日本人の矜持―九人との対話 (新潮文庫)

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著者 : 藤原正彦
  • 新潮社 (2009年12月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101248103

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日本人の矜持―九人との対話 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 本書は筆者と9人のゲストによる対談を1冊にまとめたものです。「英語よりも日本語」「ゆとり教育よりも詰め込み教育」「読書の大切さ」といったことが縦横無尽に語られており、読んでいて面白かったです。

    これは、楽天の三木谷氏による『たかが英語!』と並行して読んでいましたので、なんとも感慨深いものがあり、もはやほとんど聞かなくなった『矜持』という言葉を久々に聞いた感じがします。手にとって読んだきっかけは筆者の対談相手の一人に作家(ここに紹介されているときは『起訴休職外務事務官』という肩書きがついていた)の佐藤優氏がいたというのがきっかけでありました。

    僕は筆者が有名な数学者であるということも読み終えた後に知るという体たらくでありましたが、そのこと事態に関しては本書を読むのにはあまりマイナスにはなりませんでした。対談の相手といたしましては齋藤孝氏、ビートたけし氏、五木寛之氏、山田太一氏、阿川弘之氏などとの9人であり、各分野の碩学ぞろいで、どの人とも穏やかな雰囲気で対談が進められたのだろうなと行間から察せられます。

    齋藤氏とは英語教育よりも国語教育の必要性を論じ、佐藤優氏とはロシアとインテリジェンスの世界とロシア人の発するシグナルを理解できなくなってしまった日本外務省の体たらくを嘆き、五木寛之氏とは歌謡曲の叙情性を論じながらも満州引き上げの壮絶な体験を語り合う姿には本当に引き寄せられるものがありました。さらに、ビートたけし氏との対談では全ての問題に対して「イッツ・ソー・イージー」と言う事の大切さを語り、阿川弘之氏とは『たかが経済』という僕も含めてほぼ全ての日本人にはいえないであろうことを語っており、9人9様の人柄と筆者の教育観や人間観が垣間見えて面白かったです。

  • 一つの考え方として共感が出来る所がある。
    一方において時代の流れの中で変化していった事を嘆き、否定するだけの所に違和感を感じる。

    「読書の大切さ」、「読み書き、算盤」には共感する。
    しかし人間は他にも興味を覚える。
    また、「自由」と言う事には流されやすい弱さもある。
    その中で自分の保ち方を考えていくのは、やはり何かが必要な事だと思う。
    自分がどうであるか考える一冊ではある。

  • 数学者にしてエッセイスト、『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、270万部を超えるベストセラー『国家の品格』を著した藤原正彦氏が、文化人ら9人と日本人の“矜持”(=誇り、自信、自尊心、プライド)について語り合った対談集。
    「「日本人らしさ」をつくる日本語教育」w.齋藤孝・・・「まさに「祖国とは国語」で、そこがすべての原点」
    「論理を盲信しないイギリスに学べること」w.中西輝政・・・「イギリスに行くと、アメリカが論理だけの国であることを感じます。イギリスではフランス人の批評に対しても、「あいつらは論理をくねくねと哲学的にいうだけだ」と軽蔑しています。ドイツに対しては、「あいつらは原理原則をいうばかりで、どうしようもなく頭の固いやつらだ」と見ている。イギリス人は、もっと現実や史実に即して行動する。・・・日本はというと、・・・いちばんイギリスに近い。思考の経路が非常に似ていて、だから学ぶところが本当に多い」
    「真実を述べる勇気を持つ日本人に」w.曽野綾子・・・「支配階級の武士のほとんどは権力と教養はあるけれど、お金はなかった。金を見下していた。フランシスコ・ザビエルが日本に来てびっくりしたのは、金持ちの商人が貧しい武士を尊敬するという光景でした」
    「人間の弱さを感じること 傷つくことで得る豊かさ」w.山田太一・・・「ドナルド・キーンさんが言っています。例えば生きているものが亡くなってしまったり、古い建物が消えてしまったりすると、欧米の人でも悲しむ。しかし、儚いものに対して美を見出しているのは日本人だけで、これは日本人の独壇場だ、と」
    「心があるから態度に出る 誇りが育む祖国愛」w.佐藤愛子・・・「海外に出て四つ相撲で戦うためには、経済力など何の足しにもならない。自国の歴史、伝統とか生み出してきた文学、芸術、学問などの文化に誇りをもっているかどうかがすべて」
    そのほかのテーマと対談者は、「アンテナが壊れシグナルが読み取れない日本」w.佐藤優、「昔の流行歌には「歌謡の品格」があった」w.五木寛之、「人生すべてit’s so easy.」w.ビートたけし、「「たかが経済」といえる文化立国を」w.阿川弘之である。
    藤原氏の持論と対談相手による興味深い話が見事に絡み合い、日本人の矜持を再認識させてくれる。
    (2010年4月了)

  • 齋藤孝/中西輝政/曽野綾子/山田太一/佐藤優/五木寛之/ビートたけし/佐藤愛子/阿川弘之

  • 新潮の「人間って、」のフェア帯の効果か、ぱっと目について購入。

    時々、藤原正彦に触れたくなる。

    でも、いつも触れていると濃ゆい。
    この本は、九人の著名人との対談集なので、濃度が少し薄めでちょうどいい(笑)

    英語より、国語を鍛えよ!
    読書をさせよ!
    美的感覚を大切にせよ!

    と、述べたい向きは同じ。
    ただ、佐藤優との諜報活動の話が一番好きでワクワクして読めた。

    美しいものは、正しい。
    その美しさを感じ取れるかどうか。

    私は、数学的な美しさはとんと理解出来ない。
    けれど文章の美しさ、空気感、ふとした良さ、みたいなものがほんの少し薫る時がある。
    その薫り、が本当は様々な学問に相通ずるポイントなのであろう。

  • 9人の作家・論客・大学教授との対談。みな現在の日本を憂えている。その憂いを9人の専門家の視点から見る。
    憂いは巷間にひろがっている。でもなんだかまだひろがりが足りないのか、微妙な温度差があるのか。
    面白い一言は「藤原さんの『国家の品格』があんなに売れているのに、ちっとも日本の品格が上がりませんね」(笑)という佐藤愛子氏。頭でわかっても体がついていかない状態なのか。
    もっとも興味深かったのはビートたけしとの対談。映像における因数分解的表現法には頭のキレを感じた。

  • 藤原正彦氏の斎藤孝、中西輝政、曽野綾子、山田太一、佐藤優、五木寛之、ビートたけし、佐藤愛子、阿川弘之9人との対談集である。
    真に身につけるべきことは、「読書による国語力」、「基礎の反復訓練による我慢力」、「儚いものの美を感得する感受性」、「歌う心」、「卑怯を憎む心」と説く。
    藤原正彦氏は米国と英国に暮らした経験をもつ。その氏が説いている自説には納得する。
    自信と誇りをもって堂々と諸外国の人たちに対峙できるのは日本の古来の文化と国語である。

  • 日本人であることに自信持って生きていけるように、もっと教養を身につけたいと思わせてくれる本でした。
    子育てに関しても色々勉強になりました。

  • 『国家の品格』の著者で数学者の藤原正彦の対談本。
    九人の対話相手は

    ・齋藤孝(教育学者、明治大学教授)
    ・中西輝政(国際政治学者、京都大学教授)
    ・曽野綾子(作家)
    ・山田太一(脚本家、作家)
    ・佐藤優(元外交官、作家)
    ・五木寛之(作家)
    ・ビートたけし(映画監督、タレント)
    ・佐藤愛子(作家)
    ・阿川弘之(作家)

    日本の現代の教育を中心に、藤原正彦の持論が、対談者との会話の中にしっかりと力を持って、かつユーモアあふれる形で展開されている。

    「読み書きそろばん」の重要性、そして国史や非論理的な価値観、また日本人として美意識を再確認させられる良書。
    今の日本教育が、どこかアメリカ的グローバリズムにそまり、毒され、小学校からの英語教育やパソコン使用、はたまた株取引まで広がっているそうだ。
    対し、藤原正彦はそういった教育体制には批判的で、「一に国語、二に国語、三四がなくて五に算数。あとは十以下」であると述べている。

    『私に言わせれば、朝起きてから眠るまで、一ページも本を読まないという人は、もう人間ではない。ケダモノである。』

    だそうだ(笑)。

    直球勝負の教育論と、時に(しばしば?)ユーモアあふれるお話で、非常に楽しめる本。

  • 始めの斉藤孝との対談が一番波長が合っている。国語教科書業界が寡占状態で新規参入ができない仕組みだということだ。何よりも本対談で、「初めて!」教員免許の取り易さについて言及してあることは、本当に大切なことだ。後の対談は。佐藤優とのものが読みごたえあり。

  • ■矜持とは、自分の能力を信じていだく誇り。

    書籍「日本人の矜持(九人との対話)」
    (藤原正彦著・新潮文庫刊・266頁)から。
    「国家の品格」の著者、藤原正彦さんは、
    私の好きな数学者であり、なおかつ教育に関する意見は、
    賛同することばかりである。
    そんな彼と、これまた経験豊富な学識経験者が語り合う対談集、
    面白くないわけがない。
    さて、内容の紹介前に、タイトルの「矜持」(きょうじ)に惹かれた。
    「矜持」とは「自分の能力を信じていだく誇り。」
    英単語では「pride」(プライド)らしい。
    私としては「プライド」とはちょっと違う気がしているが・・。
    「自負」と書かれている辞書もあったが、これも僅かながら違う。
    電子辞書で調べた、以下の類語と比べて欲しい。
    「自賛」(自分で自分をほめる)
    「自尊」(自分を偉いと思い込むこと)
    「自得」(満足して得意になる)
    「自任」(自分に能力があると思い込む)
    「自負」(才能に自信を持ち、誇りに思う)
    「自慢」(誇らしげに話したり、見せたりする)
    やはり「矜持」という言葉の響きが、断然と輝いている。
    「自分の能力を信じ」それを「誇り」として生きていく。
    そんな「矜持」を、私は大切にしていきたいと思う。

  • 藤原さんの本は、国家の品格も含めて何冊か読んでいますが、
    自分が日本人として生まれてきた意味を考えさせられます。

    小学生のうちに国語(日本語)の勉強をしっかりさせて、
    読書グセをつけることが、大切だと実感しました。

    日本人の矜持・・・素敵な言葉です。

    ありがとうございます!

  • 大いに納得したが、中には違和感を感じる主張もあった。

  • 日本語、文学に重きを置くのは賛成だが、

    その主張に全てはを収束させようという極端さも垣間見える。

    ただこれからの日本の教育を考える上で参考になる史実、

    寺子屋での素読の徹底、強制力を伴った親のしつけ、岡潔の芭蕉研究、大人と子どもの主従関係、

    それらを効率的に獲得出来た点では優れた本。

  • どの対談も面白く引き込まれる。うなづくことばかり。

  • おもしろおかしく日本の強さと弱さを語る。

    国語の重要性、過去の日本の高い競争力、戦後急速に失われた日本人の教養などについての対話集。対話相手もさまざまだが、一貫して読書、国語、文化、誇り、とユーモアを重視する「藤原節」が健在。

    ほかにも昭和初期の歌謡曲の素晴らしさ、経済人への批判、戦争引き揚げの過酷な体験等についても語る。ビートたけしの数学的素養の高さは意外。

    自分の教養の無さをしっかりと自覚させてもらえるが、少しは本でも読もうかという気にさせてもらえる。

    9人のセレクションも良い。

    「9人との対話」の相手
    斎藤 孝   教育学者
    中西 輝政  国際政治学者
    曽野 綾子  作家
    山田 太一  脚本家・作家
    佐藤 優   起訴休職外務事務次官
    五木 寛之  作家
    ビートたけし 映画監督・タレント
    佐藤 愛子  作家
    阿川 弘之  作家

  • 卑怯を許さない心と情緒、こういった本来日本人の美点、ひいては強みともなっていたものが戦後教育によって無くなってしまっているという点に深く共感する。
    ただの我儘を自由や個性という言葉で甘やかし、勝ち馬に乗るという古来から恥ずべき行為とされてきた考えを助長するような教育の現状を深刻に考えされられた。
    金持ちの商人よりも貧乏な武士が尊敬された時代が長くあった日本を、たった数十年でここまで変質させてしまう教育の怖さを感じる。
    ・財界は教育に口を出すな、たかが経済。
    ・駄目なものは駄目、問答無用の教育。
    まったく賛成です。

  • 様々な分野の方々との対談集。
    やっぱり、母国語は大事にしていきたい。古典が古典と呼ばれる、その意味を真剣に受けとめるべきだと気づいた。
    何よりも”日本人としての誇り”、また中身をしっかり身につけたい。

  • 「国家の品格」の藤原正彦が論客9人と対談している対談集です。
    大きな流れは「国家の品格」と同じく、今の日本の教育に物申す内容です。
    子供4人いますが、あまり教育について深く考えたことはないですが、あらためて本を読むことの大切さを認識しました。
    みんなもっと読みましょう!
    (2010.8.1 藤本)

    タスク:貸出,返却(2011/12/13)
    日総研のクソがって憤りを感じました。。。
    右翼ですか?今の日本の教育はおかしすぎます。。。

  • 情報科教員MTのBlog (『日本人の矜持』を読了!!)
    http://blog.livedoor.jp/will_pwr/archives/51413277.html

  • 日本という国を贔屓のひきたおしをする気も無批判に肯定する気はないが、闇雲に卑下したり過剰に自虐的になることが、何かを生み出したり解決に繋がるとは思わない。この本で語られることは(各論は好みの別れる部分はあっても)主張の骨格や基本的な考え方は全く同感できる。それだけに溜飲が下がるより、やりきれない気分の方が強い。

  • 『国家の品格』で知られる藤原先生と9人のインテリジェンスとの対談集。日本人が見失った矜持(誇り)を取り戻すためには何が必要なのかを熱く語り合っている。ここでは9人のうち3人の対談を、上辻なりに解釈してみたい。

    ★齋藤孝氏との対談
    小学生に英語を必修化することに猛反対の2人の対談。真に大切なのは日本語教育であり、たかだか週に2、3時間の授業で子供がネイティブになれるわけがない。そもそも日本の職業人で、英語を必要とする職種は多くない。仮に英語を話せるようにさせたところで、話す中身、すなわち日本語での体験や学びが備わっていなければ、英語を教える意義はないと言える。脱・ゆとりには賛成だが、脱・日本語には賛成する理由はかけらもない。文科省は子供をどの
    ように育てたいのだろうか。

    ★曽野綾子氏との対談
    今の日本人には忍耐力がない。昔の日本人には忍耐力があった。戦後、衣食住の足りない我慢の時代があった。もちろん、現在の豊かさは豊かさとして享受して構わないのだが、ゆとり教育・個性重視(という名の無責任な自由放任)が、子供たちから忍耐力を奪っている。幼い頃からケータイやテレビ、インターネットにゲームと、受動態な生活を中心に過ごしてしまうことで、自ら能動態なアクションを起こすことができなくなっている。その最たるが「我慢できない」そして「キレる」だ。子供たちに忍耐力を養わせる経験をさせなければ、日本の将来は危ぶまれる。というか、子供だけでなく、大人たちも忍耐力が足りないよね、今の時世。あんまり他人のことは言えないけれど(笑)

    ★佐藤愛子氏との対談
    日本人は今、日本という国を誇りに思えるだろうか。自分が日本人であるということを誇りに思えるだろうか。この2つの問い掛けは、現代を生きる我々をとてつもなく悩ませる。「生きることに疲れてしまっている日本人」。政治や経済をいくら改革しても、人間個人の生きる活力は取り戻せない。温故知新。先人の生み出した素晴らしい文化に触れ、惻隠の情、卑怯を憎む心、勇気、正義、誠実、もののあわれといった感受性を身につけることで、我々がなくしてしまった日本人としての矜持を取り戻さなければならない。

    他、中西輝政氏、山田太一氏、佐藤優氏、五木寛之氏、ビートたけし氏、阿川弘之氏との対談が収録されている。いずれも読む価値大の、いい対談である。

    それにしても『国家の品格』はバカ売れしたけれど、あれから国家の品格は向上したのかしら。あ、これは独り言ね。

  • すばらしかった!!
    が!!日本語の素晴らしさを伝えるというのはいいんですが、その当人が「ご覧になられる」なんて二重敬語を平然と使われているのには愕然・・・(笑)

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日本人の矜持―九人との対話 (新潮文庫)の作品紹介

国家は将来ある子供たちの芽を摘もうとしている。英語早期教育、薄い国語教科書、愚かな平等教育、歪んだ個性の尊重-。真に身につけるべきは、読書による国語力、基礎の反復訓練による我慢力、儚いものの美を感得する感受性、歌う心、卑怯を憎む心。そして、大人たちは、カネと論理を妄信するアメリカ化を避けねばならない。碩学賢者九名が我らが藤原先生と縦横無尽に語り合う。

日本人の矜持―九人との対話 (新潮文庫)はこんな本です

日本人の矜持―九人との対話 (新潮文庫)の単行本

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