静かな木 (新潮文庫)

  • 250人登録
  • 3.56評価
    • (15)
    • (31)
    • (48)
    • (4)
    • (1)
  • 30レビュー
著者 : 藤沢周平
  • 新潮社 (2000年8月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101247243

静かな木 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 晩年の小品3編で、ボリューム的には少ないけど、どれも読後爽やかな作品でした。

  • 短編三篇の中に、澹々とした中に気迫あり、人の世の哀歓、
    滑稽味もある。
    さすが作者の練達の筆みごと。

  • 著者晩年の短編3つ。淡々と進行し、淡々と終るような作品だが、どれも含蓄のあり、爽やかな読後感が味わえる。2016.8.26

  • 3つの短編はどれも佳品。「岡安家の犬」は犬好きの家族。隠居の祖父・十左衛門はイヌの喧嘩が大好きという変わり種の楽しいキャラ。そこから一気に世界に惹きこまれる。孫の当主・甚之丞、妹の八寿たちが愛犬アカを喪ったことから起こる騒動、そして最後の微笑ましい姿。「静かな木」は次男の果し合いの知らせを元に動き出した58歳のご隠居・孫左衛門の藩の中老の旧悪への闘い。「偉丈夫」は無口で不器用なキャラである権兵衛が本藩との交渉で活躍する一言の大きな声「それは出来申さん」が微笑ましい。

  • 表題作、良かったです。

  • 藤沢周平さん晩年の作品とか。主人公がケヤキを見て思う内容は本人のものだったんだろうか。犬鍋の話、驚いたー。えーーー!!って思った。とんだジョークだ。日本の図書館があったら、全作品を読んでみたい。

  • 心に残ったのは表題作。
    倅の果たし合いにまきこまれた男が、過去の恥辱を晴らすために暗躍する。最後は報われるので、溜飲が下がる傑作。

    藤沢周平の描く男たちは美しい。
    どんなに不遇の環境にあっても、人間、こうあらねば、と思う。

  • 三編、いずれも良作。

  • 2014/10/4
    長編でも読みやすい人だけど、短編でもおもしろい。

    犬の話は今では考えられないけど、当時の人では犬を食べるのが普通だったと考えると、最後のシーンはなんだか朗らかな気持ちになる。流石な描写。

    珍しく解説がわかりやすくて共感できた。

  • 藤沢周平氏 「寒梅忌」にちなんで読了。間に合いませんでしたが…^^; 
    藤沢氏の晩年の作にふさわしく静かながら味のある短編3作。『岡安家の犬』は、てっきり冗談だと思ったのですが、本当に食べてしまったのですね。アカという名前から既に不吉な気がしていましたけれど。
    3作の中では『偉丈夫』が良かったです。
    もう藤沢氏の“新作”を読むことは出来ないと思うと寂しいですし残念です。せめて今ある作品をもっともっと大切に読みたいと思いました。合掌。

  • 藤沢周平の晩年に書かれた短篇を3篇収録。いずれも愛読者にはお馴染みの海坂藩を舞台にしたもの。作家の晩年の作だからか、2篇までは隠居老人を主人公にしたもの。いずれも、いわば枯淡の味わいがあるが、白眉はやはり表題作だろう。欅の大木をシンボルとし、またメタファーとして、主人公孫左衛門の人生の決算とその最後のヤマを見事に、しかも淡々と描き出している。他の2篇も含めて藤沢周平の世界を、いわば回顧するかのような短篇小説群だ。

  • ー生きていれば、よいこともある。
    孫左衛門はごく平凡なことを思った。
    軽い風が吹き通り、青葉の欅はわずかに梢をゆすった。
    孫左衛門の事件の前とはうってかわった感想を笑ったようでもある。
    (岡安家の犬/静かな木/偉丈夫)

  • 藤沢周平最後の短編。物語の終わり方が爽やかです。

  • ただでさえ薄いのに、字が大きくて驚いた。年配者向けか。

    全体としては面白かったが、最初の犬の話の結末が赤柴飼いとしてはどうしても許せなかった。

  • 三つの短編からなる、海坂藩を舞台の「静かな木」。三編の中では、タイトルにもなってる静かな木が一番良かった。

  • 著者最晩年の短編集。ファンおなじみの海坂藩もので、三作どれをとっても味わい深く、藤沢周平の世界を堪能しました。

  • 短編小説『静かな木』は、日本の秋を舞台に始まる。

    稲刈りも終えた秋の頃、遠く西の空から、かすかに日差しがさしこむ。その日差しをうけながら欅(けやき)の木は少しの赤味をとどめつつ静かにたたずむ。

    この老木を見ながら、

    「あのような最期を迎えられればよい」

    との思いが主人公の布施孫左衛門のあたまの中をふとよぎる。

    その後、この物語は大きく進展、

    「ふむ、生きている限りはなかなかああいうふうにいさぎよくはいかんものらしいて」と思うとともに、

    「こうしてじたばたすることが、生きている証(あかし)というのかも知れない」

    と思う。

    やがて、物語はクライマックスを向かえるなかで春が訪れる。

    やわらかな春の日を浴びながら静かにたっている欅の木を、まぶしいばかりの青葉が覆いつくす。

    以前は、かりの姿のようにも見えたが、しかし今は

    「これも、わるくない」

    そして物語は、

    「生きていれば、よいこともある」

    で締めくくられる。すごくと共感をするところの多かったこの『静かな木』、短編小説でありながらも心に深く刻み込まれる作品でした。

  • 表題作の静かな木は、これから先老いていく自分が何度となく味わう感情がやさしく描かれている気がした。五十年先にこの作品を読んだ時にどうかんじるか、それが私がどういう人生を過ごしたかの示唆なのかもしれない。

  • 今まで読んできた藤沢作品に比べると、コミカルな部分が多かった。「岡安家の犬」は、犬を巡ってすったもんだを繰り広げる話だが最後のシーンは思わず笑ってしまった。滑稽な部分も含めて人の愚かさを許せる(というより思わず許してしまった?)というのはすごいことだと思う。
    「静かな木」はゆったりとした静けさを感じた。手詰めというのは柔術のようなものなのだろうか。
    「偉丈夫」は落語家さんが小噺にしそうな内容で、クスクスと笑える楽しさがあった。当人にしてみれば笑い事ではないのだろうが。

  • 藤沢さんの最晩年の作品たち。どれもこれもやさしい話ばかりだったような気がします。主人公たちへの愛情が感じられました。藤沢さん入門にもオススメです

  • 最後の短編「偉丈夫」を含む短編3篇からなる。

    岡安家の犬/静かな木/偉丈夫

    おなじみ海坂藩が舞台。

    他のシリーズ中に登場する、道場や人名がでてくるのでファンなら思わずにやりとする場面もあり。

    「偉丈夫」は最後の短編とのことだが、悲劇ではなくどちらかというと喜劇よりの作品というのが、印象深かった。

  • 【本の内容】
    藩の勘定方を退いてはや五年、孫左衛門もあと二年で還暦を迎える。

    城下の寺にたつ欅の大木に心ひかれた彼は、見あげるたびにわが身を重ね合せ、平穏であるべき老境の日々を想い描いていた。

    ところが…。

    舞台は東北の小藩、著者が数々の物語を紡ぎだしてきた、かの海坂。

    澹々としたなかに気迫あり、滑稽味もある練達の筆がとらえた人の世の哀歓。

    藤沢周平最晩年の境地を伝える三篇。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    円熟した巧さを感じる、海坂藩もの短篇3作です。

    うち1作は以前にもあったようなストーリーですが、前後2作はユーモラスさが堪らなく嬉しい内容となっています。

    海坂藩の支藩として“海上藩”が登場するのですが、藤沢周平は、終章で孫左衛門にこのように語らせています。

    「--生きていれば、よいこともある」

    老いの身であっても、死を待つ身であっても、ここに存在することが誰かのためになるのであれば、それは望外の幸せなんでしょうね(笑)

    残り少ない時間、残り少ない力が誰かのために使えるのであれば「生きていれば、よいこともある」のだと思います。

    久し振りの」藤沢周平の小説を読みましたが、掌編でしたが十分楽しめました(笑)

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 藤沢 周平「静かな木」読了。「岡安家の犬」愛犬を友人にいたずらで犬鍋にして食べさせられ、絶縁する話。現代の愛犬家はこんな事で納得しない思う。「静かな木」私ならもう1転するかな。「偉丈夫」何か物足りない。総評:藤沢周平初めて読んだけど、オチの方向性と娯楽性が私の感性とは違うなぁ。

  • 藤沢周平の短編集。
    文字も大きく、30分くらいで読めてしまう。
    薄っぺらい本。

    しかし侮るなかれ。
    藤沢ワールド炸裂。


    「岡安家の犬」では散々読者をひやひやわくわくさせておいて、ラストはあっさり。
    でもこれがまたいいのだ。
    このラストで読者は心和ませるのだ。
    人間と人間のつき合いはこうでなくちゃ。

    「静かな木」では欅の木のすっと立つ潔さに隠居した自分の人生を見つめるきっかけを得る孫左衛門。藤沢周平らしい安心感のあるストーリー展開と、
    頑張って腰が痛くなってしまう主人公の人間くささに親しみを持つ。

    とにもかくにも短編でこれだけ読者を満足させるとは、さすが藤沢周平。

全30件中 1 - 25件を表示

静かな木 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

静かな木 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

静かな木 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

静かな木 (新潮文庫)のKindle版

静かな木 (新潮文庫)の単行本

ツイートする