ゴールデンスランバー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (690ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250267

感想・レビュー・書評

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  • ずいぶん前に読んだ一冊でしたが、未登録のため登録しました

  • 最高に面白かった!!
    是非読んでほしい。
    伊坂幸太郎の本は伏線を回収するタイプが多いが、まさに最後の最後まで上手に伏線を張り巡らしていてぞわぞわする。

    自分が見ている情報が本当に正しいのか、思わされるし、人間には信頼がどれほど大切なのか痛感した。

  • ラッシュライフの次に好き
    エンターテイメント作品
    伊坂幸太郎がちゃんと作り上げたらこうなるんやぞ!と見せつけられた。

  • 伊坂幸太郎初めて読みました。とっても面白かった!はまってしまう予感です。

    国家的な何かによって、首相暗殺犯に仕立て上げられてしまった青柳雅春の逃亡の物語。
    その過程で人が殺されたり、警察による暴力があったり、決して穏やかではないストーリー展開の中、彼の無実を信じて逃亡を助ける面々が、なんともなんとも飄々としていて、でも暖かいんです。
    最後はじわっと来ました。これは信頼の物語かな。

    登場人物の名前が一貫してフルネームで書かれ、また、短い会話の連続のとき、言葉の長さをきれいに揃えて鍵かっこが一直線に並ぶのは、伊坂さんの特徴なのか…、次の作品で確認します(笑)

  • 読み始めると止まらない。
    物語の筋がしっかりしている。その上、筋を支える細かな描写が面白い。
    チョコレートと魚のゲームで別れを決める場面や、歌を口ずさみながらさよならを言う友人の場面。森田屋〜と叫ぶ場面など、物語が筋を決める重要なきっかけが全部なんでもないこと である。
    実際にわたしたちの生活だってそんなもんだなぁなんて思いました。
    僕の人生、よくできました止まりなんだよなぁ、という部分は秀逸なラストシーンにつながるし、主人公のエレベーターのボタンを親指で押す癖も鍵を握る。
    伊坂幸太郎が得意な、登場人物がだんだん出会っていく手法も、出会わせることが目的ではなく、主人公がにげながら人生をつかんでいく大筋にそってそれを支えるように描かれているので、ご都合主義な雰囲気が隠れていて丁度よく楽しめた。
    ラストまで読んで、これはあり得ない話の現実的な結末に落ち着いたなぁと思った。読み終わった時の爽快感はもう少しほしかったけど、これ以上のハッピーエンドは物語の空気を軽くしてしまうような気もして、これがいちばんだったのかなぁなんて思いました。

  • 珍しく、映像が先で原作を読むまで三年位経っていた。当時一緒に観た友人も伊坂フリークで、色々感想を言い合ったものだ。

    大統領暗殺の濡れ衣を着せられたオズワルドのように、首相暗殺の犯人にされ、訳もわからないまま逃げ回る青柳。映画では堺雅人さんが演じていたはず。なるほど二枚目ではあるが、悪意に満ちた犯人にも見えなくはない。(ちなみにカズは劇団ひとりが演じた)

    立ちはだかる大きな陰謀、キーマンたちは消され、追い詰められる青柳。
    ターゲットにされた恐怖と理不尽さに戸惑い、怒りながらも逃げ続ける彼を手助けするかつての仲間たち。

    よくまあこれだけの伏線を全て綺麗に回収出来たなぁ…

    お話としては犠牲者が多くやりきれない気持ちになるけれど、いつか伊坂さんマジックで他の作品に登場する青柳がみたいなぁ。

    • kwosaさん
      「伊坂さんマジックで他の作品に登場する青柳」いいですね。
      映画も面白かったですが、やはり再読してわかる原作の凄さ。
      再読すると第三章は、「若...
      「伊坂さんマジックで他の作品に登場する青柳」いいですね。
      映画も面白かったですが、やはり再読してわかる原作の凄さ。
      再読すると第三章は、「若者たちが、『〜アメリカみたいだ』と嘆いていた」や「森の声も聞こえなかった」という記述から、このノンフィクションライターがおそらく青柳であろうことがわかります。そう考えると青柳は日の当たる世界できちんと生活し、あの事件の真相を白日の下にさらそうとしている、本当の意味で逃げ切ったのだと思われます。
      作中にノーマルENDとは別に真ENDをまぎれこませるとは「伊坂幸太郎すげぇ!!」って思ってしまいます。
      2012/11/11
    • hetarebooksさん
      kwosaさん

      そうそう、「百聞は一見に如かず」と言いますが小説の映画化の場合しばしば逆の、(聞くと読むは違いますが)現象が起こります...
      kwosaさん

      そうそう、「百聞は一見に如かず」と言いますが小説の映画化の場合しばしば逆の、(聞くと読むは違いますが)現象が起こりますよね。

      伊坂さんのように小ワザをたくさん仕込む作家さんは特に。。。

      青柳の実家に届いた「痴漢は死ね」にあやうく泣きそうでした。
      本当に読めば読むほど追いかけたくなる作家さんですよね。
      2012/11/14
    • kwosaさん
      hetarebooksさん
      コメントありがとうございます。
      いやあ、僕もまさか「痴漢は死ね」なんて言葉で目頭が熱くなるとは思いませんでした。...
      hetarebooksさん
      コメントありがとうございます。
      いやあ、僕もまさか「痴漢は死ね」なんて言葉で目頭が熱くなるとは思いませんでした。
      伊坂作品を読み慣れてくると、ついつい「これが伏線かな」なんてひねくれた読者になりがちなんですが、いつもさらに上をいき楽しませてもらっています。
      エンタテインメント性たっぷりでありながら、人間の心の機微も感じさせる稀有な作家さんですよね。
      同時代に「伊坂幸太郎」を読める幸せをあらためて噛み締めています。
      2012/11/15
  • こわい・・・
    真実とか正義とかを明らかにしていく話だと思っていたのに、まさかこんな怖いとは。

  • 首相暗殺の犯人にされてしまった男の逃亡劇

    以下、公式のあらすじ
    -------------------------
    俺は犯人じゃない! 巨大な陰謀に追い詰められた男。スリル炸裂超弩級エンタテインメント。山本周五郎賞、本屋大賞ダブル受賞。
    衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない──。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
    -------------------------

    映画を視聴済みなので、青柳は堺雅人、晴子は竹内結子、三浦は濱田岳をイメージしながら読んでしまった
    他のキャストはあまり覚えてないなぁ
    あと、滝藤賢一も出てたな

    映画だと、キルオの存在が何とも唐突で何故味方をしてくれるのかよくわからないまま終わってしまった印象だけど
    本編の方でも明確に来歴などは語られてなかったのね
    でもまぁ三浦の背景がなんとなくわかった

    あと、青柳がスケープゴートにされた理由も、好印象の人物の反転を狙ったものだったり
    一番の候補でなかった可能性など、映画では疑問として残ったところが、もう少し奥まで事情が察せられる
    まぁ、小説を読んでもすべてが明らかになっているわけではないのだけれどもね

    この辺のすべてが明らかになっていないという事情があとがきで語られている
    物語の風呂敷をたたむ過程が一番つまらない、畳まなさ具合に味があるとの事

    確かに、綺麗に風呂敷を畳む作家さんは多いけど、風呂敷を畳んでいないのに終わり方に読者が満足する作品というのも余計にハードルが高くないだろうか?

    今作は序盤から色々と伏線があり、それは事件の解決のためのものではなく、逃亡が成功した後に向けてのもの

    「よくできました」止まりではなく、「たいへんよくできました」のやりとりとか
    「痴漢は死ね」というメッセージとか
    キャバクラの事の暴露とかね


    元ネタになっているケネディ大統領暗殺事件にしても、事件当初犯人と考えられた人物は結果的に亡くなっていて、真犯人がいるのかどうかも含めて不明という状況なわけで
    それを元にしているのであれば、真相がわからずじまいな物語というのもまぁそれはそれでありなのでしょうねぇ


    スタイリッシュな社会風刺や政治風刺は伊坂さんらしいと思ってしまう
    セキュリティポッド導入の背景、その他にも権力者の思うような社会の実現のために情報をコントロールされている描写など


    そして、伊坂さんといえば、作品間のクロスオーバーだけど
    他作品にも登場してる人はいるのかな?

    保土ケ谷は地名なので、死神の可能性はないか?
    とも思ったけど、死神にしては感情豊かだし
    ミュージック好きな描写はないし
    素手で人に触ってるので違うかな

    もしくは裏稼業っぽい事を言っているので、保土ケ谷や三浦は他のシリーズ、特に殺し屋関係に出てるのかな?
    うーん、伊坂作品はそんなに読んでないのでわからぬ

  • 4.7

    主人公の根気と運の良さにあっぱれ!
    視点が短いスパンで切り替わるのでテンポよく読めた。
    ラストシーンの描写がすごくお洒落で、読後感も最高だった。

  • 本作のレビューを拝見し、本を読んでいてハラハラやドキドキするなんて、よくある謳い文句に過ぎないと高を括っていたが、的確な表現そのものでした。
    感無量の極み。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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