マッハの恐怖 (新潮文庫)

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著者 : 柳田邦男
  • 新潮社 (1986年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (495ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101249056

マッハの恐怖 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  柳田邦夫がNHKの記者だったって聞くとびっくりする人がたまにいる。
     医療評論家とか、今だとネットに対する批判とかしているから、そういうイメージが強いんだろう。
     一回だけ、なんか話が噛みあわないなーって思ったら國男の方だったという笑えない事もあったっけ・・・。
     この人の航空評論に関しては凄く面白いなあと思っている。勿論事故の上に成り立つルポだから不謹慎と言われればそれまでなんだけど。
     この本を読むと新聞記者とテレビ局記者の違いが分かると思います。
     変な言い方だけど『新聞記事的ではない』というか。自分の感じた事や、その場の臨場感をすごく素直に伝えている感じ。
     新聞記者は文章のプロだから、コラムのような美しい文章を作り上げるけど、その辺の微妙な違いが私にはどちらも心地よい。
     綿密に調べ上げた資料と、現場に足を運んで見詰めた大事故の生々しさが近くに感じるのは、そこに今でも脈付く筆の力が生きているからこそ。
     71年出版とはとても思えない。
     力強くて読みごたえのある物というのは、結局何があっても残っていくものなんだなあと感慨深い。

  • 航空機事故の原因を追ったノンフィクション作品。現在の柳田氏に対する印象とは違い、自らの足でエビデンスを追い続けた作品だと感じた。

  • 昭和41年に起こった悲劇「全日空羽田沖墜落事故」および羽田空港における「カナダ太平洋航空機墜落事故」、その翌日富士山で起きた「英国海外航空機空中分解事故」を取材し、記者という立場から真実のあり方や事故調査の背景などを描き出したノンフィクション作品。
    既にハードカバー・文庫版とも絶版となってしまっている本著、ずーっと読みたくてうーうー言ってたら、なんと図書館にあることが分かった。図書館って、本当に素晴らしい!

    柳田氏も当時はNHK社会部の記者であり、企業の一員として他のたくさんの事件を抱える中で、個人の信念からこの事故調査を最後まで見届け、本著として世に送り出したことは非常に大きな意味のあることだったと思う。今は誰もがインターネットで様々な情報を入手したり、関係者を探し出してコンタクトを取ったりできるけれど、その当時は一般の人が表ざたにならない情報を掴むなんて本当に容易ならぬことだったはず。

    事故の発生から調査、そして報告書をまとめて結論づけるところまでの流れを、関連する国内外の事例を絡めながら書かれていて、私は飛行機事情に明るくないけれど時間をかければ大枠を掴めるよう分かりやすく書かれていて、読んでいても結構ショックなことも多く、思ったより時間がかかりました。

    個人的に、科学的な証明を目指して現物に立ち返り、最後まで墜落のの真実を追い求め続けた、最後の報告書にお名前の出なかったお二人…航空局航務課のエンジニアさんと、明治大学教授(当時)の山名正夫氏には本当に頭が下がります。科学的な立証を無視し、国際的・政治的・社会的な体裁を整えざるを得なかった当時の日本の立場というものも、理解できないわけではない…けれど、科学的に原因を究明し、再発防止に生かすことができたのではないか、という思いが拭いきれず、最後本当にいたたまれない気持ちになった。

    記者の志向で結論ありきに取材を仕向けていくような作品ではなく、取材に基づいて真実を探り出そうとする正当なドキュメンタリー。40年以上も昔に書かれた本ですが、是非今の人にも読んでほしいと思える作品でした。

    --

    第3回(1972年) 大宅壮一ノンフィクション賞受賞。

    昭和41年春、日本の空は異常だった。2月4日に全日空ボーイング727型機が羽田沖に墜落し、3月4日にはカナダ太平洋航空ダグラスDC8型機が羽田空港で着陸に失敗、炎上した。翌5日にはBOACボーイング707型機が富士山麓に墜落し、わずか1カ月の間に300人を超える人命が失われた…。巨大技術文明の中での連続ジェット機事故の原因を追究した、柳田ノンフィクションの原点。

  • 航空機事故における事故調査のノンフィクション。ひたすらに事実を追求していく姿勢がすごい。読んでよかった。

  • 羽田沖の日航機事故を中心に、作者の取材をまとめたノンフィクション。作者も事故原因については断定はしていないが、事故調最委員会の報告書の作成における様々な仮定は、恐らく事実であろう。
    もしそうであるなら、いや、過去から現在にいたるまで、様々な事故調ができ、その報告書が、何らかの形で事実を隠蔽、もしくは、歪められた形で作成されているとしか思えない現実から考えると、恐らく本書は正しいのであろう。
    政治的な圧力、外交、など様々な圧力により、科学的な真実が歪められ、その結果として、事故という不幸な出来事が、科学的な発展につながらない現状に対して、とても悲しい事だと感じる。
    最近の福島の事故を見ても、感情的・政治的な話ばかりで、科学的・客観的な話が無く、とても判断ができない。
    私は、原発に対して賛成でも反対でも無いため、余計にバイアスのかかっていない、「真実」を求めたい。
    ただし、ひとりのエンジニアとしては、その通りなのだが、ひとりの企業人として、果たしてそれを貫けるのか?自信が持てないのも事実である。

  • 1966年に発生したジェット機墜落事故に関する原因追求のドキュメンタリーです。「操縦ミス」で片付けられた事故に疑問を持ち、原因を明らかにしていく過程がまだ脳裏に残っています。この本を読んで、プラント事故、システム故障等に興味を持つようになり、大学院で品質管理研究分野に進むきっかけになりました。
     2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故も、真の原因を把握せずに幕引きを図ろうとしていて、45年前と同じような構図が見えてきます。真の原因とは何かを追求するプロセスを味わってみて下さい。

    ※絶版のため、別の出版者の図書を用意しています
    OPACへ⇒https://www.opac.lib.tmu.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB02081477&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 地道に事実を突き止め積み重ねる努力には頭が下がる。柳田氏の底力を見せつけた労作。

  • 4101249059 495p 1987・1・15 4刷

  • 航空事故の原因を調査していく。とても緊張感があり、惹きこまれます。この本から柳田邦男さんのファンになりました。

  • 内容が錆びれない。迫真の書。

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マッハの恐怖 (新潮文庫)の作品紹介

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