凶刃―用心棒日月抄 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101247229

感想・レビュー・書評

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  • 戸田流の使い手の石森左門が登場する。左門という名前や小太刀の使い手という点から林田左門を連想する。

  • 藤沢周平の人気シリーズ第4弾。10数年の時を経ての最終巻。中年の悲哀とミステリー仕立てな展開が楽しめる。

    用心棒稼業はなく、藩の秘密を追っていくという展開。全巻まで活躍した源太夫の老いなど切ない内容。純粋なエンタメからは離れた一作。

    シリーズものはパワーが落ちていくのはやむを得ないか。

  • 用心棒シリーズ第4作ですが、これまでのシリーズとは異なり、前作から16年の時が流れています。物語の構成も、連作短編から長編に変わり、剣劇よりも黒幕の正体を探る推理色が強いです。
    読み始めた時は、この変化に戸惑いました。しかし読み終えてみると、藤沢周平さんらしい味わいが残る作品だと思いました。人生の秋を迎えた又八郎たちにの哀愁に心惹かれるのは、自分も歳をとったからだと思ました。

  • シリーズ4作読み進めていく中で、最後まで感じる主人公の誠実さ。

    自分も仕事をする中で、又八郎から学ぶことがたくさんありました。

  • 四巻読了。
    青江又八郎は強いね。
    次作品がないのが、寂しい。

  •  藤沢周平「凶刃(きょうじん)」、用心棒日月抄シリーズ№4、完結編、1994.9発行。16年ぶりの江戸。16年ぶりの佐知との再会。青江又八郎と佐知の物語、完結です。青江は国元の妻と祖母の元に。佐知は同じ国元の寺の尼さんに。お寺でお茶飲み話に花が咲きそうです(^-^)

  • シリーズ最終作は、前作から16年が経過。病気療養藩士の代替として半年間の江戸行きとなった又八郎。藩命の裏に嗅足組解散という密命があるのだが、衣食住は不自由しないかわりに、公務であるが故に自由に動けない。嗅足組に関わる者達が「凶刃」に斃れていく中、またしても幕府隠密も絡んで、三すくみの関係。江戸嗅足組の頭・佐知をはじめ配下の面々と力を合わせて敵と対峙するのだが、本作は姿を現さぬ敵を推理する場面が強調された印象だ。中年太りの又八郎、再び浪人となり妻にも先立たれた細谷など、登場人物の悲哀を感じる作品だった。

  • 2020/4/22読了。

  • 用心棒日月抄シリーズの第4作。
    中年になった青江又八郎さんと佐知さんが再び江戸で再会し、最後の戦いに挑むって感じの長編でした。

    前回のお話から16年。
    それでも再会すればお互いが言葉を交わさなくてもピタっとハマる大人の2人は、今まで読んだ藤沢さんの小説で一番好きなカップルかも…。

    やっぱり武士でも奥さんを2人持つのはダメなのかなぁ?
    思ったよりも明るいラストではあったけれど、佐知さんが尼さんにならなくちゃならないのは残念。

    まぁ、だからこそ佐知さんって女性は素晴らしいのかもしれないけれど…ね。

  • 16年も飛ぶとは思わなかったが、それが中年の悲哀を滲ませ、感傷を呼んで、ゆっくりと終わりに向かって進む。

    これで続きが読めなくなるかと思うと、単純に切ないなぁ。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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