たそがれ清兵衛 (新潮文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784101247212

感想・レビュー・書評

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  • 周平忌・寒梅忌
    タイトル「たそがれ清兵衛」と他7編。
    どの作品もストーリーは、似ている。
    普段は、何かしら陰口を叩かれるような、城下の人材達が、実は凄腕剣士。自らは、その腕を見せる気はないが、どうしても必要とされれば、きっちり片付けます。
    彼らが、自分の能力自体にも興味がなさそうなところが面白い。
    時代は、違っても、社会問題は同じかな。
    裏金疑惑、介護にDV、不倫疑惑まで。
    それぞれ違うパターンの駄目な感じの侍にそれぞれの流派をキチンと書き分けて、読みやすい時代物。

    • おびのりさん
      そうそう、宮沢りえさんと。
      観てないけど。
      映画は、この短編3編ぐらい使っているみたい。
      そうそう、宮沢りえさんと。
      観てないけど。
      映画は、この短編3編ぐらい使っているみたい。
      2024/01/26
    • 傍らに珈琲を。さん
      あ~!そうそう!宮沢りえさんでしたね!
      「たそがれ清兵衛」を思い出そうとしたら何故か「武士の一分」が浮かんでくるぞ?と思ったら、こちらも藤沢...
      あ~!そうそう!宮沢りえさんでしたね!
      「たそがれ清兵衛」を思い出そうとしたら何故か「武士の一分」が浮かんでくるぞ?と思ったら、こちらも藤沢周平さんでしたね。
      2024/01/26
    • 土瓶さん
      えええっ!?
      傍らに珈琲を。さんもおびのりさんも観てないの?
      あれは観るべき傑作ですよ。
      俺は2,3回は観ました。テレビでよくやってた...
      えええっ!?
      傍らに珈琲を。さんもおびのりさんも観てないの?
      あれは観るべき傑作ですよ。
      俺は2,3回は観ました。テレビでよくやってたので。ちらっとでも観てしまうと気がつくと最後までもってかれてしまうんですよね。
      原作と見比べると山田洋次監督の力量がわかります。
      原作は……。
      2024/01/30
  • うん。表紙が格好良いな。
     
    映画の「たそがれ清兵衛」が何度観てもおもしろくて、ならば原作はどうなのかと思い購入。
     
    藤沢周平さんの原作映画などは何本か観ていますが、小説は初読みです。
     
    表題作を含めて八本の短編集。
    いずれも不名誉なあだ名を付けられた藩士が主人公。
    否応なく藩の政治に巻き込まれ、剣を抜かねばならない状況に追い込まれます。
    しかし、あだ名とは裏腹に全員強い!
    八本ともそうなので、ワンパターンといえばワンパターンです。
     
    「たそがれ清兵衛」は、わずか42ページの短編。
    これをよくあの映画にできたな~、なんて読み進めてゆくと、巻末の「祝い人助八」のストーリーが混ざっているんですね。
    こちらのほうが話としては良かったな。
    宮沢りえらしき人も出てきたし。
    ちなみに「祝い人」とは「ほいと」と呼び、物乞いのことだそうです。
    あだ名にしてもひどいですね。
     
    読後の感想。これをあれに仕上げた山田洋次監督って、やっぱ凄いわ!!

    • 松子さん
      どんちゃん、こんばんは(^^)
      たそがれ清兵衛の『これをあれに仕上げた…』っていう感想が気になって、アマプラで見てしまいました…結果、見て良...
      どんちゃん、こんばんは(^^)
      たそがれ清兵衛の『これをあれに仕上げた…』っていう感想が気になって、アマプラで見てしまいました…結果、見て良かった!
      心が洗われたぁ!ジーンって何度も心静かに感動しました。ありがとう(^^)
      また名作があったらいつか教えて下さい。
      2022/02/27
    • 土瓶さん
      まっちゃん、こんばんは~♪
      映画版、良いですよね。
      原作はイマイチなのが残念です。
      こちらこそ、お勧めがあれば教えてくださいね^^
      まっちゃん、こんばんは~♪
      映画版、良いですよね。
      原作はイマイチなのが残念です。
      こちらこそ、お勧めがあれば教えてくださいね^^
      2022/02/28
    • 松子さん
      はーい!どんちゃんにおすすめしたい作品があったら、お知らせします(^^)

      ぜんぜん、話は変わりますが
      先ほど、旅猫レポートのどんちゃんの感...
      はーい!どんちゃんにおすすめしたい作品があったら、お知らせします(^^)

      ぜんぜん、話は変わりますが
      先ほど、旅猫レポートのどんちゃんの感想を見て爆笑してました!すごい戦いでしたね!
      笑いをありがとう。遅くに失礼しました。
      お休みなさい(^^)
      2022/02/28
  • 藤沢周平、初読み。一見うだつの上がらない主人公だが実は剣豪で、様々な危機に立ち向かう8編の短編集。
    各話の主役、登場時はことごとくぱっとしない。ごますりだのだんまりだの日和見だの、何だかさえない。勿論それには理由があるのだが、そんな彼らが藩の分裂や汚職でもつれた人間関係等、事件に巻き込まれるたび見せてくれる見事な剣の腕前。その場面が本当に素晴らしい!どの話もワンパターンぽくはあるのだが、今度はどんな風に活躍してくれるのか?とだんだんワクワクしてくる。勿論、巻き込まれる事件も巻き込まれ方も話によって少しずつ変えているし、時には苦々しい思いをする場面もあり。メリハリのきいた起承転結と物語の痛快さは、流石である!
    江戸が舞台とはいえ、組織の軋轢や男女の複雑な心模様が他人事とは思えず、それはいつの時代も変わらないものよの、と思う。

  • 8編からなる短編集。
    それぞれ、うだつの上がらない人物が主人公なのですが、ぴか一の剣の腕前を持つ人たちの物語。

    たそがれ清兵衛
    うらなり与右衛門
    ごますり甚内
    ど忘れ万六
    だんまり弥助
    かが泣き半平
    日和見与次郎
    祝い人助八

    からなる短編連作で、どの人物も、普段は陰口をたたかれています。

    表題の「たそがれ清兵衛」は、定時になると病気の妻の看護のため下城することから名づけられたあだ名。
    しかし、お家の一大事で、その剣をふるう事になります。
    他の作品も同様で、普段は侮られがちな侍たちが、剣をふるう事になり、さらに滅茶強くて格好いいというギャップある物語となっています。

    これらの作品の中では、「たそがれ清兵衛」よりも「祝い人助八」の方が好きです。
    「祝い人」とは物乞いのことで、その身なりが物乞いのように汚く臭いとのことです。
    この助八と波津との思いが美しい。
    そして、斬り合いの後のラストシーン!
    良かった。

    お勧め

  • たそがれ清兵衛のみ読んだ。
    藤沢周平の作品はあまり読んでいない。
    というか、時代小説全般を読んでいない。

  • 2020年6月7日読了。容貌などから人に侮られて過ごすも、藩の政治に巻き込まれ自らの剣技で死地に赴く8人の侍を描く短編集。藤沢周平作品にハマっていたときに読んだものを再読。改めて読むと、同じパターンの話ながらも主人公たちの置かれた境遇、藩の財政や権勢をめぐる家老たちの謀略、家督を継げない次男坊以下の鬱憤や嫁入り先次第で己の人生が決まってしまう立場の低い女性たちなどの書き込みがシンプルだが細やかで、切実でものすごく読み応えがあった。あっという間に終わってしまう決闘の迫力も相変わらず。うだつの上がらない日本のサラリーマンが読んだら、この展開はたまらないよなあ…。自分も格闘技か剣術を習おうかしら。最後の短編、「祝い人助八」のラストの余韻がいつまでも残る。

  • 展開は全部一緒なんやけど、それを期待してる僕がいる。アインシュタイン、和牛あたりで映画化したら面白いと思う。
    昔やって真田広之はちょっとかっこよすぎる。

  • 映画化もされた名作。
    年を取ってから読むと沁みる作品。
    8っつの短編で構成された短編集。

    たそがれ清兵衛
    うらなり与右衛門
    ごますり甚内
    ど忘れ万六
    だんまり弥助
    かが泣き半平
    日和見与次郎
    祝(ほ)い人(と)助八

    全体のコンセプトは、主人公が冴えない中年であることと、剣の達人であることだ。
    普段は馬鹿にされている主人公が、組織の権力争いに巻き込まれたり、身内の危機を助けるために重い腰を上げるというパターンである。
    また、主人公に出世欲や権力欲がないことも共通している。多くのサラリーマンは本小説の主人公の境遇に共感し、その剣の腕に憧れる。
    要するに謙虚な男が人助けのために隠していた能力は発揮する、という黄金パターンである。時代劇で見飽きたパターンであるにも関わらず、これほど魅了されるのは「組織」の描き方が現代に通ずるリアルなものだからだろう。サラリーマンだからこそ共感してしまう作品だ。

  • もういいかなあ、藤沢さんは。相性の悪さ加減が半端ではありません。もちろん私の本読みスキルの問題かと。

  • 藤沢周平さんの作品は
    何度 読み返したのか
    わからないほど 読み込んでしまう

    今日のように
    雨が降り続く 休みの日には
    本当に 似合いである

    ひょいと 手に取って
    読み始めると
    もう 止まらない

    切りのいいところで
    切り上げるも よし
    そのまま どっぷり藤沢作品に
    はまってしまうのも よし

    今日は
    なんだか さっぱりした余韻に
    浸りたかったので
    「たそがれ清兵衛」の一冊

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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