- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101247137
感想・レビュー・書評
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直江兼続が主人公となっているが、上杉景勝も存在感が大きい。「わしは武者よ。戦場のことなら、内府はおろか鬼神といえども恐れはせぬ。しかし天下のまつりごとはまた格別。わしは亡き太閤や内府のような、腹黒い政治好きではない。その器量もないが、土台、天下人などというものにはさほど興味を持たぬ。」天下人が偉いのではないのである。兼続の言「武者の道はひととおりではない。恥を忍んで死よりも辛いことがある。だが堪えねばならぬ。」太平洋戦争での悲惨な結末が脳裏をよぎる。2017.5.9
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面白い!
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9
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後味の良さと読みやすさはさすが。
印象的だったのは「義はついに、不義に勝てぬか。」という文章。
どうあがいても世の流れには勝てない無念さ。
直江と石田の『密謀』を、じっくりと読んでみたかった。 -
戦国武将の中で、先生に『書いて欲しいな』と思うのが兼続だったけどね…。でも余情はやはり期待通り。兼続を描く作品の中でも秀逸といえるでしょう。
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下巻は石田三成との『蜜謀』が描かれる。書き方が歴史好きから見ると甘すぎると思うが、同作者の『市塵』を見るとこの作者が歴史認識が甘いようには思えず、そもそも政治や歴史的なことよりも兼続という人物が書きたかったのではないかと思う。実際、とても知的で魅力的的な人物に仕上がっている。しかし、作者が山形県出身であることが関係ないとは言えないだろう。