重力ピエロ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250236

感想・レビュー・書評

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  • オーデュボン、ラッシュライフ、陽気なギャング、重力ピエロと読んできたが、今のところ特に心に響くものはない。
    砂漠はだいぶ前に読んだが、面白かった。ということは、重力ピエロ以降の作品はどんどん面白くなっていくのか?

    上記作品に共通しているのはとにかく「薄っぺらい」ことだ。
    ミステリーというには謎が入り組んでおらず、文芸というには軽い。
    登場人物は「いかにも作った」感じだし、ストーリーは伏線回収といえば聞こえはいいがどこか「都合が良い」。
    そのくせ、うだうだと喋る喋る。ドストエフスキーを引用して見せるが、ライトな読者層には「頭が良さそう」に映るのだろう。

    世間では人気があるようだから、私の狭い感受性に合わないだけなのだろう。

    印象的な一節。
    ――ピエロは、重力を忘れさせるために、メイクをし、玉に乗り、空中ブランコで優雅に空を飛び、時には不格好に飛ぶ。何かを忘れさせるために、だ。
    私が常識や法律を持ち出すまでもなく、重力は放っておいても働いてくる。
    それならば、唯一の兄弟である私は、その重力に逆らってみせるべきではないか。

  • だいぶ前に話題になっていて気になっていたのでようやく読んだ。

    過去の話や雑学、偉人の逸話がちょこちょこ挿入されて本筋が中々進まず、イライラしてきた。

    段々飽きてきて本筋の放火犯が誰なのか、何が目的なのか、もどうでも良くなってきて読むスピードが落ちてきてしまった。
    最後の方は読破するまで苦痛になったくらい。
    1回読んだらもう読み返さないかな…。

    アヒルと鴨のコインロッカーでも文章の書き方があまり好きじゃなかったので、多分この著者の作品は自分の好みじゃないんだと思う。(あちらは物語が面白かったのでまだ読めた)

    ただ、最後の父親のセリフには不覚にも感動してしまった。

  • 全部読みましたが面白くなかったです
    ・登場人物の人物像やセリフが薄っぺらくリアリティに欠けて没入感が得られない
    ・偉人の名前出しときゃ深みがでると思っているところが浅はか
    ・話が退屈
    ちゃんと全部読みましたが私には合いませんでした

  • お父さんの決断は正しかったのか…?
    僕には判断する勇気がありません。

  • キザな文体が合いませんでした。
    先の展開も簡単に読めるし。

  • えーと。。。
    Amazonの評価ではかなり賛否両論があったので、どうかな~、でも映画になったし、最近話題の作家さんだから・・・とかなり興味津々だったのですが。。。

    ん~。だめだ。私には合わないです。
    最初は語り口が軽快で、今まで読んできた本と違って独特の雰囲気があるなぁと思ってたんだけど、会話や文章が軽い口調だけど、その口調で母親のレイプ事件が語られ、それが何度も何度もでてくるのに辟易。私が女性だからなのかもしれないが、性的なことに対する会話の内容にかなり違和感と嫌悪感を感じてしまった。

    泣き寝入りしたわけではないレイプ事件の被害者がその時何も医療的処置されずにその後妊娠してしまうことが、ぜんぜん理解できない。全体を通して男性作家が書いたものだから仕方がないのかな。

    さらに気になったのが、小ネタとかウンチクが随所にあって、食傷気味でした。博識なのはわかるけどね。。そういう脇道?が多すぎて、話の流れが見えにくく、主人公は結局何をしたいのか分かりにくくなったし、終わってみればありきたりの展開だった。途中から読むのが苦痛になった。

    登場人物もどれも理解不能で、ストーカーの女の子とか気持ち悪いし、兄が受け入れてしまってたのがよくわかんない。不法侵入してるんだよ。。

    ラストもなんだか。。そういうのでいいの?復讐OKみたいなのは・・・

    期待して読み始めただけにガッカリ・・・あぁ、愚痴ばかりで嫌な感想になってしまった。

  • 初めて読んだ伊坂作品。<br>
    今思えば、これを「初めて」に選んだのは失敗だった。<br>
    感想は『二度とこの作家の作品は読むまい』…。

  • 物語自体は面白く、最後は結末がどうなるのか知りたくて一気に読み進めてしまった。言葉の選び方や歴史上の人物の引用も本当に面白い。

    ただ、春が殺人をし、それを「悪いけど良いこと」とするのはどうしても納得がいかなかった。レイプはもちろん絶対に許せないことだし、そのレイプにより生を受けた春の苦悩は理解できる。
    また、葛城はレイプを反省しておらず、最低な人間だ。

    ただ、最低な人間で恨みがあるからといって殺していいのか?または、複数レイプをし、その時点で反省していない最低な人間であれば殺していいのか?
    春のセリフの中で、「自分が犯した罪の程度には罰せられるべき」という内容があったが、葛城は殺人をしていない。そこにも矛盾がある。

    最低な人間であっても、その親もいれば、友人もいるのだ。殺人をしていない人間を殺す(死刑になる)のは個人的にはどうしても納得がいかない。

    家族愛のある面白い話だと思ったが、残念だった。
    (葛城を殺しさえしなければ、共感できた)

  •  なんか不愉快。というか気持ち悪い。下手すれば罪の無い他人を焼死させかねない放火魔を美化する話。己の復讐のためになら、赤の他人が焼死しても資産を失っても構わない。自分のことしか考えない思考回路。気持ち悪い。この作家の作品は二度と読まない。
     インテリを振りかざし、知的ジョーク、言葉遊びが繰り返される。入り込めば楽しいけど、一度醒めると鬱陶しいだけ。
     さらに自己矛盾。加害者には加害者の理屈があって、被害者のことは圏外でよしとした終わり方。
     不愉快な気持ちで読み終わった。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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