壊れる日本人―ケータイ・ネット依存症への告別 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101249209

感想・レビュー・書評

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  • 柳田國男と同名のノンフィクション作家です。ゲームやメディアを否定する態度は正しいものです。ほんと、ケータイ・ネットに支配されている人が大量に増加しています。このままでは人類はコンピュータに殺されてしまいます。未来はないのだろう、としみじみ思ってしまいました。依存から離れなければならない。――国よ、規制をかけてくれ!

  • 柳田邦男と聞いて、国語の問題によく出たひとだったな。というのが最初の印象。
    最近、電車の中で電話をする人が少なくなった。マナーが向上したのか?
    画面をずっとタップして、スワイプして。。。
    メール?ネット?つぶやく?Facebook?ニュース?
    著者の”「あいまい文化」を蘇生させよう”は今まさに日本に必要です。
    話は展開して、最終的にテレビ、ネットばかりに触れコミュニケーションが取れず昨今の残忍な少年少女による犯行の原因に対する親の再考、社会への疑問を訴えます。
    必読です。

  • 効率ばかりを求めて本当に大切なものを失っていないか

  • ケータイやネットへの依存に警鐘を鳴らし、
    「ちょっとだけ非効率な生き方」を提案する書。

    但し提案部分よりも、ケータイ・ネットが子供に与える弊害についての記述部分の方が多かった。
    現代のライフスタイルに対するアンチテーゼ、の様なものを期待していたのだけれど。

  • 柳田邦男好き!!
    ちょっとだけ非効率な生き方。
    ケータイ・ネット文化の中をいかに人間らしく生きるか。
    5年くらい前に書かれたものだから少し古い議論もあるけど。
    (って書いてて、最近の技術の進歩ってめまぐるしいなと思った)

    患者さんが死ぬ場面が印象的だった。
    家族は死にゆく人でなくて、心拍数のモニターにくぎ付けになる。
    心拍数が平らになり、医者が「ご臨終です」と言って初めて、死者のほうを見る。
    「現代において死出の旅に出る人は、データの管理下で、何という孤独な最期を迎えなければならないことか」(p46)

    あと市立図書館の例。



    少しくらい不便でも大事なものを手放さない生き方。
    「ちょっとだけ非効率な生き方」


    これから先もっともっとヴァーチャルなものデジタルなものが発達してくるだろうけど、
    一番大切なのは人と人の心の関わりだってことを忘れてはいけないと思う。
    某出版社のひとも言ってた。

  • 08.8.26

  • ラクをすると、何かどこか別のところで苦労することになる。


    これがホントだとすると、
    ケータイ、ネットを使って、便利・ラクちんな生活をしている
    私たちは、一体どこで苦労するのでしょうか・・・。

  • この本のおかげでセンターの評論の点数が半端なく良くなりました。

  • ・携帯やネットが普及して一見便利になっているが、その影には負の影響という側面がある事をゆめゆめ忘れるなかれ、という内容。
    ・しかしどうしても、携帯はともかくネットによる悪影響、という意見には強い抵抗を感じる。否定したくなる。だって無い生活なんて考えられないし、既に依存しまくっているし。
    ・カーナビについては柳田さんとほぼ同意見。俺も使わない。北が上で表示させないと気が済まない。単なる地図としてだけ使いたい。
    ・でもこれは個人的なこだわりであって、一般的には便利なのはわかってる。だから声高に否定はしない。ネットもそう。要は使う側にかかっている。
    ・俺が思う負の影響ってのは、こう。ネットの普及で生活は便利になった。それによって時間が浮いたはず。だけどその時間で他にクリエイティブな事ができているかというとそうではなくて、多分便利さと引き換えに失ったものを取り戻すために使われている。だからトータルの豊かさは便利になっても不変。
    ・ゲームやアニメを見てると、現実と仮想現実の区別がつかなくなって、殺人などを犯す、という意見は納得いかない。そうじゃなくて、区別なんてついているに決まってる。ただ、実際に行動に移すかどうかの判断、それを容易に下してしまうようにはなるのかもしれない。これは区別ができない、ってことじゃないと思ってる。そこは強く否定したい。
    ・人間ってもっとすごいですよ。どんだけ便利になって負の影響が出ても絶対折り合えますよ。おじさん、心配するなよ、と言うのが俺の強い感想。
    ・ダブルバインド、この辺は子育ての上で気をつけないとなーと思いました。

  • アカデミックな本を読んだのは久々。
    これは興味深い内容でした。
    僕は携帯やネットが当たり前じゃない時期を経験しています。
    でも今の子ども達にはある事が当たり前。
    僕も「パソコンに向かっている時間を減らせば、どれだけ他の事が出来るか…」なんて思いながらも
    こうやって画面とにらめっこして記事を更新しているわけです。
    ツールに使われるのではなく、ツールを使う人間になりたいと思うのでした。

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著者プロフィール

講談社ノンフィクション賞受賞作『ガン回廊の朝』(講談社文庫)

「2017年 『人の心に贈り物を残していく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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