西の魔女が死んだ (新潮文庫)

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著者 : 梨木香歩
  • 新潮社 (2001年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253329

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森 絵都
梨木 香歩
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西の魔女が死んだ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • タイトルに「死」という言葉がついているし、読み始めると主人公は不登校
    だしで重い話かと思えば、まいとおばあちゃんの毎日が軽やかな文章で綴られている。
    ジャム作りの場面やまいが森のお気に入りの場所を見つける場面など、その場の空気や匂いをともなって風景が浮かぶ。

    最後の「西の魔女からの伝言」に涙があふれる。

    一緒に収録されている後日譚が短いながらも秀逸。

  • 西の魔女と過ごした
    宝物のような短い日々。

    心と体はひと繋ぎであり、心の健康は
    体の健康によって培われ強く輝くことを
    言葉ではなく、ゆるやかに体と心に染み込ませ
    気づかせてくれる。

    眠ること、食べること、作ること、
    育てること、生活のリズムをとること。
    特別なことではなく、基本の大切さや
    心を直感や私情で滞らせることなく
    柔らかに動かすことであらゆる問題を解いていく
    道筋を教えてくれたおばあちゃん。

    大好きな花や草木、鳥たちがいっぱいで、
    風の音が、匂いが、朝露が感じられ、
    まいちゃんのように魔女の優しさに包まれて
    いつの間にか全身がほぐれていく。
    本を開くたび西の魔女からのプレゼントのように
    いつでもここに優しさと光が待っている。
    かけがえのない1冊になりました。

  • 本を開くまで、私は西の魔女さんの事は知らなかった。
    (亡くなりました。)
    訃報を聞いて、
    今、彼女の元へ向かっているのは、
    以前登校拒否になった際に、彼女の元で世話になった孫のまいちゃんとお母さん。

    まいちゃんが
    魔女さん(おばあちゃん)の家で暮らしていた
    二年前の出来事をひとつ、またひとつと思い出すごとに
    過ぎ去った日々は蘇ってくる。

    自然と共に生きる豊かな感性を持った女性であった
    魔女さんのシルエットは、
    私の憧れの人、絵本作家のターシャ・チューダーさんに完全に重なってしまった。

    晩年、体が思う様に動かなくなり、大好きな庭仕事ができない様になっても
    「死ぬ事はねぇ…怖くないのよ♪逆にどんな所か楽しみだわ。だって行った事がないんですもの。」
    なんてほがらかに話していたターシャ。

    その死生観は、魔女さんのソレと重なる。
    死を思う物語は悲しいのが相場だけど、
    何故か優しい光に包まれている。

    そんな印象だった。

  • 話の中には自然が生きていると感じた。子供のころには、こんな風景があったなぁ。
    自分の気持ちをコントロールする、規則正しい生活をする、大人でもなかなかできない。
    子供の時に、この本に出会っていたら、自分の人生も変わっていたかもしれない。
    ばあさんの語り口は、とても丁寧だが、英国流なのか?
    人はいつか死んでしまうが、魂は残る。心の中に。

  • あまり難しいことばかり考えずに、
    自分を必要以上に追い込まずに、

    ときには、自分に素直に、
    真っ直ぐ見つめることの大切さを、

    この小説を読んで、
    改めて教えてくれた気がします。

  • 2002年1月19日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    最近、本屋に行くと、密かに気になる本があった。
    いや、本そのものじゃなくて、「現在取り寄せ中」の文字が気になった。
    それがこの本、『西の魔女が死んだ』である。
    たまたま入った本屋に1冊だけポツンと置いてあったので早速購入。
    内容は登校拒否にかかってしまった少女と祖母の交流を描いた物語である。
    ただしそこで終わりではない、もう1つ、おばあちゃんは「魔女」なのだ。
    優しくて料理上手で、よく気が利いて、さらに正しくて強い。
    多感な時期であるまいがどうしても昂ぶった感情を抑えきれずにいても、
    おばあちゃんは落ち着いて、丁寧な言葉でまいに語りかける。
    子ども扱いではない、でも無理に背伸びをさせることもない話し方。
    そんな2人の関係を見ていて、ふと思い出すのは私と祖母の関係。
    私の祖母はもちろん魔女であるはずはないけれど(やたら観察力はあるが)、
    私が幼い頃に感情をコントロールできないでいると、いつも助けてくれた。
    お互いにもっと言葉が荒かったし、たまに喧嘩腰になったりもしたけれど、
    大抵、祖母の言葉は私の心を和ませ、感情を静めてくれたものだった。

    まいは言う、「おばあちゃん、大好き」と。
    おばあちゃんが答える、「アイ・ノウ」と。

    「アイ・ノウ」、全てを包み込んでなお余りある良い言葉だとつくづく思った。

  • 中学生の時に読書感想文で書いている子が多くて、流行に乗るのが厭で、ずっと手にしてませんでした。
    ばか、ばか。
    良本。でも、今読むのと、中学生(もしくは小学生高学年)で読むのとでは捉え方も違うし、中学生の自分に変に個性派を気取ってないで読んだ方がいいよ!と助言してあげたいです。

    今初めて、読んで思った事は、死ぬことについてこう考えれたら素敵だなあと思った。
    女の子同士のグループの話も、魔女の修行も、自然のすばらしさも、白クマが北極を選ぶ話も、みんなの生き方の話も、再確認したという感覚。
    でも死について魂が身体から離れて自由になるって考えたことなんてなかった。
    解説にも死が清々しくかかれていると書いてありましたがその通りで、おばあちゃんが死んだという事実が嬉しいのか悲しいのかわからなかったと書かれているくらい死は暗かったり、みんなにあることなのにどこかタブーな扱いをされてきたのに、本当に清々しく書いてある。
    本当に有り難いことに、自分の本当に身近で大切な人を亡くした経験はしたことないですが、大切な人を亡くして辛い思いをしているひとは周りにいる。
    その人に、魂が身体から離れて自由になったんだよ、なんてことは自分の口か慰めみたいで言いたくないですが、その人が本を読むくらいになって、偶然この本を読んで、少しでも気持ちが楽になってくれたらとても嬉しいです。

  • 中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。
    Amazon より

    誰しもが通る大人への道.主人公のまいは、おばあちゃんのおかげでうまく進んでいけそうだ.
    日常から少しはずれたところに、素敵な道が隠れていることがある.まっすぐ進んでいくだけがいいことじゃない.時には寄り道周り道.いろんな人との出会いで人は成長する、ということを教えてくれる作品.いやだ、嫌いだと思っていた人が、思いがけずいい人だったり、ほんとうは自分のためになることだったり.
    自分の心に向き合い、素直に感じ考えることで、いろんな学びが得られる.

  • 読み終わった後に、なんとも言えない清々しい気持ちに、にっこり笑顔になれる、そんなお話。
    おばあちゃんのあったかい愛情に包まれながら、少しずつ成長していくまいを見て、なんだか自分も愛情をもらったような気持ちになりました。
    おばあちゃんのまいへの言葉や小説の世界から伝わるふんわりした空気感が、普段の生活で張り詰めたせかせかした気持ちを溶かしてくれて肩の力が抜けるというか。
    魔女の修行は規則正しい生活、適度な運動、五感を使い自然と触れ合う、自分のことは自分で決めること。
    これがなかなか簡単なようで難しい。
    私も魔女になりたいな。

  • 瑞々しい植物と、宝石みたいな果物。眩しい太陽と、日々を丁寧に暮らす素敵な人の愛情に守られて。

    自分にとって大切な声を聴き、不必要な声に惑わされないで。感情の流出をコントロールして。まいは素敵な魔女になる。

    とても柔らかくて暖かい物語。…なのだけれど、今の私は物語から現実へ引き戻される苦しさで押しつぶされそう。

    魔女の家を出てからも、まいは魔女になるり訓練を続けていくし、作者が言いたいことは分かっているのに、私は時をとめて時空を超えて魔女の家に留まり続けたいとしか願えない。晴れた日にまた読もう。

  • 「丁寧に生きる」ことの大切さを、噛みしめるように教えてくれる一冊。

    生きることは精神修行。死は魂の旅立ち。そんな筆者の生死観が、物語のなかに優しく織り込まれている。

    文体が柔らかく、主人公が中学生ということもあり、児童文学としても読むことができると思った。中学生ぐらいの感性豊かな子にオススメしたい。

  • 思春期で繊細なまいへのおばあちゃんの大きな愛と優しさを感じました。最後のガラスのメッセージには涙しました。まだ私の祖母は両方とも元気でそばにいるので大事にして、まいのような後悔を残さないようにしたいです。

  • 怖いと思う反面、気になる題名。
    姉の部屋から掘り出して読むと ただ単に、「面白い」のではなくてもっと深い
    意味が感じられた。

    ラストのあの約束のメッセージ。
    「ニシノマジョ カラ ヒガシノマジョ ヘ
    オバアチャン ノ タマシイ、ダッシュツ、 ダイセイコウ」
    これには、涙が止まらなかった。

    一見、カタコトの様なカタカナで埋め尽くされたメッセージには、おばあちゃんの意志が感じられる。

    まいとまいの母が“ニシノマジョ”と呼んでいた事は知らないハズなのに.....。

    まいを一人前の“ヒガシノマジョ”と認め、
    まいなら私が居なくても生きてゆける、と言っているとも考えられる。

    愛とは、素晴らしいものだ と改めて実感した。

  • 再読。レビュー書いてなかったので。

    おばあちゃんという存在は、皆、どこか魔女的な資質を備えていると思う。
    語り口の魅力であったり。
    誰も知らない知識の保有であったり。

    主人公まいは、『思い出のマーニー』でいう、素直なアンナである。
    今の世界を塞ぎ、別の世界を開拓することで、二人は成長していく。

    二人に共通して言えるのは「いつかは元の世界に戻らないといけない」という思い。
    これって、どんなファンタジーでもお決まりのように出て来るエンディングだけど、そういうお決まりを胸に抱いて逃避するまいは、ある意味で現実的である。

    生きることと死ぬことへの向き合い方は、人生をどこまで、どのように進んできたかで変わってくるのだと思う。

    まいにとって、父母では足りなかった答えを、おばあちゃんは秘めていた。
    それは、家族という形にとって、本当は必要なことなのかもしれない。

    作品の整い方として、これはもう名作。
    ラスト3ページの、えもいえぬ感動をこの分量の本で感じさせるとは、梨木香歩、すごすぎる。

  • 中学に進んで以降、不登校となっていた主人公の少女まいは、ひと夏を「西の魔女」ことまいの祖母のもとで過ごすことにした。まいはそこで“魔女の手ほどき”として、1人の人間として様々なことを学び、知り、成長していく。

    選択肢は常に自分の手のなかにあり責任も自身に生じるという考えは、いつも心に留めておきたい姿勢。これからを生きる者と、次世代にバトンを渡す者。別れの切なさもあるけれど、この夏の思い出を大切に抱えてまいは成長していくのだと思うと優しく温かい余韻が残る。

  • とってもやさしいきれいな本でした。なんでもっと早く読まなかったんだろう。

    とっても深い理由があるわけじゃないのに、学校に行けなくなってしまうまいのこころが繊細に描かれ、そして美しい魔女の世界で少しづつ大人になっていきます。情景描写、会話、共に必要最低限ですらすら入っていくのに、その香り、輝き、影、音が心に染み入っていきました。ここまで「書かずに読ませる」文章にはなかなか出会わない。書いていないところまで読み手の感動をあおる手法に、物語の感動の前に感嘆を覚えた。

    誰かの評価とか、社会の波じゃなくて、自分をずっと保ち続けること。自分の価値を自分におくこと。その大切さを教えてくれました。

  • 魔女の条件が「自分で決めること」ならば、誰もが魔女修行をしないといけないと思った。周囲に惑わされず、自分の心に耳を澄まし、自分の幸福を探すこと。何でもアリなようで、やっぱり右へ倣えが幅をきかせる今の時代には、もっと魔女力が必要なのかも。おばあちゃんの宇宙のような大きな愛に涙。

    表紙絵を担当した方が書いた解説は、おばあちゃんが送るロハスな生き方に着目し、それを推奨していたけれど、私的には「自分の人生に起きることはみな自分で選んだことなのだ」、というスピリチュアルなメッセージが印象深かった。ロンダ・バーンの「ザ・シークレット」の「引き寄せの法則」を思い出した。

  • 魔女になるって、「生きる基本を取り戻す」ことだったのか、そう感じさせてくれる作品でした。魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、というところにおばあちゃんの厳しさと愛情を感じます。
    自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はない、その理由がユーモアに描かれており、妙に納得しました。
    本書のカバーもデザインした、早川さんが解説を書いており、そちらも良かったです。

  • 初めて読んだのはいつだったろう。
    中学生か、高校生か。
    自分のことが嫌いで嫌いでたまらなくなると、助けてくれる。

    絶望を知ってるからこそ、
    もがく苦しさを知っているからこそ、
    描かれる温もり、希望が身に沁みる。

    苦しむこと、耐え抜くことが、正しいんだ、という思い込みから、上手に目線を逸らしてくれた。

  • 田舎にあふれる自然と共に生きる「魔女」。

    魔女の孫の「まい」が嫌った学校にあったのは、袋叩きにされないために望まぬ群れに参加したり、キャラを演じるという空間。それは打算的で乾ききった関係の上に成り立つ生活。

    まいの両親も、そんな乾ききった生活に浸りきって日常を生きています。

    ところが、まいの祖母は自然や愛情を大切に、そして人生といった目にみえないものを大切にして暮らしている。それは、現代の人びとからすればまさしく目に見えぬ魔法。まいの祖母が魔女と呼ばれる所以はここにあるのではないでしょうか。

    そして、いくつかの困難もありながら、そんな「魔女」との生活を通じて、まいと彼女の両親のなかで、何かが変わってゆきます。

    おばあちゃんの愛情を感じながら読んでほしい一冊です。

  • 自然の中で自立して暖かさにあふれているおばあちゃん、尊敬します。

  • 素敵なおばあちゃん。魅力的な田舎の風景。最後は涙が自然に溢れてきた。私も西の魔女から色々なものを貰った気がする。

  • 中学時代、友人が読んでいてタイトルは知っていました。が、「西の魔女が死んだ」なんてストレートなタイトルに勝手に想像を膨らまし(笑)読む気がしなかったのです。
    それを友人に勧められ、8年の時を経て、この本を手に取りました。
    情景描写がとても美しい、素敵なお話でした。のんびり、まったりなお話が好きな私にとってぴったり!自分もおばあちゃんになったら、こんな風に静かに暮らしたいなぁなんて。
    映画も見ました。原作に忠実で、私は好きです。のんびりで心がホッと温まるようなお話が好きな方にはオススメです。

  • 面白かった。初めの一文は、題名と同じ「西の魔女が死んだ。」だった。

    しかし、簡潔にいえばラストがよくわからない。
    かなりの偏読家の私は、読み終えても疑問点が多々。

    でも、内容は中身は充実して感動しました。

    後日談、いるかな・・・?と、正直思ったが。

  • 大人になった今、読んで良かった本だった。魔女修行とは、自分の生きる道を自分で切り拓く力をつける修行。その力を付けた『まい』は素敵な人生を送っていた。嬉しかった。西の魔女からの最後のメッセージに、泣きそうになりながらも笑顔になる描写。姿、形は時間の力で変化させられるが、意思は全てを突き抜ける力がある。そう教えてもらいました。読んでいる最中から自分が変われる本でした。素敵!

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西の魔女が死んだ (新潮文庫)の作品紹介

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

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