6TEEN(シックスティーン) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250564

感想・レビュー・書評

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  • H30.5.9 読了。

    ・4TEENの続編の連作短編集。16歳になったダイ、ナオト、ジュン、テツロ―の4人の物語。もんじゃ屋の店主やホームレスの老人、携帯小説の作者などなど。どんな偏屈者といわれる個性の強い人たちでも受け入れる度量の深さは、見習わなきゃと思わされる。この4人の世界観も好き。
    その後の続編に期待したい。

    ・「ものそのものらしく元気にしてやるには、いつも人間が手をいれてさわって、表面につもっていく時間の垢を落としてやらなきゃならないのさ。」
    ・「なんでも人のためにだけするという人間を信じないんだ。誰がどんなことをするにしたって、半分以上は自分のためにするもんだ。人間なんて、そんなものじゃないかね。」
    ・「恋愛とか、大人とか、結婚とか、ほんとにみんなずるいよ。そんなの全部、自分だけがかわいい欲でしょう。欲望に恋に愛とか、カッコいい包装紙をかぶせただけなんだよ。」
    ・「かわいい子を見ると、単純にうれしくなる。こんな回路を複雑な脳のなかにつくってくれた神様には、お礼をいったほうがいいのかもしれない。」
    ・「自分がなんの仕事がしたいかではなくて、逆に自分にとって気もちのいい距離で働ける仕事はなにか探してみたらいいのかもしれんな。給料よりも、出世よりも、自分の心の寸法があうってことのほうが大事だ。」
    ・「わかるか、親は愛してるといって、子供を縛る。会社は守ってやるといって、命をさしだせという。ほんとの大人になるというのは、愛情だの安全だの常識だのから、自分なりの距離をとれるようになることだ。」
    ・「ついてないことや悪い運命は、ただ忘れちゃうのが1番いいのだ。いつまでも覚えていて、傷ついているよりはね。」
    ・「著者はすべての人のことを、この世界に生きる仲間として登場させている。(中略)偏見や屈託なく物事と対峙していることは間違いない。それはしごくまっとうで、フェアなことだ。(解説より)」

  • 作者が直木賞を受賞した4teenの続編!

    大喰らいのダイは前作で知り合った子持ちの女子高生ユウナさんと同棲中。
    ジュンは東大合格率の強豪校へ進学!
    ナオトは病気のせいで白髪が増えた。
    テツローはあいかわらずの可もなく不可もなくの普通。

    彼ら四人の高校生のほぼ一年の物語!


    前作の登場人物達もチラホラと出てくるのに懐かしさを感じます。
    必ず最後まで読んで欲しい作品!


    これぞ日本版のスタンドバイミー!

  • 高校生になった4人たちの話しでダイの家庭環境やクラブ?にいた女の子たちのその後などについて書かれていました。同級生の死によってさらに4人の絆が強まった感じがしました。

  • この人の本は読後すっきり、よし、明日から頑張ろう、と思えることが多い。前作の4ティーン同様、当時を彷彿させていただいた。
    16歳、自分に置き換えると恋愛、バイト、バイク、それこそいろいろな体験をしたけれど、どれも今の時分から俯瞰するといい思い出。そんな自分とこの本に出てくる四人はほんと似てる。
    次、8ティーンとか出てくれんかなー。

  • この4人の軽やかな会話と、4人の顔や形をくっきりと想像できるのがすごくいいな。



    本はあんま好きじゃなくて、読み始めたのは最近からやけど、このシリーズは初心者が読む本として最適じゃないかな。



    「大人になるということは、常識や愛情から自分なりの距離を取れるようになること」

    ホームレスの話が良かった。続きはもう出ないかな。

  • <b>これぞ性春の輝き!!</b>

    直木賞受賞作『4TEEN』の続編と言うだけでも、
    読むべきの一冊だが、この作品も面白い!

    16歳の少年が悩む、鬱屈した高校生活と漠然とした将来への不安、
    いつも目で追っかけていた女の子の後ろ姿と童貞喪失…
    言い出すと切りがないですが、"あーこんなこと考えた!!"みたいな
    懐かしい感じがプンプンします。

    でも一番グッと来てしまうのは、この年代だと友情ですな。
    特に最終話の『16歳の別れ』は涙なしでは読めませんでした。
    16歳でこの世を去る友との別れ、生きる事や友とは何かを考えさせられます。

    あとは個人的に『秋の日のベンチ』もオススメです。

    <blockquote><b>【内容紹介】 -Amazonより-</b>
    あれから2年。テツロー、ナオト、ダイ、ジュンの四人は高校生になった。はじめてのセックス、二股の恋愛、同級生の死。なにが変わって、なにが変わらないのか。東京湾に浮かぶ月島で、ぼくらは笑い、怒り、悩みながら、永遠と未来の間をさまよい歩く。まだ少しだけ、憂鬱や退屈や不安よりも、早く走れると信じて――。『4TEEN』のその後、四人組が駆け抜ける16歳の青春。 </blockquote>

  • 相変わらずなこの四人に会えるのが楽しい!と思わせられるお話。4TEENよりも少し暗い話が多い印象でした。少しだけ大人になったからかな。14を黄金期ってあったので、少しすぎて落ち着いた感じの四人と、各短編で出てくるキャラクターがいい。石田さんのテンポのよさと、ときどきぐっと胸をつくような言葉がつらくていとしい。大好きな作品のひとつです。

  • いや〜、実に楽しかった♪
    16歳になった彼らはちょっと大人になってて、
    人生にも恋にもリアルを感じ出してる。
    「僕もこんな16歳を過ごしたかったな」って思える。

    『4TEEN』と『6TEEN』は、
    テツローが語り手となって進んで行く物語なので、
    どことなく『池袋ウエストゲートパーク』の香りがしますね。
    しかも、主人公が少年達なので内容もライトな感じ。
    楽しくて、切なくて、泣けたりする。

    石田衣良の作品の入門編には持って来いの2冊だと思います♪

  • 14TEENが今度は大人の階段を上っていく。

    この主人公たちは、他と全く違うのはそこら辺に居そうなんだけど、努力もするし、品も良い。主人公に品は重要だと思う。90年代に流行した、中学生の卓球部アニメなど、世間に悪影響しか与えなかった。理由は、品が欠け落ちてしまっていたからだ。

    それに比べて、この作品は本当に色々な中高生に、実際に読んでほしいと思う作品である。悲しみに極端に感情的にならず、極端な喜びを求めず。あるがまま進む少年たちは、粋な江戸っ子である。

  • 16歳のころの気持ちを少し思い出すことが出来た。
    もう一度あのころに戻りたいと強く感じた一冊。

著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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