オーデュボンの祈り (新潮文庫)

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著者 : 伊坂幸太郎
  • 新潮社 (2003年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250212

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オーデュボンの祈り (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • デビュー作とは思えないほど完成された物語だと思いました。これは読んで欲しいです。日常から離れ、あたかも自分があの島にいるような不思議な気持ちになります。本を閉じた時、そうかここはいつもの日常か…と間の抜けた気分を味わいました

  • 続きが気になって気になって、夜、眠たいのに眠れなくなる。たぶんわたしは深いところの話までは理解できてない。だけど回収される伏線がキレイで、なめらかで、うわあーーとなってしまいました。明らかに現実離れした世界なのに、そこにいるような感覚になった。伊坂作品しか読まないと言った友だち、それはさすがにもったいないと思うけど、でも確かに、虜になってしまうかも。順番に読んでみよう。

  • あの伊坂幸太郎さんのデビュー作ということで、楽しみにしていた本作。
    遅まきながら読んでみると、思った以上に伊坂節炸裂で、ほんとにデビュー作?とちょっとびっくり(笑)
    この小説にももちろん奇妙な登場人物がたくさん出てきますが、個人的に一番好きなのは喋るカカシ、優午。
    カカシなのに喋る、しかも未来が見える。すごい。
    彼は超然としつつもどこか人間臭くて、この小説を代表する、決定づける、そんな存在じゃないかな、と。
    読んでいるときも、読み終わった時も心地よい、弾むようなお話でした。

  • 井坂幸太郎さんデビューしました☆
    優午というカカシは未来を見つめることができるカカシ。100年以上前からいる。萩島という閉ざされた島で展開される物語。
    この作品は描写がグロいので必要以上に世の中を恐れたりトラウマを持ってしまうかもしれないので大学生以上にオススメしたいです。
    島民の人達が最初は誰も共感できず挫けそうだったけど、物語が終わる頃には、みんないろんな苦しみを持ちながらも生きる善良な人々だったことがわかってゆきます。容易に理解されにくい痛みに光を当てようとする作者の姿勢も暖かくて好きです。法学部卒というプロフィールにうんうんといった感じです。
    オーデュボンはフランスの動物学者さんで20億羽で飛ぶリョコウバトを見ました。彼は人間の身勝手で絶滅してゆくハトをただ見ているしかなく、秀逸な絵でその姿を遺します。彼の死後数年でハトは絶滅。談
    名探偵は、犯人を当てられるけど事件を防げない。が、優午は信頼できる人と、カカシとしての命も渡して島の人達を守りました。島民みんなのよりどころだった優午は、見ているだけじゃなく行動しました。その賢さと愛に胸がいっぱいです。人間は絶滅してしまうのか、という問いを含んだ物語。
    優午は、絶滅をもどうこうしたかったのだろうか。島の人が、友人達が、あるべき人らしく、呼吸するように自然に、のびやかに日々を楽しんで、愛して、歌って、語って、そこに音楽があればなおいい、そんな風に願っているんじゃないかなぁって思いました。それは桜もそうであってほしいです。詩と花だけをその手にできる日がきますように。
    ただ、慈しみあい、愛が繋がってゆけば、絶滅も予言も無力になる。優午はそれを知っていたのではないかと思います。祈り、というタイトルにいろんな想いを感じます。その未来がたやすくなくても、信じたい未来です。
    「どうして優午は自分の運命をわからなかったんだろう、もっと言うと、なぜ逃げなかったんだろう」っていう主人公達の最初の疑問は、子どもの頃イエスさまに持っていたものとおなじなことを読みながら懐かしく思い出していました。

  • かかしねー。なんで死んだの?だれが?って気になりすぎてドンドン読んだ。かかしには絶対なりたくないと思った。主人公が怪しむ人を一緒に怪しんでしまい、毎回ちがうんかい!ってなったのが面白かった。

  • 今更ながらのデビュー作。
    夜の国のクーパー好きなら楽しめるはずとの言葉に購入。

    その通り、近しい雰囲気を持った作品で、少し不思議な世界を理解していきながら、最後はまとめて伏線を回収し、ストン。
    案山子の憂鬱や理不尽な桜の裁きも理解できる気がしてしまう。

    伊坂流のファンタジーが好きな方には是非。

  • 伊坂幸太郎のデビュー作。下界から遮断された島が舞台。人語を操り未来が見えるカカシ。無残にも殺されてしまったそのカカシはなぜ自分の死を阻止できなかったのか。読み終わってみると『オーデュボンの祈り』というタイトルが秀逸。カカシはどんな思いで100年以上も、この島で、人間を見守ってきたのだろうか。カカシの気持ちを考えると胸が熱くなった。面白かった。

  • これがデビュー作なんだね!衝撃的・・・!
    先に『重力ピエロ』とか読んでしまった・・・。

    「単純な積み重ねでなりたつ複雑な社会のなかから生まれる超現実」。すごいなーと思った。伏線がありすぎて・・・でも、最後にちゃんと伏線回収!!そうよね、そういえばずっと「音楽とのふれあい」って言ってたよね。

  • 伊坂幸太郎のデビュー作。
    久しぶりに読んだ。
    伊坂幸太郎を好きになった頃の感覚を取り戻す。

    <あらすじ>
    コンビニ強盗に失敗し、マジでやばい同級生の警官に捕まる。
    パトカーが事故って、なんだかたどり着いた先は、仙台沖の誰も知らない島。
    その島には、ちょっと変わった人たちと「未来のことが分かる」カカシが立っていた。


    小説家が自分の作品について何と言っているかなんて興味がないから想像に過ぎないんだけど、
    伊坂幸太郎は、伊藤をただの「名探偵」にしたくなかったんだな。今更だけど。

    「ジャンルなんてクソくらえだ!」と言いながら、
    ロックの話をするとき、あれは「パンクで~これはハードコア」なんて風にジャンルの話をしてしまう。
    そうしながら「ロック?かっこよければ、それでいい」と言うようなそんな感じ。

    だから、「島にないもの」を持ってくるものの役割を与えた。
    もしかしたら、作品の終盤に差し掛かって後から付け足したプロットなのかもしれないな~なんて。
    伊藤が「名探偵」なると、「オーデュポンの祈り」もただの一風変わったミステリーになっちゃうから。

    初期の作品、デビュー作だから、ちょっと足らない感じのするシーンや
    その展開でいいのかとか、全部、拾い上げたのだろうかとか思っちゃうけど。
    そういうところが目についたとしても、そっと次の行へ、次のページへ進めてほしい。


    最初に、伊藤が辞めたソフトウェア会社の上司は、死神の「千葉」だったような気がする。
    ・・・全部、読まないといけないな。

    伊坂幸太郎の小説はその展開の仕方の独特さの他に、他の作品とリンクする登場人物や話がある。
    そこまでいってしまうと、買い続けることに・・・。
    そして、最近の作品はあまり読めていない。

    読まなきゃいけない本はあんただけじゃ~ないんだ。
    本読む以外にもやらなきゃいけないこともあるんだよ!
    音楽を聴くとか、映画を観るとかギターを弾くとかな!

  • 夢のようなリアリティがあるようなどちらともつかない世界に浸るのを楽しむ小説であると思う。
    伊坂さんの作品は色々読んできたが、これが全ての原点なのか、と納得してしまった。伊坂さんが好きな人は必読書だと思う。

  • 伊坂幸太郎は大好きだが、デビュー作なので本作を若干敬遠してきた。稚拙かもしないと。でも、それは間違いだったと思い知らされた。ファンタジーのような異世界の設定、悪い人の描写、伏線の回収、思わずニヤけてしまうセリフ、どれもが今の伊坂作品の源流だった。伊坂ファンでなくても楽しめるはず。

  • 最高傑作。非現実的な話のように見えて、妙に現実的な感じがして引き込まれてしまう。ストーリーの展開、空気感、全てにおいて洗練されている感覚。

  • 不思議な感触。ちょっと残酷な感じがして、でもベールの向こう側での出来事みたいで、ほんと不思議。

  • まるで「不思議の国のアリスならぬ伊藤」という感じの世界です。反対のことばかり話す元画家、話をする案山子優午、人を殺すことが許されている美男子、いつもゴロゴロ寝そべっている少女。太りすぎた美人ウサギなどユニークな登場人物ばかりです。仙台の沖にあると思われる荻島という150年もの間、外部との接触を立ったという孤島での物語りはファンタジーなのでしょうが、あまりにも奇想天外なストーリーで、殺人事件の謎ときが進んでいくこと理解するのに疲れる本ではありました。

  • 読み終わった後、すごく暖かい気持ちになりました。この島に行きたいです。
    散りばめられた謎が明かされる過程の描き方は、さすが伊坂先生。
    読んでいる最中にも「いいなぁ」と思わされる一文がたくさん出てきます。色んな人に読んでほしい本。

  • 伊坂作品はこれで4作目。
    最初は苦手かなと思っていたのですが、読むたびに引き込まれてていきました。
    特にこのオーデュボンの祈りはあちらこちらにちりばめられていた伏線がキレイにつながっていって最後はついほころんでしまうフィナーレでした。
    そして萩島の愛すべき住人たち。
    新感覚のミステリーです。

    ミュージック!

  • 伊坂作品はアヒル→重力→グラスという順でよんだけど、本質はこっちなんだなあ。
    散りばめられた謎も魅力的で、テンポよく、読後感がとてもよい。文句なし。

  • 優午が自ら未来がわかる案山子をやめたのは、人がいやになったから、もう未来を見ること、それを頼りにされることに疲れたから。そうじゃないような気がします。優午はいつかくる外の世界の人間が島に欠如しているものを持ってくることを知っていた。だけどそれが何かを優午は知っていてもわからなかった。だからこそ、彼は例え自分の存在がなくなってしまうのだとしても、せめて頭だけでも丘に行きたいと願ったのではないかと、そう感じました。面白いのは桜と優午の関係性はどういうものだったのかということ。もしかしたら、リョコウバトの事件で優午は人に嫌気を指していたのかもしれません。そして桜も人の価値を高くはもっていなかった。ならば二人は同じ未来を望んでいたのかもしれない。そう考えると本当におもしろいです。何にせよ、読んだ後にすがすがしさを感じさせる話でした。

  • とてもおもしろかったです。
    優午と桜が好きです。
    とても不思議な話だなと思いました。

  • 伊坂幸太郎というジャンルがあるらしいと聞き、デビュー作を検索して読んだ。読んでから2年近く経っているが、ユーゴと桜は覚えている。ファンタジー要素が入るが、説得力のある描写だった。

  • 伊坂幸太郎のデビュー作。
    村上春樹の霞がかかったストーリーと似ていると思いながら読み進めると、また違う味わいがある。リアルな現実と非現実が交差するお伽話であり、数々の布石を紐解くミステリーでもある。新潮ミステリー賞を取ったらしい。後続の小説の軽快さはないが物凄く引き込まれる。読み終わった後の爽快感は半端ない。

  • とても面白かった。この作品から、伊坂さんの本を読みだしました。シュールな本。この世界観に触れて欲しい

  • 解説を読んで初めて知る。これがデビュー作……?デビュー作でこんな面白い作品が書ける作家さんなのかと二度見。
    物語に巻き込まれていく心地よさと胸が悪くなる悪人が因果応報の目に遭うパターンがとても好きなので、読了感がすっきりしました。とはいえ伊藤さんもできることならきちんと罪を償ってほしい。城山のように直接的に人を傷つけたわけじゃないけれど。
    桜の美しさの記述が最初は必要かと思いましたが、いつまでもいつまでも異質で、どこかでひたすら怖くて文章すら美しく感じました。

  • 伊坂幸太郎にハマっていると書いたら、知人に勧められて、他に買っていた作品を飛ばして読みました

    シュール過ぎる
    伊坂さん処女作、こんなクオリティ高いのがデビュー作何だと、驚きながら
    現実にある訳がない世界を
    現実にあると錯覚させられながらグイグイと引き込まれました

    不思議な素敵なお話

  • いやぁ……なんとも不思議な世界観。
    読んでる時から余韻がすごい。
    これデビュー作なのか。なんか、これ選んでくれてありがとう、伊坂さんを世に送り出してくれてありがとう、って審査員とかに言いたい。

    未来の分かるしゃべる案山子が殺されたけどなんで未来が分かるのに殺されたんだろう、とか書いてても自分で「何言ってるの?」って思うレベルでイカレてるじゃん?
    解説に「シュール」とあったけど、言い得ているとも思うし、ちょっと違う気もするし。
    この世界観で最後まで貫かれてるのが圧巻。
    何かで伊坂さんこれ書くのに2年費やしてるって読んだけど、その時の伊坂さん半分イッちゃってたんじゃないかな。なかなかデビューできずに悶々としてた頃でしょ。
    伊坂さんのその後の作品が無事こちらの次元に帰ってきてくれてほっとした。だから却ってこの作品はきらりと光って見えるんだよね、こんな世界観の話ばかり発表されてたら埋もれて曇っちゃうだろうから。

    何となくまったりしたテンポなのに、続きが気になって読んじゃうの。
    忘れられた島は、でも、楽園じゃないんだよね。嫌なヤツも悪質な人間も普通にいるし。人間の本質って根本的にはどこにいっても変わらないんだな、と思った。そう、この作品で書かれてるのは人間の本質なんだな……。

    もちろんミステリ的要素はしっかり出来てたよ、伊坂さんらしく。そのへんは他のヒトがレビューするからここでは触れないけど。
    そのミステリにしたって、いろいろな人の行動の連鎖で物事が成立してる、っていう摂理みたいなことを考えずにはいられない感じだった。
    (一応)ミステリなのに、本質的なこと考えさせられる話なんだよな…。

    悪質といえば、伊坂さんの書く悪質な人間はホントに怖い。この作品で言えば城山ね。怖い。でもまぁ世の中には居るんだろうねこういうタイプの人間も。怖い。会いたくない。

    伊藤はなんで轟にこの島に連れてこられたんだろうか。やっぱり優午の指示なんだろうか(そうなんだろう)。
    優午は音楽を無事聴けただろうか。て言うか、優午にも心が、意志があったんだな。

    まだ余韻が漂ってます。


    追記:読んで相当経ってもまだ余韻が凄い。傑作だよこれ。
    なのに☆5つじゃないのは、私個人が音楽がなくても問題ない人間なので、結末に感情移入できなかったのだ。
    いや、理解はしたよ。大半は音楽大事だよね。しかも伊坂さんは大の音楽好きだから、理解はした。
    その一点。このラストになんの不満もないし、傑作という判定は変わらないけど、その一点でラストに自分が傍観者になってしまったのだった。
    ほんと、自分の性質のせい。

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コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている"荻島"には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。

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