こころの処方箋 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101252247

感想・レビュー・書評

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  • 少し難しいが、とても人生がガラリと変わりました。

  • 勧められて読んでみたが読みやすく非常に良い本だと思った。この人は人間というものを理解しようとしてきた人で、それだからこそ当たり前の事実を説得力のある言葉で語れるんたと思う。「人の心などわかるはずがない」この言葉こそこの本の主張するところであり、さりとてそこに沈殿するのではなく命をかけて人間を理解しようとする姿勢が素晴らしいと感じた。また折に触れて読み返したい。

  • 『「幸福」は大切なことながら、人生の究極の目標にするのはどうかと思う』
    さりげない一言に見えて、幸福をあらゆる行動の正当化に使うなという強いメッセージだ。

    話しかけるようなそぶりで、複雑なことを矮小化せずにでも噛み砕いた短編集。
    暖かい文調で決して読者になんらかの思想や負担を強制はしないのに、生きることについての姿勢に甘えを許しすぎないのが、とても好きだ。

    人生のどの段階にいても響く文章があるエッセイ集だと思う。どう生きるべきか、どんな人間でありたいか、を改めて問う機会になるだろう。読みやすいはずが、しばし本を抱え込んで考え込む、贅沢な読書体験だった。

  • 著者本人があとがきで書いてる通り、この本には常識が書いてある。

    この本は常識を確認すると共に、他者の一面・性格を断定せずに深掘りすることに役立つ。

    自分の好きな?トピックの番号をメモとして残す
    11,14,16,21,30,34,40,48,50

    まあ、上にあげたトピックは自分が共感する部分ということだろうから、これ以外のトピックを読んだ方が他者理解返っては自己理解につながると思う。これもメモとして。

  • ふたつよいことさてないものよ

  • 易しい話し言葉の口調だが、ハッとしたり心にストンとと落ちてくる示唆に富んだことばかり。
    2016.4.10

  • 常識や当たり前のことを正面から素直にとらえる。それこそが著者が説く「こころの処方箋」であると理解した。それは冒頭の言葉にすべて凝縮される。「人の心などわかるはずがない」-まさにその通りなのである。こうした「常識」ともいえる自然な考え方こそ、こころを支える力となる。20年の時を経て、全く色あせない金言の塊である。

  • 何年かおきに何度も読み返している。特に「上手く行かないなぁ」という時に効果がある。少し風邪をこじらせた時に近所のお医者さんで出してもらう薬のようで、まさにタイトル通り。1つのテーマが短くすぐに読めるあたりも「食後30分以内に服用」レベルに手軽だが、読む時々であらためて腑に落ちることも多く奥の深い本。今回は「ものごとは努力によって解決しない」「100点以外はダメなときがある」「己を殺して他人を殺す」あたりがスっと入ってきた。よほど溜め込んで疲れているのだろうか。また少しこの本に助けられた気がする。

  • 55の味わい深い言葉、その河合流解説

    1 人の心などわかるはずがない・・・心の専門家がそういう
    2 ふたつよいことさてないものよ・・・ふたつわるいこともないんだろうな
    3 100%ただしい忠告はまず役に立たない・・・普遍的な忠告は役に立たない、個別に「自分を賭けて」やらねばならない。
    10 イライラは見とおしのなさを示す・・・なぜヒトはイライラするのだろう
    16 心のなかの勝負は51対49のことが多い・・・2対0だと完敗でも
    19 男女は協力し合えても理解し合うことは難しい・・・確かに
    20 人間理解は命がけの仕事である・・・
    21 ものごとは努力によって解決しない・・・でも努力ぐらいしか出来ないのでやらせていただくという、河合隼雄のスタンスが・・・
    22 自立は依存によって裏づけられている
    32 うそは常備薬 真実は劇薬・・・そう、正しいことを言えばいいというもんではない、ということは分かっているのですが。
    35 強いものだけが感謝することができる・・・そういえば、私も感謝の言葉をいわなかったことがあったよな。傲慢という弱さがあったのだ。
    40 道草によって「道」の味がわかる・・・楽しい、なぜだろう。
    41 危機の際には生地が出てくる・・・そうそう、その人の本質が試される。本当の力が分かる。
    43 家族関係の仕事は大事業である・・・本当に大変、でもやりがいがある。
    47 二つの目で見ると奥行きが分かる・・・片目が白内障の時があったのでよく分かる。
    49 心配も苦しみも楽しみのうち・・・心配事がなくなって認知症になった人もいる
    53 「知る」ことによって二次災害を避ける・・・人間関係でも、震災時でも

    如何でしょう。
    そうそうとうなずけることがありませんか。
    んん、本当かなと思う言葉もありますね。
    人、人生、色々あるという感じ

  • ちょっと行き詰まったときに読み始めた一冊。本書はわかったつもりの常識をおさらいできるばかりでなく、時に身につまされる厳しいご指摘で心の持ち方を軌道修正してくれる。自分の行動指針を客観視する機会を与えてくれたこの一冊に感謝したい。自分を叱ってくれる人が周りから少なくなったと感じたとき、迷いが生じたときにオススメの一冊。ことわざのような目次を毎朝読むだけで背筋がピンとしますよ。

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