ゴールデンスランバー (新潮文庫)

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著者 : 伊坂幸太郎
  • 新潮社 (2010年11月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (690ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250267

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ゴールデンスランバー (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 言わなくても信じて助けてくれる人たちがいる、それは習慣と信頼、日々人と向き合ってきちんと生きていたからで、毎日を不誠実に生きている私にはとても縁遠いけどこの本は読んでいてぐっとくる場面が多かった。ベタだけど親父の囲み取材、バッテリー交換、は素直に感動した。学生時代の話を挟んでくるんだけどそれがまた思い出話に終わらないちゃんとした伏線になっていて、実に気分が良い。保土ヶ谷とかキルオのように初対面でほいと味方になってくれてなんて御都合主義なところもあったけど、そこまで気にならない。服を交換してくれる若者達はあまりにファンタジーだったけどまあエンターテイメント小説だしこまけえことはいいんだよ。私が苦手とするえん罪で追われる系の話、1~2章の取っ付きにくさもあってなかなか進まないけど途中から俄然面白くなる。登場人物が魅力的。悪い奴は悪い奴、良い奴はちゃんと最後まで良い奴、女性がさばさばしてて強い。ちょっとしか出てこないけど樋口の夫がすごくかっこいい、器の広い良い男。轟社長の息子も男らしくてかっこいい。そして最後の章、わかる人だけわかればいい、その方法が粋で黒幕とか理由とか色々どうでも良くなった。ロックだぜ。

  • 「早く、1行でも早く続きを読みたい」という想いに駆られながら一冊を読みきったのは久しぶりの体験だったかもしれない。
    首相が衆人環視のなか暗殺され、その犯人に仕立て上げられた主人公・青柳雅春。わけのわからない状況下、あらゆる知恵や勇気を振り絞り、とにかく逃げる、逃げる、逃げる……。
    それまでの人生で出会った人たちに様々な形で逃亡の手助けをしてもらい、最後の最後に痛快な結末を迎えられたのも、その人たちに「真犯人ではない」と心から信じてもらえる何かを、青柳が見せてきたからにほかならない。
    いや、ディテールを語ることや陳腐な常套句を使った褒め言葉はこの作品には不要だ。「とにかく、ひたすら、めちゃくちゃおもしろい」ということでいいのではないかな?

  • 読み始めると止まらない。
    物語の筋がしっかりしている。その上、筋を支える細かな描写が面白い。
    チョコレートと魚のゲームで別れを決める場面や、歌を口ずさみながらさよならを言う友人の場面。森田屋〜と叫ぶ場面など、物語が筋を決める重要なきっかけが全部なんでもないこと である。
    実際にわたしたちの生活だってそんなもんだなぁなんて思いました。
    僕の人生、よくできました止まりなんだよなぁ、という部分は秀逸なラストシーンにつながるし、主人公のエレベーターのボタンを親指で押す癖も鍵を握る。
    伊坂幸太郎が得意な、登場人物がだんだん出会っていく手法も、出会わせることが目的ではなく、主人公がにげながら人生をつかんでいく大筋にそってそれを支えるように描かれているので、ご都合主義な雰囲気が隠れていて丁度よく楽しめた。
    ラストまで読んで、これはあり得ない話の現実的な結末に落ち着いたなぁと思った。読み終わった時の爽快感はもう少しほしかったけど、これ以上のハッピーエンドは物語の空気を軽くしてしまうような気もして、これがいちばんだったのかなぁなんて思いました。

  • 首相を暗殺したのが誰なのか、なぜ青柳が犯人にしたてあげられたのか等、真相部分は一切解明されない。
    あくまでも、青柳がこの状況からいかに逃げ延びることが出来るか に焦点を当てて書かれた作品。でも、一切の謎解きがなくてもその逃走の過程が楽しめました。
    最後の「たいへんよくできました」を目にした時は何だかすごく嬉しくなった。

  • 映画を見たので原作読んでみた。
    読んでるうちに俳優さんで物語が再生されてしまったけど、違和感全然無かったし、映画見た上でも楽しめた。
    約500ページの長編なのに、映画はほとんど削られてなかったし。原作も映画も良い。珍しく。

    これは「伊坂幸太郎的に娯楽小説に徹したらどうなるか」という発想から生まれた作品、とのこと。
    その目的に違わず、主人公が逃げ続けるエンターテイメント作品になっている。
    逃げる青柳と、心配する樋口、そして二人の過去が紡がれながら進んでいく。
    構成が巧みだなー。


    「人間の最大の武器は習慣と信頼だ」
    っていうのが好き。
    仲間との信頼の糸が見える場面がとても良い。

  • 伊坂幸太郎初めて読みました。とっても面白かった!はまってしまう予感です。

    国家的な何かによって、首相暗殺犯に仕立て上げられてしまった青柳雅春の逃亡の物語。
    その過程で人が殺されたり、警察による暴力があったり、決して穏やかではないストーリー展開の中、彼の無実を信じて逃亡を助ける面々が、なんともなんとも飄々としていて、でも暖かいんです。
    最後はじわっと来ました。これは信頼の物語かな。

    登場人物の名前が一貫してフルネームで書かれ、また、短い会話の連続のとき、言葉の長さをきれいに揃えて鍵かっこが一直線に並ぶのは、伊坂さんの特徴なのか…、次の作品で確認します(笑)

  • 珍しく、映像が先で原作を読むまで三年位経っていた。当時一緒に観た友人も伊坂フリークで、色々感想を言い合ったものだ。

    大統領暗殺の濡れ衣を着せられたオズワルドのように、首相暗殺の犯人にされ、訳もわからないまま逃げ回る青柳。映画では堺雅人さんが演じていたはず。なるほど二枚目ではあるが、悪意に満ちた犯人にも見えなくはない。(ちなみにカズは劇団ひとりが演じた)

    立ちはだかる大きな陰謀、キーマンたちは消され、追い詰められる青柳。
    ターゲットにされた恐怖と理不尽さに戸惑い、怒りながらも逃げ続ける彼を手助けするかつての仲間たち。

    よくまあこれだけの伏線を全て綺麗に回収出来たなぁ…

    お話としては犠牲者が多くやりきれない気持ちになるけれど、いつか伊坂さんマジックで他の作品に登場する青柳がみたいなぁ。

  • 後半一気に読みました。
    少しずつ話が繋がる快感が気持ち良く、最後の回収は見事。
    真相は藪の中でもやっとすることがわかっているにもかかわらず、ラストの爽快感がすごい。

  • 現実味の無いストーリーに加え展開やキャラクターに大分無理がある所もありましたが…

    それでも、もしかしたらこんな事もあるのかも知れないと思わせる文章能力で最後まで楽しむ事が出来ました。

    現実世界でもしも自分が同じような目に合ったとしたら、どれだけの人が自分を無実だと心から信じ危険と承知で手助けしてくれるだろうかと考えてしまいました。

    そんな人が何人いるだろうかと…

    過去の仲間達、両親、初めて合った人でさえも助けたい信じたいと思わせる…
    青柳雅春のこれまでの生き方・人柄(人徳)だろうなぁと思った。

    すべてを捨て自分が自分だと名乗り出る事の出来ない彼のこれからの生活を考えると、絶望的で救われない状況に思えるけれど

    彼が生きている事を信じ心から幸せを願っている人がいる。彼にとって唯一の救いだと思った。

    所どころに散りばめられた物が繋がっていくラストにはぐっときました。

    ☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:

    緊張感ある内容なのに、クスッと笑える場面やキャラクターがいるのが良いですね。

  • 映画が面白かったので、原作も読んでみる事に。
    巨人のような巨大すぎる実体の分からない権力に立ち向かうすべのない私達がすることは「逃げる」という手段しかないのかもなぁとただの端にも棒にもひっかからない一国民としては思う所がすごく大きい話だった。
    ただ、本当に自分が「信頼」する人々の言葉がどれだけ大きいのだろうかとか、また考えさせられた。
    特にお父さんの言葉には感動したなぁ。
    大きな謎は残るがそれが物語の本題ではないことはわかるので、もやっとしたところは残っても、これが今現実にあったとしてできることだったんだと思う。

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ゴールデンスランバー (新潮文庫)の作品紹介

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない-。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。

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