- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101247182
感想・レビュー・書評
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解説に「味読」とあるが、藤沢周平の小説はその言葉といい文章といい、味わって読むという表現がとてもふさわしい。
本書は、市井もの7篇武家もの2篇をおさめた短編集だが、読後こころにポッと灯りがともるような作品ばかり。
『帰ってきた女』『おつぎ』は、こうなってほしいという読者の藻いを裏切らない結末にホッと。
『女下駄』は、女房に男がいるのではと疑った夫(その心の揺れ動く描写に親近感さえ)が、その疑惑が解消された様にも、ホッと。
武家もののひとつ『切腹』は、葉室麟の小説を連想。
どれも、再読再再読したくなる作品ばかり。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
悲しい涙ではなく、熱い涙が出た。
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2018.7.2(月)¥180(-2割引き)+税。
2018.8.25(土)。 -
帰って来た女
おつぎ
龍を見た男
逃走
弾む声
女下駄
遠い別れ
失踪
切腹
市井の人々の仕合せと喜怒哀楽を描いて卓越な技倆を示す傑作時代小説集。 -
短編9作。盛り上がりのない普段の話に、じわっと迫るものがある。「失踪」「切腹」が良かった。2015.3.28
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意味深な終わり方やさらっとしたものまで,素晴らしい短編です。
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天に駆けのぼる龍の火柱のおかげで、見失った方角を知り、あやうく遭難を免れた漁師の因縁(表題作「龍を見た男」)。駆け落ちに失敗して苦界に沈んだ娘と、幼馴染で彼女をしたう口がきけない男との心の交流(「帰って来た女」)。絶縁しながらも、相手が危難の際には味方となって筋を通す両剣士の意地(「切腹」)。その他、市井の人々の仕合せと喜怒哀楽を描いて卓抜な技りょうを示す傑作時代小説集。
1.帰ってきた女(★★★★☆)
2.おつぎ(★★★☆☆)
3.龍を見た男(★★☆☆☆)
4.逃走(★★☆☆☆)
5.弾む声(★★★★☆)
6.女下駄(★★★☆☆)
7.遠い別れ((★★★★☆)
8.失踪(★★☆☆☆)
9.切腹(★★★★★)
切腹はいい! -
市井の人々の生活がいいね〜
心にしみます