工学部ヒラノ教授の事件ファイル (新潮文庫 こ 57-2)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101251622

作品紹介・あらすじ

事件は工学部で起きている。定年退職して後顧の憂いがなくなったヒラノ元教授は、象牙の塔で目の当たりにした悪事を一切合財ぶちまけた。研究費横領、経歴詐称、セクハラ、アカハラ、データ捏造、論文盗作、そして美人女子大生の蜜の罠……理系世界の暗部を暴くヒラノ教授の筆はますます冴え渡る! 日本の未来を担う工学部キャンパスで勃発する「犯罪」の数々を紹介した実録秘話。

感想・レビュー・書評

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  • 面白すぎるが実話であろう。
    事件は全部時効らしいので捕まることはないが,陰口叩くやついないか?

  • 377.2

  • 工学部のなかでも異色の数理計画法や金融工学といった、実験ではなく数学理論の教授がみた、大学内部の実情を暴露した本。
    自分も工学部出身だが、教授と頂点とする階層構造には学生でありながらもほとほとうんざりしていたので、このような階層構造のただ中にいる人物はさぞ大変でしょう。
    なんといっても殺人にまで発展することもあるそうな。
    そんな物騒なものばかりではなく、ちょっとした経費のごまかしなどの軽めのおはなし(軽いと言えるかどうかちょっと疑問であるが)も。

  • 理系の教授の話。引退した人なので、暴露された内容は一昔前前のことらしい。
    かなり大変そう。まったく知らない世界なので、面白い。

  • 大学は、研究も教育も枠に嵌められない臨機応変さが要求される職場なのだろう。ここで文部科学省やら財務省などのお役所的事務が行われることにカラ出張や不正経理の温床が有るのであろう。
    また大学という競争環境がデータねつ造や盗作事件を生む。
    お金と競争と教員と学生がマーブル状に渦巻き混沌とした世界 = 大学。

    単位欲しさに教授を誘惑する女学生のエピソードが笑える。

    ガリレオの湯川先生は、事件捜査にかまけて論文を書く暇はあるのだろうか?

  • 面白かったです。

  • 不正が起こると規制が厳しくなる。規制を遵守すると不合理なことが起こる。上手く切り抜けることが肝要だ、と言ってるように思える。2015.3.1

  • 一般には知られていない工学部の実態を隅から隅まで暴露する。単位略取、違法コピー、大学という超格差社会、研究費の不正使用、論文盗作とデータの捏造、キャンパス殺人事件・・・・・・。タイトルを読んだだけでもそそられる。掉尾を飾るのは「STAP論文事件」。小保方博士がネイチャー誌に投稿した論文は、度重ねて拒絶査定を受けていた。審査をパスするため、竹市センター長の求めにより論文作成に参加させられたのが笹井博士。派手な宣伝活動を行い経験未熟な駆け出し研究者に責任ある地位を与え、論文内容の正しさを確認するプロセスをスキップし、優れた研究者を自殺に追い込んだ理化学研究所は今も健在。研究体制の抜本的改革が求められる。

  • 当然ですが、大学関係者も人間であって。
    ある程度の遊びが無いと、十分な成果は出ない。

  • 異分野とはいえ業界人なので、
    思った以上に楽しめました。

    研究費を業者にプールさせるとか、
    誰がやるんだよそんな違法って思ってたけど、
    そういうメカニズムだったのか。
    理系と文系の違いは面白い。

    後半になればなるほど硬派な話になっていくけど、
    そっちもかなり興味深い。

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著者プロフィール

中大

「1992年 『数理決定法入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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