霜の朝 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101247175

感想・レビュー・書評

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  • 短編のストーリーテリングとして、十分に娯楽として楽しめる。どこか懐かしい感じの雰囲気を味わえる。
    が、その文学的主題については、読めぬ。
    解する力がこちらには無いと思う。

    解説を読んで、人間の弱さ哀しさへの暖かい眼差しと、善悪二項対立を越えた眼差しについて言及があったが、その意味合いを感じ取ることはできず。。
    嚔とか、なんじゃそらというプロットで、何が言いたいのか分からなかった。

    藤沢周平は、初期の頃ダークな話が多く、それは自身の鬱屈を小説にのせたからとの由。
    もっと、この著者と対話をしていけば、その眼差しも理解することができる日が来るだろうか。
    娯楽として楽しみつつ、そんな日が来ることを愉しみにしたい。

  • 藤沢周平で読むやつの2作目。

    短編集のスタイルとなっているが、どれもハッピーエンドともバッドエンドともつかないような終わり方になっている。
    先が気になるお話も多かったが、そういう終わり方も粋なのかもしれない。

  •  藤沢周平「霜の朝」、1987.2発行、11話が収録。第2話「泣く母」、第5話「おとくの神」、第6話「虹の空」、第7話「禍福」、第9話「怠け者」がお気に入りです。自分にとって誰が大切な人か、気がつかなかったり、気がつくのが遅くなったりしますが、意外と身近にいること・・・が、多いのだと思います(^-^)
    藤沢周平「霜の朝」、1987.2発行、再読。11話が収録され、どれも味わい深いです。特に「報復」「泣く母」「虹の空」「禍福」の4話がお気に入りです。二つ選ぶとしたら、「虹の空」と「禍福」です。

  • 藤沢周平3連発。
    今回読んだ3冊の中では一番新しい部類に入る。そのせいか、やや全体に明るさが見える作品が多くなっている。おとくの神でも、大女のおとくをぐうたら亭主が呼び戻しに行き、吹っ飛ばされるシーンなど、にやりとしてしまうし、嚏の前半の見合いのシーンも中々である。
    しかし、後期のカラリとしたユーモアまでは行き着いていないし、中途半端な感じがしなくも無い。
    いずれにせよ藤沢周平は私にとって精神安定剤的なところがあり、何度も何度も読み返すことになる。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    その財力を賭けて粋を競った相手の紀ノ国屋文左衛門は、悪銭廃止令によって没落した。勝ち残った奈良屋茂左衛門の胸を一陣の風が吹き抜けていった。紀文と共に一つの時代が過ぎていったようだ…(表題作「霜の朝」)ほかに、若い武家夫婦の無念を晴らす下男の胸中(「報復」)や、意に添まぬ結婚をした女のあわれ(「歳月」)等、人の心に潜む愛と孤独を、円熟した筆に綴った時代小説傑作集。

  • 嫉み、悔やみは、自分だけのものでない。11の短編、すべておもしろかった。特に「泣く母」「禍福」が良かった。2016.6.1

  • 「報復」、「泣く母」、「嚔」、「密告」、「おとくの神」、「虹の空」、「禍福」、「追われる男」、「怠け者」、「歳月」、「霜の朝」からなる短編集。

  • 報復
    泣く母
    嚔(くしゃみ)
    密告
    おとくの神
    虹の空
    禍福
    追われる男
    怠け者
    歳月霜の朝

    円熟した筆に綴った時代小説傑作集10編

  • 逸品ぞろいの一冊。

  • 義父からもらったシリーズ。
    短編集。
    ほとんど暗い話ではあるんだけど、どこかずしっと来るものがあるの。
    良いです。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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