砂漠 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250250

作品紹介・あらすじ

入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決…。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれ成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだフーガはユーガの中で、伊坂幸太郎さんの作品が苦手だと書いてしまったのだが、伊坂幸太郎さんの何が苦手なのかを突き止めたく購入した第二弾!


    辛口な土瓶さんがこの本はストレートで良かったと仰っていたので超気になっていた( ̄▽ ̄)


    この前に首折りを読んでおり、首折りの最後が合コンの話だったのだが、どうもそのイメージが頭に焼き付いたままこの本を読み出したので、井上の代わりに合コンに急きょ参戦した冴えない男、佐藤亘のイメージが何故か西嶋くんになってしまっていた(^◇^;)


    この作品、伊坂幸太郎先生なの!?
    ちょっとテイストが違うような、、、
    と思いながら読み続けると、やっぱり言葉の端々に伊坂幸太郎先生がひょっこり顔を出していた(^^)

    そしてこの本にもやっぱり喧嘩があり、暴力描写が(^^;;
    とにかく痛い描写は苦手で辛い。。。


    しかし北村くん、西嶋くん、南さん、東堂さん、鳥井くんのグループの描写はとっても楽しい∩^ω^∩

    西嶋くんが良い味出しているんだろうなぁ。
    あとは南さんの突拍子もない能力(*^^*)

    この本には哲学的だなぁと思うところもいくつか感じられたが、難しくなくて読みやすかった(*^▽^*)

    物語もしっかり面白かった(^^)
    私は高卒なので経験したことがない大学生活。
    楽しそうだなぁ。。。。( ´∀`)
    麻雀をやったことがないのだが、麻雀が分かっていたらもっと面白く読めただろうなぁ。。。



    で、何が苦手なのかは、、、、
    何なんだろうなぁ。。。。
    やっぱり苦手なんですよ(~_~;)

    暫く伊坂幸太郎先生は休憩して、またいつかきっと読みます(笑)

    • bmakiさん
      アールグレイさん

      殺し屋シリーズ、読んでいますよ(*^▽^*)
      AXがそうではなかったかな??
      これはこれでめっちゃ面白かったです...
      アールグレイさん

      殺し屋シリーズ、読んでいますよ(*^▽^*)
      AXがそうではなかったかな??
      これはこれでめっちゃ面白かったです(笑)
      マリアビートル、、、私読んだかなぁ?読んでいないのかなぁ??
      何を読んで何を読んでいないのか、、、わけわからなくなってきています(-。-;

      殺し屋シリーズは面白そうなので、1から読んでみたいですねo(^▽^)o
      2024/02/27
    • アールグレイさん
      殺し屋シリーズの読んでいない本。
      第一弾、グラスホッパー。三、AX。
      順不同になってしまうけれど、いつかきっと読むつもりです!
      殺し屋シリーズの読んでいない本。
      第一弾、グラスホッパー。三、AX。
      順不同になってしまうけれど、いつかきっと読むつもりです!
      2024/02/27
    • bmakiさん
      アールグレイさん

      自分の本棚を見てみたら、グラスホッパーも既読でした(^_^;)

      その感想にも、伊坂幸太郎先生が苦手だと書いてお...
      アールグレイさん

      自分の本棚を見てみたら、グラスホッパーも既読でした(^_^;)

      その感想にも、伊坂幸太郎先生が苦手だと書いておりました^^;

      私もいつかきっと、先ずは未読のものから順に、、、
      2024/02/27
  • 大学に入ったばかりの斜めな性格の主人公の北村を中心に5人で限りなく青い青春を歩む。個性的な人物と独特な雰囲気、ほかの青春小説とは一味違う。

    ある日、鳥井がほかの4人をマージャンに誘い、ここから絆を育んでいく。それからいくつかの事件を通してさらに絆を深めていく。最後の「人間にとって最大の贅沢とは人間関係における贅沢」という言葉はとても身に染みて、素晴らしい読後感を感じさせてくれた。北村の言う通り五人の絆が永遠に続いて欲しい。

    5人組という絶妙なバランスと個性的な人物、伊坂さんにしか書けないと思う。オアシスという青春はあっという間で、これから5人は砂漠という社会に入っていく。社会人になっても5人を見守りたい。若いうちに絶対に読んだ方がいい。

  • 大学に入学し、新入生の懇親会で知り合った、同じクラスの男女5人の物語。
    ボウリング、合コン、麻雀など大学生らしい事柄が頻繫に登場するけれど、伊坂作品にはやはり他と一味違った面白さがありました。

    ものすごく自由で危なっかしくて、しかも充実した濃密な時間を過ごしながら、5人の絆が深まっていきます。
    (動物管理センターのホームページに載っていたシェパード犬の話が特に好きです。
    西嶋くん、サイコーです。)

    この物語は、残念ながら卒業式で終わっちゃうんですけど、名残惜しくて、また最初から読み返して、彼らが入学した頃のことをもう一度思い出したくなりました。

  • 春夏秋冬ときて、そしていつの間にか卒業の春。
    学生時代というのはあっと言う間。
    よくいる大学生のよくある学生生活に、犯罪や悪ふざけという思わぬストーリー展開、そして恋愛、挫折も絡めた五人の満ち足りた日々。大きなヤマがあったわけでなく、淡々と過ぎる時間の愛おしさにじわじわくる。その後巣立つ社会は荒れ果てた砂漠のようでもあり、学生時代は厳しさに放出されるまでのオアシスなのかもしれない。(自分は)それに気づいたのは後になってのことなのですが。
    しかし、この五人が様々な出来事で体験したことで得た結束力や、奇跡を素直に信じる気持ちがあるなら、この先もオアシスは現れるに違いないと思えた。そんな前向きな原動力が湧くような一冊だった。
    熱血な西嶋君とは対照的な、ちょっと冷めた目で世間を見る北村君の語りが良かった。ちょっとこっぱずかしいが、青春小説という雰囲気が出ていると思う。
    莞爾君の言葉が目にとまった。「本当はおまえたちみたいなのと、仲間でいたかったんだよなあ。」
    それは、こういう青春いいなぁ、と遠い目をして思った読み手の自分でもあった。

    解説を読んでどれだけ救われたことか。無駄な(無意味な)時間を過ごすこと。そうやって無意味な時間を積み重ねていくことで、ゆっくり見えてくること、分かってくることが必ずある。焦らずに、その時を待てばいい。若い頃(出来れば学生の頃)読んでいれば、尚良かったのでしょうが、その頃は刊行されてなかったわけで。
    卒業ソングが聞こえてくるこの時期読めて良かった。

  • あぁ面白かった〜!初めての伊坂幸太郎さん。
    読友さんのブックリストで「登場人物がとても魅力的でオススメ」されていたので読んでみました。
    ありがとうございます!
    かっちりしたクラスに囲われた中学高校までとは違う、でもまだ社会には出ていない大学生の不安定さ…そんな心持ちを思い出しました。

  • 青臭いセリフが心に残る

  • 最近、伊坂幸太郎さんの作品に嵌っていて、ついつい手に取った作品。これはもしかして伊坂さんの自伝なのでは?という感じの大学生活の青春群像劇。

    大学で出会った5人の男女を中心に、様々な経験や事件を通じて、社会という砂漠に出るまでの成長の過程を瑞々しく描いている。この5人がまた個性豊かで、不器用なんだけど心根は優しくて何とも愛おしい。

    あぁ、そういえば私もこんな大学生活あったなぁと思い出すくらい、飾らない等身大の彼等の姿に、久しぶりに自分の姿を重ねて思い出すことが出来た。

    私も気になる男子が合コンするとか聞いてショックだったなぁ〜とか、
    飲み会になると別人のように俄然はしゃぐタイプいたなぁ〜とか、
    一限目から来たのに急に休講って凹んだわぁ〜
    などなど・・・

    携帯が徐々に広まり始めた時代だったのか、イエデンが登場するシーンもある。
    私の頃は携帯ポツポツ、その代わりポケベル全盛期だった。並んだなぁ〜。いやぁ〜懐かしい!

    大学時代の何気ない日常や出来事が、社会に出るまでの束の間のオアシスだったんだと今更ながら気付いたりする。
    なんてことは、まるでない。

    この台詞が無性に言いたくなる笑

    読後感も爽快でとても良かった。
    いつもの傑作ミステリーとはまた一味違う伊坂幸太郎さんの青春小説で、ますますファンになった。
    伊坂さん好きの方は必読して頂きたい作品!

  • 愛想なしの美女東堂。平和(ピンフ)にこだわる西嶋。鳥瞰型の北村。スプーンを曲げてしまえる南。やませみのような鳥井。

    どこにでもいるようでどこにでもいない大学生たちの春夏秋冬。
    麻雀はちっとも知らないんだけどやってみたくなります。
    大学生活×麻雀ってなんかいい。
    鳥井君もなんだかんだいい。

    なにより西嶋が憎めないわけですよ。こういう、ある意味「空気を読まない」タイプが愛されて居場所を確立しているところがすごく好き。

    私も西嶋のように臆することなく、正しいと思ったことを主張し行動できるようになりたい。そのためにも大学生活をもう一度やり直す決意をした。

    なんてことは、まるでない。

    • まろんさん
      最後の1行に思わずふきだしてしまいました。
      hetarebooksさんは、そんなお茶目なところもまた魅力ですね(*'-')フフ♪

      私も麻雀...
      最後の1行に思わずふきだしてしまいました。
      hetarebooksさんは、そんなお茶目なところもまた魅力ですね(*'-')フフ♪

      私も麻雀は一度もやったことがないのですが、
      小説や映画で、大学生たちが麻雀しながらダラダラおしゃべりしていたり
      ちょっと崩れた雰囲気の男性が気怠そうに雀荘で煙草をふかしていたりするのが
      なんだか素敵に見えるのはなぜなんでしょうね(笑)
      2012/10/23
    • hetarebooksさん
      まろんさん♪

      伊坂節炸裂のお話だったので、つい伊坂氏モードで書いてしまいました(*'-')♪

      そうそう、なんだか素敵で憧れてしまったりし...
      まろんさん♪

      伊坂節炸裂のお話だったので、つい伊坂氏モードで書いてしまいました(*'-')♪

      そうそう、なんだか素敵で憧れてしまったりしますよね。麻雀、ビリヤード、ダーツ、チェス。このあたりは憧れのテッパンです♪

      麻雀といえば私の友人は寮生活でその魔力により単位を落としまくり、8年生になった子がいます(笑)君子、麻雀に近寄らず…(・・;)
      2012/10/26
  • 大学生の主人公と愉快な仲間たちの物語。合コンしたり、恋したり、麻雀したり。時には事件巻き込まれたり。登場人物の個性が光る、日常の中に起こる非日常を描いた青春物語。

    主人公が僕と同じく、法学部で鳥瞰型の人間だからとても共感できた。主人公が彼女を作るまでは。だから、僕も死ぬ気で彼女を作る。
    『なんてことはまるでない。』

  • 大きな事件ではないが、スリル溢れる事件によって5人の男女の大学生は絆を深める。
    大学の4年間はあっという間なのだろうか。
    社会という砂漠へと足を踏み入れる前に、側から見れば無駄だと思われる時間を大学生のうちに過ごすことも大事なのだと感じた。
    物語が進むにつれて北村が変化していくところに惹かれた。鳥井から鳥瞰型と呼ばれる周りの見える少し冷たい北村であったが、4人との色々な経験を経て変化していくことで、いかにこの経験が北村にとって重要であったのかを感じた。
    本書最後の解説の吉田伸子さんも仰っていた通り、西嶋が一番魅力溢れる人物だった。他の4人もそれぞれ魅力しかないが。
    平和のために平和(ピンフ)で上がろうとしたり、アメリカが企む戦争について熱く述べる姿に胸を打たれた。
    周りにいると煙たがれるタイプではあるが、話してみると案外悪い人ではないタイプだと思う。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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