管見妄語 とんでもない奴 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101248165

感想・レビュー・書評

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  • この人のコラムは、自虐ネタが満載で、見た目とのギャップもあり、読者のツッコミを誘うようなテンポの良さがあり、それでいて主張がハッキリしているのと教養が垣間見え、読んでいて満足感がある。一流のコラムニスト、エッセイストだなと、もはや数学者の片鱗も感じさせない所も素晴らしい。

    ちなみに、タイトルのとんでもない奴のコラムに触れると、このとんでもない奴と言うのは、道路交通法違反で書類送検された17歳の若者の話。横浜市バスの後部バンパーに飛び乗り、無銭乗車したというニュースだ。そんなことしたら危険だろうといいながら、自らも似たような体験をしたことを語る。さらに興に乗ったのか、給水塔から放尿した話。下品かも知れないが、笑える。下ネタも卑猥過ぎない。寛容な人柄も伝わり、穏やかな気持ちになる読書だ。

  • 久しぶりに著者の作品を読みましたが、変わらないセンスに安心しました。
    女性絡みの表現を参考にさせていただきます。

  • 数学者の藤原氏が週刊新潮に連載しているコラムをまとめたもの。まあ、ユーモアといえばユーモアだが、このご時勢ではセクハラ発言とまつり上げられかねない記述チラホラ(それも週刊新潮の世界だから大丈夫なのか?)。ちょっとひねくれてたりちょっと偽悪的な感じは文筆家らしいけど、やや保守っぽいところが珍しい。
    この方、新田次郎と藤原ていの息子なのだそう。ということは『流れる星は生きている』に出てきた子ということかという感慨も。

  • 読みはじめて思い出しました。著者の父は新田次郎でしたね。数学者にして、文章の才能があるのは血すじかもしてません。

    いつものように、世事をサクッと切っています。だいたい、言っていることには賛同できますね。まぁ、世の中、しがらみのない人間は、得てして正論を語るので、著者もその一人なのかもしれませんが。

    唯一合意できなかったのは、アベノミクスへの評価。本書での評価は2~3年前でのものなので、今聞くと異なる評価かもしれませんが。

  • 改めて思う.簡単に書かれているこの文章,構造体が鉄骨材のように強固にできており,その上に選ばれた言の葉が踊っているので,ともすれば嫌みや刺さる言い回しが他者へ向かっていかない.これは人徳といって良いのだろう.面白くない訳がない.

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2020年 『本屋を守れ 読書とは国力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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