3652: 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • / ISBN・EAN: 9784101250298

感想・レビュー・書評

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  • 小説家である伊坂幸太郎の2000年から2015年の間のエッセイ集。
    あの不思議小説が作られる頭の中身を少し垣間見たような。

    あとがきにおいて「エッセイが得意ではありません。」と書くのはお約束のような気もする。小説家が「実は、小説よりもエッセイが得意なんですよね。」とかいうのはあまり見たことがないし。

  •  時に彼は、鎖に繋がれた犬の頭を撫でつつ、「おまえは偉いなあ、一人で生きて」と話しかける。 -父の犬好き

  • 伊坂さんのエッセイを本人の解説付きで読める文庫版。
    エッセイの内容は小説に関係するものが多く、真面目だなあという印象。他にはこれまでの作品の裏話や奥様との仲の良さが垣間見れて面白い。あとはエッセイの中で伊坂さんが上げた小説を無性に読みたくなった。

  • 干支エッセイは面白い。作品レビューや、解説が多く、それらを知らないとあまり楽しめないと思ったが、まずそれらを知らない自分に辟易した。

  • 伊坂幸太郎のエッセイ。
    自身の書いた本への思いやオススメの本、映画や音楽、喫茶店での出来事、干支噺などが人柄がにじみでた優しい文体でつづられている。

  • 読みはじめはエッセイが苦手と書かれていたこともあり、やはりそうなのかな?と思ったのだけど、読み進むうちに文体がどんどんとこなれて面白くなって、干支が回ってくるのを楽しみにしたりしていた。駄洒落はちょっとどうかなと思ったけど。
    文章に人柄が出ており発想や矜持のようなものが垣間見えて良かったしもっと好きになった。

  • 伊坂幸太郎ファンにはたまらない一冊です。
    何と言っても「干支エッセイ」。
    困りながらなのか楽しんでるのかわかりませんが12年続いた年頭エッセイ。
    私は十分に楽しめました。

  • 「伊坂幸太郎」のエッセイ集『3652―伊坂幸太郎エッセイ集―』を読みました。

    『火星に住むつもりかい?』、『夜の国のクーパー』、『残り全部バケーション』、『ガソリン生活』に続き、「伊坂幸太郎」作品です。

    -----story-------------
    愛する小説、苦手なスピーチ、憧れのヒーロー。
    「小説以外」を収録した初のエッセイ集。

    エッセイが得意ではありません――。
    自らはそう語る「伊坂幸太郎」がデビュー以来ぽつぽつと発表した106編のエッセイ。
    愛する小説、映画、音楽のこと。
    これまた苦手なスピーチのこと。
    憧れのヒーローのこと。趣味を語る中にも脈々と流れる「伊坂」的思考と、日常を鮮やかに切り取る文体。
    15年間の軌跡を辿った、初のエッセイ集。
    裏話満載のインタビュー脚注に加え、幻の掌編2編を収録。
    -----------------------

    デビュー10周年のタイミングでまとめたエッセイ集として2010年(平成22年)に単行本として出版されたので、10年間の日数… 365日×10年間+うるう年の2日の合計である3,652日がタイトルの由来となったようです、、、

    その5年後の2015年(平成27年)に出版された文庫本を購入したので、5年分のエッセイや掌編が追加収録された作品です。

     ■2000年
      ・幾つもの映像や文章に影響を受け、そして現在
     ■2001年
      ・キャラメルコーン
      ・ハードボイルド作家が人を救う話
     ■2002年
      ・健康療法マニア
      ・アメリカンコーヒーゲーム
     ■2003年
      ・B型とセガールとヨーグルト
      ・映画館は平和だ
      ・言葉の壁
      ・自由な席
      ・ごきげんよう
      ・壁
      ・連絡を待つ
      ・会いましょう
      ・心を広く
      ・町から戻り、本を読もう
      ・狂っちゃいないか?
      ・読んでいるだけで幸せな気分になりました。
      ・CD特等席
      ・一〇六人の作家に聞きました。
      ・叫ぶ、叫ぶとき、叫べば、叫べ
      ・私の隠し玉
     ■2004年
      ・猿で、赤面
      ・読書亡羊
      ・また、っていつだよ
      ・マニュアル通り
      ・わが心の恋愛映画 フィッシャー・キング
      ・よろしくお願いいたします。
      ・私が繰り返し聴く3枚のCD
      ・熱帯と化した東京を舞台に灼熱のファンタジー
      ・こちらマガーク探偵団
      ・「亡くなったけれど、ベンチにいる」人たちの声が聞こえる短編集
      ・我、この地を愛す。仙台01 政宗が二人
      ・我、この地を愛す。仙台02 自慢話
      ・我、この地を愛す。仙台03 松島
      ・私の隠し玉
     ■2005年
      ・吾輩は「干支」である
      ・人気作家63人大アンケート!
      ・運命を分けたザイル
      ・記憶に残る短編小説
      ・青春文学とは?
      ・これは僕の映画だ! としか言いようのないアカルイミライ
      ・リョコウバトのこと。
      ・連作のルール
      ・魔王が呼吸するまで
      ・大好きな本 『キャプテン翼』
      ・調査官とチルドレン
      ・私の隠し玉
     ■2006年
      ・父の犬好き
      ・経験を生かす。
      ・近況
      ・いいんじゃない?
      ・「強度のある小説」という言葉にもっともふさわしい作品
      ・打海文三の指摘が的確であろうと、的外れであろうと、僕は姿勢を正さずにいられない
      ・無邪気なようでいて、イマジネーションと邪悪さに満ちた、実は恐ろしい物語
      ・警察や国を、どこまで信じていいのか? この事件の顛末に、恐怖を感じずにはいられない
      ・このマンガを読んでいると、喜怒哀楽に分類できない、変な感覚になる
      ・あの作品につけたい「架空サウンドトラック」
      ・『鎌倉ものがたり』が描く異界の日常
      ・私の青春文学、この一冊 『叫び声』大江健三郎
      ・特別料理
      ・私の隠し玉
     ■2007年
      ・猪作家
      ・お正月は映画ですごそう
      ・身近な生活と広大な世界を、同時に歌える稀有なバンド
      ・人気作家63人大アンケート!
      ・『ぬかるんでから』佐藤哲也 解説
      ・どれにしようか。興奮しながら本の準備
      ・恰好いい小説
      ・私の隠し玉
      ・青春の棲みか
     ■2008年
      ・逃げ出したいネズミ
      ・人気作家63人大アンケート!
      ・僕を作った五人の作家、十冊の本
      ・斉藤和義さんとの仕事
      ・『ぼくが愛したゴウスト』打海文三 解説
      ・私の隠し玉&私のハマっている○○
     ■2009年
      ・牛の気持ち
      ・人気作家55人大アンケート!
      ・精神宇宙を旅するかのような本に惹かれます。
      ・私の隠し玉&私のデビュー直前/直後
     ■2010年
      ・おもちゃの公約
      ・人気作家56人大アンケート!
      ・武田幸三という格闘家の存在。
      ・三谷龍二のもうひとつの世界
      ・「残り全部バケーション」オートマとバケーション
      ・十年目に考えたこと。
      ・私の隠し玉
     ■2011年
      ・う・さぎの話
      ・人気作家54人大アンケート!
      ・『殺し屋 最後の仕事』ローレンス・ブロック 解説
      ・私の隠し玉
     ■2012年
      ・タツノオトシゴの記憶
      ・私の隠し玉&二〇一二年の№1
     ■2013年
      ・時にはとぐろを巻いて
      ・人気作家54人大アンケート!
      ・豊かで広大な島田山脈の入り口
      ・ヒーローに必要なもの
      ・スピーチはしたくない。
      ・私の隠し玉
     ■2014年
      ・木馬が怖い
      ・「国境なき文学団」アンケート
      ・人気作家57人大アンケート
      ・「!」と「?」
      ・私の隠し玉
     ■2015年
      ・メエにはメエ
      ・人気作家58人大アンケート
     ■Bonus track
      ・定規
      ・ソウルステーション
     ■あとがき(この本ができるまで)
     ■文庫版あとがき

    「伊坂幸太郎」が偏愛する本や映画に音楽、喫茶店で巻き起こる数々の奇跡、退職を決めたあの日のこと、干支に恐怖する年末年始、封印された小説のアイデア、青春の部屋の直筆間取り図、デビュー前のふたりの恩人、恐るべき料理 等々に加え、裏話満載の語り下ろし脚注付きなので、ファンには堪らない内容でしたね。

    個人的には、、、

    映画館でのマナー(の悪さ)に共感した『映画館は平和だ』、

    新幹線の自由席をフリーダムと言ってしまった駅員さんに笑ってしまった『自由な席』、

    映画と漫画は映像を見せてしまうという点で同じジャンルだが、そういう意味で言うと小説は音楽の仲間ではないかと語る部分に共感した『町から戻り、本を読もう』、

    年配の男性二人が、IP電話のIPが何の略か語り合う… そして『ミッション:インポッシブル』と間違いそうになるシーンで笑ってしまった『よろしくお願いいたします。』、

    読んだ小説のあらすじを覚えていない… という部分に、思わず納得しながら読んだ『記憶に残る短編小説』、

    が印象的でしたね。

    あとは、「ザ・ブルーハーツ」や「斉藤和義」、「ラモーンズ」等、好きなミュージシャンが紹介されていることに喜んだり、「キーズ・ピータースン」や「ローレンス・ブロック」、「島田荘司」の作品が紹介してあり読んでみたくなり… と、趣味の近い部分を嬉しく感じながら、そして愉しみながら読めました。

    たまにはエッセイも良いですね。

  • エッセイ集にするために書いたものでなく、10年間色々なところで書いたものを集めた形。
    エッセイが苦手と何度も書いてあったり、おやじギャグがあったり、お勧めの本や映画がちょこちょこ紹介されてたり、マイナス思考というか極端な不安症?!。その割に結構残酷な表現が好みだったり。
    当たり前だけど、エッセイだから普段の作品と違って、思ったことをツラツラ書いてるメールを読んでる気分になる。以前読んだエッセイでも感じたような、人となりに触れられた。
    作品への思いを書いてある部分が、政治風刺に感じてほしくないとか、そういう風に思って書いてたんだなと知れたのはよかった。
    作品は、作者の思いもだけど、読む側がどう受け取るかで全く違うものになる。どちらが正解とかはないし自由だと思うけど、一つの見方だけでなく色んな角度で見ると面白さが増して、前の作品もまた読みたくなる。

  • ファンとしては大満足な内容でした!伊坂さんの人柄と、人となりが伺えて、これからも応援します。伊坂さんの好きな小説や映画も観てみようと思います。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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