ジャイロスコープ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 8051
感想 : 720
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250304

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの伊坂幸太郎。面白い。

  • 初伊坂幸太郎氏。「世にも奇妙な物語」を読書している気分になりました(´艸`*)ときどき時系列が分からなくて少し混乱してしまいましたが、面白かったです。最後のまとめのような短編が特に読んでいて楽しかったです。

  •  短編集。一つ一つの話が全く違うのに、これをどうやって最後に収束するんだ?と疑問に感じながらも楽しみにしていたのだが、最後の短編で、それぞれの登場人物は出てくるものの、それを収束しようという気はそれほどなかったようで。いつもの伊坂幸太郎を期待していたため、少しガッカリ感があったのは事実。
     それでも、それぞれ面白く読めた。
    ここからネタバレ
     『浜田青年ホントスカ』では、たまたまそこに宿泊することになった浜田青年が怪しげな相談屋さんに声をかけられ、バイトすることになるのだが、その相談屋さんは、実は浜田青年を誘拐する依頼を受け、監禁していたのだが、浜田青年は浜田青年ではなく、殺し屋で、浜田青年と入れ替わり相談屋を殺しに来たという設定。裏の裏をかくというか、伊坂幸太郎ならではの発想で楽しめた。
     『ギア』は、謎の生物に追われることになるバス。そのバスに乗っているのは、何の関係もない男女。あまりに現実味のない話で、自分的には好きな部類ではないのだが、乗客の会話が面白い。「もっと光を」「もっとセックスを」には笑えた。
     個人的に一番面白かったのは『彗星さんたち』。新幹線の掃除をしている人たちの話なのだが、ある日、みんなから信頼の厚い鶴田さんという女性が病院に運ばれる。そんな時にいろいろな乗客がいるのだが、靴下を置き忘れてしまった赤ちゃんであったり、東京まで2人きりで来た小さな姉妹であったり、DV夫から妹を遠ざけようと、東京まで連れてきたお姉さんだったりと。それらを全部繋げてその鶴田さんの人生では?と、ありえないのだが、もしかしたらそうなのでは?とみんなで話し合っている場面が面白い。それで実際、読者にもそう思わせてしまえる伊坂幸太郎はやはり素晴らしい。
     でも、やはり伏線の収束を期待してしまっただけに尻つぼみの印象が残った。

  • ちょっと読みづらい短編集。ifが中でも好き。皮肉な小説がやはりうまい。最初の話(蝦蟇倉市事件1)以外は読んだことなかったです。最後の書き下ろしの締めはさすが。こんなにばらけてるのにうまくまとめたなー。

  • 一人では無理がある。
    サンタさんのお話し。これがいちばん面白かった。他は微妙だった。

    ギヤ
    セミンゴはびっくりするくらいおもん無かった。

    伊坂幸太郎が好きなだけにジャイロスコープはちょっとガッカリだった。

  • 久しぶりに頭を使った感じがする。

  • デビュー12年の節目に出された短編集。伊坂さんらしさが出てるのは「浜田青年ホントスカ」かな?読んでて楽しかったです。結末は良くはないけども。ギアは、ファンタジーで面白かったし、ifはちょっとした意外性が良かった。「一人では無理がある」は、他の話ともリンクしてて、回収されてく様が気持ちいいです。最後にインタビューがあって、ご本人の作品に対する考え方とかがあって、そこが一番良かったんだけど。デビュー作から読み続けている作家さんなので、今後も追って行こうと思います。

  • 久しぶりの再読。
    SF色、ファンタジー色のある短編集。
    サンタクロースの話はなかなか好きだった。こういうオチがあるから伊坂さんは止められない。
    中にはオチがあるのかなんなのか、というものもあったが、気楽に読むには良い。
    文庫版のみの書き下ろしは、収録された作品とのリンクが楽しめる。

  • 7つの短編。7つ目は割と強引に詰め込まれている感じがする。
    いつもの伊坂作品と比べるとパンチが弱いというか。
    「浜田青年ホントスカ」はラストがはっきりしなくてモヤモヤ。「ギア」はセミンゴはすごく気になるが、結局どういうことなのか謎。
    「2月下旬から3月上旬」と「if」が好み。

  • 短編集。伊坂さんは、短編集も面白いんだよな。他の短編集でも読んだことある話もあったけど。
    「彗星さんたち」、「一人では無理がある」が好きかな。
    伊坂さんの作品は、ユーモラスで洒脱なキャラクターたちとウエットの利いたフレーズの数々がなんといっても魅力だけど、作品によっては殺し屋が出てきたり、拷問があったり、死が多かったり。。。と必要かな?という悪も出てきたりするんだけど、私はそっちの方向はあまり好きじゃない。でも、ホロリ笑わせてくれて、最後は鮮やかに散りばめられた伏線が見事回収され、ハッピーエンドで終わるような話も多く、私はそっちの方がやっぱり好きだな。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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