谷内六郎の絵本歳時記 (新潮文庫 草)

著者 :
制作 : 横尾 忠則 
  • 新潮社
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本棚登録 : 45
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101252018

感想・レビュー・書評

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  • かわいらしい表紙が気に入って、大昔母から譲り受けたたいせつな一冊。
    谷内六郎さんの目線はひたすらやさしい。
    蟻が10匹ありがとう。
    自分の棺に入れる一冊なら絶対にこの本と思っています。

  • 子供心に記憶された甘美な幻想と恐怖を描いた画家です。

  • 実家の本棚にあってこっそり読んでた本。
    今自分のそばに置きたくて購入。
    記憶に残る風景。何度も見返したくなる。

    雨の日の滲んだ感じ

    晴れの日の突き抜けた感じ

    風邪の日の視界が歪む感じ

    秋の日の寂しくて心許ない感じ

    子供の時にしか感じる事が出来ない風景がこの本で感じられると思う。

  • 週刊新潮の表紙を飾った谷内氏の絵から、横尾氏が編集して文庫にまとめたミニ画集&短文集。
    歳時記、とあるように、季節にあわせて編集してある。

    絵も素敵だけれど、添えられた短文が味わい深い。
    もともと絵画系の方の文章が好きなのだけど、素朴な文章の中にはっとさせられる「気づき」が潜んでいる。
    観察眼が鋭いというか、画家の目は特別なのかなと思う。

    自分が虫好きなので、特に虫関係の(「庭の事件」>蟻の話など)作品が好ましかった。

    でも、一番いいなあと思ったのは、「工場にいた魚」という作品で、工場の水たまりにいた魚は錆びた歯車やネジでした」という一文に惚れた。

    巻末には横尾氏の短い作品解説があり、横尾氏が絵をどう見たのかがわかるので、横尾氏ファンにもお薦め。

  • (2002.02.15読了)(拝借)
    商品の説明 amazon
    *幼い日の思い出、それは純真無垢な喜びと哀しみ、未知のものへの怖れと憧れに彩られて、いつまでも私たちの記憶の奥深くたたえられています。心に甦る数々の光景を優しさあふれる眼で見つめ、想像力豊かに描き続けた谷内六郎の郷愁の世界をあなたに。「週刊新潮」25年、1300枚の表紙絵から、もうひとりのイマジネーションの天才が共感をこめて編む抒情と幻想の四季のうた。

  • 小さい頃からだが弱くて近所のセキヤセンセイとシンタクセンセエという小児科の医院にしょっちゅう通っていました。
    ことにシンタクセンセエの待合室には「週刊新潮」がたくさん置かれてあって子どものことですから中身は読みませんでしたが表紙の絵だけじーっと見つめていました。
    その絵の作者が谷内六郎さんです。

    大人になってから谷内さんの視点は病気の子どもの視点だと思いました。
    だからあんなにも深く共感できたのだと。

    病気がちな子どもはほとんど空想の世界に生きています。
    家の内から眺める風景であったり病床での想像であったり熱にうかされながら見る夢であったりたとえ外を歩いていてもすぐ空想の世界に入り。
    あるいは予感される死を反映した…。

    基本的には夜の絵。
    夜の気分のまま描かれています。

    《始発の電車には夜の明かりがついていてまだ夜の子供が残って乗っているようです》

    この一冊は千点を越えるらしい表紙絵から横尾忠則さんが91点を選んだものです。
    ふたつの特異な才能の相乗効果。

    いまのぼくから「病気の子ども」の視点は失われているかなと考えてみました。
    どうやらぜんぜん失われてません。
    完全に根付いてしまっているようです。
    だからこの作品集も変わらず魅力的です。

    最初の「初日の出」という絵に添えられた文章《磯のにおいも波の音も昔と変りない、砂山のかたちも岬のかたちも昔と変りない、だけど一緒に玉藻をつんだ少女はいない、桜貝のような唇で浜辺の歌を歌った少女はいない》という冒頭にあやうく涙するところでした。
    郷愁の画家でもあります。

    どーでもいいけど「ちびまるこちゃん」の野口さんは谷内六郎的キャラかも?

    今年最後の読書としてはいいものでした。

    (2005年12月31日読了)

  • 幼い日の思い出、それは純真無垢な喜びと哀しみ、未知のものへの恐れと憧れに彩られて、いつまでも私たちの記憶の奥深くたたえられています。心に甦る数々の光景を優しさあふれる眼で見つめ、想像力豊かに描き続けた谷内六郎の郷愁の世界をあなたに。「週刊新潮」25年、1300枚の表紙絵から、もうひとりのイマジネーションの天才が共感をこめて編む抒情と幻想の四季のうた。(カバー裏解説文より)

  • 母の本棚から、わたしの本棚へと引き継いだたいせつな一冊。
    すりきれるほど読んで読んで読んだ、作品。
    イラストも、イラストに寄せてある文章も、いちいちが愛おしい。

    蟻が10匹、ありがとう。

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著者プロフィール

画家。1921(大正10)年、東京・恵比寿生まれ。10代より新聞や雑誌に漫画やカットを発表する。1955(昭和30)年、第1回文藝春秋漫画賞受賞。翌年の「週刊新潮」創刊から表紙絵を担当し、人気を博した。1962年、第17回芸術祭奨励賞受賞。1981年に59歳で没するまでに描いた表紙絵は1300余点。表紙絵以外にも、挿絵や装幀、絵本、広告、福祉活動など幅広い分野で活躍した。2007年、横須賀美術館に併設して谷内六郎館がオープン。

「2016年 『昭和という たからもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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