- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101250564
感想・レビュー・書評
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131207 中央図書館
自分の場合の16才の頃がどうだったのか、具体的なエピソードはあまり思い出せない。すこし中途半端で淡い年齢なのかもしれない。未来が永遠に続くような思い込みの下で日々を過ごしていたことには違いないだろう。
そういえば、4TEENも6TEEN も、やや中途半端な年齢を取り上げているということに、今気付いた。石田も結構面白いな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
石田衣良の直木賞受賞作『4TEEN』の続編。16歳になった4人の少年の日々が描かれる。正直なところ『4TEEN』を楽しく読んだのは10年以上前なので忘却の彼方だったんだけど、読んでいるうちに空気感がよみがえってきた。
少年たちは輝いている、少女たちよりも。それはたぶん、自分が女性よりも男性のほうが主体的に生きていると思っているから。14歳であっても16歳であっても少年(男性)ならそうだし、将来が未知だからこその希望を抱え、その一方で周りのことを考えたりウジウジ気にしたりしている。この小説ではそんなアンバランスな世代特有の輝きが美しく描かれている。
中の中くらいに自分を評している主人公のテツローだけど、友達からも女の子からも一目置かれる存在だし、いろいろ変化がある日々を送っている。自分が16歳の頃って、いまとなっては何をしていたのか記憶にないような思い出す気にもならないようなどーでもいい日々だった気がするんだけど、それとは大違いでうらやましい。
エンタメ小説だし、しかも口当たりのいい小説がお得意な石田衣良の手によるものだからすいすい読める。東京育ちだからか石田衣良が投影されているのか、テツローはそつがなくスマート(過ぎ)である意味クール(過ぎ)。現実世界のアイテムが文中に散りばめられているんだけど、このスマートさがフィクションっぽさを醸している。現実にこんな都内在住の16歳の少年なんていないよね、きっと。 -
青春の色んなことが詰まっていて、心がキュンとなる。
おじいさんとの話と、ユズルの話がよかったな。 -
記録
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下町を舞台に、青春真っ盛りの高校生達がありのままの姿で描かれている。
女性との初体験や余命宣告を受けた同級生、自分の青春時代と照らし合わせると共に、自分がそこまで一瞬一瞬の出来事に対して考えを深めたり、想いを寄せたりということができていなかったなと思った。
今もそうだが、毎日の小さな出来事も何か意味があるし、大切にしていかないといけない。 -
4TEENの続編。
個人的には4TEENの方が好きだった。
エモい描写は多いが、前作の方が共感を得られた。
14歳と16歳にそこまでの違いを感じない自分にとっては、18歳で続編を作って欲しかった。
●印象的な描写
・ガードレールに腰かけて、ペットボトルからぬるくなった水をのむ。夏の夕方にのむ水は、なぜあんなに切ないのだろう。 -
久しぶりに青春小説を読んだ。タイトル通り16歳の日常が描かれている。読んでいて、自分がそのときに戻ったような感じになってすらすら読めた。やっぱり16歳という年頃は多感でいて、スリリングなことを好み、臆病でもある。退屈な日常は嫌い、変化があることを今か今かと待ち構える。そんなことを感じさせられた。
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前作に比べるとちょっと面白さが弱い
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4TEENの方が好きだったけど、またあの四人に会えてうれしかったです。世の中にはいろんな人がいて、たくさんの人に出会うことで傷つけられたりもするんだけど、この四人は誰か人のことを否定することがなくてかっこいい。解説でも「四人は誰のことも否定せず受け入れ、その言葉に耳を傾ける」と書かれていたように、そこは14歳の時から変わらなくて4TEENの「月の草」でテツローの彼女に四人でとった行動も優しくて、かっこよかったのを思い出しました。そこはこれからも変わらないでいてほしいな。いつかまた大人になった四人に会いたいです。