エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)

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著者 : 梨木香歩
  • 新潮社 (2004年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253350

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エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 文体から、いい子ちゃん小説家と思いきや、まったく逆ベクトルの凄まじい小説だった……!
    悪意、暴力、女性性、旧約聖書の世界、罪と罰、罪悪感、の連鎖。
    死体を石で幾度も打ち付ける場面には背筋が凍る思いをした。
    願わくば最後に飛び出してきたエンジェルが、さわちゃんの心に届かんことを。

  • 風神招き、和紙のはたきで障子の桟を掃除する音、ほうじ茶で作った茶粥。
    記憶の奥底にはあるかもしれない、でも見たことはない、美しさが沁みてくるような一つ一つのこと。
    高野文子の作品を思い出したのは、私だけでしょうか?
    ばばちゃまの少女時代、同性の先生と友達に対する思慕、それが裏切られたと知った時の悲しみ。
    そして自分が望んだ通りの不幸が起こった時...
    そんな邪悪な存在である自分でも、神に赦されていると感じた時に得られる慰さめ。
    エンジェルという名の繋がりの中で、ばばちゃまにもたらされる慰さめを描いている、奇跡のような作品。

  • 美しくて、残酷で、切なくて、心に刺さる。
    おばあちゃんの少女時代と孫娘コウコの今を行き来しながら、揺れ動く繊細な心をうつしだしていく。

    もう少し大人になったらまた読み返してみたいな。

  • 死を間近に控えた「ばあちゃん」と、孫娘のコウコ、そして彼女が飼い始めた熱帯魚をめぐる物語。

    梨木作品には印象的な老女たちがいる。
    「西の魔女が死んだ」「りかさん」のような、知恵の象徴のような人たち。
    この物語でも、さわこの「おばばちゃま」はそんな感じ。
    一方、ここでは、さわこが年老いて、認知症の症状も出、死を迎えようとする状態の老女として出てくる。
    物語はさわこの少女時代と現在を往還しながら進んでいく。
    さわこばあちゃんは、少女時代、心を悪魔に売り渡した、つらい経験を背負い、今もまだその痛みから恢復していないようだった。
    物語の終盤、ツネの残した机の引き出しから手彫の天使が出てくる。
    これがさわこばあちゃんの人の救いになっていてくれるといいのだけれど、ばあちゃん自身はそれを知っていたのだろうか。
    安易にカタルシスを与えてくれないところが、梨木さんのいいところだと思う。

  • 前にも一度読みましたが、やっぱりこの本が好きです。
    残酷なことを、人間の醜いことを書いているのに、嫌悪を抱かせずむしろ悲しさや愛しさを感じます。
    神様はどんなお気持ちで悪魔を見ていたのだろう。

  • コウコと祖母、さわちゃんの物語。
    今と、さわちゃんの過去が交互に書かれている。

    さわちゃんの過去の文は、一昔前の文章で少し読みづらい。

    エンジェルフィッシュがネオンテトラを殺すシーンと、
    さわちゃんが覚醒してコウコと普通に話すようになったシーンが印象的だった。

  • ずいぶん前に読んで、ストーリーは忘れてしまったけど、静かで、なんだか少し怖い感じがしたのを覚えていた。最近、この本の1シーンの朗読を聴く機会があって、これがまたえらくドラマチックだったもので、あれ、そういう感じの話だったっけ?と気になり再読。
    やっぱり静かで、少し怖いと感じたけど、まあ、人によって受け取り方は様々だってことでしょうな。

  • 本当に悪い人は罪悪感に苛まれたりしないのだから、彼女たちは偉いと思う。

  • 夢の中のようなお話。
    でも全然優しくない。
    目が回るような。

  • 梨木香歩の本は、いつも僕の心をときめかせる。
    梨木さんの世界に、いつの間にか入っていて、ふと気づいたら、不思議な落ち着いた気持ちがそこにはある。
    エンジェル エンジェル エンジェルは、哀しくて切なくて、でも素敵な物語。
    一時間で読めるけど読み終えたあと一時間考えさせられた。
    神様が、天使と悪魔を創った。
    誰の中にも天使と悪魔がいるんだけど、さわちゃんのようにずーっと心のどこかで苦しんでいる人もいるけど、そういう人は最後は、天使が悪魔に勝って連れていってくれるのかな。

    いい本でした。

  • 少し怖かった、梨木香歩さんの言葉選びは本当に好き。今作もとても面白かった、少し難しいかなと思うところもあったけど一つ一つ理解しながら読むと凄く面白いと思う。

  • 私には難しかった
    熱帯魚の展開とさわちゃんの言動が狂気じみてて怖すぎた
    多分作者は私が全く考えたこともないことを考えてるのだろう
    こういう難しいことも考えたこともないし精神が不安定になったこともないから共感できず、、、

  • 怖いけど、魅力的だった

  • 介護が必要になったお祖母ちゃんと孫の会話、そしてお祖母ちゃんの過去。交代で登場する章はいずれも美しい日本語でさすが梨木さんだな、と思わされました。小さな水槽の中に作った世界は美しいようで、とても残酷。創造主ね、と微笑まれたものの、それは弱肉強食の結晶のような小さな世界で・・・。痴呆のお祖母ちゃんが水槽の中の世界を見ながら時折覚醒する様子は少し怖かったです。分かったようでいて、分からないような、不思議な一冊でした。

  • 原生林とは聞いたことのない出版社(ここでは新潮社版しかなかった)~コウコは学校まで距離があって帰宅するとすぐに寝てしまい,起きるのは3時。アメリカに行った伯父さん一家から引き継いだばあちゃんの夜中のトイレ同行を買って出た。引き替えに,熱帯魚を飼うことが許可され,ばあちゃんが寝ている隣の今でエンジェルフィッシュとネオンテトラを飼い始めたら,意識がはっきりしたばあちゃんは,私のことをコウちゃんと呼ぶので,私もさわちゃんと呼ぶように変えた。熱帯魚を飼い始めて私のカフェイン依存症は改善されたが,エンジェルフィッシュはネオンテトラを攻撃し始め,さわちゃんはそれを見ていても止めることができない。やがて,エンジェル2匹になったところで,同胞を攻撃し始める~意識朦朧としているばあちゃんが水槽に付けられたポンプの音で,大司教に山本さんがお茶を提供する聖堂内の天井から吊された扇風機のブーンという音を思い出す。音が消えると・・・おお成る程ね

  • おばあちゃんがサタンであるエンゼルの死骸を執拗に叩き潰すのが、怨念なのか印象的であった。おばあちゃんの学生時代の話はなかなか書けないと思える。うまい。

  • 子供向けみたいですがお子さんにはちょっと
    難しい気もします。

    おばあちゃんと、コウちゃんの語りが交互に
    入ってきます。おばあちゃんの語りが時代反映の為
    旧カナなので少し読みにくかった><

    綺麗な気持ちだけでなく悪い気持ちも必要。
    悪い存在も必要な時があると、短いお話ですが
    書かれているコトはとても考えさせれることでした。

  • 【西の魔女が死んだ】の人です
    以前、西の魔女が死んだを読んで良かったので違う本もと思い読んでみました
    薄い本なんだけど、結構重い話だったな・・・・本のタイトルから癒される話だと思って手に取ったんだけど苦笑
    孫の現在とおばあちゃんの昔の話が交互に進んでいき最後に繋がるって感じです
    おばあちゃんの辛い過去がどんどん分かってくるんだけどそれと熱帯魚の関係がリンクしてたりして・・・・
    暗い話なんだけど、ちょっと切ない終わり方だった
    深い・・・・

  • 再読: 【再読メモ】(140621 11:09) 梨木香歩『エンジェル エンジェル エンジェル』/新潮文庫/2004 Mar 1st

  • 本当になぜなんでしょうか。

    神さまは天使ばかりでなく、悪魔も必要だったのでしょうか。

    光があたるところ闇が出来、朝が来れば夜が来る。
    夏が過ぎ去れば、やがて冬が訪れ、この世には男と女が生まれる。

    宇宙に存在する、ありとあらゆるもの。森羅万象。
    片方が欠ければ、もう片方も存在することが出来ないといいます。

    コウコと娘時代の記憶を彷徨うさわちゃん。
    二人の会話は、すれ違っているようで結びついている。

    いくつものエンジェルが出会い、別れ、また交差する。
    その影には、必ず悪魔の存在。

    「おまえもかわいそうなことをした」
    わたしのなかの悪魔を抱きしめましょう。

  • 小学校中学年のころにハードカバー版を読了し、生々しい描写で熱帯魚がトラウマになりました。
    私は梨木香歩さんの作品が好きですが、ストーリーの内容とは別にして、この本は個人的にはお子さんに与えて欲しくない作品です。

  • おばあちゃん子の自分には響く。

    肉体的に自分と同じくらいに若返ったおばあちゃんと遊べたら。きっと楽しいだろうとずっと思っていた。

    その時代の開きはまるで異文化交流のようかもしれない。びっくりしあって、きっと楽しいに違いない。

  • 大好きな梨木さんの中でも特に大好きな1冊です。

  • ユウコとおばあちゃん(さわちゃん)の、深夜の秘め事?に、読んでいてどきどきさせられた。回想の部分は切なく、ラストに向かい徐々に伏線回収となり、清々しい。
    タイトルの「エンジェル」は、熱帯魚の「エンジェル」木彫り人形の「エンジェル」、そしておばぁちゃんが「エンジェル」なのかな?

  • 何とも不思議なオバァチャンと孫の関係
    なんとも不思議やけど懐かしい気持ちになる関係
    思わず色々と思い出してしまって苦い気持ちになったり甘い気持ちになったり
    心が忙しい(*´Д`)
    でも、決して嫌じゃなかったり

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