- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101249209
作品紹介・あらすじ
残忍な少年犯罪の続発、効率優先が引き起こした重大事故、相次ぐ企業の不祥事-この国は本当におかしくなってしまったのか?急激なIT化が私たちから奪ったものを徹底検証し、曖昧な故に芳醇だった日本文化再生を訴える。便利さを追求すれば必ず失うものがある。少し不便でも、本当に大事なものを手放さない賢い選択をしよう。ちょっとだけ非効率な生き方を提唱する警世の書。
感想・レビュー・書評
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昔教科書などでよくみた記憶のある著者の本を久々に読んだ。ネット、ケータイを否定はしないという立場を取りつつも前世代的な偏った表現が端々にみられるが、総じて頷くことのできるとても学術的な内容だと思う。
なんでも白黒はっきりさせる西洋型思考法で解決するのではなく、あいまいな部分も含めてありのままを受け入れ大事にするあいまい文化。少しくらい不便でも大事なものを手放さないちょっと非効率な生き方。
図らずも先日母の実家を訪れた際に、車で駅まで送ると言ってくれた伯父を制して寄り道わき道逸れながら徒歩で村落を歩いたのだが、便利と裏腹に失ったものは大きいんだな、と痛切に感じるとともに数十年の時を経て大変貴重な経験ができたところだった。
五感を使って両手両足を使って、ちょっとだけ非効率な生き方をしてみようと改めて思うことができた一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ケータイを手離せない最近の日本人を糾弾している本。
ちょっと論理が飛躍している部分があり、老人くさいくだりはあるが、たしかにずっとケータイを電車の中でいじり続けている人が増えていったいどうなっちゃったんだろうと個人的に思うことはしばしばなので、この本には共感できる。
なんで柳田邦男が?という疑問はあるけど。
最近、日本人のスケール感がちっちゃくなったなあと思う。
ゲーム、ネット、ケータイ
どっぷり浸ってこれが世界や生活の大部分だと思っている人は多いと思う。
でもそれらは全部、人間が作った枠組みの中のいわば狭い箱庭の世界に過ぎない。
自然の造形や雨や雪のリアルさ、肺を刺すような空気の冷たさ、世界の不思議さに触れない時間をたくさん過ごしている人達は感受性が丸まっていくのだろう。
元気もどんどんなくなる。
だから柳田邦男の視点はとても大事だ。 -
古き悪しき知識人
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やー、これは完全にはずしました。
話がそれるそれる。そしてこじつけくさい。
言いたいことはわからなくもないが、鋭さはないやね。 -
柳田氏の提唱するテレビと携帯とゲームの使い方を、正反対で実践してきた結果、残念な家族になりました。読書したり自己啓発など考える事をが選択肢に無い、社会貢献なんか眼中に無い自己中心的な人間と、結婚してしまった私自身に問題がある。
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「人の痛みを感じる国家」という最新刊を探していて、それが本書からはじまる連作の三作目であるということを知りました。それで、三冊まとめて購入し読み始めました。雑誌に連載されたものをまとめて単行本にし、それから文庫になっているので、話題は少し古くなっているものもありますが、どのテーマも考えさせられるものばかりです。その中でもちょっとおもしろいのがカーナビの話。タクシーに乗ると、行き先の住所を聞かれ、その後、運転手はカーナビの操作に夢中?で、話しかけることすらできない。レンタカーを借りてはじめて山陰地方をドライブして講演会のある目的地に向かうとき。わざわざ、ご丁寧にカーナビのセットまでしてくれていた。地図を見ながら、わき道にそれながら、のんびり目的地へ向かうつもりが、カーナビがうるさく曲がれ曲がれと言ってくる。無視してまっすぐ進んでいたら、あきらめたのか?黙ってしまった。さらに、カーナビのモニターは進行方向が上になっており、どちらが北か分からなくなる…などなど。その他、マニュアル主義が危機管理を危うくしている話、佐世保の小6女子殺害のこと、ケータイのこと。文庫版あとがきにも書かれているが、「ノーケータイデー」「ノーテレビデー」「ノーゲームデー」「ノーネットデー」などを提唱されている。私の場合は仕事が休みの日なら四つとも難なくこなせるのだけれど、皆さんはどうでしょう。→スマホになってからそれができない!
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現代の情報化社会で、便利さとセットでもたらされた様々な問題。
誰もこれで良いとは思っていなくても、後戻りできない。これが現実の姿か。
何とかしなければ日本は本当におかしくなってしまう。
もしかしたら、もう手遅れなのか。
ちょっと後半部分付け足し気味という感じもするが、問題を投げかける良書の一つである。 -
(「BOOK」データベースより)
残忍な少年犯罪の続発、効率優先が引き起こした重大事故、相次ぐ企業の不祥事―この国は本当におかしくなってしまったのか?急激なIT化が私たちから奪ったものを徹底検証し、曖昧な故に芳醇だった日本文化再生を訴える。便利さを追求すれば必ず失うものがある。少し不便でも、本当に大事なものを手放さない賢い選択をしよう。ちょっとだけ非効率な生き方を提唱する警世の書。 -
柳田國男と同名のノンフィクション作家です。ゲームやメディアを否定する態度は正しいものです。ほんと、ケータイ・ネットに支配されている人が大量に増加しています。このままでは人類はコンピュータに殺されてしまいます。未来はないのだろう、としみじみ思ってしまいました。依存から離れなければならない。――国よ、規制をかけてくれ!
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効率ばかりを求めて本当に大切なものを失っていないか
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ケータイやネットへの依存に警鐘を鳴らし、
「ちょっとだけ非効率な生き方」を提案する書。
但し提案部分よりも、ケータイ・ネットが子供に与える弊害についての記述部分の方が多かった。
現代のライフスタイルに対するアンチテーゼ、の様なものを期待していたのだけれど。 -
柳田邦男好き!!
ちょっとだけ非効率な生き方。
ケータイ・ネット文化の中をいかに人間らしく生きるか。
5年くらい前に書かれたものだから少し古い議論もあるけど。
(って書いてて、最近の技術の進歩ってめまぐるしいなと思った)
患者さんが死ぬ場面が印象的だった。
家族は死にゆく人でなくて、心拍数のモニターにくぎ付けになる。
心拍数が平らになり、医者が「ご臨終です」と言って初めて、死者のほうを見る。
「現代において死出の旅に出る人は、データの管理下で、何という孤独な最期を迎えなければならないことか」(p46)
あと市立図書館の例。
少しくらい不便でも大事なものを手放さない生き方。
「ちょっとだけ非効率な生き方」
これから先もっともっとヴァーチャルなものデジタルなものが発達してくるだろうけど、
一番大切なのは人と人の心の関わりだってことを忘れてはいけないと思う。
某出版社のひとも言ってた。 -
08.8.26
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ラクをすると、何かどこか別のところで苦労することになる。
これがホントだとすると、
ケータイ、ネットを使って、便利・ラクちんな生活をしている
私たちは、一体どこで苦労するのでしょうか・・・。 -
この本のおかげでセンターの評論の点数が半端なく良くなりました。
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・携帯やネットが普及して一見便利になっているが、その影には負の影響という側面がある事をゆめゆめ忘れるなかれ、という内容。
・しかしどうしても、携帯はともかくネットによる悪影響、という意見には強い抵抗を感じる。否定したくなる。だって無い生活なんて考えられないし、既に依存しまくっているし。
・カーナビについては柳田さんとほぼ同意見。俺も使わない。北が上で表示させないと気が済まない。単なる地図としてだけ使いたい。
・でもこれは個人的なこだわりであって、一般的には便利なのはわかってる。だから声高に否定はしない。ネットもそう。要は使う側にかかっている。
・俺が思う負の影響ってのは、こう。ネットの普及で生活は便利になった。それによって時間が浮いたはず。だけどその時間で他にクリエイティブな事ができているかというとそうではなくて、多分便利さと引き換えに失ったものを取り戻すために使われている。だからトータルの豊かさは便利になっても不変。
・ゲームやアニメを見てると、現実と仮想現実の区別がつかなくなって、殺人などを犯す、という意見は納得いかない。そうじゃなくて、区別なんてついているに決まってる。ただ、実際に行動に移すかどうかの判断、それを容易に下してしまうようにはなるのかもしれない。これは区別ができない、ってことじゃないと思ってる。そこは強く否定したい。
・人間ってもっとすごいですよ。どんだけ便利になって負の影響が出ても絶対折り合えますよ。おじさん、心配するなよ、と言うのが俺の強い感想。
・ダブルバインド、この辺は子育ての上で気をつけないとなーと思いました。 -
アカデミックな本を読んだのは久々。
これは興味深い内容でした。
僕は携帯やネットが当たり前じゃない時期を経験しています。
でも今の子ども達にはある事が当たり前。
僕も「パソコンに向かっている時間を減らせば、どれだけ他の事が出来るか…」なんて思いながらも
こうやって画面とにらめっこして記事を更新しているわけです。
ツールに使われるのではなく、ツールを使う人間になりたいと思うのでした。