からくりからくさ (新潮文庫)

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著者 : 梨木香歩
  • 新潮社 (2001年12月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253336

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からくりからくさ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 素敵な作品。最初の方は「西の魔女」のような読みやすさよりは、「家守綺譚」のような古風な印象を受けましたが、半分過ぎからは一気に読みたくなるような展開で惹きつけられました。込み入った舞台や背景の設定が少し混乱させられましたが、「裏庭」や「西の魔女」に通じる喪失と獲得の物語で、読み終わった後の余韻は素敵です。

  • 自然と触れ合う手仕事が素敵な生活を作る。
    その描写と並行して、みなの先祖の来歴がミステリ式に明かされていく。
    その中心にはりかさんの存在がある。

    機織りに、名もなき女性が支配されながらも続けてきた営みを見たり、
    愛着と恨みは同根だと気づいたり、
    祝福と同時に呪いでもあるという真実に逢着したり、
    東でも西でもない人類の根に思いを馳せたりと、
    とにかく視座が広い。さすがユング。

    (そのため妙に説明的……なのは仕方ないのかも。「村田エフェンディ」や「f植物園」の簡素な文体のほうが個人的には好きだけど)

  • 織物や日本人形の知識が深ければさらに楽しめたのかもしれない。不思議な縁が縁を繋げていく物語。

  • りかさんの主人公、蓉子のその後のお話。
    登美子ちゃんとの再会が嬉しかった。
    正直なところ、紀久さんと与希子さんがごっちゃになってしまって話が度々よくわからなくなってしまった。
    もう一度読んでまたりかさんを読み直そう。

  • 何度となく読んでいる本。
    蓉子のつくる暮らしの基盤や家に流れる包み込むような空気に触れると丁寧に暮らしていくことへの憧れが強くなる。

    1番共感したのは紀久。

    それまで自然の作り出したものを受け入れ好んできた作り手たちだったのだけど、どうしても自然からは出来上がらない底の見えない黒を必要とする様はここのところ経験した黒い闇にとても似通っていた。
    人が生きていくということは綺麗なだけでは済まされないことがあり、それでも何世代も後に消化してしまえる強さが人にはあるのだなぁ。

    梨木香歩さんの小説は始まりから全てが繋がっていて、それは物語が始まる前からずっとずっと繋がっているというテーマでもあると感じる。

    紡いでいくということ。

    そして暮らしの丁寧さや言葉、自然の描写の美しさにたまらなく惹かれるのでした。

    うう、レビューは苦手だけど頑張ろうw

  • 草木を集めて染料にしては糸を染め、作品を織り上げる・・・
    自然を身近に感じる生活。
    純粋に憧れます。

  • 女性4人の共同生活と聞くともっとドロドロしたものを想像するけれど、確かにドロドロしそうな部分もあるんだけれども何となくカラッとして終わってしまう。それは登場人物それぞれが、個人の事情や恨みつらみよりももっと大きな、人が延々と営んできた生活の連なりの方に興味の対象をもっていってしまっているから。だから何となくみんな目の前のことには無頓着というかぼんやりしているというか
    女性というのは(自分も含めて)えてして目先のことに囚われすぎなところがあるので、そのくらいの方がちょうどいいかもしれない。

  • 野草にまつわる不思議に心に染みるストーリー集

  • どうやら梨木さんはかなり私の好みらしい。
    「西の魔女~」の作家さんだから、それも当然だけど。
    もう少し児童文学風の作風なのかと思っていたら、全然違った。
    途中、誰のおばあちゃんとだれのおばあちゃんがどうなって、おばちゃんがどうなるのかこんがらがったので、もう一度読んでよく整理したい。
    でも、こんな共同生活いいなぁ。

  • 筆者さんが草木染めをするようになるノンフィクションの本を前に読んで、またこの本でも草木染めのことがあるので興味がわきました。
    まだ読み始めたばかりです。
    また読了してから追記します。

    追記:「りかさん」は未読です。

    最初ほんわか優しい雰囲気が、途中から暗雲たちこめる感じになり、最後は壮絶な芸術となり、次へつなぐ。
    そんな風に感じました。

    「完全な闇が欲しいのだ」というところは、本当に怖かった。
    紀久とマーガレットがお蔦騒動と同じ結果になるのではと恐ろしくなった。
    そして、生理的に受け入れられないことをやるしかない辛さや、「内側から衝動のように出てくる義務感」によりやりたくないけどやりたいとなる複雑さ。
    全員に感情移入して、読み進める気持ちが重かった。

    女の人の強さだけでなく、弱さも醜さも、優しく包み込むようなお話でした。

    ただ、赤ちゃんの精神は、胎外へ出る瞬間ではなく、受精の瞬間でもなく、もっと太古の幻想的かつ神秘的なところで誕生していると私は思っているので、この作品に限らず、生まれ変わり的な考えはなかなか受け入れがたいところもあります。

    神崎の手紙の内容も、織物を学ぶ人たちに向けたものとしては必然なのかもしれないが全く知識のない私には難しくて、流し読みしてしまった。
    それでもいいのかもしれないけれど。

    みなさんのレビュー見て:
    与希子と紀久
    斧琴菊
    !!
    わぁ、変わった名前だと思ってたけど、そういうことだったのかぁ~

  • 「りかさん」の続編、と言っても、単なる話の続きではない。
    ようこが「蓉子」に成長して、紀久、与希子、マーガレットの三人の女性たちとの暮らしを通し、深みを増していく。
    物語も、それぞれの人物の過去や祖先の時代まで遡り、今と思いがけない結びつきを露にする。
    マーガレットやクルディスタンで行方不明になっていく神崎の存在のために、東西の往還も含まれる。

    複雑で、いろいろなものが混然一体となって、それでもひとつの統一体として、この物語は立ち上がってくる。
    その厚みに圧倒される。

    この物語ではもう死んでしまっているおばあさん。
    蓉子に残した、手を洗った後、しっかり水気を拭き取ればあかぎれなんかにならない、という教え。
    これを今私も実践中。
    これがなかなかいい調子なのだ。
    すごい。

  • なかなか読み進まなかった。「西の魔女が死んだ」は好きなんだけど…

  • 心の奥深いところ、本質を書いたんだと思う。少し難しかったけど、読みやすくはあった。言葉では言い表せないような、壮大な話だった。
    何年後かにもう一度読んでみたいと思う。

  •  お話はあちこちに広がり、絡み合い、複雑な紋様を織りなしていく……。
     けど、結局何が言いたいのかわからない作品でした。
     女の内面や嫉妬、それに人形や能のお面はやっぱり怖いな、という感想です。
     読んだ後に知ったけど、前作として「りかさん」、続編として「ミケルの庭」という短編があるらしいですね。図書館にないので私は読めませんが、この三部作をきちんと順番に読んだら、また違うものが見えてくるのかもしれません。

  • 女性3人が古い家で暮らす。たまには波風も立つが穏やかな暮らし。そんな本かと思っていたが、なかなか難しい。

  • たまたま共同生活を始めた4人の女性にまつわる不思議なお話。
    "からくり"が深すぎて、うまく消化できませんでした。
    私にとっては、もう少し単純な方が合っているのかも。
    梨木さんらしい物語だと思います。

  • 女性4人の共同生活。
    庭の草を使って草木染めをする人がいて、その糸で機を織る人がいて。テキスタイルを考える人がいて。庭の野草や野菜で慎ましい食事をして、生きる。
    共同生活も、こうした自立した人々との生活ならば、楽しいかもしれない。依存はしないが、影響を受け合う存在。
    その根底には、りかさんがいて、りかさんからすべてのものを慈しむ気持ちを育んだ蓉子がいる。その精神を見習いたい。
    博学で、それでいてそれをひけらかさずにじっと見つめる、梨木香歩さんの眼差しを感じられる作品。

    ―――――――――――
    女たちは機を織る。

    反物という一つの作品に並行して、彼女たちは自分の思いのたけも織り上げていった。

    古今東西、機の織り手がほとんど女だというのには、それが適性であった以前に、女にはそういう営みが必要だったからなのではないか。
    誰にも言えない、口に出していったら、世界を破滅させてしまうような、マグマのような思いを、とんとんからり、となだめなだめ、静かな日常を紡いでいくような、そういう営みが。 p.95

  • こういった丁寧さの中から美しさは生まれると思う。

    登場人物とか背景にある人形の歴史とかに関する記述は名前がぐちゃぐちゃになってしまって読みづらかった。

  • 読み返し。
    やっと児童文学以外も読むようになった頃に読んだためか、頭に刻み込まれてる作品なのですが、今、出版された月をみると、りかさんとの差が7か月しかないことに驚く。もっと経っていると思ってました。
    うーん、真剣に読んでた時期だったんだなぁ。

  • 前作『りかさん』に続く、お話。主人公の蓉子は、高校を卒業した後、染色家の道に。亡くなった祖母宅で、女ばかり4人の共同生活が始まる。りかさんは、祖母を見送りに行ったのか、不在。主に共同生活を送る4人とそれを取り巻く家族や友人、そして日々の出来事や心情の変化が主たるストーリー。りかさんを作成した人形作家や生い立ちなども、少しずつ明らかになってくるが、当のりかさんは、ほとんど登場しない。そして、結末は・・・・。
    個人的な感想としては、前作『りかさん』ほどのインパクトはなく、なかなか読み進まなかった。

  • 機織りにしろ、草木染めにしろ描写が細かくひたすらに創作意欲を掻き立てられる本でした。

  • 「生きて命があるって、異常事態なのよねぇ」

    『誰にも言えない、口に出していったら、世界を破滅させてしまうような、マグマのような思いを、とんとんからり、となだめなだめ、静かな日常を紡いでいくような、そういう営みが。私の曾祖母も機を織ることを知っていたら、少しは楽だったかもしれません。』

    「もしかすると家の中の全員他人の方が理想的な家族ができるのかもしれない」

    内容も勿論好きなんですが、文字を辿っていって気分が良くなる本でした。

  • 最初は、『女四人がレトロ感溢れる家屋で共同生活』で、爽やかそうな話だと思っていたのだが。
    ページをめくるごとに、段々ドロドロとしていき……。

    というか、あれですよね。やり逃げ……?

  • 感想を書くのが難しい小説。けっして悪い意味ではありません。むしろ、この感動をどう言葉に置き換えてよいかわからないというような…。梨木香歩さんの小説は、今まで読んだ小説のどのジャンルにも属さない、とても独特な雰囲気を持っています。小説に、ストーリーの面白さや、リアリティや共感を求める場合は、この小説はもしかしたら少し違うのかもしれません。でも、私は大好きです。梨木香歩さんの小説を読むと世界が広がります。
    全然、作品の解説になってないけど、作品の良さを上手く表現できない。皆さんがどんなレビューを書かれているか、後で見てみよう。

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からくりからくさ (新潮文庫)の作品紹介

祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして-。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。

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