがい思い出だった。若かったとはいえ、よくあんな残酷な仕打ちが出来たものだ。出入りする機屋の婿養子に望まれて、新右衛門は一度は断ったものの、身篭っていたおひさを捨てた。あれから二十余年、彼女はいま、苦界に身を沈めているという…。表題作「時雨みち」をはじめ、「滴る汗」「幼い声」「亭主の仲間」等、人生のやるせなさ、男女の心の陰翳を、端正な文体で綴った時代小説集。

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