- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101247250
感想・レビュー・書評
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「藤沢周平」の連作短篇時代小説集『天保悪党伝』を読みました。
『消えた女―彫師伊之助捕物覚え―』、『漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え―』、『橋ものがたり』、『冤罪』に続き、「藤沢周平」作品です。
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ワルだけど、どこか憎めない六人の、痛快な悪だくみ!
天保年間の江戸の町に、極めつきのワルだが、憎めぬ連中がいた。
博打好きの御家人「片岡直次郎」、辻斬りで財布を奪う「金子市之丞」、抜け荷の常習犯「森田屋清蔵」、元料理人の悪党「丑松」、ゆすりの大名人として知られた「河内山宗俊」、そして吉原の花魁「三千歳」。
ひょんなきっかけで知り合った彼らが、大胆にも挑んだ悪事とは……。
世話講談『天保六花撰』に材を得た痛快無比の連作長編!
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1985年(昭和60年)から1992年(平成4年)に発表された連作短篇、、、
明治初期にかけて大いに人気があった講談師・二代目「松林伯圓」の創作による講談『天保六花撰』にヒントを得て、ひと癖もふた癖もあるが、人間味のある6人の悪党たちを主人公に描かれた作品です。
■蚊喰鳥 ――天保六花撰ノ内・直侍
■闇のつぶて ――天保六花撰ノ内・金子市
■赤い狐 ――天保六花撰ノ内・森田屋
■泣き虫小僧 ――天保六花撰ノ内・くらやみの丑松
■三千歳たそがれ ――天保六花撰ノ内・三千歳
■悪党の秋 ――天保六花撰ノ内・河内山宗俊
■解説 安西篤子
平和が続き、爛熟極まる江戸の天保年間、闇に生き、悪に駆ける者たちがいた… 博奕好きの御家人「片岡直次郎(直侍)」、辻斬りの剣客「金子市之丞」、抜け荷の常習商人「森田屋清蔵」、元料理人の「丑松」、直侍の恋人で吉原の花魁「三千歳」、ゆすりの名人で御城坊主の「河内山宗俊」、、、
彼らは、詐欺や強請・騙りで食っている… わずかな禄を頂戴したり、ほかに生業を持っているものもいるが、それではとても間に合わず、悪事を働いて一息つくのである、、、
市井にうろつく六人の悪党が絡む悪事はちょっとずつ絡み合い… 最後には、御三家の水戸藩を相手にすることに。
この六人、悪党と云わないわけにはいかないけど、悪人とは言い切れない人間味を持っているので、ついつい物語の中に引き込まれていきましたね… でも、悪事を働いているのは事実なので、気持ちの部分がシンクロできない、感情移入しにくい部分もあって、他の「藤沢周平」作品ほどは愉しめなかったかな、、、
特に「金子市之丞」は、遊郭にいくためのお金欲しさに辻斬りまでしちゃいますから、どうしてもやり切れなさを感じちゃいます… 受け入れにくいところがありますが、幸せを掴めず、破滅していく展開なので、納得感はあるんですけどね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江戸の町で危ない橋を渡りながらも逞しく生きる悪党達を描いた連作長編。藤沢周平には珍しく悪を主役にした作品。しかし、どの悪党も自分の最後を悟った時、見苦しく悪あがきせず悪党ととしての人生の引き際をわきまえているところが藤沢周平らしい。
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天保六花撰が元になっていて面白かったが、短編の為少し物足りなかった。
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とにかく、面白い。
こんな短編時代小説を待っていました。 -
2018.7.2(月)¥180(-2割引き)+税。
2018.8.4(土)。 -
天保六花撰を拠り所にした悪人伝。
アウトレイジではないが、全員悪人!
しかしこの悪人たちは仲間同士の情に厚い。
悪人が悪の道で生きるしかない身の定めのさみしさが感じられる。 -
もう無いだろうと思っていた藤沢周平の文庫本が出てきた。やっぱ、買わなきゃ。
本当ならピカレスク小説なのでしょうが、周平さんが書くとやっぱりおとなしい。主人公達は悪人というより挫折した善人のようです。そういう意味でピカレスク小説としては失敗作でしょうが、ちょっと今までとは違う人情物と思えば、それなりの出来 -
世話講談「天保六花撰」に材を得た痛快無比の連作長編!
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河内山宗俊、森田屋などの「天保六花撰」を、江戸の風景と四季の中に、哀しみを感じる小悪党の世過ぎ点描として描いた連作集。
市井物とも言えるが、ネタは黙阿弥由来。 -
江戸時代の講談「天保六花撰」を材にした六つの連作。一気にではなく、七年かけて六篇書いたとのこと。内容が付かず離れずの感がある。2016.4.11